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REPORT / MIRRROR 『POLARIZE』 Release Party


渋谷の天空で未来と交差する、緩やかでウェットな一夜。MIRRRORの2nd EP『POLARIZE』リリース・パーティをレポート

2020.03.04

TakumiとMeiによる日系アメリカ人2人組、MIRRRORが待望の2nd EP『PORARIZE』を2月19日(水)にリリース。その当日に同作のリリース・パーティが開催された。会場となったのは渋谷の新たなランドマークであるPARCOの屋上に位置する「ComMunE」。MIRRRORは自身の世界観を凝縮させた、ムード溢れるライブを展開。一足先に春をも感じさせる、緩やかでウェットな一夜となった。

Text by Asami Yamane
Photo by Hikaru Morita

定刻が近づくにつれ、耳の肥えたリスナーが「ComMunE」に続々と集まり始める。フロアではtokyovitaminのvick okadaがDJで出迎え、お酒を片手にそれぞれ会話を楽しんだり、DJプレイに体を揺らせたりと、思い思いのスタイルで開演を待つ。


定刻を少し過ぎた頃、MIRRRORがステージに登場。「Good evening.こんばんは。Please pull up. let’s be friends. Come on, 仲良くなろう!」とTakumiの英語と日本語をミックスした呼びかけでステージ前方にオーディエンスが集まる。ライブは穏やかなアンセム・ソング「ice cold」からスタート。お馴染みのナンバーで、瞬く間に場内をリラックスした空気で包み込む。

いつものように軽快なMCにオーディエンスも反応しつつ、会場も徐々に温まっていく。続く「35」ではよりスローリーでチルな雰囲気に。オーディエンスもその心地良さに浸っていく様子が印象的であった。「Alright, this next song is probably our favorite song. you know it’s just like a fucked up journey, so if you guys want to come through with us. please! let them know!」(次はたぶん私たちのお気に入りの曲。それは酷い旅のような曲だから、私たちと一緒に行きたい人がいれば教えて!)とのMCからスタートした「celsius」でテンポは一変。堂々としたTakumiのフロウに魅了される。

「shed」ではふたりの重なりあうラップに合わせて、一緒に口ずさむオーディエンスも。会場との一体感のあるグルーヴも体感できた一幕であった。さらに、Takumiのソロ・ナンバーとなる「console」を披露。一度聴いたら忘れられない、艶っぽいサウンドに思わず引き込まれる。

そして、山田健人が監督を務めたMVで、MIRRRORの名前を一躍世に知らしめた「U By My Side」から、立て続けに人気曲「never fall in love」へと繋ぐ。これにはフロアもヒートアップ。魅惑的なMeiのウィスパー・ボイスに包み込まれていく。Takumiの変幻自在に表情を変える表現力豊かなパフォーマンス、アメリカで培ったふたりの個性的なセンスがバランスよく混ざり合う様は、やはり唯一無二だ。

中毒性のあるビートが駆け巡る「back & forth」が終わると、Takumiが「お疲れ様です。来てくれてありがとう、本当に感謝しかないです」と日本語で感謝を伝え、オーディエンスは歓声でそれに応えていく。Meiも「今日は新しいEPをリリースすることができました!」と喜びを伝える。

会場からの祝福を受けながら、新作EPの1曲目となるアッパー・チューン「nothing’s changed but everythig’s changed」を披露。着実に進化し続ける彼らのサウンドに胸も高鳴る。そしてシルキーに歌い上げる「expired」。「Stay tuned!」と笑顔を見せながら披露された「joyride」、「RE(intro)」と立て続けにパフォーマンス。2人の音楽には、“自然体”という言葉がしっくりくる。肩の力を抜いて音楽に自らの身体を委ねる。気づいたら踊らずにはいられない、そんな多幸感溢れる空間がそこには存在した。

そしてここで「The second to last song. it’s called hi-res」(あと2曲で終わり。次の曲は「hi-res」)とTakumiがMC。「Hi-res」はミニマルかつトライバルなトラックを軸とした、彼らの新たな一面を垣間見れるようなナンバーだ。そして、ラストは同じく新作『PORARIZE』より[FIFTY(like that)]で締め括った。


今の時代に必要とされるのは、誰でも受け入れて、巻き込んでしまうサウンドであるように思う。それをサラリと、クールにやってのけるMIRRRORにはいつも驚かされるばかりだ。多彩な楽曲が詰まった2nd EP『PORARIZE』のリリースを祝したこの日のイベントは、彼らのサウンドを心から欲するオーディエンスが集った、心満たされるパーティとなった。

MIRRROR 『POLARIZE』 Release Party SET LIST
1. ice cold
2. 35
3. celsius
4. shed
5. console
6. U By My Side
7. never fall in love
8. back & forth
9. nothing’s changed but everything’s changed
10. expired
11. joyride
12. RE(intro)
13. hi-res
14. FIFTY(like that)


【イベント情報】

SXSW2020 『inspired by tokyo』
日時:2020年3月16日(月) START 20:00
会場:アメリカ・テキサス州 オースティン Swan DIve
出演:
The fin.
Sen Morimoto
Dos Monos
MIRRROR
yonawo
Wez Atlas feat. VivaOla

SXSW オフィシャル・サイト


【リリース情報】

MIRRROR 『POLARIZE』
Release Date:2020.02.19 (Wed.)
Label:Spincoaster
Tracklist:
1.nothing’s changed but everything’s changed
2.expired
3.FIFTY(like that)
4.an ode to the last time
5.joyride
6.RE(intro)
7.hi-res

■MIRRROR:Instagram / Twitter


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