台湾のR&Bアーティスト・羊駝小姐 Malpacaと、東京拠点のシンガー/ラッパー・SOMAOTAによるコラボ曲“readme.txt”のMVが公開された。
羊駝小姐 Malpacaは昨年、台湾ラッパー・Leo王との“EarCandy”で注目を集め、日本でもKohei Yonaha監督による“Change?”を発表するなど国境を越えて活動している。一方のSOMAOTAは、実験的ヒップホップバンド・Black petrolのMCとして『FUJI ROCK FESTIVAL』や『SUMMER SONIC』にも出演。ジャズや生演奏を取り入れた独自のスタイルで高い評価を得ている。


2人の共鳴から生まれたという本作は、今冬にリリース予定の羊駝小姐 Malpacaの1stアルバム『((No wool. No hump))』からの先行シングル。テーマは「伝わらない言葉」と「理解されたい衝動」。羊駝小姐が「喧嘩の途中で『私の言葉、相手に本当に伝わっているの?』と思った、その切迫した瞬間を捉えたかった」と語るように、相手に届かない感情を歌にした。フックでは《Find me the right language to say what’s on my mind》(心の内を言葉にできる、ぴったりの言葉を見つけて)というラインが繰り返され、言葉の不完全さと、それでも伝えたい願いが強烈に響く。
SOMAOTAのラップは《レッテル剥がして折って飛行機にして飛ばして》《俺は相撲もとるがもちろん土俵も作る 行事にジャッジ》といったフレーズで、固定観念を手放す軽やかさや社会への鋭い視座をユーモラスに刻む。日常の断片と都市のリアルを交錯させながら、Malpacaの内省的なメロディと呼応し、すれ違いながらも理解を求める物語を厚みあるものにしている。
SOMAOTAは「この曲のテーマはタイトルにもある通り『言語』、お互い母語を共有していない2人が『言語』について曲を作るというのもなんだか変な話ですが、僕なりに『言語』について考えて作りました。彼女のセルフプロデュースの素晴らしいトラック、歌声、そして何よりも彼女の身を削って書いた歌詞のお陰で僕も良いバースを蹴れました」と語る。
“readme.txt”というタイトルはプログラムに添付される「使用説明書」に由来し、「誰もが心の中に秘めた取扱説明書があり、そこには言葉にできないが読まれたい感情がある」とMalpacaは語る。音楽に「正解」を持ち込まず余白を残す姿勢が、リスナーに自ら読み解く力を与えている。
SOMAOTAは、2024年1月に台北近郊で開催された『Neon Oasis Fest.』に参加したことを皮切りに、同年12月には沖縄を拠点とするラッパー・TORAUMAらも出演する、台北市・PIPEでのサーキットイベント『亜熱帯 vol.02』のも出演するなど、台湾との繋がりを深めている。また、今年4月には、茨城県で開催された野外フェス『結いのおと』にて、台湾の鬼才ラッパー・PiNkChAiNを客演に迎えて出演。今回の羊駝小姐 Malpacaとのシングルは、台湾シーンにおける新たな1ページを刻む作品となりそうだ。
MVは東京と台湾で撮影され、監督は東京出身・台湾拠点のマルチアーティスト、Sogareが務めた。
【リリース情報】

羊駝小姐 Malpaca & SOMAOTA 『readme.txt』
Release Date:2025.08.26 (Tue.)
Label:ChynaTown
Tracklist:
1. readme.txt
■羊駝小姐 Alpaca:Instagram











