Daft Punk『Random Access Memories』の世界観は、既に若い世代に受け継がれ、昇華されている。
インディー音楽の天国との呼び声も(個人的に)高いノルウェーから、またまた新しいスターが出現。ノルウェーのプロデューサー/DJとしても活躍するMathias Stubが、様々なジャンルを昇華しバンドとしてアウトプットする場、それがPROVIANT AUDIO(プロヴィアント・オーディオ)だ。9人組の大所帯で構成されるこのバンドは、前作『Real Love Taste Like This!』でも、ダブやジャズ、ソウルにハウスなど、多くのジャンルを見事に昇華していたが、正直ここまでのレベルではなかった(ジャケットがものすごくダサかったのをハッキリと覚えている)。そんな彼らリリースしたセカンドアルバム『DRIFT DAYS & DISCO NIGHTS』は、ここまで最高のアルバムを作っているとは思いもしなかった。
今作はOSLO RECORDSへの移籍を果たし、国内盤は安心と信頼のFLAKE RECORDSが主宰するレーベル、FLAKE SOUNDSからリリースされている。個人的には、FLAKEから出てるというだけでも信用するに足りるのは間違いないが、他にも少し補足をさせて欲しい。
冒頭で述べた、Daft Punk『Random Access Memories』の世界観を、彼らは何もそのまま取り入れている訳ではない。ジャズやソウルなどの土臭いエッセンスがありながら、そこにあるのは北欧のディスコなのだ。バレアリックポップなどの要素も綺麗に取り入れ、スタイリッシュに仕上げるその才能に脱帽するばかり。お酒の進みそうなバンドなので、機会があれば、ライブも見てみたいものだ。
(Text by Takumi Nakamura)