FEATURE

INTERVIEW / SIRUP


SIRUPが分断と対立の時代に「愛」を歌う理由。一番大切なのは「考えていく姿勢」

2020.03.30

SIRUPが3月25日(水)に新作EP『CIY』をリリースした。

昨年5月に1stアルバム『FEEL GOOD』をリリースして以降、急速的にその認知、人気を拡大させ続けているSIRUP。年末の東阪Zepp公演も成功させ、その勢いはまだまだ右肩上がり。先行シングルを挟みつつ、およそ10ヶ月ぶりのリリースとなった本作『CIY』には、お馴染みのMori Zentaro、Shin Sakiuraに加え、ライブ・サポートも行うshowmore・井上惇志、UK発のフューチャーR&Bプロデューサー・Joe Hertz、国内ヒップホップ・シーンを中心にその名を轟かせるSTUTSなども参加。先鋭的なサウンド・プロダクションを纏いつつも、ポップスとしての高い強度も擁した傑作と言えるだろう。

サウンド面では着実な進化とも捉えられる本作だが、リリックはこれまでとはやや趣を異にするテイストを感じさせる。「the choice is yours」を語源に、「“愛”を自身が“どう使うか”」をテーマとしている本作には、どのような想いが込められているのか。SpincoasterとしてはデビューEPのリリース時以来のインタビューとなるが、久方ぶりにその胸の内を語ってくれた。

Interview & Text by Takazumi Hosaka
Photo by Maho Korogi


集大成となった『channel 01』を経て、さらなるステップへ

――相変わらず活動が右肩上がりに加速し続けているように思うのですが、1stアルバムのリリース後はどような期間を過ごしていましたか?

SIRUP:一番集中してたのは、自分のライブ作りについてですね。単純にフェスが多かったのもありますし、ツアーやZEPP公演もあった。あと、正直僕らが想定していた以上にアルバム『FEEL GOOD』が注目されたっていうのもあって。新しい作品に取り掛かる前に、この作品をじっくりとみんなに届けたいっていう考えになったんです。だから、制作よりはライブにフォーカスしていた期間になりますね。

SIRUP:元々SIRUPとして見せたいライブの集大成っていうのが、バンド形態でのパフォーマンスだったので、メンバーにも意見を出してもらって、ひとつひとつブラッシュアップしたり。リハの機会を作ってもらって、新たに専属の音響チームが付いてくれるようになったり、専用のマイクを作ったりイヤモニ(イヤー・モニター)を導入したり。そういうテクニカル面のおかげで実現できるようになったこともあります。でも、いざ試してみたら「ちょっと違うな」ってなったりすることもあって、試行錯誤しながら少しずつみんなで改良していきました。そういったことが全て結実したなって思えたのが、12月の『channel 01』です。

――具体的に取り入れたアイディアなどをいくつか教えてもらえますか?

SIRUP:以前は曲をしっかりと再現することを念頭に置いていたので、ライブも同期ありきのアレンジで考えていたんです。そういった段階からもう1ステップ進んで、今度はもっと自由にアレンジしてもいいんじゃないかって思うようになって。例えばオーセンティックなR&Bみたいに、バンド・メンバーがキメを入れまくる、みたいな。そういう編成になったのは、showmoreのあっちゃん(井上惇志)に入ってもらったりしたことが大きいですね。リハの時間をたっぷり取ることで、同期もシンちゃん(Shin Sakiura)にリアルタイムでいじってもらったり。どこまで同期で、どこまで生演奏にするか、その最適なバランスや構成を探ったり。曲の尺自体もより自由に捉えるようになりました。

――何かターニング・ポイントになった、もしくは記憶に強く残っているステージ、フェスなどはありますか?

SIRUP:どのイベントもそうなんですけど、たぶん、僕みたいな音楽って、これまではあまり日本のフェスで大きく盛り上がるっていうことはなかったんじゃないかなって思っていて。縦ノリではなく、横に体を揺らすような音楽性というか。でも、昨年はどのイベントでもどのフェスでもみんな爆発的に盛り上がってくれて。そういった光景を見れたのは大きかったですね。もちろんアルバムを出した後だから、曲を知ってくれてる人が多いっていうのもあったと思うんですけど。フェスで言うと、サマソニが印象的でした。BEACHステージの動員記録を更新したらしくて、あの光景は今も脳裏に焼き付いてます。

――なるほど。そういった大型イベントやツアーを経ての開催となった、『channel 01』の感想もお聞きしたいです。

SIRUP:MCでも言ったんですけど、僕らの中では本当に忘年会になるくらいお祭り騒ぎにしたかったんです(笑)。感想は……とにかく楽しかった記憶しかないですね。ライブにおいて、今まではなんとなくにしていた部分がよりクリアになって、他の部分に意識を割くことができるようになったというか。リハでじっくりと作り込むことによって、ライブ中に自由に動ける、できることが広がった。結果として、ライブ感が高まったと思います。自分の中では過去最大規模だったので、どういう方が観に来てくれるんだろうって思ってたんですけど、本当にグッド・ヴァイブスな方ばかりで。最高でした。

――文字通り、それまでの集大成になったと。

SIRUP:そうですね。でも、だからこそ見えてきた課題もあって。「これ、どうしたらいいんだろう」っていう問題点ではなくて、「おれたち、ここまでできたんだから、次はあれもこれもできるはず」っていうポジティブな課題というか。めちゃくちゃいい経験になりました。


「STUTSに新しい引き出しを開けられた」――初のコラボも含むEP『CIY』

――今作『CIY』へ向けた制作はどこからスタートしたのでしょうか?

SIRUP:時系列で言うと、「Ready For You」が一番最初に生まれた曲になると思います。ライブで北海道に行った時、シンちゃんとホテルで作りました。「MAIGO」は、昨年Joe HertzがDJとして来日した時に、YonYonと一緒に観に行って、そこでJoe Hertzと話すことができたんです。元々、Joeが「日本人アーティストで良い人がいればコラボしたい」って言ってたらしく、Spotify Japanの人が僕のことをプッシュしてくれていたみたいで、話もスムーズに進んで。トラックが届いたのはそこからかなり後のことになるんですけど。11月にリリースしている「Light」を除いて、残りの3曲はここ1ヶ月くらいで急ピッチで作った感じです。

――今作で初めてコラボするのは、先ほど名前が挙がったJoe HertzとSTUTSさんですよね。どういった経緯で彼と一緒に制作するに至ったのでしょうか?

SIRUP:元々何回か呑みに行ったりしていて。初めて会ったのは僕の事務所主催のイベントで、その時井上のあっちゃんもいたので、3人で一緒に何か作ろうよってなって。STUTSとは自宅も結構近いんです。それで彼の家に行って、3人でセッションしていくうちに形になった曲のひとつが「Need You Bad」ですね。あっちゃんがメインのコードを弾いて、STUTSがビートを組んでいったり、シンセ・ベースを弾いたり。僕はそれを聴きながらメロディを考えたり。2人の弾いている/作ってる部分を細かく全て把握しているわけではないんですけど、メインのピアノ系はあっちゃんだと思いますし、おそらくそのセッションの時のデータも使ってると思います。

――「Need You Bad」ではフロウもこれまでになかったような新鮮なものになってますよね。

SIRUP:確かにそうですね。でも、この曲に限らず、頭で「こういうフロウにしよう」って考えて歌った曲はなくて。全部自然に自分から出てきたものなんです。たぶん、ずっとヒップホップ畑で活動してきたSTUTSだからこそ、自然とラップみたいなフロウになるビートになってるんじゃないかなって。STUTSに新しい引き出しを開けられたというか。おもしろい体験でしたね。

――話は少し遡りますが、「Ready For You」もそういったセッション形式で?

SIRUP:ふたりで地方をたくさん回っていた時期で。ホテルとかにいる時間がもったいないねっていう話をしていたんです。僕の場合、そういう感情の時に曲を作るっていうことが今まであまりなかったんです。だからこそ、ちょっと試しに挑戦してみようと思って。ただ、歌詞はだいぶ後、『channel 01』で披露するために、12月くらいに書きました。

――Joe Hertzとの「MAIGO」は、ユニークな曲名も印象的です。これは海外のアーティストとのコラボレーションということを踏まえた上で、敢えてこのようなタイトルにしたのでしょうか?

SIRUP:個人的に海外の方と交流する機会も増えていて。日本に来るとみんな大体「ヤバい」っていう言葉を覚えて帰る。そういうおもしろい語感の言葉っていいなぁって前々から何となく思っていて。そもそも、自分が英語で歌わない理由っていうのは、日本語の語感でこういう音楽をやるからこそオリジナリティみたいなものが生まれると思うし、新しい新しくないではなく、自分がおもしろくないからなんです。もしかしたら今後、「これは英語で歌った方がおもしろそうだな」って思ったら挑戦するかもしれないですけど。

SIRUP:Joe Hertzの曲って、何となく英語っぽくない語感を感じるんですよね。「MAIGO」も最初にデモ・トラックが届いた時、「これは日本語で乗っけよう」って思って。「Everyone is MAIGO MAIGO」っていうフックの部分が何となく気持ちよくハマって。みんな迷子だし、頭でっかちに考えても意味ないよって。音楽の前ではみんな一緒だよっていう感じのテーマですね。

――セッション・データの交換で作り上げていったのでしょうか。

SIRUP:はい。ツアー終わったくらいにトラックが届いて。そこに自宅で録ったボーカルのパラ・データを送ろうとしたんですけど、「歌詞も完成させたプリプロ・データをくれ」って言われて。でも、スタジオに入ったりする時間が中々取れず、そこからしばらく待ってもらって。スタジオで録ったデモを送ったら今度は「本番RECをくれ」と言われ(笑)。それで再度本番用に録ったデータを送れたのがつい最近のことなんです。いざ完成してみたら、最終版以外のボーカル・データも使われてたりして。おもしろい作り方やなって思いました。

――いきなり最終版のデータを求めるのは、中々に珍しい作り方ですよね。

SIRUP:変わってるなとは思いましたね。あと、興味深いなって思ったのは、日本人が重要視している部分と全然違うポイントを見てミックスしているんですよね。最初ボーカルがめっちゃ小さくて、「もうちょっと上げて」ってお願いしたんですけど、それでも今作の他の曲と比べたら抑えめな方なんです。でも、改めて聴いてみたら全体のグルーヴ感がすごくいい感じのミックスになっていて。「ここのボーカルが」とか「ここのシンセが」みたいな感じではなく、常に全体を見ながら作ってる気がして。

――ありふれた表現ですが、「声も楽器の一部」として扱うというか。

SIRUP:完全にそうでした。最初はオートチューンがっつり使って(データを)返してきたんですけど、それを外してみたらグルーヴがなくなって。それが驚きでした。最終的にはいい塩梅に調整してもらったんですけど。


多面的な視点からの「愛」|「多くの人が一面的に捉えすぎている」

――「Your Love」のリリックには、今作のタイトル『CIY』の語源「the choice is yours」という言葉が出てきます。この言葉をタイトルにしたのはどうしてなのでしょうか?

SIRUP:タイトルやテーマは結構悩んだんですけど、単純に「愛」を歌うことにしようと思って。「愛」っていう言葉はすごくポジティブな意味で使われることが多いと思うんですけど、実は悪いこと、負の感情とかも様々な種類の「愛」が引き金になっているんじゃないかなって思うんです。例えば、すごくわがままなやつがいたとして、そこですぐにイラついたりせずに、「こいつには今、人に迷惑をかけてしまうほどの何かがあるんじゃないか」って思うようにしたり。他にも、他者のやり方を認めずに、自分たちのやり方を押し通そうとする人っていたりしますよね。そういう人も、きっと自分たちのチームに対する信頼とか愛に起因しているような気がするんです。

突き詰めていくと「なぜ戦争が起こるのか」みたいな壮大な話になってしまうんですけど、そういうことをよく考える時期があって。僕ももちろん、「何なんあいつ」って腹立つこともいっぱいあるんですけど、そういう考えを自分に言い聞かせることで、落ち着けるというか。正しいかどうかはわからないですけど、自分は救われたんです。そういう考えを、自分の身近な仲間内でよく話して、共有してたんです。だから、今作でもそういうことを歌おうと思って。

――「愛」には正と負の両側面がある。自分が負の感情を抱いた時も、その理由を突き詰めることで少し落ち着くことができるというか。俯瞰することができる。

SIRUP:多くの人が一面的に捉えすぎているような気がしていて。「愛」に限らず、様々な言葉、物事をもっと多面的に捉えた方がいいような気がしているんです。

――今はネットやSNSの普及によって、分断と対立という構造があちこちに広がっているように思います。それぞれにとって都合のいい情報を得る環境が簡単に構成できて、意見の近い人同士で固まりやすい。異なる意見の人は拒絶する。そういった状況に対するアンサーにも成り得るような話だと思いました。

SIRUP:そう言ってもらえると嬉しいですね。でも、そういう意味では「Why Can’t」のリリックもリンクしていて。例えばなんですけど、「おれたちはおれたちだけで進む」みたいなリリックってありがちですけど、極論それも分断ですよね。そうじゃなくて、意見が合わない人たちも引っくるめて前進していかないとダメなんじゃないかなって思うんです。

――だからこそ、「Alright 繋ぎ直せるよ君なら」と歌っている。

SIRUP:「お前次第な」とか「もっと生きやすくするために愛を」みたいに、突き放すだけじゃなくて一緒に変わっていこうぜって。誰も正解なんてわからないけど、進んでいこうぜって。そういうことをいつか言えたらいいなって思ってたんです。そういった気持ちを今ならリリックにできるって思ったので、わざと攻撃的な姿勢になりました。

――思考停止せず、対立意見に対してもじっくりと向き合って考えていくことが大切だと。みんながそれを心がければ、世界が変わっていくはず。

SIRUP:でも、みんなわかってることだと思うんです。それが中々できない。だから「Why Can’t」(なぜできない?)っていうタイトルになりました。人に投げかけることで、自分にも返ってくるはずだと思って。

――「Why Can’t」もそうですが、今作は全体的にこれまで以上に自身の内面や感情、実体験が色濃く反映されているような気がします。それってご自身では意識されていましたか?

SIRUP:今作のインタビューを受けているうちに、複数の方に指摘されて気付きました。「そうやったんや」って(笑)。「Why Can’t」は流石にちょっと意識していましたけど。

――ちなみに、先ほども挙げていた「もっと生きやすくするために愛を」という一節は、逆説的に「生きにくさ」を感じていた、もしくは感じているから出てきたリリックなのでしょうか?

SIRUP:それは逆なんですよ。僕は本当に自由にさせてもらっていて、理解してくれるチームのみんなもいる。僕の感じるストレスなんて、本当に大したことないレベルだと思うんです。そうじゃなくて、例えば僕に突っかかってきた人がいたとして、そういう人の方が「生きにくいだろうな」って思うんです。もちろん最初はめっちゃムカつきますけど、冷静になると、それも何か理由があったんだろうなって思えるようになるんです。自分たちだけが生きやすいようにって考えると、結局それも分断に行き着いてしまうような気がして。自分たちも、対岸のあの人たちも、みんなが生きやすい世界にならないといけない。もちろんそんなことは現実的に不可能かもしれないんですけど、そういう考え方を持つことが大事だと思うんです。

――そういった考えに至ったのは、特定のキッカケがあったわけではなく、自分の中で思考を繰り返していくうちに辿り着いたのでしょうか?

SIRUP:そうですね。それを改めて言葉にしたのは、今作の歌詞を書く時ですけど。ただ、元々自分は怒りっぽい性格で、人と対立することも多かったんです。でも、その反面、そういう人のことが無性に気になる性格で、そいつがどういう人間かっていうのを探ってくうちに、自然とちょっと好きになってる。気づいたら許してしまうっていうことも多くて(笑)。

――例え抱いているのが負の感情でも、その人のことを考え続けていると、好きになってしまうというか。

SIRUP:好きと嫌いは裏表というか。その人が自分にした嫌な行いには何か理由があって、その人の他の面に目を向けるといいところもある。話が流れてきちゃいましたが、今作のタイトルには、自分も時には他の人に嫌なことをしてしまうかもしれない。そういった時に、その行動はどういう感情に起因するものなのか、自己愛なのか他者愛なのか、そういった感情を常に選択してほしいっていう気持ちも込められていて。難しいことですけど、大事なことほど行動を起こす前に自分の胸に問いかけた方がいいんじゃないかなって思います。


いちばん大事なのは「それぞれが対話して、考えていく姿勢」

――ここまでシリアスな感情が込められた作品って、これまではなかったような気がします。

SIRUP:確かに、ここまでフォーカスしたことはなかったと思います。ただ、こういう考えに至った出来事については、『FEEL GOOD』に収録されている「Why」っていう曲で書いていて。ただ、「Why」ではもうちょっと表面的な描き方をしています。攻撃された側のやつに対して、そんなの気にしないで楽しくやろうぜ、みたいな。でも、その時の出来事がずっと頭に残っていて。あと、Soulflexのみんなとか、仲間と一緒にいる時間も増えて、「こいつは何で今こういうことをしたんだろう」って考える機会が増えたんですよね。

――「Why」の歌詞では、もっと抽象的に描いていますよね。

SIRUP:『FEEL GOOD』の時は複数の解釈ができるような書き方をしていて。それこそ恋愛のようにも取れますよね。前作の時は全体を通してそういう作詞の手法を取り入れていたこともあって。

――「Why Can’t」にはシリアスな感情が込められているものの、サウンド的にはダンスホールというか、トロピカルで陽気な雰囲気になっていて。バランスのとり方も絶妙だなと思いました。

SIRUP:シリアスな感情やメッセージも、色々な要素と混ざりあった状態のほうが伝わりやすいんじゃないかなって思うんですよね。これは僕の持論なんですけど、重いトラックに重い内容乗っけた曲って、耳には残っても胸には残りづらい気がしていて。

――「Light」は少しフューチャー・ベースっぽい音使いも印象的な、華やかな楽曲です。この曲も「Why Can’t」と同じく、Mori Zentaroさん、Shin Sakiuraさんとの共作ですよね。

SIRUP:「Light」は(Mori)Zentaroがビートを送ってきて、シンちゃんの家に行ってふたりでセッションしながら作っていく、みたいな。制作プロセスは「Why Can’t」と同じような感じでした。テーマは単純に「音楽」に決めて。今の音楽業界、音楽シーンって過渡期だと思っていて、売れるためのメソッドやマナーはすでに崩壊しつつある。だったら、自分たちのやりたい音楽に集中するべきだと思うんです。光に向かって進むのではなく、光の中に身を投じるというか、そういうイメージの曲です。

――これも音楽に対する「愛」ですよね。今作の中でも、Shin Sakiuraさんと北海道で作ったという「Ready For You」はロマンティックな内容で、今作の中で最も『FEEL GOOD』との地続き感があるというか。

SIRUP:意外とこういう曲の方が作詞が難しくて。他の曲は結構ワーッと勢いで書いている部分もあるんですけど、こういう情景が浮かぶような歌詞っていうのは悩むんですよね。もちろん作っている時はすごい楽しいんですけど。ちょっと激しい曲ばかりを作っていたから、その反動で穏やかというかロマンティックな曲になったっていうのもあると思います。

――EPの最後には、Tepppeiさんによる「Pool」のリミックスが収録されています。

SIRUP:Tepppeiくんは僕と同じレーベルのChocoholicの紹介で、結構前に出会っていて。その時から「一緒に何かやりましょう」って言ってたんです。今回、ようやくタイミングが合ったんですけど、曲は揃ってたので、リミックスをお願いしてみようと。僕の考えでは、リミックスって相手の作品なので僕の意見は要らないと思っていて。これまでリミックスを手がけてくれたChocoholicとYaffleにも「好きにやってください」ってお願いしましたし。結果、使われたのはボーカルのデータだけっていう(笑)。

――しかも、ピッチも大きく変えられてる(笑)。

SIRUP:サビでは実はChocoholicが歌ってるし。マジで最高です。イントロのガチャガチャっていう音とか、最初聴いた時にビックリしました(笑)。

――最後に、多面的な「愛」についての解釈、考えがとても印象に残りました。このテーマを『CIY』という作品に昇華したわけですが、今後はどのようなスタイルで、そのテーマと向き合っていくのでしょうか。

SIRUP:身近なところからこういうことを話すのがいいと思っていて。それが一番伝わると思うんですよね。僕がいきなり会ったこともない人にこういう話をしても、そんなに響かないですよね。SNSで大々的に拡散してほしいわけでもないですし。それぞれの親しい、大事な人に話してみて、色々な考えを出し合うのがいいと思うんです。僕の場合は一緒に仕事をする仲間、ライブに来てくれた人、作品を聴いてくれた人に投げかける。そうやってそれぞれが対話して、考えていく姿勢が一番大事なことだと思います。


【リリース情報】

SIRUP 『CIY』
Release Date:2020.03.25 (Wed.)
Label:A.S.A.B
[初回生産限定盤] CD+DVD ¥3,800 + Tax
[通常盤/永続盤] CD Only ¥1,800 + Tax
Tracklist:
1. Need You Bad
2. MAIGO feat. Joe Hertz
3. Why Can’t
4. Light
5. Your Love
6. Ready For You
7. Pool (Tepppei Edit)

※2形態とも初回デジパック紙ジャケ
※初回版DVDには全国ツアー『FEEL GOOD TOUR 2019』ツアー・ファイナル東京@LIQUIDROOMを収録


【イベント情報】

SIRUP Playlist TOUR 2020

2020年9月21日(月・祝) at 神奈川 KT Zepp Yokohama
2020年10月2日(金) at 愛知 Zepp Nagoya
2020年10月3日(土) at 石川 金沢EIGHT HALL
2020年10月10日(土) at 大阪 Zepp Namba
2020年10月17日(土) at 宮城 SENDAI GIGS
2020年10月24日(土) at 北海道 Zepp Sapporo
2020年10月31日(土) at 福岡 Zepp Fukuoka
2020年11月1日(日) at 広島 BLUE LIVE 広島
2020年11月3日(火・祝) at 香川 高松festhalle
2020年11月6日(金) at 東京 Zepp DiverCity
2020年11月13日(金) at 沖縄 ミュージックタウン音市場

チケット一般発売日:2020年4月25日(土)10:00〜

問い合わせ先:キョードー東京 0570-550-799 (平日11:00~18:00 土日祝10:00~18:00)

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