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REPORT / Music and City Festival Vol.1 東京公演


THREE1989、sugar me、C SQUARED出演!「都市」をテーマに独自のキュレーションを展開する日韓合同の新型イベントをレポート

2018.12.11

東京とソウル、2つの都市を舞台に、新たな音楽シーンを発信するべく立ち上げられた日韓合同フェス、“Music and city Festival Vol.1”が、11月7日(水)に東京・渋谷WOMBにて開催された。本イベントはオーガナイザーの崔尹禎(Choi Yoonjung/チェ・ユンジョン)が直接ライブを観に行き、その目と耳で厳選した日韓アーティストがラインナップ。THREE1989、sugar me、C SQUAREDら3組の国内アクトに加え、韓国からはJUNIELのほか、初来日となるCar, the gardenとWETTERが出演した。

当日はそれぞれの出自やバックグラウンドに関係なく、“Urban Music”というキーワードで結びついたジャンルレスなサウンドが溢れ、多様性に満ちた空間が演出されていた。きっとそれは、“Not better, Be different”を掲げるこのイベントのキュレーションあってこそ実現できたことだろう。また、各アーティストの魅力溢れるステージのほか、この日のためのコラボ・ステージも用意されるなど、イベントに訪れた音楽ファンにとっては特別な一夜となったのではないだろうか。

そんな日韓の音楽に新しい意義をもたらす新型フェスをレポートする。

Text by Izumi Gibo
Photo by Offcial


 C SQUARED

この日の一番手としてステージに現れたC SQUAREDは、2014年結成、様々なジャンルのポップ・ミュージックを基盤としながら“心踊る音楽”を追求する4人組。そのジャンルはR&B、ジャズ、ヒップホップ、ハウス、ソウル、ロックまで多岐に渡るが、生バンドとエレクトリック・サウンド、グルーヴィーなボーカルによって生み出される彼らの音楽を前にすると、カテゴライズやジャンルの枠組みはまったくもってナンセンスに感じられる。そこにはとことん洗練されたオリジナリティがあった。

また、元ダンサーのTŒM(Vo.)が魅せるパワフルなダンスはC SQUARED最大の特徴とも言える。途中Syn(Gt.)とKёи(Ba.)もそれぞれ楽器を弾きながらステップを踏んだりと、メンバー全員が観客と一体になって音楽にノリ、普段のWOMBさながらのダンス・フロアを演出した。聴覚にも視覚にも訴える、まさに“心踊る”パフォーマンスで華々しくトップバッターを飾った。


 WETTER

C SQUAREDの余韻もそのままに、ここから韓国アーティスト勢のステージが続く。一組目は2016年に1stシングル『Who』でデビューを果たした4人組若手バンド、WETTER。今回が初来日となった彼らだが、MCでは日本語で挨拶をするも緊張のせいかバンド名を言い忘れる可愛らしい一面を見せた。演奏ではそんな一面とは相反する正統派グランジ・ロックで会場を圧倒した。最後のコメントの後、WETTERのステージを名残り惜しむ会場の雰囲気に、思わず彼らが「良いですねぇ〜」と呟き、会場の笑いを誘うシーンも。最後はデビュー曲「who」を披露。会場の盛り上がりは最高潮を記録した。


 JUNIEL

熱気を帯びた雰囲気の中、次はJUNIELが登場。久々の来日公演だったが、変わらず流暢な日本語を披露してくれた。JUNIELのギターにキーボード/MIDIのサポート・メンバーを加えた2人編成で、曲の説明を挟みながら日本語詞と韓国語詞のロマンチックなバラード曲を披露。大人らしさとあどけなさを併せ持つ、彼女独特の魅力溢れるステージとなった。今回のイベントにちなんで披露した「Tokyo」は、そのタイトル通り東京でインディ活動をしていた頃の思い出が詰まった曲で、それを今回、ここ東京・渋谷で披露したことは彼女にとっても大きな意味をもつ出来事だったはずだ。最後に、来年のリリース情報を告知し、さらなる活動に期待高まる中、昨年末韓国でリリースされた「Last Carnival」を披露。退場まで拍手が鳴りやまず、長く日本で活動してきた彼女の人気ぶりが伺えた。


 Car, the garden

次は、国内での注目度も高いSSW・Car, the garden。今回はバンド編成でのパフォーマンスとなり、「東京は私の愛する都市であり、ここで演奏できることを嬉しく思います。私の音楽を覚えて帰ってください」と日本語で挨拶をした後、ハードロックからドリーム・ポップ、バラードまで多彩な楽曲を聴かせ、最後に「little by little」を熱唱。哀愁のある歌声と洗練されたアーバンなサウンドを生み出す彼の世界観で、会場の空気をガラりと塗り替えた。今後の活動への期待も高まるライブ・パフォーマンスであった。


 sugar me

国内ではなかなか見ることの出来ない3組の韓国アーティストの素晴らしいステージで盛り上がった後、日本のSSW・sugar meが登場。ギター・ボーカルを務めるsugar meに加え、キーボードにKirimの柏佐織里を迎えた2人編成。今回はバンドが多い中でのアコースティック・ステージとなったが、「“もやしのナムル”みたいな感じで聴いてみてください(笑)」とユニークな紹介で会場の笑いを誘う。

5曲目では「韓国のお友達を紹介します」との紹介後、JUNIELが再びステージに登場。2組でJUNIELの「I drink alone」を披露。スペシャルなコラボ・パフォーマンスを見せてくれた。sugar meは初めて韓国語での歌を披露し、新たな一面を見せた。


 THREE1989

そして、ラストを飾ったのはTHREE1989。メンバー3人にサポート・コーラスとサポート・ドラムを加えた豪華な編成で登場。1曲目「Mint Vacation」から会場の盛り上がりは最高潮に達し。この日は日韓合同イベントということで、韓国からの来場者も多い会場を見渡し、「今日のために韓国語を色々調べてきたんですけど、やっぱ日本仕様で行きます(笑)」と、ボーカル・ShoheyのMCでオーディエンスから笑いを誘いつつ、リラックスしたムードが漂う。ラストは「UMBRELLA」をライブならではのアレンジで披露。熱量はさらに増し、多幸感に満ち溢る中、イベントはフィナーレを迎えた。

“Music and City Festival Vol.2”は2019年2月9日(土)に、同じく東京・渋谷WOMBLIVEでの開催が決定している。日本からは早くもDATSとNewspeakの出演が発表され、今後も独自のキュレーションを展開していくこのイベントから目が離せない。


【イベント情報】

“Music and City Festival Vol.2”
“Music and City Festival Vol.2”
日時:2019年2月9日(土) OPEN 16:30 / START 17:00
会場:東京・渋谷WOMBLIVE
出演:
[Urban J-POP]
DATS
Newspeak

[Urban K-POP]
IDIOTAPE
Sultan of the Disco

公演オフィシャル・サイト


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