REPORT

City Connection powered by Manhattan Portage

ファッションと音楽の掛け算によって高い熱量を放った『City Connection』。代官山UNIT全フロア使用した大型イベントをレポート

NY生まれのバッグ・ブランド、〈Manhattan Portage〉が始動させた都市型音楽プロジェクト『City Connection』のキックオフ・イベントが10月22日(火・祝)に東京・代官山UNITにて開催された。

同会場の3フロアをフルに使った本イベントはtofubeats、FNCY、in-d、PAELLAS、underslowjamsがライブ・アクトとして出演。DJにもLicaxxx、D.A.N.、MURO、okadadaなど、クラブ・イベントのヘッドライナー級のアクトを何組も集めた豪華なイベントとなった。


オープンから会場の周りには長蛇の入場列ができており、音楽好き、ファッション好きからの注目度の高さを感じさせる。オープンからB1 FLATではYUKIBEB、SALOONではDisk Nagatakiといった気鋭のDJがフロアを温めていく。

そしてメインのステージのUNITにこの日の1番手として登場したのは、ベテラン・ヒップホップ・バンド、underslowjams。お馴染みフィッシュマンズ「いかれたBABY」カバーや「酩酊」といった人気曲を披露。フロアをアゲ過ぎない絶妙なテンション感とレイドバックした雰囲気を演出した。


B2のSaloonではその後YonYon、Licaxxx、D.A.N.のDJセット、そしてokadadaと続き、ヒップホップからテクノ、ハウスまで、サウンドは多岐に渡りながらも、まるで深夜帯のクラブのようなドープなフロアを作り上げていた。バーカンで寛ぐ人からパンパンのフロアで踊り明かす人など、各々が自由なスタイルで楽しむ姿は、まさしく都会の一夜の景色かのようであった。



一方、B1 FLATではリラックスしたラウンジ的な雰囲気に。WONKのリーダーでもある荒田洸の貴重なDJプレイから、時にJ-POPをも取り入れたセットでオーディエンスを魅了した水原佑果、ベテランであるDJ SARASAとMUROは圧倒的な存在感を放ちながらも、適材適所な絶妙な選曲、プレイで心地よい空間を作り上げていく。



一転、メイン・フロアではBIMやVaVaも擁するクルー・〈CreativeDrugStore〉のラッパー、in-dが登場。underslowjamsが作り上げたアーバンかつメロウな空気感を引き継ぐように、クールかついぶし銀なフロウとリリックを繰り出していく。ライブDJを務めるのは同クルーから、B1への出演も控えるdoooo。息の合ったプレイで次々と楽曲を披露していく。

中でもVaVaがトラックを手がけた「On My Way」ではライブならではのダイナミズムも加わり、オーディエンスを大いに揺らした。「なんか気分いいし2駅分歩こう/夜のアルコールで流したくない/ひとりが好きだけど誰かにcall/そんな夜」というラインが印象的な同曲は、都市に生きる人間の心象風景を上手く描いた今年屈指の名曲だ。


まだまだ時間的には夕方だが、代官山UNITはまるで夜。in-dからバトンを受け継いだのは、今年の12月に惜しまれながらも解散することを発表しているPAELLAS。バンドに残された3本のギグのうちの1本ということで、ファンならずとも音楽好きにとっては見逃せないステージだ。しかし、当の本人たちはあくまでもいつも通り。どこまでもクールな佇まいでMCも必要最小限に抑え、ミニマルなグルーヴで会場をジワジワと掌握していく。後半で行われた長尺のジャム・セッションでは、普段中々表には出ない彼らの熱いエネルギーが垣間見れた瞬間も。最後は切ない終わりを感じさせつつも、どこか希望の光も感じさせるような「Weight」で終幕。去り際の潔さからも、彼らの美学のようなものが感じられた気がした。


そしていよいよイベントも後半戦、FNCYがメイン・フロアに登場する。サウンド・チェックの段階からすでにオーディエンスを沸かせていたが、そのエンターテイメント精神の高さは、パフォーマンス本編でもいかんなく発揮。ニュー・ジャック・スウィング、ヒップハウスからブーンバップ、果てはトラップまで、ヒップホップ〜ラップ・ミュージックの様々な要素を自分たち流に解釈したサウンドで、会場をカラフルに彩っていく。

当たり前だがマイク・リレーの息もぴったりで、ライブの完成度の高さに唸らされる。途中、工藤静香のダンス(「嵐の素顔」)を取り入れたり、G.RINAの歌い間違いをMCで笑いに昇華するなど、おそらくこの日で最もフロアに笑顔が溢れたライブとなった。最後はフック前にオーディエンスをしゃがませ、一気に爆発する「FNCY CLOTHES」で終幕。ハッピーなヴァイブに包まれたまま、トリのtofubeatsへと繋いでいく。

tofubeatsは〈Manhattan Portage〉のサコッシュを付けて登場し、自身の楽曲のライブ・エディットやマッシュアップなどをDJのようにシームレスにプレイしていく。もちろん、自身のボーカル/ラップ曲では歌唱も披露。KEIJU(ex. YOUNG JUJU)を招いた「LONELY NIGHTS」、「ふめつのこころ」ではオーディエンスからのシンガロングも巻き起こる。

また、「水星」では〈Manhattan Portage〉のサコッシュに忍ばせていたハーモニカを取り出し、イントロの印象的なリフを吹く場面も。これには会場も大いに沸いた。最後は映画『寝ても覚めても』の主題歌として描き下ろした感動的なバラード曲「RIVER」で感動的なクライマックスを飾った。


長時間に渡って行われてきた本イベントもこれにて終了……かと思いきや、上のフロア=B1ではなんとtofubeats終了後もdooooがDJを延長プレイ。遅くまで残ったオーディエンスと共に、まるでイベントが終わるのが名残惜しいかのような熱気を放った大団円に。


ファッションと音楽が交わり、都会に生きるユースたちによる熱をたっぷりと感じさせてくれた『City Connection』キックオフ・イベント。同プロジェクトはまだまだ始まったばかりということで、今後の展望にも期待が高まる。

Text by Takazumi Hosaka
Photo by Yusuke Oishi (MARCO MONK), Yusuke Baba (Beyond the Lenz), Kenji Onose


【イベント情報】


『City Connection powered by Manhattan Portage』
日時:2019年10月22日(火・祝) 14:00 – 21:00
会場:東京・代官山UNIT
出演:
D.A.N. -DJ set-
Disk Nagataki (tokyovitamin)
FNCY
DJ SARASA
doooo (CreativeDrugStore)
Hikaru Arata (WONK)
in-d (THE OTOGIBANASHI’S / CreativeDrugStore)
Licaxxx
MURO
okadada
PAELLAS
tofubeats -Live set-
underslowjams
YonYon
Yuka Mizuhara
YUKIBEB (Soulection)

『City Connection』特設サイト

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