SPIN.DISCOVERY vol.04

出演アーティスト 2. 環ROY

今、パフォーマンスに最も説得力がある男・環ROY。そのキャリアを振り返りつつ、今観ておくべき理由を解説

10月1日(日)に表参道WALL&WALLにて開催するSPIN.DISCOVERY出演アーティスト紹介、2組目は今年の6月に最新作『なぎ』を発表し、今、パフォーマンスに最も説得力がある男、環ROYです。

フレッシュなニューカマーを中心にブッキングしてきた”SPIN.DISCOVERY”としては、かなりキャリアの長いアーティストですが、今、最も評価を受けるべきアーティストであり、最も観ておくべきだラッパーだと思い今回のオファーに至りました。彼のキャリアを簡単に振り返ると共に、その理由をご説明します。

かつて新宿Marzで行われていた”SHINJUKU SPOKEN WORDS SLAM”で頭角を現し、2004年にはMETEORやDARTHREIDERと共にDMRを結成。所属していたレーベル〈Da.Me.Records〉は「ダメレコ」という略称でヘッズに愛され、ゼロ年代の東京アンダーグラウンド・シーンを牽引しました。

クルーとしての活動の傍ら、自身初のソロ作品『デモHIPHOP』や、1stアルバム『少年モンスター』をリリースすると、彼の音楽性の高さや奥行きの深さに注目が集まります。

また、ダメレコ時代にマイク・リレーやフリースタイルで披露していた彼のスタイルは、溜め込んだ様々な感情を一点集中して爆発させるようなフィジカルの強さを感じさせるものでしたが、ソロ作品ではそれらが巧みにコントロールされ、心の余裕や作家性を感じさせるものへと変化していくことに。

2008年〜2009年には、Fragment、Eccy、DJ YUI、Olive Oil、NEWDEALという5組のアーティストとコラボしたミニ・アルバムを短いスパンで立て続けにリリースし、2010年には2ndアルバム『BREAK BOY』を発表。さらに、2011年には『あっちとこっち』、2013年には『ラッキー』と、最高傑作を更新し続けてきました。

「シーン・ミュージックだから、そのシーンのルールを踏襲しないといけないっていうのを窮屈に感じ始めるようになったんですよ」と自身で語る通り、この頃から彼の音楽は日本語ラップの評価軸だけでは測ることの出来ないものになっていたように感じます。

その後、蓮沼執太フィルへの加入、美術館や劇場、ギャラリーでのパフォーマンスやインスタレーション、映画音楽、広告音楽の制作などを経て、今年、集大成となる5thアルバム『なぎ』をリリース。

お馴染み三浦康嗣(□□□)、蓮沼執太のほか、Arμ-2、Taquwami、Ametsub、K.A.N.T.Aと言った気鋭のビートメイカーたち、そして過去には”SPIN.DISCOVERY”にN.O.R.K.のメンバーとして出演し、昨年宇多田ヒカルとの共演で話題となった小袋成彬ことOBKR、奏者として小林うてな(D.A.N.サポート)、山本晃紀(LITE)など多数のミュージシャンが参加した本作は、時代の先端をいく前衛的なトラックが並ぶ一方で、リリックには古事記や和歌が取り入れられるなど、日本語の文化や歴史、そして構造と向き合ったものになっています。その結果、類を見ない不思議な世界観や時代感覚が宿った作品となりました。

あまりにも洗練された詩世界、あまりにも卓越したラップ・スキル。楽曲ひとつひとつに与えられた余白、余韻まで愉しむ事が出来るこの作品は、聴き終えた瞬間に「遂にここまで来たのか……」と誰もが溜息を漏らすような素晴らしい作品でした。

その一方で、ダンサーの島地保武と挑んだ新しいスタイルのライブ・パフォーマンス”ありか”の活動も大きな反響を呼んでいます。幾多のパフォーマンスや舞台で磨かれた環ROYのライブ・パフォーマンスは時に美しく、時に凄まじく、まさにアートの領域と言えるでしょう。

積み上げた経験と、削ぎ落とすことで突き詰めた日本語表現。そして瞬きすらも憚れるその身体表現に息を呑むこと間違いなし。間違いなくこのタイミングで絶対に観ておくべきアーティストだと断言できます!

Text by Ryota Inoue / Kohei Nojima


【イベント情報】

Spincoaster Presents “SPIN.DISCOVERY vol.04”
日時:2017年10月1日(日) OPEN 17:00 / START 17:30
会場:表参道 WALL&WALL(MAP
出演:
環ROY
PARKGOLF
iri
踊Foot Works
Kai Takahashi(LUCKY TAPES / DJ set)

Ticket:
Peatixにて発売中
早割1. ¥2,500 SOLD OUT
早割2. ¥3,000
一般. ¥3,500
※全て入場時に1ドリンク代が別途必要となります。

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