ナインティーン

erotic feel

ナインティーン / erotic feel
アンニュイな実験的ディスコの、そこはかとない“Tokyo”感。官能くすぐる無機質なロウハウスで、明日のない一夜を過ごしてみては

思い出野郎Aチームの斎藤録音、宮本直明、そしてファッション・モデル/現代アーティストとしても活躍するハンナの3人からなるユニット、ナインティーンが「erotic feel」のMVを公開した。こちらは「like a manta-ray」との両A面シングルとなっており、11月7日(水)にリリースされている。東京のアンダーグラウンド・シーンにて暗躍する彼らの新作を、早速ご覧いただこう。

1:1アスペクトに収められた青と赤の影。チープでレトロなDIYサウンドに似合う演出となっているが、それは何かの二面性を示唆しているようにも思えた。機械的なロウハウス・ビートに伴走するシンセ・ベース、それをオーバー・ダブされたボーカルが浮遊しながら追従してゆく。まさに「erotic feel」と言えるものがそこにある。つまり、矛盾や倒錯が感じられるのである。Aに対して本来の姿や意味とは違うBという何かを見出すとき、なぜか人は惹かれてしまう。

本楽曲においては、無機的な対象について語られる想像性や繊細さがそれに当たると思われる。目の前の存在が硬質で平面的で、無主張であればあるほど、その奥行きを探ってみたくなるものだ(あくまで私の主観だが)。鉱物の見る夢、ロボットの抱く感情――そうした空想に耽ることほどおもしろいものはない。

さて、話を戻そう。序盤にはブロークン・サウンドだったシンセサイザーは、終盤にかけて華やかさを持つようになる。その膨らみは、絶えず刻まれるマシンビートの不変性さえも揺るがすほどに豊かだ。ハンナが“語り部”としての役目を終えても、その美しさは残響するほどに。

彼らは未来派でありながら、〈Peoples Potential Unlimited〉に代表されるレジェンズへの敬意も感じさせる。ひいて、その楽曲群は――捉え方次第ではリバイバルの時代でもあるテン年代を象徴する――ディスコ/ブギー・ミュージックとして成立しているのである。


【リリース情報】

ナインティーン 『erotic feel / like a manta-ray』 (7″)
Release Date:2018.11.07 (Wed.)
Label:IKKAKU RECORD
Cat.No.:IKK-002
Price:¥1500 + Tax
Tracklist:
A1. erotic feel
AA1. like a manta-ray

※7インチ・シングル

ナインティーン SoundCloud

hikrrr

Curator & Interviewer

hikrrr

内省的で知性美のある音楽を贔屓にしています。が、アグレッシヴなものも好きです。普段は暗く涼しいところに保管されたい