Rendez-Vous

Double Zero

Rendez-Vous / Double Zero
4,000,000,000,004℃のEBM/ポストパンク! 欧州の沸点はここだ。フランス前衛芸術が認めた、不敵な4人組の新作が公開!

現代フレンチ・パンクの筆頭、Rendez-Vous(ランデヴー)が今年10月に1stアルバムをリリースすることが明らかになった。そのなかから、本記事の表題曲「Double Zero」が先週20日(水)にシングル・カットされている。これまでに2つのEPをリリースした彼らは、今やヨーロッパのシーンにおいて熱烈な支持を獲得した。実際(私がフランスにいた頃)、彼らのTシャツを着てクラブへ行けば「Rendez-Vous!! オレも好きだよ」と声を掛けられることはままあった。

お察しの通り(?)彼らのライブへ足しげく通っていた筆者である。(ドラムパッドを使用し)4人横並びで吠えるように演奏する姿には圧倒されてしまった。彼らは、デカい箱でThe Soft Moonと対バンすることもあれば、街の小さなパンク箱でタバコの火に危うくかすりそうになりながらライブをすることも。もはやあれは演者と観客の喧嘩だった。

その中でも印象的だったのは、パリ4区に位置する国立芸術文化センター、Centre Pompidouの40周年記念のイベントだ。このポンピドゥ・センターと言えば、“現代芸術の牙城”と称して違和感ない施設。“だからこそ”なのかもしれないが、それにしても反骨心剥き出しの音楽で一大行事を彩ろうなど……そうした面において、フランスという国の度量の大きさには感服するほかない。その当日には、2nd EP『Distance』*のアートワークも担当したデザイン・チーム、Adulte Adulteが前衛的なVJを行い、“火に油を注いだ”。

※以下のMVには、グロテスクに感じられるシーンもあるため、苦手な方はご注意を。

なんて鋭利な音だ。そしてシュールな映像ではあるが、絶妙に曲とマッチしている。それから、こうした暴力性を孕んだ楽曲というのは、Rendez-Vousの作品には珍しくない。例えば「Euroshima」(下部のSoundCloudにて)や「Distance」があるが、そのどちらも主役級のポジションを占める。特に前者などは、ボディ・ミュージックの最重要作品と言っても過言ではない。けばけばしいエレクトロ・サウンドと、しゃがれた歌声、重厚なビート――どれを取っても体が震えてくる。

ただ、そのヴァイオレンスから連想される怒りというのは、以前ご紹介したUKの2人組、Creepiingのように政治的な要因から沸き上がったものではないと思われる。というのも、曲調やリリックのなかには個人間レベルの感情が込められているように思えるからだ(つまりはポストパンク)。そして、都会的な人間関係における不干渉が見え隠れするとともに、曇りがちな街に漂う“侘しさ”や“暗さ”が感じ取れる。それらはまさにパリのパンクスが得意とするColdwave/Darkwaveとリンクする。ひいては私たちの肌をヒリつかすEBMの要素として、恨み・嫉みなどに起因する脅迫や焦燥もその価値を高めている。

話は前後したが、ここで改めて「Double Zero」に戻ってみよう。刃のごときそのスライド・ギターは、けたたましいシンセとともにリフレインしている。さらに、ベースが金属的な唸りを上げながら鼓膜に刻まれてゆく。……自ずと機械的でインダストリアルなイメージが脳裏をよぎるが、それ以上に、“血生臭い”楽曲である。この鮮烈なサウンドは、生命が引きちぎられる音だ。無感情に切り裂かれ、何の疑いもなく私たちの養分となることだろう――。

確かに、この曲のにおいはショッキングなものかもしれない。しかし、文字通り“肉片”と化した者たちに耳を傾けるだけでなく、その声を代弁しているようにさえ思える。攻撃的なのは判然としているが、その攻撃性がどこに対して向けられたものなのか、考えさせられる作品である。

*Lust For Youthなどを輩出するダーク・ミュージックの名門レーベル〈Avant!〉からのリリース。


【リリース情報】

Rendez-Vous 『Double Zero』
Release Date:2018.06.20 (Wed.)
Label:ARTEFACT & CRYBABY & WEDGE
Tracklist:
1. Double Zero

hikrrr

Curator

hikrrr

内省的で知性美のある音楽を贔屓にしています。が、アグレッシヴなものも好きです。普段は暗く涼しいところに保管されたい

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