特別対談

内田珠鈴 × Teppei Kitano (City Your City)

「自分のやりたい音楽を」―― 現役女子高生シンガー・内田珠鈴による等身大のリアル。その音楽活動の裏側をTeppei Kitanoと共に語る

現役女子高生アーティストとして2018年にデビューした内田珠鈴。昨年11月にリリースしたシングル「うまく進んでいたいたはずが」では、サウンド・プロデュースにCity Your CityのTeppei Kitano、作曲に〈ササクレクト〉(ex.術ノ穴)所属の4s4ki(アサキ)を制作陣に迎え、これまでの王道とも言える歌モノJ-POPサウンドから大きく方向性をシフト・チェンジした。

そこからおよそ半年。内田珠鈴の初となるEP『光の中を泳ぐ』が5月29日(水)にリリースされる。本作も引き続きTeppei Kitanoと4s4kiが制作をバックアップ。アンビエントかつエレクトロニックなトラックに内田珠鈴の透明感のあるボーカルが乗った全7曲が収録されている。

今回はそんな本作のリリースに際して、内田珠鈴とTeppei Kitanoの対談を敢行。等身大の18歳による心境と、音楽活動の裏を初々しく語ってくれた。

Interview & Text by Nojima
Photo by 遥南 碧


ふたりの出逢い

――おふたりが最初に出会ったのはいつ頃ですか?

Teppei:最初に会ったのは、昨年の2月ですね。 「うまく進んでいたはずが」の歌入れの日だよね。そこにディレクターの福永さんや作曲の4s4ki(アサキ)ちゃんもいて。

――その時のお互いの印象は?

内田:私はめちゃくちゃ緊張していましたね。Teppeiさんは最初、距離があった気がします(笑)。

Teppei:結構人見知りなので……(笑)。珠鈴ちゃんはなんか妖精みたいでした(笑)。あと、当時は今よりも、もっと幼い感じがしたんですけど、この1年間ですごい成長したし、ずいぶん大人っぽくなったなぁと。

――その時はどんな話をされましたか?

内田:ほとんど話してないですね……。福永さんを介して話す、みたいな(笑)。

Teppei:そうですね。お互いのことはあまり話さなかったですね。さっきも言った通り、当日は「うまく進んでいたはずが」のデモをみんなで聴いてみるっていう感じの日で。その時に「なんか違うね」っていう話になったんだよね。その時は今よりももっとポップな感じだったんですよ。僕が4s4kiちゃんの歌に寄せて編曲したんですけど、どうもしっくりこず。そのミーティングではみんなで色々とリファレンスになる曲とかを聴いて、「じゃあ、1回リミックスのつもりでガッツリ作り変えちゃっていいですか?」っていう話になり。その後に作ったものがハマって、今の感じになりました。

――なるほど。ちなみにTeppeiさんがプロデュースをすることになった経緯というのは?

Teppei:4s4kiちゃんが所属している〈ササクレクト〉のKussyさんから、「編曲できる人を探しているみたいだよ」って声をかけて頂いてっていう感じですね。


「自分のやりたい音楽を」 新体制での再出発

――そもそも、内田さんはなぜ方向性を大きく変えることになったのでしょうか?

内田:以前は、曲をもらってそれに歌詞を書いて、レコーディングしてっていうのを言われるがままやっている感じだったんです。そもそも、当時は活動を始めたばっかりで、音楽的な知識も経験もなかったから何もわからなかったし、何も言えなかったっていうのが大きいのですが。でも、もっと自分が主体となって好きな音楽や、自分のやりたいように表現してみたいなって思うようになって。

――では、方向転換したいというアイディアは内田さんが主体となって生まれた?

内田:そうですね。でも、スタッフさんもみんな全体的にそういう雰囲気は感じてましたね。

――内田さんは昔から音楽をやりたかったのでしょうか?

内田:そうですね。モデル時代からずっと歌をやりたいって言っていて。事務所に所属していなかった時も個人的にボイトレに通ったりもしていました。

――特に影響を受けたアーティストや、好きなアーティストなどは?

内田:木村カエラさんですかね。木村カエラさんもモデルからアーティストになりましたし、素敵だなって、昔から憧れてましたね。最近だとAriana Grandeさんとかが好きです。

――先述の通り、昨年11月にリリースしたシングル「うまく進んでいたはずが」から方向性をガラッと変えたわけですが、当時の周囲の反応はいかがでしたか?

内田:みんなビックリしていましたね。でも、友達からはそっちの方が私っぽいと言われることも多くて。聴いてくださる方の幅も広がったように思います。

Teppei:僕の場合、誰かをがっつりプロデュースするのは今回が初めてなんですが、「めっちゃドープだね。こんなに攻めて大丈夫?」って心配されましたね(笑)。

――その後も配信を中心にシングルをコンスタントにリリースしていく中で、何か変化したことはありましたか?

内田:まず、呼んで頂けるイベントが変わりましたね。あと、配信シングルを出したのも初めてのことだったので、色々な人から感想が送られてきたり、MVもガラッと雰囲気を変えたので、「これはどういう意味?」って聞かれたり。そういう部分は今までとは違うなって思います。あと、私はダンサーの友達が多いんですけど、「この曲で踊りたい!」とか「振り付け作りたい!」って言ってくれたりするようになりました。


プロデューサーとしての学びがあった「nude」のカバー

――4月にリリースされた両A面シングル『君はもういない/nude』には、City Your Cityの「nude」をカバーも収録されています。この曲を選んだ理由というのは?

内田:最初は練習用としてこの曲を歌っていたんです。

Teppei:そう。歌い方とか声の出し方の勉強になるんじゃないかなって。ワンマン・ライブでもやったよね?

内田:そうです。ワンマン・ライブで初めて披露しました。

Teppei:その時はトラックもキーも原曲のままでやっていて、音源化する時もそのままのつもりでレコーディングしていたんですが、ミックスとかしているとやっぱり合わないな……。って思い、作り直したんです。でも、そのこと珠鈴ちゃんに言うのを忘れていたんだよね(笑)。

内田:「結構変えちゃったんだよね〜」って言って聴かせてもらったんですが、全然違う感じになっていてビックリしました(笑)。

――内田さんが歌うにあたってどのようなことを意識しましたか?

Teppei: City Your Cityは男性ボーカルで、k-overの声だと自然と声が抜けてくるんです。でも、(そのままのトラックに)珠鈴ちゃんの声だと埋もれてしまったり、声の出しどころも違ってきたりするんですよね。なので「トラックもちゃんと歌に寄り添わなきゃ」って思って。これまではあまりそういうことは考えたことなかったんですけど、今回は歌がちゃんと前に出てくるように意識して、トラックをよりシンプルなものにしました。それ以降、他の曲でもそういうことを考えるようになりましたね。自分もプロデュースする立場として勉強させてもらっている感じです。

――Teppeiさんは内田さんの声をどう捉えていますか?

Teppei:細い声だけど、芯がある。あと、声に湿り気があるというか、しっとりした声で、他にはない唯一無二な声だなと思っています。ポップな音楽をやっていた時の珠鈴ちゃんの声は、個人的にはアンバランスなように感じていて。ドープなトラックやアンビエントなテイストの方が合ってるなって思います。

内田:嬉しいです。どの曲を聴いても、自分の曲ってわかる歌い方をしたいなと思ってるので。 歌がなかなか上達しなくて落ち込んでる時も「声、綺麗だよ」って励ましてくださったり(笑)。

――「nude」のMVの撮影はいかがでしたか?

内田:初めてコンテンポラリー・ダンスで自分の曲を表現することになって。最初は綺麗にみせなきゃいけないのかなと思っていたんですが、「歌詞の世界観や曲の雰囲気を自分の思ったままに表現したらいいんだよ」って言ってもらえたので、ただただ自由に踊りました。「もっと踊っているのを見たい」って言って頂いたりもしたので、嬉しかったです。あと、見た目が幼くて「中学生みたい」ってよく言われるんですけど、あのMVでは頑張って大人っぽさを出したつもりです(笑)。

――両A面シングル『君はもういない/nude』は学生だと100円で買えるという施策も話題になりましたよね。

内田:やっぱり学生の方にもいっぱい聴いて欲しくて。高校生にとって1000円って高いじゃないですか? でも、100円だったら気軽に手にとってくれるんじゃないかなって。あと、今回CDのパッケージを普通よりも大きいサイズにしたんです。そうすることで、より一層手にとった時の感動を味わってもらえるかなと思って。


「暗闇の中にようやく差し込んできた光」 初のEPにかける想い

――トラックをTeppeiさん、作曲を4s4kiさん、そして作詞を内田さんと、それぞれが別の役割をこなしているようですが、楽曲制作の基本的な流れはどのような感じで進行しますか?

内田:まずTeppeiさんがトラックを作ってくれて、それをみんなで聴いて、各々が持ち帰ってイメージを膨らませる。そして4s4kiさんがメロディーを作ってくれたら、今度は私が歌詞を乗せて、というのが基本的な流れですね。

――今回のEPで特にお気に入りの曲はありますか?

Teppei:僕は「君はもういない」ですかね。

内田:私は「リズムに合わせて踊る」かな。歌い方とかトラックとか、声の使い方をブロックごとにイメージを話し合って作っていったんですけど、できてから自分がイメージしたものがそのまま音になっているのを聴いてすごく感動しました。最初は暗く悲しい感じなんですが、どんどん明るく神々しくなっていくイメージで作ったんです。

Teppei:死んだ後と生まれる前の話をずっとしていたよね。「ずっと考えてたら寝れなくなった」って(笑)。

内田:そうなんです。今、死生観みたいなものがすごく気になっていて。この前もライブ終わった後に30分くらいずっとその話をしていたんですよ。

Teppei:子供の頃はありましたよね。死後の世界のこととかを考えて、何だかよくわからないけど怖くなって、心臓がめっちゃバクバク鳴り出す、みたいなこと(笑)。

――ありましたね。個人的には「私は無敵のヒーロー」が好きなのですが、リズムとか譜割りが他の曲とは違っていて新鮮な印象を受けます。

内田:ありがとうございます。言葉数の多い曲をずっとやりたいって考えていたんですけど、あの曲でそれがやっと実現できました。ライブで歌うのも楽しいんです。「私は無敵のヒーロー」っていうタイトルも珍しいので、ファンの方にもすぐ覚えてもらえますし、嬉しいですね。

――歌詞についてですが、EPを通して一貫した主張を感じます。「変わらない毎日への不満」だったり、「自分のやりたいことやるんだという決意」だったり「将来への不安や希望」だったり。これらは今の内田さんのマインドを強く支配しているものなのでしょうか。

内田:そうですね。私、わかりやす過ぎるくらい歌詞に出ちゃうんですよね(笑)。今回のEPの曲は方向性を変えるタイミングで書いた歌詞が多くて、その時は色々な不安もあったし、音楽のことだけじゃなくて普段の学校生活でも悩みがあって、すごく病んでいたんです。今見てもすごい歌詞だなって思います(笑)。でも、当時自分が思っていたことそのままだと思います。それまでは曲調も明るかったので、それに合わせて前向きな歌詞を書いていたんですが、Teppeiさんのトラックになってからはそういう暗い歌詞がハマるようになったっていうのもありますね。

――ライブはどうですか? 慣れてきましたか?

内田:ようやく慣れてきましたね。最近はすごく楽しくやらせてもらっています。以前は曲のイメージとか歌い方を定めて、何回も練習して、やっとライブに臨むって感じだったので「その通りにできなかったらどうしよう」って思って緊張しちゃってたんですけど、最近は「とにかく楽しもう」ってことを心がけてやっています。ただ、新曲をやる時とかセトリが変わる時は今でもめちゃくちゃ緊張しますね。

――舞台やモデルの仕事も並行してやられていますが、音楽活動とのバランスなどはどのように考えていますか?

内田:やっぱり一番は音楽なんですけど、最近になって初めて舞台をやらせて頂いて。それまでは、音楽と舞台って別物だと思っていたんですけど、舞台を始めてからはライブでも声が出るようになってきて。表現や立ち振舞いとかの幅も広げられているのかなっていう気がしています。もちろん役があるので、ライブの自分と舞台の自分は別人なんですけど、体の使い方や基礎的な部分にはは通じるものがあるなと。舞台もやってよかったなって思います。

――では、最後に内田さんの今の夢を教えて下さい。

内田:死ぬまでずっと歌いたいです。歌うことを止めずに生きていけたらいいなって思っています。頑張ります。


【リリース情報】

内田珠鈴 『光の中を泳ぐ』
Release Date:2019.05.29 (Wed.)
Label:TSUBASA RECORDS
Tracklist:
1. いつもの朝
2. 君はもういない
3. 私は無敵のヒーロー
4. どれほど私は
5. うまく進んでいたはずが
6. 人に言われて作る人生
7. リズムに合わせて踊る


【イベント情報】

SHURI UCHIDA “Swim into the light” EP Release Party supported by BCL
Wanna swim into the light? – みんなで光の中を泳いでみませんか?

日時:2019年8月4日(日) OPEN 12:00 / START 12:30
会場:東京・表参道WALL&WALL
料金:ADV. ¥2500 / DOOR ¥3000 (各1D代別途)
出演:
内田珠鈴

[GUEST]
City Your City

*学生は無料(ドリンク代のみ必要)

チケット一般発売:2019年5月31日18時〜

◎学生予約の方法
ご予約方法(E-mail)>>
宛先:uchida.shuri@gmail.com
件名:8/4予約
本文:内容下記2点
・代表者名(カタカナ・フルネーム)
・予約枚数

※ご返信に数日かかる事がございます。
※こちらからのメール返信をもちまして予約の完了となります。
※ご予約の締め切りは前日の23時となります。
※ドリンク代につきましては、当日お店にてお支払いいただきます。
※当日学生証をお持ちください。

主催:内田珠鈴
企画・制作:つばさプラス/TSUBASA RECORDS
特別協賛:BCL
お問合せ:つばさプラス事務局:TEL:03-5459-0856(10:30~18:30)

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インストア・ライブ

日時:2019年6月1日(土) 16:00~
会場:愛知 タワーレコード名古屋近鉄パッセ店 店内イベント・スペース
内容:ミニ・ライブ&サイン会

日時:2019年6月26日(水) 18:30~
会場:東京 タワーレコード渋谷店 5Fイベント・スペース
内容:ミニ・ライブ&特典会

<対象商品>
2019年5月29日発売内田珠鈴『光の中を泳ぐ』(TRNW-0164)

<イベント参加方法>
イベント会場の店舗にて、対象商品をご購入いただいた方に先着で、CD1枚ご購入につき1枚「特典会参加券」を差し上げます。

内田珠鈴 オフィシャル・サイト

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