2010年代における(広義の)エレクトロニック・ミュージックの最重要アーティストのひとりと言っても過言ではないSkrillex(スクリレックス)が、元恋人でもあるイギリスのシンガー・ソングライターEllie Gouldingをフィーチャーした新曲を発表しました。
Skrillexと言えば、大ヒットしたEP『Scary Monsters and Nice Sprites』や『Bangarang』のように、マッシヴなビート/凶暴なウォブル・ベース/レイヴィーなシンセ/カットアップしたボイスサンプルなどが縦横無尽に乱れ飛ぶ所謂”ブロステップ”(Bro-Step)のイメージが強かったですが、2013年1月にリリースしたEP『Leaving』ではJames BlakeやThe xxなどのように、引き算により音の隙間や残響音を引き立たせるサウンドにシフトして世間を驚かせました。今回の新曲もその流れをさらに進化させたような、ポスト・ダブステップ+チル+R&Bな仕上がりとなっています。
ボーカルにフィーチャーされているEllie Gouldingは、ここ日本でイマイチ知名度が低いのが何とももどかしい限りですが、BBC Sound of 2010に選ばれ2010年のブリット・アウォードを受賞した他、各賞のノミネートも多数。UK・US共にチャートの常連で、アルバムは2作とも1年以上のロングヒットを記録するなど今や超売れっ子シンガー。おまけにギター、ベース、マンドリン、キーボード、ドラム、クラリネットもこなすマルチ・プレーヤーでもあります。
元恋人という関係でありながら、二人は現在でも互いにアーティストとして尊敬し、良い関係を築いているようです。Skrillexは以前『Bangarang EP』の中の「Summit」でもEllieをフィーチャーしていますが、こちらもメランコリックで最高の曲でした。
(Text by deidaku)