UKで生まれ育ち、現在はドイツのベルリンを活動拠点とするDJ/プロデューサー、BlawanことJamie Roberts。これまでに〈Hessle Audio〉や〈R&S〉などの名門レーベルからリリースを重ね、多様性に富んだディスコグラフィーを築き上げてきた。ミニマルも2ステップもポスト・ダブステップも、すべてプロデューサーとして通過している。その優れたリズム把握能力は、彼が“Blawan”を名乗る以前にドラマーであった経歴に起因するのかもしれない。2015年に自身のレーベル〈TERNESC〉を設立してからは、インダストリアルで不穏なニュアンスのテクノに移行した。ちなみに、ベルリンに移ったのもそのタイミングである。
そして6月26日(金)、〈TERNESC〉から7枚目となる作品『Immulsion』をリリースした。
インダストリアルなテイストはそのままに、迫力のあるサウンドを実現している。けれども、個人的には“ハード過ぎない”ところがまたひとつポイントだと感じている。昨年は90年代ばりの高速テクノがシーンを席巻し、BlawanもDJとしてはそこへ合流しているように見えた。が、彼が作るトラックはある種の“ミニマルさ”を常に残していたような気がする。そしてその作家性は、今こそ意味を持つのではなかろうか。かつて90年代に活躍したDJやプロデューサーが、2000年代を迎えてミニマルに移行したように。歴史は繰り返すか。
【リリース情報】
Blawan 『Immulsion』
Release Date:2020.06.26 (Fri.)
Label:TERNESC
Tracklist:
1. 40 Spiral
2. Immulsion (Come To Me In Full Mix)
3. Rain
4. Immulsion (That Kind Of Kink Mix)