Loma

Relay Runner

Loma / Relay Runner
天にそびえる秀峰のごとく構え、アート・パンクの新境地を切り拓く! 密かに進行していたプロジェクトが〈Sub Pop〉から遂にデビュー!

2月に〈Sub Pop〉からデビューするLoma(ローマ)は、2016年、水面下で結成されたオルタナティヴロック・バンド。その年にUSとヨーロッパを合同ツアーしていたテキサス発の2つのグループは、当然ながら長い道のりを走るヴァンへ共に詰め込まれる状況にあった。そのひとつであるCross Record(クロス・レコード)のEmily CrossとDan Duszynski、そしてもう片方のShearwater(シアウォーター)のボーカルとして知られるJonathan Meiburgの3人が車中で意気投合する。それが後にLomaとなったわけだ。

低くハスキーな女性ボーカルが、硬質なビートで構築された要塞にどっしりと腰を据える。そんな楽曲の風体に、リスナーである私たちは静かな興奮の高まりを感じずにいられない。泰然自若とした彼らのサウンドは、もはやBlack MarbleLillies and Remainsなどに匹敵するほど、知的なオーラを纏っているようにも思える。

また、ポストパンク黄金期のバンドたちが宿していた、“音楽への飽くなき探究心”が如実に現れているこの楽曲。どこかの儀式で打ち鳴らされていそうなタム・ドラムや、象の鳴き声と霧笛とを混ぜ合わせたようなノイズ、そして断続的に波打つ金属板を思わせるベースなど、様々な民族音楽的要素が織り込まれている。アート・パンクの代表格、Talking Headsに共鳴すると言えば分かりやすいだろうか。そうした実験的な姿勢からも、非常にインテリジェントであると評価できる。

それでもやはり上記のMVには、ポストパンク(これはリバイバル・サウンドだが)の“身体的”な一面が視覚的に表現されているように思う。しかしそれはダンスという従来の形を取らず、心身の鍛錬を指向している。だからこそ自己の内面や精神との闘いということにもより強く結び付くわけで、ジャンルへの忠実性を保ちながら、そこからの進展をも同時に叶えている作品だと言える。
ちなみに映像の終わりに、ボーカルのEmilyの衣装が光り輝くシルバーのドレスへと変わっているのは、何かの境地に達したことを示唆しているのだろうか。

こちらは、〈Exploding In Sound〉から先週1月19日(金)に3rd EP『All A Dance』をリリースしたデュオ、Water From Your Eyes(ウォーター・フロム・ユア・アイズ)の楽曲。ぜひLomaと併せて紹介しておきたい。
なぜなら、こちらもアート性の追求に実に意欲的だからだ。むしろその点においては、彼らはLomaを凌ぐ存在かもしれない。80’sポストパンクや90’sドリーム・ポップを経由し、それをダンス・ミュージックへ落とし込みながら、しかもポストロック的な変拍子やポリリズムを駆使している。ここまでの貪欲さには、きっとブルックリンという土地柄も何か関係しているはず。

知性に溢れた前衛的な音楽シーンやそのプロジェクトの動向には、今後も注目していきたい。


【リリース情報】

Loma 『Loma』
Release Date:2018.02.16(Fri.)
Label:Sub Pop
Catalog No:SP1214
Tracklist:
1. Who Is Speaking?
2. Dark Oscillations
3. Joy
4. I Don’t Want Children
5. Relay Runner
6. White Glass
7. Sundogs
8. Jornada
9. Shadow Relief
10. Black Willow

hikrrr

Curator

hikrrr

内省的で知性美のある音楽を贔屓にしています。が、バイオレントなものも好きです。普段は暗く涼しいところに保管されたい