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REPORT | Kenta Dedachi “ALL-IN JAM with Ryu Matsuyama”


「一度切りしかない人生に全てを賭けて」──Ryu Matsuyamaを迎えた記念碑的ライブをレポート

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2023.12.26

Text by Z11
Photo by @p1nkno1se, 溝口元海

シングル4作のリリースや6都市を回る初のライブ・ツアーの開催など、2023年を全速力で駆け抜けたKenta Dedachi。そんな彼が今年の総仕上げとして開催したのが、バンド・メンバーにRyu Matsuyamaの面々とKentaのサウンド・プロデュースも務めるKOSENを迎えて挑んだワンマン・ライブ『“ALL-IN JAM with Ryu Matsuyama”』だ。

12月10日(日)に東京・恵比寿LIQUIDROOMにて最終日を迎えたこのライブは、これまでの音楽活動の集大成であるとともに、音楽を通じて出会ったミュージシャンたちへのリスペクトも垣間見える記念碑的なライブとなった。

集まったオーディエンスの熱気で膨れ上がる師走のLIQUIDROOM。ライブハウスならではの緊張感を湛えながら、アンビエントなオープニングからライブがスタート。Kentaがステージに上がると大きな拍手が巻き起こり、そのまま拍手がハンドクラップに繋がって1曲目の「Sparkling Lemonade」へ。《Sparkling Lemonade Love》の歌詞に合わせて、ハートのハンドサインをつくるオーディエンスに会場の一体感が高まる。

今日のライブを支えるバンド・メンバーを紹介すると、ファンキーなナンバー「Step by Step」を演奏。KOSENのギター・ソロが会場を沸かせるなど、演奏からバンド・メンバーそれぞれの個性が立体的に立ち上がってくる。

KOSEN

「人生で初めてコラボして作った曲です」と紹介し、音楽クリエイティブ・ユニットAmPmとのコラボ曲「more」を歌い上げ、続いてRyu Matsuyamaオリジナル楽曲「blue blur」をKentaがカバー。芯のあるKentaのボーカルとRyuの繊細なコーラスの美しいコントラストがLIQUIDROOMを満たしていく。

ここからライブの雰囲気は、ガラッと変わって内省世界に潜り込むような静謐な世界が繰り広げられていく。LAの多様性にインスピレーションを受け、自身のコアな部分に迫ったKentaが“生々しい”、“ありのまま”といった意味を持つ“Raw”をテーマに制作したという「Hunger for Blood」をオーディエンスに投げかける。フォーキーな演奏にアース・カラーでまとめたKentaの衣装も楽曲の世界観を引き立てていく。厳かな雰囲気を引き連れて「今年あった楽しかったこと辛かったこと、それを乗り越えられたことを噛み締めて歌いたい」というメッセージからRyu Matsuyamaオリジナル楽曲「Hands」に繋ぐと、身を切るように切実な歌詞と透き通るようなRyuのボーカルが心に染み込んでくるようだ。

会場が冬の日の朝のような澄んだ空気に変わると「Jasmine」が披露され、キーボードとボーカルのシンプルな構成による祈りにも似たアンサンブルが響く。霧が立ち込めるように神秘的なライブ中盤セクションを経て、このライブ唯一のギター弾き語り曲「Cozy notes」を演奏。今年開催した『Acoustic Live “Cozy notes” Tour』のために作ったというこの楽曲が演奏されると、霧の切れ間から陽の光が差し込むような暖かな感触が広がった。

「熱量上げていきましょうよ! 自由に踊ってくれてもいいし、歌ってくれてもいいので一緒に楽しんでいってください!」とオーディエンスを煽ると、Ryu Matsuyamaとのコラボの起点となった楽曲「Goldfish」へ。メロウなメロディーの酩酊感と加速していくバンドのグルーヴが深いカタルシスへ誘っていくダイナミックな展開に息を飲んでしまう。小坂忠の孫娘としても知られるLA在住のSSW・Raineを迎えてレコーディングした「Goldfish feat. Raine」に続いて披露された「アイ・キャン・オンリー・イマジン feat. 小坂忠」。小坂へのリスペクトを感じさせる楽曲の繋ぎに思わず膝を打つ。希望に満ちた人生讃歌から、人生への焦燥感を吐露したRyu Matsuyamaオリジナル楽曲「reckless child」へ大きくシフトすると、一人の人間が人生で引き受けなければいけない感情がいかに多様で複雑であるかに思い至る。

魂の叫びが洪水のごとく押し寄せるアウトロから「Strawberry Psycho」の唸るようなベース・ラインに繋がると、豊かな低音を鳴らしてくれるLIQUIDROOMの素晴らしい音響とフロアを照らす妖艶なライティングに、深夜のナイトクラブに迷い込んだような錯覚に陥ってしまう。

そして「I’d hate 2 B a girl like U」の間奏では、メンバーのソロ回しがバンドの一体感を一層際立たせるとオーディエンスのボルテージは最高潮に。迎えたMCでは、このLIQUIDROOMでのライブを成し遂げたかった夢のひとつだったと語るKenta。そんな夢が形になったことへの感謝とともに「みなさんの夢に向かっていく道のりを月のように明るく優しく照らして、包んでくれますように」と願いを込めると、最新楽曲「Moon」を演奏してライブ本編をしめくくった。

Kentaコールが湧き起こるなか、アンコールの声に応えてライブ・グッズのパーカーを身に着けたKentaがステージに戻ると、「Fly away」の4つ打ちビートがオーディエンスを揺らす。

「一度切りしかない人生に全てを賭けて生きていきたいと思います」と熱い想いを語るとともに「みんなの曲になってもらいたいです。人生を楽しんで前に進んで行きましょう」と言葉を添えて最後に新曲の「Alive」を披露。自作のラバーブリッジ・ギターを抱え、着実に山を登るように一つひとつフレーズを刻んでいくKenta。抑制されたエナジーを開放するように、フックでは咆哮するような壮大なアンセムに変わっていく。全てを賭けるという意味が込められたライブのタイトル『ALL-IN JAM』を体現するような大団円に、Kentaがこれまで歩んできた道のりと、これから歩むであろう道のりを想いながら、ステージに幕が下りた。

Setlist
1. Sparkling Lemonade
2. Step by Step
3. more
4. blue blur
5. Hunger for Blood
6. hands
7. Jasmine
8. Cozy notes
9. Goldfish
10. アイ・キャン・オンリー・イマジン
11. reckless child
12. Strawberry Psycho
13. I’d hate 2 B a girl like U
14. Moon
En1. Fly away
En2. Alive


【イベント情報】

Kenta Dedachi 『ALL-IN JAM with Ryu Matsuyama』

日時:2023年12月3日(日) OPEN 16:00 / START 17:00
会場:大阪 umeda TRAD

日時:2023年12月10日(日) OPEN 16:00 / START 17:00
会場:東京・恵比寿 LIQUIDROOM

Kenta Dedachi オフィシャル・サイト


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