FEATURE

INTERVIEW | HANA


7人が語る好対照な2曲に込めた想い、表現者としての責任とプライド

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2025.07.23

BMSGとちゃんみながタッグを組んだオーディション番組『No No Girls』から生まれた7人組ガールズグループ・HANAの快進撃が止まらない。自分自身や他者からの「No」と対峙し乗り越えていくドキュメントが番組で共有されたうえでのデビューはスタート地点からメンバーのプロフィールや音楽への想いがリアルにわかる圧倒的に新鮮なものだった。

デビュー曲“ROSE”は公開わずか4ヵ月で1億回再生を国内のダンスボーカルグループ史上最速で突破し、「Billboard JAPAN HOT 100」1位(4/9公開)、各種サブスクリプションサービスでも軒並み1位を獲得。作られた存在ではなく、オーディエンスが待っていたガールズグループであることを証明するHANAが“Blue Jeans”と“Burning Flower”を収録した2ndシングルを7月16日(水)にリリースした。

誰よりも熱く咲き誇る花=ひまわりをテーマにアグレッシヴかつセクシーに攻める“Burning Flower”、青春のきらめきと切なさを表現したモダンなミディアムチューン“Blue Jeans”。対照的な個性の2曲について全員にインタビューを実施。今見えているのはHANAの一面に過ぎないのかもしれない、と思えるポテンシャルを秘めたニューシングルのガイドになれば幸いだ。

Interview & Text by Yuka Ishizumi
Photo by Maho Korogi


「強い曲がきたな」と思いました(KOHARU)

――まずは6月リリースの“Burning Flower”についてお訊きしたいのですが、最初ちゃんみなさんから曲がきたとき、どう思いましたか?

KOHARU:「強い曲がきたな」と思いました。

NAOKO:すごくワクワクしたし、そのときはまだ自分たちが振り付けをすることは決まっていなかったので、どんな振付かな? だったり、サビが耳に残ったので「ここはみんなが真似してくれたらいいだろうな」とか、曲が出たときのHONEYs(HANAのファンネーム)のみなさんの反応が気になりました。

JISOO:私も聴いた瞬間すごくキャッチーなサウンドだなと思ったし、特に「炎よ止まるないつまでも〜」のところとかオリエンタル的で新しい感じがすごく気に入りました。

JISOO

MAHINA:私もJISOOと似ててすごくキャッチーな曲だなと思いましたし、今回歌った私のパートを最初に聴いたときは「ここ絶対私が歌うんだろうな」って確信しました(笑)。

YURI:私はグループで聴いたことがない曲だったので、これが歌って踊れたらすごいことになるだろうなと思ったし、早くレコーディングしたかったですね。

CHIKA:デモ音源をもらう前にちゃんみなさんが一瞬だけトラックを聴かせてくれたときがあって、もうそれを聴いただけで「ありがとうございます! お疲れ様です!」って(笑)。本当にそれぐらいタイプの曲だったので、「早くやりたい!」ってワクワクしてました。

――これまでもアグレッシブなマイナーチューンを歌ってきたと思うんですが、今回の“Burning Flower”を歌うために何か参考になった音楽はありましたか?

KOHARU:「I’m the hottest one」という歌詞があるんですけど、ちゃんとこの歌詞を胸を張って歌える自分であれるように、歌い方とかじゃなくて、自分のあり方や生き方とかもちょっと見直したりしてみました。

――具体的な歌唱はもちろん、自信を持ってこのリリックを歌えるか? ということですね。では音楽的に参考になった人とかはいますか?

JISOO:私はHalseyというアーティストがすごく好きで、声の質も歌詞の世界観や自身を持ってステージの上でパフォーマンスする姿に憧れるし、すごくリスペクトしています。曲を聴いて「私も歌いたい」と思ったアーティストです。

MOMOKA:Awichさんです。今回の曲はラップが多かったと思うんですけど、歌詞の意味が強くて攻撃的というか、刃がある鋭い内容だと思うんですけど、Awichさんの歌詞も強くて、自分の中にある譲れない気持ちやバックボーンのこともラップしていると思うので。強い意志を伝えるためのパフォーマンスはAwichさんを見てすごく勉強になりましたし、ずっと憧れの人です。

MOMOKA

MAHINA:私は最近、ずっとちゃんみなさんの曲を聴いています。歌詞も素晴らしいですし、ひとりのアーティストとしてもすごく尊敬できる方なので、歌詞を見ながら聴いて、「こういう思いで書いたのかな……」とか、いろいろ想像しながら楽しんでます。

――ではご自分のパートでもそれ以外でも聴きどころと言えば?

JISOO:メインメロディじゃない細かい部分なんですけど,MOMOKAのパートの「富も名声もお金も後に付いてくるの」の後の「チャリーン」っていう効果音とか、私の「こっちにきな 私の手に kiss me」のバックで入っている「ンッマ!(投げキッスの音)」とか。

MOMOKA:サビの「あちちちち」と「I’m the hottest one」は歌う人が分かれていて、そういう細かいところでも音が重なって深みが出てるのかなと思ってます。あと、音程の差がハイからローまで結構あって、CHIKAの歌ってるところはすごく高いけど自分が歌ってるところは低いので、そういう音の高低差もおもしろいポイントなのかなと思います。それとJISOOのパートは優しい歌詞で声の良さがいい味を出すというか、そういうのはすごくいい構成だなと思いました。


各々が思う“Burning Flower”のパンチライン

――ラップする人の声で歌詞の説得力も増しますよね。では皆さん各々が思うパンチラインは?

KOHARU:CHIKAのパートの「このmusic yeah we do music」です。「私たちは音楽をやってるんだ」っていう、当たり前なことを強調するのがいいなと。「音楽をする」って文で見るとシンプルな言葉だけど、これを敢えて強調することによって、「私たちは本物の音楽をやる気でいるし、やってるよ」っていう強い意志が伝わってきて私はめっちゃ好きです。

YURI:MOMOKAと私が歌ってる「You know my name, you know / 誰がhottest one」が好きです。「私たちの名前知ってるでしょ?」「誰が一番アツいか知ってるでしょ?」って問いかけてる感じがめっちゃ好きです。

YURI

――パフォーマンスも気持ちが乗りそうですね。

MOMOKA:ここは特に楽しいよね。

CHIKA:私は「We working めっちゃマジ」。まず、これは本当に私たちは毎ステージ毎ステージ本気でやってるし、それを改めてちゃんみなさんが歌詞に書いてくれたことによって私たちもより一層気持ちが入るし、「これこそHANAだ」って思える歌詞だなって思います。

MOMOKA:私は自分のパートはもう本当に全部好き過ぎて選べなくて……。メンバーが歌ってるところで一番好きなのは「貰った恩は倍で返す」っていうところ。やっぱり今ここに自分がいられるのって、人との出会いが大きいので、そういう大切な人たちからもらった恩は自分がもっともっと頑張って、倍にして感謝として伝えていきたいなぁっていうのを改めて思いました。

――攻めた歌詞なんだけど、ここに感謝が詰まってますね。

MOMOKA:すごく優しい歌詞なんだけど、その優しさの中にも凛とした強さがあるというか。ちゃんと地に足をつけて立っているイメージで、すごく好きですね。

NAOKO:私は正直全部好きだし、選べと言われたらすごく困るんですけど……でも、「追い求めずただやる事やればいいの」っていうのは私の生き方そのものだなっていうふうに思っています。お母さんに「練習はいつも120%でやりなさい」って言われていたんです。そうすれば、余裕を持ちつつ、落ち着いた状態で本番で100%を出せるからって。その教えを守って、私もひたすら練習してきたなぁって考えると、「追い求めずただやる事やればいいの / you know」っていうのは……。

――ああ、NAOKOさんらしいです。

NAOKO:「私こういう練習してます!」っていうのは恥ずかしくて言えないので、ここで「You Know」ってかましてくれるのが……どうですか?(笑)

KOHARU:気持ちいいよね(笑)。

――JISOOさんはいかがですか?

JISOO:私は「いつか稼ぐbillion だけど分ける金も愛も」のところなんですけど、やっぱりお金はすごく大事だけど(笑)、私たちが音楽で伝えたいのはいろんな愛なんです。“ROSE”もそうだし、“Burning Flower”、“Blue Jeans”でも、いろんな形の愛を音楽として伝えたい。そういうマインドを忘れたくないので、このラインが大好きです。

――プロデューサーだから当然かもしれませんが、この歌詞にはちゃんみなさんが望むHANAのスタンスやマインドも含まれていると。

KOHARU:いつも自分たちの思ってることをしっかり入れてもらってますし。だからこそ、本音で歌詞に向き合えているんだと思います。

KOHARU

「それぞれの大切な人を思って歌って」──ちゃんみなからのアドバイス

――では、これまでとは全く違うタイプの新曲“Blue Jeans”についてもお訊きします。意外なトーンでしたが、この曲のデモを聴いたときどう思いましたか?

MOMOKA:みんなとろ~んとしてました(笑)。

一同:(笑)。

KOHARU:“Burning Flower”との差がすごいなっていう。寒暖差で風邪ひきそうな感じ(笑)。

――この曲に関してはどういうマインドで取り組んでほしいと?

CHIKA:「それぞれの大切な人を思って歌って」って、ちゃんみなさんは言ってました。

――音楽的な参照点はありましたか? どういうふうに歌ってみようとか。

MOMOKA:自分はラップで強く意志を伝えるっていう意味では、今回は自分というより、どちらかというとちゃんみなさん寄りというか。ブレスが多くてさらっと優しく歌う部分は、ちゃんみなさんの歌い方だったりフロウを聴いて勉強しました。

――モダンロック要素のある曲なので、個人的にはJISOOさんっぽいなと。

JISOO:私もこの曲が大好きで、今回はあまり難しいことは考えずにレコーディングに臨みました。元々好きなジャンルだったし、デモを聴いたときから自然と口ずさんじゃう感じがあって。

――YURIさんも自然な歌い方で?

YURI:そうですね。自分の好きなように歌いました(笑)。個人的に、この曲は感情が出しやすいなと思ってて、泣きそうなときは泣きそうに歌う、切ないときは切なそうに歌うというふうに、そのときの感情によって好きなように変えて歌っていますね。

――泣けるポイントも多いですが、好きな歌詞は?

KOHARU:私のパートの「真夏の間だけでも信じて」。このパートを歌わせてもらえるのはすごく嬉しかったし、このフレーズに感情を込めてニュアンスを大事に歌いました。

MAHINA:私はサビがすごく好きで、ストーリーが浮かんでくるというかキュンキュンするというか。「崩れたメイク」とか、あまり歌詞に出てこないじゃないですか。私の想像なんですけど、こういう曲だと「王子様」とか……。

一同:(笑)。

MAHINA:恋するときって自分がすごくかわいい状態でありたいと思うんですけど、あえて「崩れたメイク 深夜1時」とかすごくストレートかつ現実的な言葉で表現しているところに、すごくキュンキュンしました。

MAHINA

CHIKA:王子様ってイメージがおもしろい(笑)。

MAHINA:あと「未来のことなんて / 今だけは言わないで」もですね。この歌詞をYURIが歌ったとき、みんな溶けちゃいました(笑)。

――(笑)。この「Blue Jeans 古いスニーカー」のフロウは意味もあるし、音としても心地良い。NAOKOさんはいかがですか?

NAOKO:「Blue Jeans 古いスニーカー」っていうのは愛する人だったり、それこそ青春のアルバムの名前みたいな感じで考えていて。ちゃんみなさんは「名前みたいになってるんだよね、相手のことを呼んでる」って言っていて。何度も曲の中で呼んでるじゃないですか。だから、思いが詰まってるなぁというか、どんだけ考えてるんだろう……っていうことを想像しました。サビはメンバーの声がめちゃくちゃ入ってくるので、やっぱりサビが一番好きですね。

――この曲で伝えたいことの核心は何でしょう?

CHIKA:「朝日が昇っても / しばらくは一緒にいて / 未来のことなんて / 今だけは言わないで」っていうのはすごく今を楽しんでる、でもこれが終わるのもわかってるし、その切なさもあるということだ思うので、やっぱり青春って感じが私はします。

CHIKA

いまの7人が考える「No」

――みなさん一緒に過ごす時間も増えたと思うので、以前は聴かなかったけど、メンバーの影響で聴くようになった音楽などはありますか?

MAHINA:私はCHIKAの影響でサカナクションさんが大好きになりました。最初聴いたとき「こんな個性的な歌詞を書く方がいるんだ」と思ったし、リズムの取り方も独特で。メンバーの影響で聴く音楽は変わってきてますね。

――CHIKAさんは以前、自身のルーツにサカナクションの“アイデンティティ”を挙げてましたね。音楽的にもですけど、歌詞も?

CHIKA:もちろん歌詞も大好きです。それこそ“アイデンティティ”は『No No Girls』のときに救われた曲でしたし。

――バンドも聴きますか?

JISOO:聴きます。日本のバンドも結構好きで、『No No Girls』で上京したときにひとりでライブハウスに行ったりしました。SIX LOUNGEさんのライブをひとりで楽しんだのはいい思い出です(笑)。

――では最後に、今のみなさんにとっての「No」があるとすれば何でしょう? これを超えたいとか、これを変えたい、みたいなことでもいいのですが。

JISOO:これは結構軽めの内容……いや、私にとっては結構重いんですけど、「No スイーツ」(笑)。何回も何回もNoスイーツ生活をしようとしてるんですけど、毎回失敗しちゃって、今日も何度目かの1日目です。

MAHINA:私は「No ヘアアイロン」(笑)。髪のダメージの要因にもなるので、ヘアアイロンをやめて最近はドライヤーでブローしてるんですけど、どうしようもないくせ毛だけはヘアアイロンを使ってしまう……。

NAOKO:私が戦ってるのは肩こりです。「どうしてこんなに硬いんだ?」って、ずっと肩を回してます(笑)。

NAOKO

――シリアスなNoは、今はもうないですか?

KOHARU:デビューして、プロとして音楽をやるようになっていろいろ考えることもあって。以前から音楽が大好きだし、勉強もしていたつもりだったけど、もう1回ちゃんと音楽と向き合ってみようってなったとき、文化や背景などその音楽の根本の部分から学びたいと思いました。今もまだ勉強中ですけど。

――これからどんどんHANAの音楽が広がっていくことになると思いますが、KOHARUさんがおっしゃたように、よりいろいろな音楽を掘り下げていくことで、HANAの楽曲も深みが増していきそうですね。

KOHARU:本当にそうですね。やっぱり表現者として責任とプライドを持って、これからも地に足つけて頑張っていきたいです。


【リリース情報】


HANA 『Blue Jeans』
Release Date:
[Digital] 2025.07.14 (Mon.)
[CD] 2025.07.16 (Wed.)

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