この度、Spincoasterは『Rootscoaster』という新しい企画をスタートさせることになりました!
これまでSpincoasterのMemberページでは「キュレーターの影響を受けた3曲」を紹介していましたが、「もっと色んな人たちの心を震わせた楽曲を知りたい!」という想いからこの企画が立ち上がりました。Rootscoasterではアーティストに留まらず、様々な分野や業界の方からも『自身のルーツと呼べる特別な3曲(Roots TracK)』を紹介していただきたいと考えています。どうぞお楽しみに!
記念すべき第1回目は4/5のSPIN.DISCOVERYに出演するHercelotです。
チルドレンポップと呼ばれるおもちゃ箱をひっくり返したかのような賑やかで、可愛くて、ワクワクする音楽を発信し続ける、Hercelotの音楽的ルーツを紐解きます。とっても丁寧に言葉を綴ってもらいましたので、ぜひ、コメントもじっくり読んでみてください。またHercelotに関してはこちらで詳しく紹介しておりますので合わせてチェックをお願いします!(Written By Kohei Nojima)
1.HIFANA / Fresh Push Breakin’ – Intro (No Sequence Fresh Push Mix)
『HIFANAのライブ映像をスペースシャワーTVで観たのが、音楽制作を始めた直接の切っ掛けです。今も僕はあらゆる楽器演奏が出来ませんが、効果音がリズムよく鳴ればそれだけでも良いだろうと思っていたフシがあります。かれらのライヴパフォーマンスの素晴らしさは各種動画を見てもらうとして、特筆すべきは分け隔てない音色選び、組み合わせ方です。今は枝葉の装飾豊かな曲も多いですが、かれらは幹のサウンドイメージありきではなく、太い枝だけで構成されているような…… リズムにしか依拠しないからこその自由度の高い取り合わせにグッときます。』
2.Joseph Nothing / A Shine On Your Head
『音楽漬けになりがちな高校生の頃。たとえば海外の有名アーティストが出す洗練された、文句なしに格好良い音より、とにかく濃い口のわかりやすい個性に惹かれていて、ROMZ RECORDがリリースする音源はまさにそんな欲求にうってつけでした。現在も最も好きなレーベルです。Joseph Nothingは、素朴で牧歌的なメロディセンスと複雑なビートプログラミングで、ちょうどよいサイズの神々しさを聴かせてくれます。不躾な比喩ですが、「どんな生まれ方をしてきても自分の子供なら愛せてしまう」ような本能的な愛しさを感じます。いつまでも聴ける曲です。」
3.Gangpol und Mit / Chinese Slavery
『“ブレイクコア”という情報の洪水みたいな喧しい音楽があるのですが、これをハードコア一辺倒でなくポップな音色で実践する奇特な人たちがいます。Milky-ChuやPlus-Tech Squeeze Boxなど。そういった波形編集を目一杯活用した音楽に匹敵する情報量を、ドレミの打ち込みで展開しているのがGangpol und Mitです。楽譜にしても損なわれないような情報量のパニックと、キュートかつ少しアイロニカルな実装に、非常に大きな衝撃を受けました。あと、スピーチシンセ・ボーカルは萌えだと思います。』
Message
『影響を受けた作品は数知れません、だいたい、僕は音楽を作るより聴くほうが得意です。きりがないのでYouTubeにあるもので選びました。音楽に限った話ではないのですが、「小さな個性の過密」に惹かれます。完成された物語や一つのメッセージを能動的に発信する作品も勿論好きな一方で、条件や場を提示するくらいでそこに聴き手を放り込むような作品にもまた異なる味わいがあるナアと思います。コンパクトで多面的。8坪の店舗に沢山の商品を詰めこんだ雑貨店のような。そういうものもたまには面白いのではないでしょうか。』
Hercelot
ハースロットはフィクションの音楽家。2006年より独学で音声コラージュを始める。Maltine Recordsに所属し、東京のクラブを中心にLive Actを行っている。東京女子流や橋本甜歌、KUSA、Idiot Pop、dj newtown(tofubeats)など数々のRemix Workを手掛け、2013年にはフルアルバム “Wakeup Fakepop” を同レーベルよりリリース。アメリカンカートゥーンから教育番組、また買い集めている絵本、幼児向け玩具、などのモチーフを背景に、どこかちぐはぐで色彩感の強いチルドレンポップを制作している。
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