chelmicoがメジャー・デビュー作『POWER』をWARNER MUSIC JAPAN内〈unBORDE〉より8月8日(水)にリリースした。
同レーベルはtofubeatsや中田ヤスタカ、あいみょんらに加え、彼らが愛してやまないRIP SLYMEも所属している。つまり、彼女らは本格始動からわずか3年ほどで憧れの存在とレーベル・メイトになったのだ。2016年リリースの1stアルバム『chelmico』の時点ですでに並々ならぬ勢いが感じられたが、それを保つどころか、むしろ右肩上がりに加速させている。
もちろん、それにはふたりのユニークかつファニーなキャラクター、そしてキュートなルックスが有利に働いてる点は否定できないが、しかし、彼女らはそこに甘んじることなく、音楽面でも着実な進化を遂げてきた。
相模原発のヒップホップ・グループ、CBSなどを擁するするピスタチオ・スタジオのryo takahashi、ESME MORI、そしてライブ時にはバックDJを務めている%CことTOSHIKI HAYASHI、〈Maltine Records〉や東京のクラブ・シーンで高いプロップスを誇る三毛猫ホームレスなど、確かな腕とセンスのあるプロデューサー陣とタッグを組み、ポップでありながらも一癖も二癖もある、通も唸らせる作品をドロップしてきた。
今回はそんな彼女らのこれまでの集大成でもあり、きっと新たな門出を告げる記念碑的作品になるであろう『POWER』について、ふたりに様々なことを訊いてみた。2年前に行ったインタビューにも目を通してもらえると幸いだ。
Interview & Text by Takazumi Hosaka
Photo by Izumi Gibo
――メジャー・デビュー・アルバム『POWER』のリリースおめでとうございます。1stアルバム『chelmico』の時にインタビューさせてもらってから早2年。前作となる『EP』からはおよそ1年ぶりのリリースとなりますね。
Rachel:あら、もうそんな経ったんだ。早いもんだ。
Mamiko:何か、浮き沈みもありながら、バァーっといった2年だったね。
Rachel:全然わかんない(笑)。でも、2年でアルバムとEP1枚ずつしか出してないんで、曲作るペースは遅かったんじゃないかな。
Mamiko:意外とマイペースだったかもね。
Rachel:だけど、結構イベントとかはたくさん呼んでもらっていたので、長かったっていう感じもなく。もう2年経ってるんだ! みたいな。
――chelmicoとしての活動が加速していったタイミングなどはありましたか?
Mamiko:う〜ん、『EP』をリリースする前くらいかなぁ。広告とか映像系のお仕事をもらうようになり、「何? もしかしてchelmico、盛り上がってきてる?」みたいな感じはあったかも。
Rachel:そうだね〜。色々なところでの露出も増えて。
Mamiko:ね! 『火曜サイエンス』(luteのInstagram Storiesによるウィークリー番組)とかもあったし。
#lute のインスタグラム ストーリーズにて、#chelmico ( @chelmico_offi ) が出演する番組「火曜サイエンス 」が放送中? 彼女たちに衝撃的な研究テーマが出題される⁉️? https://t.co/461C65hcMl #火サス pic.twitter.com/zwDWExWl8l
— lute / ルーテ (@lutemedia) 2018年1月23日
Rachel:それも加速したポイントのひとつだよね。あと、私的にはこの『POWER』を作っている時もすごい勢いを感じていて。「え! あと2日で曲書かなきゃ間に合わないよ!」みたいな、そういう切羽詰まった感じもあったし(笑)。
あと、ライブの時の声の出し方とか体力とかにも気をつけるようになったり。昔は気にしてなかった自分たちの弱い部分がバッと見えてきたタイミングがあった。
――じゃあ、言うなれば今作の制作に対面した時に、改めてプロとしての意識が芽生えたというか。
Rachel:うん。やっぱり、やるからにはちゃんとしたいっていうか。もちろん、その前もちゃんとやってたつもりだったんですけど、1stアルバムとかEPを作ってた時は、その先まで見据えることができてなくて。その時々の限界に挑み続けているっていう意味では同じなんですけど、その限界っていうのが、どんどん自分たちの外にはみ出していった、みたいな。そんな感覚があって。
――なるほど。
Rachel:ただ、「自分たちはもっとできるんだ」っていうのはすごくポジティブなことなんですけど、同時にプレッシャーにもなって。「あれをやるためには、もっと自分たちも頑張らなきゃ」みたいな、そういう緊張感もすごくありました。
Mamiko:ボイトレも行き始めたしね。何か私たち、「プロっぽ〜」みたいな(笑)。
Rachel:「プロじゃ~ん」みたいなね(笑)。
――いやいや、もうメジャーですから(笑)。
Mamiko:まだ実感ないんですよね(笑)。
――改めて初期の作品も聴き返したんですけど、おふたりのボーカルとラップ・スキルは格段に洗練されましたよね。
Rachel&Mamiko:嬉しい。
Mamiko:ボイトレの先生、結構スパルタなんですけど、やっててよかったです。
Rachel:自分でもこういう音程/リズムが得意なんだとか、そういう特徴もわかってきたしね。
Mamiko:役割分担というか、よりお互いの長所を理解できたよね。これはピスタチオ・スタジオのryoくん(ryo takahashi)も言ってくれてて。ふたりの声域の違いがより際立ってきたって。よく聴いてるよね〜。
Rachel:よかった〜! ryoく~んありがと〜(笑)。
――(笑)。アルバムの話に戻りますが、今作は当初想像していた完成形よりも上へいけたという自覚があるということですよね。
Rachel&Mamiko:うん。
Rachel:すごい上の方へいけた。作ってる時はそういうこと思う余裕がなかったんだけど、作り終わって通して聴いた時に、「めっちゃいいアルバムじゃん!」みたいな。今までで一番の手応えというか、喜びがあった。
Mamiko:いや〜、いいアルバムですね〜これは。何か、本当に1stの方向性のままパワーアップした感じというか。
Rachel:正当進化みたいな。
Mamiko:いや、むしろこのアルバムはより尖ってると思う。
Rachel:確かに。メジャー・デビューでポップになるかと思いきや、意外にも強気だよね。
Mamiko:メジャー1発目でこのアルバムを出すのって、どう思います?
――すごくいいですよね。媚びてないというか。
Rachel&Mamiko:ハハハ。
Rachel:媚びてたらこのジャケットにしない(笑)。
Mamiko:そうそう。個人的には改めて「chelmicoの名刺」になる作品ができたなと思いました。
――そんな今作のタイトルを、『POWER』としたのはなぜでしょうか?
Rachel:2つ理由があって。ひとつはそのまんまで、パワーが欲しかった(笑)。このタイトルを決めたのはアルバム制作に取り掛かるぞ〜っていう時で、まだこの(タイトル・トラックの)「Power」もできてなくて。何かちょうどその時、体調が悪かったり、冬ってのもあって、ふたりとも元気なかったんだよね。
Mamiko:何か漠然とした不安もあったしね。
Rachel:そう。今後の活動に対して、「これから上手くやっていけるのかな?」とか、「自分たちの好きなことできるのかな?」みたいな感じで、色々な人にも相談とかしていて。そんな状態だっからこそ、「こんなウジウジしてる場合じゃないぞ!」ってことで、敢えてタイトルは元気のいいものにして、言葉の力に引っ張っていってもらおうと。
Mamiko:そうなんすよ。
Rachel:あともうひとつは、ちょうどその頃からまみちゃんのなかやまきんに君熱が再燃してきて(笑)。
Mamiko:純粋にいい単語ですよね、『POWER』って。レイチェルからLINEで「どう?」ってきて、「いいよ」って即答しました。
――タイトルの付け方的には、レーベル・メイトでもあるtofubeatsの『POSITIVE』と同じスタイルですよね。ポジティブじゃないからこそ、『POSITIVE』っていうタイトルにしようっていう。
Rachel:えー! 一緒じゃん! 趣味合う~。ちょっとtofubeatsさんとは話してみたいね。
Mamiko:一緒だね〜。
――ちなみに、Mamikoさんはなかやまきんに君のどんなところに惹かれるのでしょう?
Rachel:きんに君のことインタビューされてる(笑)。
Mamiko:なかやまきんに君のネタって、いつ見てもおもしろいし、絶対に元気になるんですよ。しかも、くまだまさしさんと同じで、心がポッと温かくなるような笑いなんですよね。
Rachel:わかる。誰も傷つけないしね。
Mamiko:そう、流行りとかとも無縁で、何回も何回も回ってくる。
Rachel:私たちは色々なところを回っているけど、きんに君はいつも同じところにいる。きんに君を中心にウチらが回ってるっていうか。
Mamiko:まぁ、惑星ですよね。
Rachel:そう、惑星(笑)。宇宙みたいなものですよ。
Mamiko:裸、筋肉、大声、おもしろ三大要素が揃っちゃってるもん。
――(笑)。実際には会えましたか?
Rachel:いや、実はまだ会えてないんですよ。
Mamiko:会いたいですね〜。
――タイトル・トラックの「Power」に声を入れてもらうに際して、どういったやり取りがあったのでしょうか?
Rachel:最初、私たちがやってたラジオ(『MUSIC ARROWS~chelmicoのBEST BAR~』)にずっと「きんに君を呼びたいね」みたいなことを言ってたんですよ。そしたらそのラジオ番組の最終回で、ディレクターのサプライズできんに君からのビデオ・レターが届いて。ラジオなんで、映像は後から観たんですけど、「chelmicoは売れるかな? 売れないかな? 筋肉ルーレット、スタート! シャンシャン……」みたいな(笑)。
Mamiko:ちゃんと鈴付けてね、ラジオ用に(笑)。そういう流れがあったので、chelmicoのことも知ってくれてるし、メジャー・デビューするってこともわかっていたので、声が掛けやすかったんです。
Rachel:で、きんに君には「パワー!」とか「今日も朝ごはん食べてきた?」っていうセリフを12種類くらい言ってもらって、そこからトラックを作ったryoくんが素材を選ぶっていう感じでした。
Mamiko:結果、12個ももらったのに3つしか使わなかったっていう。マジ、ごめんなさいっていう感じです(笑)。いつかライブにもお呼びできたらいいなって思います。
――今回のアルバムはどういったプロセスで制作を進めていったのでしょうか? 既発曲もありますが。
Mamiko:『POWER』っていうタイトルなので、やっぱりライブ映えするような力強い曲とか、カッコいい曲を入れたいなっていうのを念頭に置いて。かつ、新しい人ともやりたいなっていうので、パーゴルさん(PARKGOLF)とユザーンさん(U-zhaan)にもお願いしました。先行シングルの「BANANA」に関しては、三毛猫ホームレスさんが「こういうトラックどう?」っていう感じで送ってくれて。バッチリだったので曲として完成させたっていう感じですね。
Rachel:1stアルバムと『EP』にはライブっぽいというか、ライブ映えする曲っていうのが実はあんまりなくて。踊りやすい曲とかはあるんですけど、思いっきり「イェーイ!」って騒げるような曲が足りないなと。なので、初見の人とかでも問答無用で盛り上がれるような曲とか、ちょっと攻めてる系の曲を今回は意識して入れました。
――それはやっぱりこの2年ほどの活動の中で、色々なイベントへ出演した経験などが反映されているというか。
Rachel:そうですね。「こういう曲、欲しいよね」っていうのが見えてきた。
Mamiko:あと、やっぱりメジャー・デビューっていうのもあって、もっともっと色々な人に聴いてほしいなって。普段、あまりヒップホップを聴かない人にも届けたいって思ってましたね。
Rachel:トラックはロックっぽいテイストで、そこにラップを乗っける、みたいな。そういうのも入れてみようって。
Mamiko:「Get It」とかは本当にロックって感じだし。
Rachel:ね、こういうのがラップとかヒップホップの入り口になってくれたら最高だなって。
Mamiko:かと思えば、「E. P. S.」みたいな、思いっきり「ヒップホップ!」っていう感じの曲も入ってて。
Rachel:パーシー(TOSHIKI HAYASHI / %C)が作ってくれた曲ね。
――意外にも渋いというか、音楽通、ヒップホップ通も唸らされるようなポイントも随所にあって。
Rachel:でも、聴く人によっては「すごく明るい」とも言われるです。だから、すごくいい塩梅なのかも。渋さもあり、ポップさもあり、ちょうどいいラインを攻められたなと、我々も満足しております(笑)。
――ちなみに、「BANANA」と同時に先行リリースされた「OK, Cheers!」の歌詞は実体験?
Rachel&Mamiko:そうです!
Mamiko:共通の友人の結婚式に行った時に、一言コメント用のマイクが回ってきて、ノリで「結婚ソング作りまーす!」って言っちゃって。後には引けなくなった(笑)。
Rachel:でも、本当におめでとうって感じだよね。その時に式のBGMでchelmico流してくれてたんですけど、思いっきり祝う系というか、ハッピーな曲っていうのもそれまでなくて。「Love Is Over」はちょっと縁起悪いし(笑)。だったら、正々堂々祝いたいっていう気持ちで作った曲ですね。実際感動したしね。
Mamiko:うん、本当に綺麗だった。本人たちも曲を聴いて喜んでくれたよね。
Rachel:「泣いた」って言ってくれてたもんね。
――ハマ・オカモトさんや思い出野郎Aチームのホーン隊などが参加し、生音も取り入れていますよね。生音の導入は、「Love Is Over」でのスカート・澤部渡さんによるカッティング・ギター以来?
Mamiko:そうですね〜懐かしい。
Rachel:元々ふたりともバンド・サウンド好きだし、生音を入れたいねっていう話しはずっとしてて。まず何を入れる? ギター? ドラム? いや、ベースでしょ! っていうことになり、どういう人にお願いするのかいいのか色々話し合って、今回ハマさんにお願いしました。
Mamiko:ホーンは元々トラックに入ってたんだよね。なので、これは生音で録った方がいいのでは? って思い、酔っぱらった勢いでイベントの時にお願いしました(笑)。
――「デート」でのU-zhaanさんとの作業は流石にちょっと緊張されました? やはり目上の方ですし。
Rachel:めっちゃ緊張した! でもすごい優しくて気さくな方で、結局は全然甘えてしまったけど。
Mamiko:元々、U-zhaanさんのことがめちゃくちゃ好きで、いつかタブラの音でやりたいなと思ってたんです。で、直接お会いする機会もあったので、「トラックください」ってTwitterのDMで連絡して。そしたら「いいよ!」って(笑)。
――環ROYと鎮座DOPENESSのKAKATOとU-zhaanさんが一緒にやった曲を想起するというか。
Mamiko:KAKATOも大好きなんで嬉しいです!
――作詞面での変化はどうでしょう? 個人的には、スタンスは変わってないけど細かい表現方法とかが洗練されたなと思うのですが。
Rachel:めっちゃ嬉しいな!
Mamiko:リリックの書き方も変わってないですね。
Rachel:でも、今回はテーマ選ぶのには結構難航したかも。「OK, Cheers!」は最初から決まってたけど。
Mamiko:「Get It」とかは本当に悩んだよね。
Rachel:何歌う? 何か「アガってこーぜ!」みたいな曲書く? ジャバ(JABBA DA FOOTBALL CLUB)を見習って、みたいな。
Mamiko:そうそう。でも、書けないんだ……。
Rachel:アツいこと言えないんだ、私たち……。
――(笑)。
Rachel:それで、結局二日酔いの歌にしたらスラスラ書けたんだよね。リリックはより自分たちの生活に寄ってきたかもしれない。前まではちょっと妄想みたいなものが多かったんですけど。今回はほぼ日記みたいな感じで。お酒好きだから「Get It」とか「BANANA」はそういう感じのリリックになってるし。
――今回のアルバムの中で、それぞれ特に気に入ってるラインなどはありますか?
Rachel:え? 自分の? う〜ん、長考に入りま〜す!
Mamiko:え~。……私は「E. P. S.」かな。この曲は恵比寿BATICAのイベントと、パーシーについてのことを書いてるんですけど。
――この前のBATICAの周年イベントですか?
Mamiko:そう。“今宵エイトに行くのはリハの後”っていうとこ、これめっちゃ私が言いそうなラインだなって。この曲はすごいスラスラ書けたんですけど、改めて見るとこれはいい手紙というか、LINEが書けたなと。あと、この曲はセク山(SEX山口)さんにも褒めてもらえたっていうのも思い出深い(笑)。
Rachel:え、そうなの? 何て?
Mamiko:何か「リリックがいいね」みたいな感じでLINEくれて。
Rachel:セク山さんとLINE交換したのかよ(笑)。でも、確かにこのリリックはすごいヒップホップだよね。
――リアルですよね。
Mamiko:あとは、「デート」の“スパ”で踏んでいくところ(“ぽかぽかなりに行こうスパ/帰りにはスーパー寄って/とことんスパイス入り/ちょっと凝ったカレー”)も好き。レイチェルは?
Rachel:いや、めっちゃあって悩んでる。結構ね、歌詞書くの好きなんだよね。今回で言うと「Good Morning」とか「OK,Cheers!」とかは最初にメロがあって、フックもそれにハメていったんですよ。それがすごい楽しくて、上手くハマったなっていう手応えを感じた。リリック自体も少し違和感を出す言葉を使えたというか。普通、サビで“かこつけて”とか使っちゃいけないと思うんですよ。“カッコつけて”に聞こえちゃったりするから。でも、そういう違和感が私はすごい気に入ってて。……本当に、まだまだいっぱいあって。一曲一曲語ってたらヤバいよ? 5時間ぐらい経っちゃうよ?(笑)
――なるほど(笑)。本作はジャケも強烈ですが、これはどういったイメージで?
Mamiko:私が犬と一緒に撮りたいって言って、レイチェルは夏だけど毛皮着たいって言って。
Rachel:あと、「黄色と緑がいい」って言ったらこうなった。テンコ盛り(笑)。
Mamiko:本当にすべて実現した(笑)。
Rachel:このままだね。デザインはこれまでと同じく大倉(龍司)で。私たちの好みもわかってるし。
Mamiko:ジャケットもそうだけど、トラック作ってくれてる人たちもほとんど1stの頃から一緒にやってる人たちだから、本当に作りやすくて。しかも、みんなレベルアップしてるから、一緒に成長していっているのを実感できてるというか、歩みを共にできてる。本当、心強い仲間たちって感じですね。まだ2年くらいの付き合いだけど、気心も知れてきて。
――%Cさんやピスタチオ・スタジオのメンバー、三毛猫ホームレスも、どんどん活動のフィールド、規模を拡大させていますよね。
Rachel:そうそう。うちらは寂しいよ、寝取られた〜みたいな(笑)。
――ハハハ(笑)。
Rachel:っていうのは冗談で、本当にそういうのがすごい嬉しいんですよね。別のところでも一緒に大きくなっていってるなって。
――他にもジャバにしろ〈OMAKE CLUB〉にしろ、それぞれが緩やかに繋がりながらも、みんなステップアップしていって。
Rachel:メンツは変わらないのに、ちょっとずつ出演するライブハウスとかクラブが大きくなったりしてさ。
Mamiko:シーンとして広がっていくのが嬉しいよね。
Rachel:本当にみんないい音楽やってるから、「みんなもっと聴きなよ~」みたいな気持ちになるよね。このままで、行けるところまで行きたいなって。
――メジャー・デビューというのはやはりchelmicoとしても大きいターニング・ポイントのひとつになると思うのですが、これまでのchelmicoとしての活動に対してはどう考えていますか? 変わらない部分もあれば、変えていかなければいけない部分も出てくるのではないかと思うのですが。
Mamiko:でも、基本的にはこのままでいきたいよね。もちろん体力とか、歌とかラップはもっと上手くなりたい。これからもっと大きいステージに立たせてもらえるなら、やっぱりそれに伴ったパフォーマンスができるようにならなきゃって。
Rachel:大人になったな~(笑)。
Mamiko:2年前のあいつら(自分たち)に言ってやりてぇよ。
Rachel:「お前ら、今から走って体力付けとけよ!」って(笑)。
Mamiko:変わらないでいるために、変わらなきゃいけないんだよね。
Rachel:そうね。いい言葉。何かこれ……見出しじゃない!? これ、見出し決定だね(笑)。
――(笑)。
Rachel:ライブだけじゃなくて、作品もどんどん良くしていきたいしね。欲張りになっちゃうよね。
Mamiko:うん。ダサいのは絶対出したくないし。でも、たぶんその時々でパワーアップできると思うので、あまり気負わずにね。
Rachel:そこは、変わらずにね。
――メジャー・デビューして、より多くの人にchelmicoが届くようになったわけですが、自分たちの見られ方については何か改めて考えたりしていますか?
Rachel:あ、メイクちゃんとしなきゃとか?
Mamiko:確かに最近、レイチェルがちゃんとメイクするようになった(笑)。
Rachel:ずっとスッピンで歩いてたけどそろそろヤバいなって(笑)
――(笑)。
Mamiko:基本的に素を出してるだけなんですけど、最近はお笑い寄りになってきてるかも(笑)。
Rachel:うん。全然音楽関係ないメディアにも出たりとかね。ほとんど音楽の話をしないっていう場面もあるよね。
Mamiko:それはそれでいいと思ってます。自分たちにとっては新しい体験なので。でも、根っこはアーティストなんだっていうことはいつも忘れないようにしてる。音楽でナメられたくないし。
Rachel:そういう意味でいったら、カッコいいラップを見せつけたいっていうのが一番核にあるよね。そこだけは絶対にブレないようにしたい。これでラップがダメだったら本当に「お前ら何なの?」ってなるからね。
――なるほど。前回のインタビューでは、最後に今後の目標をお聞きした時、バラエティー番組やコントをやりたいっておっしゃっていたんですけど、それも実現しましたよね。それも踏まえて、今のおふたりの目標を再度教えてもらえますか?
Rachel:車の免許を取りたい。
Mamiko:免許取りたい。
――(笑)。
Mamiko:chelmicoとしては、“真夏のWOW”(RIP SLYME主催フェス)みたいなイベントがやりたい。新木場STUDIOCOASTでフェスがしたいです!
――いつもの仲間たちを呼んで?
Rachel:そう! 最高のメンツ! いつもの仲間たちに加えて、呼んでみたい人とか。
――わりとすぐに実現しちゃいそうですね(笑)。
Rachel:もうちょっと意味わかんないことも言っとく?
Mamiko:家買うとかにしとく?
Rachel:家買いたいな〜。でもchelmicoでやることじゃないよね(笑)。私も家欲しいんだけど。
Mamiko:え~ちょっと待って~。
Rachel:じゃあ『天てれ』(天才てれびくん)に出る! 変な服着て『天てれ』に出て、「みんなのうた」に選ばれるとか。
――それも2年前言ってるんですよね(笑)。
Rachel:言ってんのかよ!(笑) でも叶ってないから、これは言い続けます。みんな忘れないように、私たちは『天てれ』に出たいです!
Mamiko:難しいね、夢っていうのは。渋谷ジャックとかは?
――この前、PARKGOLFとJvcki Waiのコラボ曲のMVがスクランブル交差点で流れてましたね。ああいう感じで?
Our MV from Shibuya to the world…again!!! luteのMV、渋谷スクランブル交差点をさらにジャック中! PARKGOLF × Jvcki Wai「xaradise」 #shibuya #tokyo #韓流サードウェーブ #lute pic.twitter.com/7Axo5hCGsN
— lute / ルーテ (@lutemedia) 2018年6月28日
Rachel:あ、やってたね!
Mamiko:なに〜じゃあそれも取りやめで。
Rachel:日本ジャックは?
Mamiko:それも1ヶ月間!
Rachel:単純にデカくする(笑)
Mamiko:世界ジャックにする?
Rachel:うん。世界ジャックで。
Rachel&Mamiko:chelmicoで世界ジャックします!
【サイン入りチェキプレゼント企画】
SpincoasterのTwitterアカウントをフォロー&下記ツイートをRTでchelmicoのサイン入りチェキを3名様にプレゼント。発表通知はTwitterのDMにて行わせて頂きます。
キャンペーン期間:8月13日(月)19:00〜8月20日(月)19:00
【プレゼント企画】
chelmicoのメジャー・デビュー作『POWER』のリリースを記念し、ふたりのサイン入りチェキ?を3名様にプレゼント‼️ 応募方法はSpincoasterのTwitterアカウントをフォロー&このツイートをRTするだけ✍️ 期間は〜20日(月)19:00まで。詳細はコチラ? https://t.co/WumAFoRZrA pic.twitter.com/xqEw3sQljR— Spincoaster/スピンコースター (@Spincoaster) 2018年8月13日
※チェキの指定はできません。
※当選通知送信後48時間以内に返信がない場合は辞退とさせて頂きますので、ご了承くださいませ。
【リリース情報】
chelmico 『POWER』
Release Date:2018.08.08 (Wed.)
Label:unBORDE
Cat.No.:WPCL-12909
Price:¥2,800 + Tax
Tracklist:
1. Power
2. Player
3. OK, Cheers!
4. Get It
5. BANANA
6. サマータイム
7. UFO
8. E. P. S.
9. Good Morning
10. デート
11. Highlight
12. 午後
13. Love Is Over (1UP Version)
※初回プレス分:ステッカー封入
【イベント情報】
“真夏のPOW”
日時:2018年9月7日(金) Open 18:00 / Start 19:00
会場:東京・渋谷 WWW X
料金:前売り ¥3,240 ※Sold Out
[info]
HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999