Superorganism

Everybody Wants To Be Famous

Superorganism / Everybody Wants To Be Famous
その掴みどころのなさこそ幻想か? 時代の申し子たる8人組のひと味違うハイパー・ポップイズムと、そこに描く未来!

イギリス/オーストラリア/ニュージーランド/日本から飛び出した多国籍集団、Superorganism(スーパーオーガニズム)が昨日1月3日(水)に4thシングル『Everybody Wants To Be Famous』をリリース、同時にMVが公開された。こちらの楽曲は、3月2日(金)にリリースされる1stアルバムに先駆けて配信されたものとなっている。

昨年2月*に突如として「Something For Your M.I.N.D.」をドロップしてからというもの、“BBC Sound of 2018”のロング・リストに選出されたり、今年2月5日にはShibuya WWWでの初来日公演も決まるなど、圧倒的な早さでグローバル・シーンを席巻した彼女ら。ぜひとも今のうちにチェックしておきたい存在だ。

*2017年9月6日、改めて正式リリース。

複数層でひしめき合うポップ・サウンドの多彩さは相変わらずだが、この度の新曲は何ともピースフルなメロディを携えてやってきた。一見、タイトルには皮肉っぽいところがあるものの、曲全体を追って見てみるとそんなこともないらしい。特に、“Everybody wants you to know their name”という詞には(Superorganismというグループが象徴する)マルチ・カルチュラリズムの理想が詰まっているように思われる。

なぜなら、Orono(17才のジャパニーズ・ガール)率いるこのバンド自体がそもそも、多方面からの影響を受けているに違いないからだ。出自の違うメンバーそれぞれの文化的背景もあるだろうし、ポップな曲調の中で、サイケ/フォーク/ヒップホップ/エレクトロなどの多岐にわたるジャンルが溶け合っているという事情も勘案せねばならない。彼女らが巧みに“実体を感じさせない”存在へとなり得たことについては、以上のことを根拠のひとつにできるはず。もちろん、(そのような印象を抱かせる典型的なアート・カルチャー/コンテンツであるVaporwaveと同様に)インターネット環境とそれに付随するサンプリングやコラージュの手法も大きな要因として考えられる。

また、Superorganismのような活動形態が発生した理由を“社会”や“時代”というレイヤで俯瞰してみたとき、私は未来に対して次のような問いを持つに至った――仮想空間への憧れが現実になろうとしている今、逆に私たちは何にすり替わるのでしょうか。私たちは私たちでいられるのでしょうか、果たして(“Best Tracks Of 2017”より)。

もし仮にバーチャルな何かが私たちのリアルを侵食しようとしても、共存の道を探り、変化していけばいい。その練習段階として今、生身の人間同士での譲歩が必要なのではないか。そして、この音楽グループが呈する“そこに在る”感のなさというのは、私たちの視野の狭さへのアラートと捉えることもできるだろう。グローバルに見れば、確実に輪郭は浮かび上がるのだから。
そして若い世代は、もはや広大なインターネットや巨大なデータベースと融合していると言っても過言ではないけれど、その進化を遂げてさえ“無知”の状態からは何も生まれない。単純な話、言葉や名前を知らなければ検索することすら不可能だ。つまり裏を返せば、互いに存在を確かめ合って違いを認めることで、ひとつの場所で生きてゆけるし建設的な営みができるということになる。だからある意味で、みんな“有名”になりたいのかもしれない。


【イベント情報】

Superorganism “A Tour For Your M.I.N.D. 2018”
日時:2018年2月5日(月) Open 18:00 / Start 19:00
場所:東京・Shibuya WWW
料金:¥5,000(前売/1ドリンク別)
03-3444-6751(SMASH)

・一般発売
12/23(土)〜PGにて発売開始
東京公演:e+ / ぴあ(P:102-949)・英語販売あり / ローソン(L:72512)

協力:Hostess Entertainment
お問い合わせ:SMASH/03-3444-6751 smash-jpn.com smash-mobile.com

■公演詳細:http://smash-jpn.com/live/?id=2816


【リリース情報】

Superorganism 『Everybody Wants To Be Famous』
Release Date:2018.01.03 (Wed.)
Label:Domino Records
Tracklist:
1. Everybody Wants To Be Famous
*配信リリース

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Superorganism 『Superorganism』
Release Date:2018.03.02 (Fri.)
Label:Domino Records
Tracklist:
1. It’s All Good
2. Everybody Wants To Be Famous
3. Nobody Cares
4. Reflections On The Screen
5. SPRORGNSM
6. Something For Your M.I.N.D.
7. Nai’s March
8. The Prawn Song
9. Relax
10. Night Time

hikrrr

Curator

hikrrr

hikaru_nunokawa / 内省的で知性美のある音楽を贔屓にしています。が、バイオレントなものも好きです。普段は暗く涼しいところに保管されたい

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