ナカコーことKoji Nakamuraが手がけた3時間におよぶBGM作品『河村の風』が公開された。
本作は、愛知県瀬戸市に本社を置く、1919年創業の老舗電設資材メーカー「河村電器産業」の工場、オフィス、食堂、自然環境、展示会、海外拠点など、企業活動の現場で収録した300以上の音の中から厳選した音を再構成して生まれた作品となっている。
制作にあたっては、音を活用して企業や地域の個性を表現するクリエイティブサンプリングコレクティブ「スポンジ バンッ バンッ」がクリエイティブプロデュースを担当。スポンジ バンッ バンッが提唱する、企業や地域、人の活動の中にある音を採集し、その存在を象徴する音として再構成する手法「象徴音®」という考え方を用いている。単なる記録ではなく、その場に流れる空気や時間、関係性まで含めて音として立ち上げることで、言葉やビジュアルだけでは伝えきれない個性が表現されている。


集音は工場だけにとどまらず、およそ1年にわたり、日本国内の工場(暁・本地・郡山)をはじめ、中国・タイの海外拠点、展示会会場、新社屋建設現場、オフィス、食堂、さらには池や竹林といった自然環境まで、企業活動のあらゆる現場で実施された。
その内容も、板金や溶接、組立といった製造音だけでなく、食堂のやりとり、社員の足音、懇親会での乾杯や拍手、入社式の音、展示会での接客や機器の動作音、そして風や水、虫の声といった自然音にまで及ぶ。こうした多様な音の中から112の音を選び、約3時間の環境音楽として再構成したのが『河村の風』だ。
タイトルには、制作を進める中で浮かび上がったという「風」という言葉を採用。河村電器産業の現場には、ただ機械が動いているだけではない、ただ人が働いているだけでもない、場全体に流れている「良い空気」のようなものがあるという。人が働く気配。ものづくりのリズム。積み重ねられてきた時間。そして自然と共にある環境。そうした要素が重なり合う感覚が、『河村の風』という作品名に込められている。
なお、本作『河村の風』は、2026年4月に管理機能が移転する新オフィス「アンサンブルセット」をはじめ、河村電器産業のさまざまな拠点で流れるBGMとして活用予定だという。企業活動の音を記録するアーカイブであると同時に、企業文化を音で表現する試みとして、空間体験の一部を担う作品となる。










