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INTERVIEW | MALIYA


MALIYAが語る10年の歩みと現在地、『pluto』に刻まれた変化と普遍性

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2026.03.21

1st EP『ADDICTED』からおよそ10年。MALIYAは、ヒップホップと隣接しながらも独自の立ち位置でR&Bを更新し続けてきた。

3月18日(水)にリリースされた3rdアルバム『pluto』には、そうした歩みの中で獲得してきたサウンドの変遷と、変わらないテーマとしての「愛」が同時に息づいている。

年齢を重ねること、シーンの変遷、そしてリスナーとの関係性──本インタビューでは、アーティストとしての現在地とこれからを巡る思考を、アルバムの制作背景とともに紐解く。

Interview & Text by Takazumi Hosaka
Photo by Saeka Shimada
Styling by HARUHI
Hair & Makeup by natsuo
Lighting by Reina Otsuji
Production Support by Jion


10年間での変化とターニングポイント

――今回のインタビューに際して過去の映像も見返していたんですけど、11年前に公開された“Bass”の弾き語り映像に、毎年のように新しいコメントが付いていて驚きました。愛されているなぁと。

MALIYA:本当にありがたいです。

――あの曲は、やはりMALIYAさんにとって特別な曲になっていますか?

MALIYA:そうですね。ライブの最後は「やっぱり“Bass”だよね」ってなることが多いですし。きっとバンドの人たちも、ファンの方たちもそう感じてくれているのかなって。

あの曲は、それまで楽器を触ったことがなかった私が、初めてギターで作った曲なんです。当時付き合ってた人の影響でギターを弾き出して、リリックもそのときの恋愛のことを作品に落とし込んで書きました。

――その“Bass”が収録された1st EP『ADDICTED』からおよそ10年が経ちました。この期間で、アーティストとして、もしくはひとりの人間として、どのように変化したと思いますか?

MALIYA:アーティストとして、サウンド面ではいろんな挑戦をしてきたと思います。そのときの自分のムードや、海外のトレンドなどに影響されたり。いろんな要素やアイディアを、私というフィルターを通して表現したらどうなるんだろうって、その都度トライしてきたなと。

たくさんの素晴らしいプロデューサーさんと共作させてもらったり、他アーティストとのコラボやフィーチャリングもそうですし、生音とトラックの割合などもいろんなパターンを試してきた。同じようにビジュアル面でも、髪色を思い切って変えてみたり、いろんな変化があったと思います。

――なるほど。

MALIYA:人としては……やっぱり、20代のときは自分のセラピーのような感じで曲を作っていたと思うんです。自分の苦悩とか、モヤモヤしていることを音楽にして昇華する、みたいな。自分の半径数メートルのことを歌っていた。それが30代になってからは、いろんな出会いや別れもあり、周囲の同年代の女の子たちが結婚、出産などでライフステージが変わったり……自分の経験や周りの移り変わりを見ていると、この年代の女性シンガーとして、「私には何ができるのか」ということを考えるようになりました。そこはかなり大きな変化ですね。

――2年ほど前のインタビューでも同じようなことをおっしゃっていました。「視野が広くなった」と。

MALIYA:20代のときはそんなこと考えたこともなくて、とにかく自分が好きな音楽をやりたい、歌いたいっていう気持ちでした。そこから、もっと社会についてだったり、大きな視点で自分の活動を見ることができるようになりました。

特に同世代の女性のアーティストが、年齢を重ねていくとどんどん辞めていっちゃうんですね。ライフステージが変わったりすることは素晴らしいことだし、自分にもそういう機会がきたら同じような選択を取るかもしれないけど、やっぱり少し寂しい気持ちもあって。この業界では10年続けているだけでも、決して当たり前のことではないんだって、改めて感じます。

――アーティストとして活動するなかで、女性であるがゆえの辛さ、難しさなどを感じることはありますか?

MALIYA:それは意外となくて。今話したようなライフステージの変化や歳を重ねていくことについて、悩むこともあるんですけど、そういった葛藤を音楽に落とし込むのが自分の特権でもあり役目なのかなって。

――この10年間を振り返ってみて、自身のターニングポイントになったと感じる出来事などはありますか?

MALIYA:最初のターニングポイントは、やっぱり1stアルバム『ego』をリリースしたことですね。Ryohuくんとの“Breakfast In Bed”で私を知ってくれた方も多いと思うし。その次でいうと、以前のレーベルを離れて、独立というか、新しいチームで動き始めたこと。そこから第2章が始まったような感覚があります。

――MALIYAさんは活動初期からヒップホップシーンとの繋がりが強いですよね。この10年間で、国内のヒップホップを取り巻く環境は大きく変化しました。その一方で、ヒップホップの隣接ジャンルであるR&Bシーンについては、そこまでの変化は見られないと思います。MALIYAさんは国内のR&Bシーンについて、どのように見ていますか?

MALIYA:おっしゃる通り、良くも悪くもあまり変わってないと思います。ビジネスとして大きくしていきたいなら、もっと多くの人を巻き込んでいかないといけないんじゃないかなって思います。でも、そうすると変な消費のされ方をすることもあるだろうし、一概にメジャーなものを目指すべきかどうかはわからないですよね。個人的に、R&Bを好きな人たちって、そのジャンルやシーンに対してすごく熱量だったり愛がある方が多い気がしていて。それはすごくいいことだなと感じています。

ただ、ひとつ悩みがあるとすれば、やっぱりイベントが少ないということ。それこそヒップホップで言ったら『POP YOURS』や『THE HOPE』のような、アーティストが憧れて、リスナーも集結するような場所。それがR&Bシーンにもあったらいいのになって思いますね。

――MALIYAさんの存在をヒップホップシーンでの活躍で知った方も多いと思います。そもそも、ヒップホップとの繋がりはどのようにして生まれたのでしょうか。

MALIYA:一番最初は……音楽の専門学校に通っていたんですけど、卒業後にライブをやりたいと思ったんです。それで、専門学校の先輩でラップをやっている方に連絡して、まずコラボ曲を作りました。コラボというか、自分の曲にラップで入ってもらうような形だったんですけど。

その後、一緒にイベントに出させてもらったら、それを観ていた方からお声がけいただいたり、そこから広がっていった感じです。ラッパーがたくさん出るイベントに、ひとりだけシンガーとして出させてもらったり(笑)。

――今回、改めてMALIYAさんについて調べていたら、LowPassの2ndアルバム『Mirrorz』にも参加されていたことを知って驚きました。

MALIYA:LowPassのGivvnさん(現:Giorgio Blaise Givvn)ともそういう流れで知り合って。そのLowPassのリリースパーティでRyohuくんとも知り合いました。「同い年だね」って感じで仲良くなって。それからKANDYTOWN周りの方たちとも繋がっていったっていう感じです。


多彩な客演、プロデューサー陣との制作プロセス

――アルバム『pluto』へ向けた制作がスタートしたのは、いつ頃からなのでしょうか。

MALIYA:前作をリリースしたのが2021年だったので、タイミング的にもそろそろアルバム出したいなっていうのはずっと考えていて。2024年にEP『sugar, spice & all your choices』をリリースしたので、次はアルバムだなと。ただ、そこから集中してバッと作ったわけでもなくて。“Sparkling Wine”や“Moonlight”は実は4、5年前からストックしていた曲で、今回はKota Matsukawaくんに改めてアレンジし直してもらったんです。なので、アルバムに入れる曲を整理しつつ、新曲も作りつつ、っていう感じで進めていきました。

――古いものを壊し新しいものを生み出す「変容の力」というテーマはやコンセプトは、どのようにして浮かび上がってきたのでしょうか。

MALIYA:去年くらいから、私が西洋占星術に興味を持って。いろいろと調べていくうちに、冥王星(Pluto)には破壊と再生みたいな意味があるっていうことがわかったんです。レーベルを離れて、新しい道を歩み始めている自分自身の姿と重なる部分があるなって思ったんです。

――今回も多彩な客演、プロデューサー陣が参加しています。まずは客演アーティストについて、それぞれ参加の経緯などを教えてもらえますか?

MALIYA:先行シングルとなった“Remedy”に参加してくれたLym enくんは、私からDMしました。“Remedy”を作ったときに、男性シンガーの声が入るといいなと思って。韓国ってヒップホップだけじゃなくてR&Bの層も厚くて、以前から結構ディグってたんです。そのなかで、曲に合いそうな方を考えて、Lym enくんにお声がけしました。

――当然、面識はなかったわけですよね?

MALIYA:DMがファーストコンタクトです(笑)。快くオファーを受けてくれて、制作はデータのやり取りだったんですけど、とてもスムーズに進みました。ただ、この曲に関してはちょっと珍しい制作プロセスで、元々別のトラックを使用していたんです。そこに私とLym enくんのボーカルが乗っかった後に、GooDeeにリアレンジしてもらって完成しました。

Lym enくんとはその後、私が韓国に行ったときに初対面しました。

――次は“Private”に参加しているRyohuさん。

MALIYA:“Private”のオリジナルver.を作ったときに、ラップが入るのもいいかもって思って。それで今のチームで話し合って、Ryohuくんの名前が挙がったんです。連絡してみたら、久しぶりにも関わらず2つ返事で「やるわ」って返してくれて。

――“Breakfast In Bed”からおよそ7年ぶりのコラボがあっさりと実現したと。

MALIYA:彼はいつもそんな感じなんです(笑)。

――“Sweet Escape”のMUDさんはどのような流れで?

MALIYA:“Sweet Escape”も同じように、制作中に「この曲にはラップが必要だな」って思ったんですけど、太い感じのラップが合いそうっていうのと、Neetzがプロデュースなので、(同じくKANDYTOWNの)MUDにお願いしようと話して。これも2つ返事で受けてくれました。

――プロデューサー陣についても教えてください。以前からの付き合いの方もいれば、Kota Matsukawaさんやme-maiさんなど、ここ最近になってタッグを組むようになった方もいますね。

MALIYA:Matsukawaくんも私からDMしました。日頃からプロデューサーさんやビートメイカーさんについてもリサーチしていて、気になる方はチェックしているんです。

やっぱりR&Bだと、楽器が弾ける人の方がコード感がわかってるなという印象があって。ヒップホップのビートメイカーだと、ラップが中心なので、そこまでコード感が必要ないことも多いと思うんです。そういうヴァイブスもすごく好きなんですけど、もうちょっと繊細なコード感とか、メロディに沿ったアレンジが欲しいときは、やっぱり楽器が弾ける人にお願いしたいなと。

その中でもMatsukawaくんは、音がすごく今っぽいし、新しい感じもあって。彼のワークスを聴くと、「この人は何でもできそうだな」って感じたんです。それで連絡させてもらいました。

――Matsukawaさんは今回のアルバムで最多、4曲を手がけています。彼とのセッションはいかがでしたか?

MALIYA:Matsukawaくんは……すごく作業が早いです。そして、しっかりと私の意図や狙いを汲み取ってくれる。

特に“Sparkling Wine”と“Moonlight”は、先ほどもお話したように、元からある曲をリアレンジしてもらったんですけど、こういう場合って納得のいくラインに持っていくのが難しくて。やっぱり対面で一緒に詰めていける人じゃないと厳しい。

この2曲はデモの段階で自分の中にイメージがあったので、それを上回るクオリティじゃないと発表しようとは思えなかった。だからこそ、しっかりコミュニケーションを取りながら進められる人じゃないと難しいなとも感じていて。

そういった点で、本当にMatsukawaくんにお願いしてよかったなと思います。自分のアイディアや要望をちゃんと汲み取って、細かいところまで丁寧に対応してくれました。

――去年からコラボ作を発表しているme-maiさんとは、どのように繋がったのでしょうか。

MALIYA:me-mai……というかChocoちゃん(※1)の場合は、彼女からコンタクトを取ってきてくれました。「一緒に曲を作りたいです」みたいな感じで。話してみたら同い年だったし、女性のプロデューサー/ビートメイカーってまだまだ少ないし、「お互い頑張っていこうね」みたいな感じでフィールして。

「国際女性デー」を記念した“Ms.Independent”という曲を作ってから、ちょくちょくセッションするようになって。その流れで私のアルバム制作にも参加してもらいました。

※1:Chocoちゃん=Chocoholic。me-maiはChocoholicによる別名義/プロジェクト。

――アルバムでは“Fullmoon”、“Hold My Hand”の2曲を手がけていますね。

MALIYA:この2曲に関しては、私がつくったデモを元に、Chocoちゃんにブラッシュアップしてもらう形で完成させました。


「99であと1足りない、だけど希望はある」

――今回のアルバムは、サウンド、リリック、共にオーセンティックなR&Bマナーと、現行の先鋭的、オルタナティブなR&Bの要素が絶妙なバランスで混ざり合っていると感じました。新しいけど、どこか懐かしいような。そういったバランス感覚について、何か意識していた部分はありますか?

MALIYA:意識はしていますね。私は、それこそ90年代後半から2000年代初期のR&Bを聴いて育ったので、正直、私の好みだけで作ると、ちょっと古臭いR&Bになっちゃうと思うんです(笑)。

でも、もちろん今のR&Bも聴いているし、そういう要素を上手く自分の音楽性に取り込んでいきたい。だからこそ、MatsukawaくんやGooDeeのようなプロデューサーに参加してもらっている部分もあります。彼ら/彼女らにフレッシュなサウンドを提供してもらいつつ、メロディや歌いまわしなどはルーツに根ざした私の色を出す。

元々ヒップホップやR&Bって、色んな音楽の要素をクロスオーバーさせて進化してきたものだし、古き良きR&Bのよさもあれば、新しいR&Bの魅力もある。そこを上手く同居させたいという思いはありました。

――“99%”はその最たる例かなと感じました。最初はオーセンティックなR&Bかと思いきや、いわゆるセクシードリルとはまた一味違う形でR&Bとドリルを混ぜたトラックになっていて。

MALIYA:そうなんです。Matsukawaくんが作ると、全然古い感じにならないんですよね。

――古き良きR&Bマナーとして、今作もやはり夜を想起させる楽曲が多いなか、最後に“Goodbye Midnight”という曲で締めくくられているのが個人的にグッときました。楽曲の雰囲気的にも、ここから新たなスタートを感じさせるような印象で。

MALIYA:この曲は、実は元々は違う曲のためにESME MORIさんにお願いしていたトラックなんです。でも、送られてきたトラックを聴いて、私が新しく書き直したくなっちゃって。「ごめんなさい、新たに書き直しさせてください」ってお願いしました。

いろんな別れが重なった時期でもあったので、レコーディング中もしんどくなるくらい、リリックにはそういった思いが反映されています。かなり思い入れの強い1曲ですね。いざ完成したら、これはもう最後しかないなと。タイトル通りお別れの曲なんですけど、私は次にいくから、またどこかで会いましょうっていう曲なので。

――リリックについて、もう少しお聞きしたいです。アルバム全体を通して、やはりR&Bマナーに沿った恋愛をモチーフにしながらも、様々な感情を描いているように感じました。ご自身では今回のリリック面について、何か変化を感じますか?

MALIYA:特別に意識しているわけではなく、そのときに感じていたことや、人から聞いた話、映画などからインスピレーションを得ていて、それが自然と出ている感じなんです。

10年経てば音は変わると思うんですけど、愛ってあまり変わらないなと思っていて。愛についての悩みも本質的には変わらないので、そこはずっと自分の中で書きたいテーマなのかもしれないですね。

あともうひとつ、これは意識して書いたわけではないんですけど、女性のリスナーの存在もあって。1st EPに入っている“Dancin’ in the rain”という曲があるんですけど、その曲を支持してくれている女性の方がすごく多いんです。それもあって、女性の気持ち、たとえば片思いのような感情を描きたいなと思うようになりました。“99%”には、そういうヒリヒリする感情が反映されている気がします。

MALIYA:「99」って、人によっては「あと一歩。もう少しで届かなかった」と感じる数字だけど、人によっては「十分な数字」とも捉えられる。人によって解釈が真逆にもなる不思議な数字だと思っていて。「99であと1足りない、だけど希望はある」という状態が今の私に少し近いという気がしました。だから今も私は走り続けられているし、そこがこの数字に惹かれた理由でもある。アルバムの全体を表してる曲だとも思います。


原点回帰と新たな挑戦

――前作EPにも収録されている、“Body”が今作にも収録されているように、女性をエンパワーしたいという思いは、近年のMALIYAさんの活動の中でも大きなテーマとなっているようですね。

MALIYA:でも、曲ではあまり出さないようにしようとは思っています。性別関係なく聴いて欲しいし、リスナーが受け取る感情は自由であってほしい。“Body”は「国際女性デー」に合わせてリリースした曲というのもあって、わかりやすくエンパワーメントする言葉を綴っていますけど、たぶん、それほど直接的なメッセージでなくても、私の言葉一つひとつのチョイスだったり歌い方だったり、もしくはサウンドだったり、隅々から溢れ出ていると思うんですよね。

――それこそ曲だけじゃなくて、活動全体を通して伝えていくというか。

MALIYA:そうですね。毎年「国際女性デー」に何かしらのアクションを起こしたり。……シンプルに、「頑張ってるよね」って思ってもらえるような存在でいたいなと思っています。同世代の人だったり、女性だったり、そういう方たちに対して、自分が何かを強く発信するというよりも、自然と背中を押せたらいいなという気持ちがあります。

あと、音楽を聴いて癒されたり、自分と重ねてもらったりして、「元気出ました」みたいなDMをもらうことがあるんですけど、それが一番嬉しいんですよね。なので、それでいいかなっていう感覚です。

――今作ではビジュアル面も自身がディレクションを務めたそうですね。これまでとは異なるプロセスでしたか?

MALIYA:もちろん、これまでの作品も基本的には自分がアイディアを出して、中心になって動いてきたんですけど、今回はアイディア出しからリストアップ、実際のオファーなども自分でやりました。アー写とかアートワークは、『faveur』と同じSaekaちゃん(Saeka Shimada)にお願いしていて、そこは変わらないんですけど。

ビジュアル面だけでなく、客演、プロデューサー、ミックス/マスタリングエンジニアさんなども、全部自分で決めました。

――これまで以上に主体的に動いたと。……正直、かなり大変だったのでは?

MALIYA:大変ですね。でも、すごくシンプル。それに、自分で自分のことがわかってくるというか、考えていくうちに「自分はこういうことがやりたいんだ」っていうことがよりクリアに見えてくるんです。

他の人に手伝ってもらうのも、自分にはないアイディアなどが出てきて嬉しいんですけど、全部自分でやるのも、違った長所があるなと。ただ、私は事務連絡とか得意なタイプではないので、本当に大変でしたけど……(笑)。

――10周年という節目を迎えたMALIYAさんの、今後のビジョンを教えて下さい。

MALIYA:MALIYAとしては、日本だけじゃなくて、海外への発信をもう少し増やしていきたいなと思っています。拠点を向こうに移すというよりは、コラボを増やしたり、ライブをしたりしながら、活動の幅を広げていけたらなと。

あと、今、自分の中では原点回帰的なモードがあって。もうちょっとシンガーソングライター的な作り方をしたいなって。それこそ楽器から作るっていうのをもう1回やりたくて。トラック先行も楽しいし好きなんですけど、今の私が、もう一度1st EPの頃のように、バンドサウンドや生音を中心に作ってみたららどうなるんだろうっていう気持ちがあります。

――10周年で原点回帰、いいですね。

MALIYA:もう少し長いスパンで見ると、プロデュース業にも挑戦してみたいと思っていて。そのための準備や勉強もしていきたいなと思っています。

――他アーティストの作品をプロデュースしたり?

MALIYA:そうですね。ディレクションやプロデュースのような形で関わっていけたらいいなって思っています。R&Bに限らず、自分がカッコいいと思っている音楽がもっと広まってほしいという気持ちがあって。

そのためには、若い世代のアーティストがどんどん増えていくことが大事だと思いますし、そういう流れが途切れないようにしていきたいなと。憧れになるような存在や、イベントの場も含めて、下の世代が育っていくような動きに関われたらいいなと思っています。

――先ほどのお話にもありましたが、アーティストとして活動していると、表現やブランディングなどが年齢と結びついてしまう部分もあると思います。年齢を重ねることについて、アーティストとしてどう考えていますか?

MALIYA:ビジュアル面だけで言うと、やっぱり年齢より少し若く見られたいという気持ちはあります(笑)。ただ、自分はシンガーソングライターなので、その年齢でしか書けないリリックがあるとも思っていて。そこはなるべくリアルに書いていきたいですね。

リスナーの方とは、一緒に育っていくような関係でいられたら嬉しいなと思っています。一緒に歳を重ねていけるのが一番理想というか。もちろん新しいリスナーが増えるのも嬉しいんですけど、それ以上に、同じ人たちと長く続いていく関係が理想ですね。

親子でライブに来てくださる方もいて、それはすごく嬉しいですし、目指したい姿でもあります。流行に合わせて若い世代だけに向けるというよりは、タイムレスに聴ける音楽を作っていきたい。そういう形で年を重ねていけたらいいなと思っています。

――シンガーソングライターとしては、年齢を重ねることで表現の深みも出てきますよね。

MALIYA:そうですね。20代前半のフレッシュなエネルギーもすごく魅力的で、あれはあの年代にしか出せないものだと思います。でも、年齢を重ねたからこそ出せる深みや色気、人生経験に裏打ちされたリリックもあると思っていて。それも大きな強みだと思うので、そういう部分を大事にしていきたいですね。

――10年後、もう一度お話を聞いてみたいなと思いました(笑)。

MALIYA:ぜひ!(笑)

MALIYA

アルバム参加プロデューサーたちからのコメント

TOMOKO IDA

▼プロデューサーから見たMALIYAのシンガーとしての魅力
MALIYAさんは、とても温かく魅力的な声を持ちながら、内面には強い芯を持ったアーティストだと、お仕事をするきっかけをいただいた時から感じています。そうした内に秘めた強さや想いは、楽曲やこれまでのキャリアにも自然と表れていると思います。10年という時間をやり続けることは決して簡単なことではないとわかっているので、本当に素晴らしい10周年だと思いますし、これからもさらに素敵な作品を世に届けていってほしいです。

▼プロデュースやアレンジを担当した曲について
私がトラックを作らせてもらった“Body”は、ちょうど私が日本からLAに引っ越す直前に制作したのを覚えています。本当にバタバタしていた時期だったのでご迷惑をおかけしないようにと思っていましたが、「こういう音を入れたい」など楽曲に対するビジョンをしっかり伝えてくれたので、制作にもとても取りかかりやすく、とても助けられました。お気に入りの曲です!

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ESME MORI

▼プロデューサーから見たMALIYAのシンガーとしての魅力
MALIYAさんとは“エコーロケーション”という曲を2018年に一緒に作って以来、久しぶりにご一緒しました。
彼女のシルキーな声はトラックに溶け込みながらも強烈な存在感があって、いつまでも聴いていたくなります。

▼プロデュースやアレンジを担当した曲について
今回ご一緒した“Goodbye Midnight”はシンプルながら一つ一つの音が際立つように作っていきました。
素晴らしいメロディ、歌詞、歌声で、末長く聴いて欲しい一曲になりました。とても嬉しいです!
是非アルバムも含めてチェックしてみてください!

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Kota Matsukawa

▼プロデューサーから見たMALIYAのシンガーとしての魅力
ビートに対してのメロディーやリリックの置き場所への柔軟さが高く、ベストな位置どりをしてくれる。自分の理想の音像と現実的に実現可能なところの擦り合わせがスムーズで難航することがない。長くアーティストとして活動してきた懐の大きさを感じます。

▼プロデュースやアレンジを担当した曲について
アルバムの先行トラックを担当したこともあり、MALIYAというアーティストが今後どのように動いて、どうなっていきたいかを話し合いながら作るという過程を経たので、回を重ねるごとに理解が深まりました。

最初にリリースされた“Private”は2000’sの雰囲気も醸し出しつつ、シティポップと呼ばれている楽曲たちが纏う日本らしさを混ぜ込んだもの。印象的なベースラインと歌の絡み合いが気に入っています。

“Moonlight”はタイトルにも入っているように夜の大人の女性の色気と哀しさを意識しました。“Sparkling Wine”はアルバムの1曲目ということもあり、幕開け感やワクワクする物語の始まりを意識して、ビートを作りました。ビジュアライザーのイメージも共有されていたので、バイクのスピード感も意識したことが印象的です。

“99%”は最近のR&Bってこういうことだよね、というある意味大喜利的なニュアンスで作りました。


【リリース情報】


MALIYA 『pluto』
Release Date:2026.03.18 (Wed.)
Label:Suppage Distribution
Tracklist:
01. Sparkling Wine
(prod. Kota Matsukawa)

02. Body
(track arr. TOMOKO IDA)

03. Private feat. Ryohu
(prod. Kota Matsukawa)

04. Remedy feat. Lym en
(prod. GooDee)

05. 99%
(prod. Kota Matsukawa)

06. Sweet Escape feat. MUD
(prod. Neetz)

07. Fullmoon
(prod. MALIYA, me-mai)

08. Moonlight
(prod. Kota Matsukawa)

09. Up n Down
(prod. edbl)

10. Floor Is Mine
(prod. Mori Zentaro)

11. Hold My Hand
(prod. MALIYA, me-mai)

12. Goodbye Midnight
(prod. ESME MORI)

配信リンク

■MALIYA:Instagram / X


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