INTERVIEW

日韓合同フェス主催・崔尹禎

CNBLUE、FTISLANDの育ての親にして自身をアウトサイダーと称する崔尹禎。彼女が主催する日韓合同フェスにかける想いとは

東京とソウル、2つの都市を舞台に、新たな音楽シーンを発信するべく立ち上げられた日韓合同フェス、“Music and city Festival”が今秋スタートした。9月にはソウルにて日本からyahyel、Newspeak、C SQUAREDらが出演したソウル公演が行われ大きな話題に。そして、同月開催予定となっていたが諸般の事情で延期となった東京公演が、ついに11月7日(水)に東京・渋谷WOMBにて開催される。

本イベントはオーガナイザーの崔尹禎(Choi Yoonjung/チェ・ユンジョン)が直接ライブを観に行き厳選した日韓若手アーティストがラインナップ。THREE1989、suger me、C SQUAREDの3組の国内アクトに加え、韓国からは長きに渡る日本活動でも知られるSSW・JUNIELのほか、初来日となるCar,the gardenとWetterが出演。当日はステートメントにもある通り、まさしく国境を超えた「洗練された音楽交流の場」となることだろう。

今回はそのオーガナイザー、崔尹禎へインタビューを敢行。インディ時代のFTISLAND、CNBLUEそしてJUNIELのプロデュースを手がけ、韓国出身ながらも日本の音楽業界での長いキャリアを持つ彼女が掲げる、“Music and city Festival”開催の意義とは。そして、2つの国を駆け巡る彼女だからこそできる、日韓音楽業界に対しての考察、そして今後の展望を訊いた。

Interview & Text by Izumi Gibo
Photo by Takazumi Hosaka


――まずは、これまでの経歴を含め簡単に自己紹介をして頂けますでしょうか。

:日本滞在歴19年で、日本と韓国でほとんど半分ずつ過ごすような生活をしながら、現在は韓国にまつわる大衆文化交流をテーマにした色々な仕事を手がけています。元々は映画の勉強をするために日本に留学して、大学卒業後はスターダスト(STARDUST)に就職しました。そこで初めは映画の仕事をしていたのですが、当時は会社に韓国人が私しかいなくて。なので、映画だけでなく本当に色々なことを任されるようになり、韓国にまつわるプロジェクトを仕切るようになりました。それである日、突然社長が「これからは韓国アーティストを手がける。スカウトしてこい」って言われて。音楽は全然わからないのに、「良いアーティストを見つけるまでは日本に戻って来なくてもいい」ってみんなの前で言われて(笑)。私も変な責任感というか、何か勝手に韓国代表みたいな気持ちになっちゃって。プレッシャーをすごく感じましたし、必死になってアーティストを探して、ようやく実現したプロジェクトのひとつがKなんです。

:そのプロジェクトが上手くいって以降は、音楽の仕事にどっぷりでした。スターダストに在籍しながら色々なプロジェクトを手がけましたし、会社を辞める頃には完全に音楽中心でしたね。その後、独立してからインディ時代のFTISLANDやCNBLUE、JUNIEL、ウォンビンを手がけました。今のレーベルを立ち上げたのはその後です。元々はドキュメンタリー映画の監督になろうと思っていたくらいで、インディ的な志向が強くて。でも、雇われながら自分で何か新しいことをするのは難しいですよね。だから、自分自身で人の手を借りずにやろうと思って。会社員時代からやりたいと思っていたことを実現させるために独立して作った会社がAI Entertainmentです。AIというのはIndependentのIのほかに、日本語の「愛する」の愛(アイ)、英語の「I」(自分)、あと韓国語の「아이」(アイ/子供)という意味が込められています。

――映画の勉強をするために留学したとのことですが、留学先を日本にしたのはなぜなのでしょうか?

:岩井俊二さんや北野武さん、黒澤明さんの映画が大好きだったのもありますが、一番は当時の国際関係が深く関係しています。元々はやはりアメリカに行きたかったのですが、当時(90年代後半)は独身でお金のない韓国の若い女性にはビザがほぼ下りなかったんです。お金に余裕のある人が行くのがアメリカっていう感じでした。そんな時、金大中大統領が日本文化を開放する宣言をして、日本と「日韓パートナーシップ宣言」を発表したんです。日本に留学する学生は、特別な申請をしなくても週に28時間までアルバイトが認められるようになって。仕事しながら勉強もできるし、韓国でも日本の文化が開放されたし、日本語を勉強しておけば役に立つかなという気持ちもあり、日本にしました。今の私があるのはその政策のおかげですね。映画の勉強はすごく楽しかったし、色々学ばせていただきました。

――そして、大学卒業後はスターダストへ就職すると。

:卒業するちょっと前、そろそろ韓国に帰ろうかなと思っていた時に、ちょうど『冬ソナ』のブームが来て。最初はあまり気にしていなかったのですが、徐々に「この勢いは半端じゃないな」って思ったんです(笑)。すると、あらゆる方面から韓国人を必要とする仕事が増えました。なので、就活してないのに色々なところからお声がけ頂くようになって。その中で、映画部署を設立するというスターダストに就職しました。映画部署の立ち上げメンバーとして入ってからは、カンヌ映画祭や釜山国際映画祭などでブースを製作したりもしました。その後はさっきお話した通り、社長から直々に韓国アーティストを発掘してくるよう指示され、徐々に映画の仕事からフェードアウトしていきました。正直、悔しい思いもありましたね。私の後輩は後に映画のプロデューサーになったりもしていたので。

――でも、その分音楽の仕事が楽しくなってきたと。

:そうですね。音楽は元々好きだったんですけど、こんなに音楽の仕事をするとは思ってなくて。だから、私の人生は本当にスターダストの細野社長と出会って大きく変わりました。それまで映画一筋だったのが音楽に変わってしまって。でも、すごく楽しいので後悔はしていません。

――スターダスト退社後はFTISLANDやCNBLUEを手がけたということですが、その経緯というのは?

:スターダストで色々な音楽プロジェクトを動かしている時に、FTISLANDのオーディションも始まったのですが、他の韓国人ボーカルの子を手がける話とバッティングしてしまい、FTISLANDプロジェクトの話は消えました。オーディションの最初から一緒にやっていたので、これはちょっと悔しかったですね。当時メンバーはまだ小学6年生ぐらいで。ドラムのミンファンが小学生で、ベースのジェジンが中学1年生くらいだったかな。その時の写真や、将来の夢を書い紙もまだ持ってるんですけど(笑)。

――お宝ですね(笑)。

:今となってはお宝ですね(笑)。「日本でこういうことやろうね」みたいな話もしていたので、その話がなくなると辛いし、彼らに対しても申し訳なさがありました。良いアーティストを少しずつ、しかし確実に手がけるっていう会社のスタンスに納得したのと同時に、その頃から自分のビジョンが見えなくなってしまって。なので、これまでの自分の音楽の仕事を論文としてまとめてみようと思って、大学の博士課程に進学し直しました。そしたら「博士課程はそんなに授業もないし、それならFTISLANDを日本で引き受けてくれないか?」と韓国の事務所から声をかけられたんです。日本でやるなら日本のスタイルで、“現地化”する方向でいくから、「私のやり方に口を出さない」という条件で引き受けました。それから自宅のマンションをオフィスに改造して、新大久保のネット・カフェでホームページを作ったりとかしましたね。なので、会社は作ろうとして作ったのではなく、必要になったから作ったという感じですね。

――FTISLANDが韓国でデビューした後、日本に音楽留学していた時はチェさんがサポートを?

:はい。とにかく私はインディ志向で、率直に言うとアイドルがあまり好きじゃないんです。自分たちで演奏できて、自分たちで曲を作らないとダメだという考えがありました。なので、留学という形で「責任持って私が育てます」と言って連れてこさせました。FTISLANDはオーディションの時にそれぞれのパートを決めたくらいで、その時はまだできたてホヤホヤ。まだ演奏もライブができる状態ではなかったのです。インディで活動していくには、やはりライブができないとダメですし。リップ・シンク(口パク)、ハンド・シンク(当て振り)じゃ話になりませんから。その方法でFTISLANDは上手くいったので、その後CNBLUE、JUNIELも同じように日本で育てて、韓国でもデビューさせました。

――CNBLUEは初期のストリート・ライブ活動がファンの間では有名ですが、あれもチェさんのアイデアですか?

:そうです(笑)。ストリート・ライブって、本来は許可を取らないといけないんですけど、大変だから結構みなさん勝手にやるじゃないですか。今だから話せますが、私たちも同じようにいつでも逃げられるように準備しながらやってたり。見張りを立てたり(笑)。演奏する場所も私とマネージャーが探してましたね。そのやり方が絶対的に正しいと思ってやっていたわけではないんですけど、やっていくうちに自然と学べるものがたくさんあって。ファンの方の間では“CNBLUEの暗黒時代”とか言われているようですが、あの時代がなかったら今の彼らはないと思います。

――同時代にK-POP界で活躍していたのはアイドルばかりだったにもかかわらず、唯一CNBLUEやFTISLANDはバンドとして活躍していたので、すごく音楽にこだわっているんだなというのは、日本のリスナーから見ててもすごく顕著に見て取れました。

:ありがとうございます(笑)。

――韓国のメディアでは自分たちの意思で日本に行ったという感じで書いてあるのを見ますが(笑)。

:今だから正直に言うと、彼らも帰りたいと思った時が何度もあったと思います。でも、事務所としてはそういうふうに言わざるを得なかったと思うんです。もちろん会社で決めてプランを立てた上で連れてきてもらいましたが、やっぱり実際ストリートでやったり日本語を勉強したりステージに立つのは彼ら自身なので、本当にその意思がないわけではないですし。辛いこともたくさんあったと思いますけど、彼ら自身もだんだん楽しくなってきたのが伝わってきました。

――本当に、チェさんも含めてチームって感じなんですね。みんなでメンバーというか。

:そうですね。今はみんないい歳なので、自分たちで考えて活動していると思いますが、教えたり引っ張ってくれる人が必要な時期もあったはずだと今は思うようにしてます(笑)。ただ、私が本当に理想と考えているものはそうではなくて、例えば、学生時代に出会った仲間たちが組んで地道に活動を重ねていき、プロモーションなどの面で助けが必要になってくる時期に、事務所と出会う。そういうスタイルが理想だなと思いますね。

――今回、チェさんが主催するイベント、“Music and City Festival”の構想はいつ頃から、どういった経緯で練られていたのでしょうか?

:確か去年の6月か7月くらいだったと思います。その時期に渋谷のライブハウスとかに頻繁に行くようになって。あるインディ・バンドのライブを観に行った時に、対バンでC SQUAREDが出演していたんです。正直、私がこれまで好んできたような音楽とは少し異なるものだったんですけど、踊りながらラップもありつつ、それでいてバンドで、というハイブリッドなスタイルに魅了されてしまって。C SQUAREDのライブは「もっと多くの人に届けるべきだ」って思うのと同時に、彼らは英語で歌うので、韓国の人にも聴かせたいって思ったんです。
韓国では「日本のアーティストで誰が好き?」って聞くと、未だにX JAPANを挙げる人が多いんです。もちろんそれも良いんですけど、韓国と日本を行ったりする私だからこそ、もっと新しい日本の音楽を届けるべきだなって思って。それでこのイベントのアイディアが出てきたんです。最初はインディのアーティストばかりだから、厳しい意見、ネガティヴなことばかり言われました。結局スポンサーも見つからなかったので、だったらインディの精神に則り、自分でやってしまおうと思って。良いアーティストを集めれば、観に来てくれる人はいるだろうと考えて、今年から動き始めましたね。 本当は理解ある方々の助けを借りたいなと思いつつ、自分でやるって決めた以上はもう、やるしかないので(笑)。幸い、この前9月のソウル公演はかなり盛り上がってくれたので、このままぜひ2回3回と続けていけるイベントにしたいなと思っています。

――日本のインディ・シーンの音楽を集中して聴くようになったのは去年の夏頃からになるのでしょうか?

:その前から色々なライブに行ったり、アーティストについて教えてもらったりもしていて。でも、ラインナップを構築するにはより多くの情報が必要なので、その上で助けられたのがYouTubeでした。ひとつの音楽を知ると、それと類似性のある音楽をレコメンドしてくれますよね。そうやって自然に色々な音楽を聴くようになっていきました。その時、新しく知ったのがこの前の韓国公演にも出てもらったNewspeakや、yahyel、そしてVol.2に出演予定のDATSなどです。

――日韓の若いリスナーにおける、差異などは感じられますか?

:よく他の方もおっしゃるんですけど、韓国の人は大阪の人に似てるねって言われるんです。韓国の人はすごくノリがよくて。9月に一緒に行った日本のアーティストたちは、みんな口を揃えて「また韓国でライブしたい、本当に楽しかった」って言ってくれる。特にNewspeakは、「僕ら、日本でもまだキャーって言われるような立場じゃないのに、なんで?」って言っていましたね(笑)。
日本はじっくり音楽を聴きたい方が多いようですが、韓国はどちらかというとアーティストと一緒に楽しもうとする方が多いイメージですね。私も日本でライブを観ていると、ちょっと静か過ぎるなと思うこともあります。特に、アンコールがない時は驚きますね。韓国だったらもう1回出てくるまでアンコールをやめません(笑)。

――欧米でのライブ、コンサートに近いというか。

:そうですね。写真や動画も撮ったり基本的にOKなので、みんなガンガン撮りますし、サビとかは一緒に歌ったりもします。日本ではあまり見かけない風景だと思いますね。

――ソウル公演の客層はどのような感じでしたか?

:会場が弘大(ホンデ)ということもあり、ほとんどが20代でしたね。30代、10代はほぼいなくて、20代っていう感じです。1回目なのでショー・ケースという形で、どういう方が来るのかわからない部分もあったのですが、やはり新しい音楽を求めている好奇心旺盛な方々が多かったですね。あと、弘大は昔から日本の文化に接することができる場所なので、日本のカルチャーが好きな方も多かったと思います。

――イベントの反応はいかがでしたか?

:似ているようで似ていない6組のラインナップをおもしろかったっておっしゃって下さる方も結構いて、すごく嬉しかったですね。新しい日本の音楽を紹介することができて、それを韓国の方々も理解してくれたっていうことがおもしろかったですし、絶対に2回目もやろうって思いました。

――ソウル公演の会場となったKT&G サンサンマダン(상상마당)・ライブ・ホールは、韓国のインディ・アーティストがたくさん公演を行っていますよね。ここでライブを行うことは韓国アーティストにとって特別な意味合いがあるのでしょうか?

:サンサンマダンは弘大のシンボル、ランド・マークみたいな場所です。今、ジェントリフィケーションが進んで弘大の街並みも様変わりしてきているのですが、そんな中でも今年10周年を迎えるサンサンマダンは、インディ精神を貫いている唯一無二なヴェニューだと思います。このイベントも、インディ精神で主催しているイベントなので、1回目はサンサンマダンで開催するというのは、最初から決めていました。韓国のインディ・シーンを象徴するような会場だと言えると思います。そこに日本のアーティストにも立ってほしかったんです。

――今回の出演者は音楽性に幅がありつつも、それぞれアイデンティティを確立しているアーティストばかりです。ラインナップを構築する上での狙いはありましたか?

:両国とも絶対必須条件として考えていたのは、自分たちで音楽を作っているアーティストだという点です。その上で、まだ日韓で知られていないアーティストを探してました。すでに日本でも知られているような人気アーティストを、私が改めて紹介する必要はないですから。どうせ自分でやるなら、自身を持って紹介できるアーティストだけにしたかったので、ラインナップには本当にこだわりました。

――今回の出演アーティストについて、それぞれの印象を教えてください。

:まず、このイベントを企画するキッカケを作ってくれたC SQUAREDから話すと、先程も言った通り、バンドなのにダンスを取り入れていることにすごく衝撃を受けて。観ていると思わず一緒に踊りたくなるくらい、楽しくなってしまうんです。話を聞いてみると、ボーカルのTŒMさんは元々ダンサーだったらしいんです。もちろんバンドの演奏もしっかりしていますし、本格的なダンスと演奏が合わさったパフォーマンスって、他には中々ないんじゃないかなって思います。すごくオリジナリティのあることをやっているので、このイベントを通して、もっと多くの人に広まればいいなと思っています。

:Newspeakは、初めて聴いた時に日本っぽくないという印象を受けました。調べたら、ボーカルのReiさんは留学経験があったり、生まれもアメリカだそうで納得しました。個人的な繋がりとしては、昔CNBLUEなどにベースを教えてくれていた知人がリーダーを務めるCURTISSのYoheyさんが在籍していたりもしていて。日本や韓国のバンドが英語で歌う場合、違和感を感じることも多々あるんですけど、彼らの場合はそれが全くなくて。すごく自然なんですよね。ボーカル・Reiさんの声もすごく魅力的ですし。そういった部分に注目してもらいたいですね。

:sugar meさんは私がとても好きなレーベル〈RALLYE〉所属のアーティストで、名前に「sugar」と付いているのに、甘過ぎないというか、淡々としていて、すごく芯の強い音楽をやっているなと思いました。実際にお会いしてみても、サバサバしていてすごく意思が強い方なんだと思わされます。スタイル的にはギター弾き語りのSSWということで、今回のラインナップの中ではJUNIELと近いかもしれないですね。どちらも最近はドラマや映画のOSTが多い印象を受けますが、だからこそ今回のライブがどうなるのか、楽しみにしてもらいたいです。

:THREE1989はここ最近韓国でも人気を集めているシティー・ポップ的なカラーがとても魅力的だと思います。インタビューしたところ、やはり都会で聴きたい音楽、というコンセプトを強く意識しながら音楽制作に挑んでいるとのことでした。ボーカル、DJ、キーボードという構成もユニークですね。このフェスの都市というキーワードととてもマッチングするラインナップだと思います。

:韓国アーティストのJUNIEL, Car, the garden, wetterは厳密にはインディ・アーティストとは言えない、韓国でメジャー・デビューしている素晴らしいアーティストですが、ただ日本ではあまり知られていないということで今回出演してもらうことになりました。JUNIELは日本のインディ時代から共にしてきたので言うまでもなく、彼女のSSWとしての才能は素晴らしいですが、最近新作やライブがご無沙汰なのでもっとたくさんライブをしてほしい気持ちも込められています。Car, the gardenは宝のような声の持ち主でありながら、わかりやすくて洗練されたメロディを作る奇才。wetterは今の韓国では少し珍しくなってきた正統派グランジ・ロック・バンドです。可愛いらしい見た目と音楽のギャップが楽しめるバンドで、Car, the gardenとwetterは今回初来日、初の日本公演となります。

――東京公演の見所をまとめるとどういった点でしょうか?

:キャッチフレーズにもある、「Not Better,Be Different」。これに尽きますね。何かの賞を獲ったり、CDが何万枚売れたりとか、そういう実績は一旦抜きにして、いつもとは少し違った音楽に触れてみてはいかがでしょう? っていう。韓国語だと「계급장 떼고 붙자!」。軍隊の階級章(계급장)を外して堂々と戦おう、みたいな言葉があるんですけど。私たちは一見多様性の認められた時代に生きているようで、実はそうではないこともいっぱいあるんですよね。もちろん、ITやSNSの発達により、以前よりはインディのアーティストもだいぶ活動しやすくなったと思います。それでも、よく目にする看板だったり広告、タイアップなどは今でも資本がないと獲得できなかったりする。よほどの音楽好きでない限り、そういう大きな資本が介入したものばかりが目に入ってきてしまう。私はそういった人たちにとって、選択肢を増やす役割になれればなと思います。

――今後のイベントの展望はどう考えていますか?

:韓国と日本、それぞれの国でまだあまり知られていないアーティストを紹介するというのが、一番核でもあり一番大変な部分で。9月のソウル公演の時に、改めて「大変なことを始めてしまった」と思いました(笑)。
“Music and City Festival”は、人気のあるアーティストで多くの人を魅了するイベントというよりは、新たな発見を提供するイベントだと思うので、こうやってイベントの趣旨を明確に伝えて、イベント自体の認知に繋げなければいけないんです。そして、イベントのアイデンティティをしっかりと確立させる。そのアイデンティティに納得したお客さんにたくさん来てもらわないと、主催者の自己満足で終わってしまいますし、持続可能なイベントにするべく工夫していかなければいけません。

――最後に、日韓のアーティストのプロデュースなどは今後のチェさんの活動の視野に入っていますか?

:私が何かお手伝いできるようなインディ・アーティストがいれば、国籍問わずサポートさせてもらいたいですね。だからこそ、このイベントも国じゃなくて「Urban」(都市)をキーワードにしていることもあって。昔はインディと言いながらも自分手動で引っ張るような活動をしてきたので、できれば今後はもっと裏方に徹したいですね。ただ、セルフ・プロデュースが上手くできていないようなアーティストの場合は引っ張ってあげることも必要かなとは思いますが。あとはインターネットのおかげで国境なき時代になりつつあるからこそ、アーティストを世界中に送り出すことができたらいいですよね。

私は韓国と日本で長く生活してきて、どちらにも根ざしていると同時に、アウトサイダーでもあると思うんです。それぞれを愛しながらも、客観的に見ることができるこの立場から、色々な形で恩返しができればなって。韓国と日本、それぞれのいい文化、アーティストをそれぞれに届け続ける。それが私の役目なんじゃないかなって思っています。


【イベント情報】

“Music and City Festival”
日時:2018年11月7日(水) 開場 17:30 / 開演 18:00
会場:Shibuya WOMBLIVE
料金:AVD ¥4500 / DOOR ¥5000 (1D代別途)
出演:
sugar me
THREE1989
C SQUARED
JUNIEL      
Car,the garden (初来日)   
WETTER (初来日)

※チケット一般発売中

公演オフィシャル・サイト


■プレゼント・キャンペーン

①Spincoasterから、“Music and City Festival”へ、5組10名様をご招待

応募方法:SpincoasterのTwitterアカウントをフォローし、下記ツイートをRT!
応募期間:10月31日(水)20:00〜11月6日(火)00:00 (11月5日24:00)

※当選通知送信後、11月6日(水)18時までに返信がない場合は辞退とさせて頂きますので、ご了承くださいませ。
※当社が取得した個人情報は、目的以外には一切使用しません。

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②JUNIEL、Car,the garden、WETTERのサイン入りCD(各1枚ずつ)

応募方法:SpincoasterのTwitterアカウントをフォローし、コメントを付ける形で下記ツイートを引用RT! コメント内にCDの欲しいアーティスト名をご記載ください。
応募期間:10月31日(水)20:00〜11月6日(火)00:00 (11月5日24:00)

※1名様1枚のみの応募とさせて頂きます。複数のアーティスト名を記載した場合、無効とさせて頂きます。
※当選通知送信後、11月6日(水)18時までに返信がない場合は辞退とさせて頂きますので、ご了承くださいませ。
※当社が取得した個人情報は、目的以外には一切使用しません。

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