2月21日(水)に最新アルバム『GIFT』をリリースしたANIMAL HACK。先日、自身のルーツを語ってくれたYuta(写真右)に続いて、今回はMasato(写真左)が登場。
今回挙げてくれた3曲は、Masato本人のルーツであると同時に、『GIFT』のサウンドを形作るにあたっても重要な楽曲。ダンス・ミュージックというフォーマットを採用しつつも、異彩を放ち続ける彼らのスタイルを紐解くヒントがここに。
(Text By Takazumi Hosaka)
1. Madeon / The City
この曲は「ダンス・ミュージックを作ってみたい」と強く思わせてくれた曲です。「The City」リリース当時16歳のMadeonがたったひとりでPCを使って作られた曲が、YouTubeなどオンラインでのバズのみならずフェスなどで多くの人を盛り上げている姿に衝撃を受けました。
また、生楽器の演奏ではできない表現、コンピュータで作った曲だからこそのうねりや刺激的なサウンド、音圧があり、そのこともDTMで何かを始めることへ自分を強く駆り立ててくれました。
Madeonはトータルでの音楽のアビリティもさることながら、作ることへの姿勢や志の高さなど、常に参考にすべきところを沢山持ったアーティストです。
2. Yumi Zouma / Catastrophe
ローファイなIndie Popの曲にどはまりしていた時代があり、そのときよく聴いていました。ハイファイな音作りだけでは表現できない深みやノスタルジーをこのジャンル、特にYumi Zoumaは曲に落とし込めていると思っています。
僕たちは重ためなビートの楽曲中心で、ジャンルとしてはEDMのような括られ方をすることが多々ありますが、だからこそ、そのようなジャンルの人たちがあまり採用しない表現方法をどんどん取り入れたいと思っています。
3. スピッツ / 春の歌
スピッツの音楽はキャッチーなメロディーと耳馴染みのいい歌声で、お茶の間に届く力を持ちながらも、演奏から垣間見えるコアな音楽への造詣や愛着が、ヘビーな音楽リスナーにも刺さるという両極端な要素をうまく併せ持つ存在だと思っています。
よくよく歌詞を見てみると、美しい日本語表現だけでなく「サルのままで」など、少々狂気を感じる表現が混ざっており、狂人草野マサムネさんがうまくポップスにパッケージングされ、それが世の中で受容されているという状況がとてもおもしろいことであると感じています。
このバランスを保つことは容易ではなく、本当に奇跡的な存在だと思っています。ただただ理想です。
Message
最後までお付き合いありがとうございます。こちらの記事で、ANIMAL HACKを構成するものは意外とダンス領域以外の部分から来ていることがお伝えできたかと思います。あと自分自身で書いていて気付いたのは、人生において影響を受ける音楽は、音だけでなく作り手の姿勢がどうであるかが重要だということです。
上記楽曲はいずれも最新作『GIFT』の楽曲の重要な構成要素になっているので、何か音の要素であったり表層だけでなく、奥にある共通性なども見出していただけたら幸いです。
Profile
ANIMAL HACK
東京を拠点に活動する2人組プロデューサー・ユニット。ダンス・ミュージックという文化背景の違いを軽々飛び越える強度の高いフォーマットに魅せられ、ジャンルや時代にとらわれない様々な手法を用いた作品制作を行う。2016年4月にはファースト・シングル『Keep Shakin』を全世界リリース。同年9月にはEP『ANIMAL HACK』、2017年にはEP『Boy』をリリースしそれぞれiTunesダンス・チャートを賑わせる。また、ストリーミング・サービス上で国内外問わず着実にリスナーを増やし、ロックや多様なカルチャーのバック・グラウンドを感じさせる楽曲がクラブ・シーンのみならずバンド・シーンでも話題を呼んでいる。
■オフィシャル・サイト:http://animalhack.tumblr.com/
■SoundCloud:https://soundcloud.com/animalhack
■Instagram:https://www.instagram.com/animalhack/
■Twitter:https://twitter.com/a_nima_l_hack
【リリース情報】
ANIMAL HACK 『GIFT』
Release Date:2018.02.21 (Wed.)
Label:術ノ穴
Cat.No.:sna-036
Price:¥1200
Tracklist:
1. Body
2. LETTER
3. Waiting…
4. Pressure
5. WIMM?
6. Inside
7. Plastic Night
8. Rabbit Hole (HARD Rabbit VIP)
■リリース詳細:http://subenoana.net/?p=6638