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INTERVIEW | Kohei Shimizu


Kohei Shimizuが語る「芸術の蓋の開け方」、新たな意匠と変わらない本質

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2024.09.24

昨年、アーティスト名義を改名したKohei Shimizuが6月に現名義初のアルバム『Hypervoid』をリリース。そこから間髪入れずに8月には初のボカロ曲“Ruina”、そして9月にはこちらも初の試みとなるインストアルバム『Saint of Losers』を立て続けに発表した。

コンポーザー/アレンジャー/ギタリスト/ビートメイカーとして多数のアーティストのサポートを行うなど、多彩な活動を展開するKohei Shimizu。しかし、自身の表現についてはきっと器用であるが故の苦悩もあったのであろう。

今回はKohei Shimizuにおよそ4年ぶりとなるインタビューを敢行。空白期間や新たな意匠を纏った新作群について、じっくりと語ってもらった。

Interview & Text by Takazumi Hosaka
Photo by Keigo Sugiyama


「音楽をずっと好きでいられるように」──改名の背景

――アーティスト名義改名の理由や経緯などを教えてもらえますか?

Kohei Shimizu:ありきたりですけど、「心機一転」っていうのが大きいですね。それまでsooogood!っていう名前で、自分が歌うことをメインに活動してきたけど、今の自分が一番やりたい音楽、表現したいことっていうのを改めて考えたときに、本名で活動したいなって思ったんです。

――何かきっかけがあったというわけではなく、徐々にそういった考えに至ったというか。

Kohei Shimizu:はい。自分が大好きなことを考えていくと、やっぱりまずはトラックメイクになるんです。そして女性が歌う曲を作ることと、ギターを弾くことも大好き。そういう自分の好きなことだけをやっていきたい。何も包み隠さずにっていう意味でも本名の方がしっくりくるなって。

――揚げ足取りになってしまいますが、逆説的にこれまでの活動は100%自分の好きことをやっていたわけではなかったという風にも受け取れてしまいます。

Kohei Shimizu:もちろんそういうわけではないんですけど……。自分が歌うという行為って、すごく大変だったんですよね。ギタリストとして音楽活動をスタートさせて、sooogood!っていう名前でソロプロジェクトを立ち上げて、自分が歌うようになって、作品もたくさん残せた。それはめちゃくちゃ幸運なことで、貴重な体験だったなとも思うんです。

……もちろん今でも歌うことは好きなんですけど、何も考えずに両手離しで楽しめるかと言われると、少し言葉が詰まってしまうというか。ギターでもトラックメイクでも難しいこと、大変なことはいっぱいあるんですけど、やっぱり歌うことって特別な気がするんですよね。

――なるほど。

Kohei Shimizu:自分との戦いというか、ナイフで突き刺されるような感覚もある。きっとみんなそうなんじゃないかなって思うんです。やり甲斐もあるし楽しいけど、怖い瞬間もいっぱいあって。

――残酷な話ですけど、それこそ歌唱は生まれ持った身体特性も大きく影響しますし。

Kohei Shimizu:デカいですよね。自分は歌から音楽活動を始めたわけではないので、だからこそのブルースみたいなものはずっと抱えていたのかもしれないです。今でもsooogood!時代の曲を聴き返して、大好きな曲もいっぱいあるし「全身全霊じゃん」って感じるんですけど、今のKohei Shimizuとしてやりたいこととは少し違うんですよね。

――今の自分の理想を突き詰めていった結果、再スタートを切るに至ったというか。

Kohei Shimizu:というより、好きなことの割合を増やしたいっていう感じかもしれないです。難しいな……自分で歌うことは今でも嫌いじゃないんです。ただ、辛い瞬間があるのも事実で。それよりも、自分の楽しいこと、好きなことをやる割合を増やした方が、音楽をずっと好きでいられるような気がするんですよね。だから、「自分はシンガーソングライターです」とか「ギタリストです」ってわざわざ決めて打ち出すのではなく、もっと本質的な音楽活動をしたいだけなのかもしれません。


何年、何十年後に「俺は好きにやった」って言えるように

――sooogood!としての最後のリリースから、Kohei Shimizu名義で再始動するまで1年ほど空きました。この期間はどのように過ごしていましたか?

Kohei Shimizu:外部ワークはいろいろとやらせてもらいつつ、自分の曲は全然作れなくなっていました。振り返ってみると、音楽がちょっと辛かったようにも思います。でも、原因は全くわからないんです。

――自身の作品を作ろうという気持ちはあったのでしょうか。

Kohei Shimizu:作ろうとしてなかったと思います。記憶も結構曖昧で、すっぽり抜けているような感覚もあります。他のアーティストさんの曲やライブには参加したりしていたんですけど。……これに関してはなぜなのか、本当にわからないんですよね(笑)。

――昨年12月リリースの“NO ID! (feat. Mashinomi)”から連続リリースが続きますが、いつ頃から曲が作れるようになったのでしょうか。

Kohei Shimizu:11月くらいです(笑)。だから、連続リリースも本当にギリギリのスケジュールで動いてましたね。作ってすぐに配信して、っていう。

“NO ID!”を作ったときはまだ記憶がぼんやりしてて、あまり覚えてないんですよね。歌詞も今振り返るとちょっと変だなって思うし(笑)。ただ、何かに苦しんでいたのはわかるというか。

――歌詞については歌う人が変わったからこそ作風が変化したのかなと思っていました。ご自身ではどのように感じていますか?

Kohei Shimizu:意識して変えたつもりはないんですよね。元々結構女性っぽい言葉遣いで歌詞を書くことが多くて、自分が歌う場合はそれに応じて変化させていた部分もあるんです。でも、“NO ID!”と2曲目にリリースした“GIMME ( ;~; ).*”はめっちゃ変で、自分でもおもしろいなって思いますね。

――顔文字や記号なども多用されていますよね。

Kohei Shimizu:昔、それこそ「2ちゃんねる」が熟してきた頃とか、「なんJ」が出てきた頃のカルチャーの感じを出したかったっていうのはあるかもしれないです。ファッションでも同じように感じてるんですけど、「Y2K」っていい言葉だなと思っていて。自分も好きなものをぶん回して、カッコいいことやりたいなって思って、ああいう感じになりました。

――言葉遊びをしているような曲もある一方で、シリアスなトーンを感じさせる歌詞もありますよね。

Kohei Shimizu:“Dawn”なんかはちょっと覚えてないけど、何か嫌なことがあってそれを書いた気がします。

“supernova +*.*.++.*…”は『シン・ゴジラ』の牧悟郎博士の遺言「私は好きにした、君らも好きにしろ」に近い気持ちかも。何年、何十年後とかに「俺は好きにやった」って言えるようになりたいんです。それはポジティブでもネガティブでもなく、そう言えるように生きるのが人生の命題だよなって思ったからですね。


多彩なバックグラウンドが反映された『Hypervoid』

――ボーカルとしてMashinomiさんをフィーチャーするようになった経緯というのは?

Kohei Shimizu:Mashinomiは以前から知り合いで。たぶん最初はライブかイベントで会ったのかな。それからも普通に友だちっていう感じで距離は近くて。女性ボーカルを迎えたいって考えたときに、他にも何人か候補に上がった方はいるんですけど、一番歌ってほしいなっていう気持ちが大きかったMashinomiに声を掛けました。

――アルバム『Hypervoid』にはMashinomiさんとの楽曲が計6曲収録されています。これは相性のよさを実感したから?

Kohei Shimizu:曲毎に違う方に歌ってもらうっていうのも全然アリだなとは思ったんですけど、「Mashinomiとアルバム作ってみたい」って思ったんですよね。“NO ID!”制作時からアルバムのことは意識していて。

――『Hypervoid』に通底しているハイパーポップ感──もっと噛み砕いていうとチップチューンやブレイクコア、フューチャーベースなどなど、sooogood!時代にはあまり見られなかったサウンドやビートパターンを取り入れた経緯というのは?

Kohei Shimizu:sooogood!時代はわりと難しいことをやってやろうっていう気持ちが大きくて。例えばコードワークとか和声、ボイシング、リハモなどで、聴いたことがないような曲を作ってやろう、無茶してやろうって考えていて。でも、一旦そういう方法論は自分の中ではやりきった感もあるんです。

なので、“NO ID!”以降はすごくシンプルになったというか。そういうアカデミックな部分にこだわるより、もっとサウンドメイクとかにフィーチャーするようになった。どういう音色を使うか、プラグインも一つひとつ見直して、誰も使ってないような組み合わせを考えたり、Kohei Shimizuだけのトラックメイクを追求しているというか。

――チップチューンやハイパーポップともリンクする音色は、Shimizuさんのバックグラウンドに元からあったというか、好き好んで聴いていたものなのでしょうか。

Kohei Shimizu:自分が普段から聴く音楽とアウトプットは結構距離があって。これはsooogood!時代からそうなんですけど、いわゆるプライベートな時間に聴く音楽は最近だとジャズギタリストのJulian Lageばっかで。あとは日本のコアなノイズミュージックとか。全然自分の作品に繋がらないんですよね(笑)。

――それはなぜなのでしょう?

Kohei Shimizu:なんでなんでしょうね(笑)。でも、いざ自分の作品を作るぞっていうときに、いわゆるハイパーフリップ(Hyperflip)やダリアコア(Dariacore)などを聴くのは楽しいし、本当に好きなんです。

……ただ、振り返ってみると、ゲーム音楽は昔から大好きですね。『ドンキーコング』や『マザー』シリーズのBGMは今でも最強だと思うし。よく考えてみると、そういったサウンドと同じく昔から聴いていたY2K的なヴァイブスのロックとかジャングル、ビッグビート、あとはジャズ、フュージョンなどなど……自分のバックグラウンドを迷いなく全部取り入れられるっていうは、今のサウンドスタイルのいいところなのかもしれません。

――たしかに『Hypervoid』にはジャズやフュージョンの要素も見え隠れします。

Kohei Shimizu:そうですね。ウッドベースのサンプル音とかも使ってるはずです。ジャズっぽさはなるべく表には出ないように意識しつつ、隠し味的に取り入れています。

音のバランスの話になっちゃうんですけど、“supernova +*.*.++.*…”はジャズトリオの作品みたいにドラムが真ん中でギターが右、左からベースが聴こえるようにしています。ポップスとかでやるのは御法度なんですけどやっちゃいました(笑)。打ち込みだけどプレイヤーの姿が見えるような、ライブ感のある感じにしたかったんですよね。

――アルバムは7曲目のインスト“INTERSTELLAR!”を経て、自身が歌唱する“Cornflower”で幕を閉じます。少し珍しい構成だなと思いました。

Kohei Shimizu:シンプルにMashinomiに6曲歌ってもらったので、インタールードで区切って、1曲自分で歌うかっていう感じですね。これも別に深い意味はなくて、単純にアルバムを構成するパーツのひとつとして捉えているというか。自分の歌も道具として考えている感じですね。

――“Cornflower”は歌詞のテイストも少し他の曲と異なっている気もします。

Kohei Shimizu:すごく身近なことを書いた気がします。覚えていることとしては、僕は毎週夜0時とか1時にゴミを出してるんですけど、そのときに見る夜空が綺麗だなと思いつつ、でももっと綺麗な空もあるだろって気持ち。宇宙への憧れとかが、自分の中にある音楽への情熱とか燻ってる気持ちと重なったんですよね。

――「まだまだこんなもんじゃないだろ」っていう気持ち。

Kohei Shimizu:はい。ただ今年7月に家族旅行で長野に行って、そこでマジで人生最高の夜空を見れたので、もうそこはクリアしちゃいました(笑)。あと、ゴミ捨てのついでに見る夜空と、その最高の夜空の距離感というか対比みたいなものも出ているかもしれません。夢や憧れ、現実の生活、諦めとか、全部がごっちゃになっている感じですね。

――ちなみに『Hypervoid』というアルバム名はどのような意味が込められているのでしょうか。

Kohei Shimizu:僕、宇宙がめっちゃ好きなんですけど、広大な宇宙空間の中で、点々と存在する銀河がほとんど存在しない領域のことを「スーパーボイド(Supervoid)」って言うらしいんです。クソデカ空洞みたいな感じだと思うんですけど、それのもっと上っていうことでハイパーボイド(Hypervoid)と名付けました。

何もない、つまり空虚で空っぽなんだけど、それって必ずしも悪いことじゃないよなっていう。周りに何かがあるから空虚と言えるわけだし。世界は空っぽだけど、それでもいいんじゃない? みたいな感じですね。


「芸術の蓋の開け方」を忘れないでいたい

――8月には初のボカロ曲“Ruina”がリリースされました。ボカロ曲を作ろうというアイディアはどのようにして生まれたのでしょうか。

Kohei Shimizu:これもシンプルに好きだからです。前々からめっちゃ聴いてたし好きだったんです。でも、作り方がわからなかったし、下手に手を出しちゃダメな気がしていた。美学とか作法がしっかりと確立されてるように感じていて。ただ、最近とあるボカロPと友だちになって、そういう話をしたら「いや、好きにやればいいじゃん」って言ってくれたんです。

で、今回は可不ちゃんで作ったんですけど、調声とかもかなりこだわって、オリジナリティある作品が作れたんじゃないかなって思います。過剰な感じの王道ボカロ曲も大好きなんですけど、今回は抑えるところは抑えて、ボカロ好きもそうじゃない人も、別け隔てなく楽しんでもらえるんじゃないかなって。

――《もうどうでもいいよ》というリフレインも印象的です。歌詞はどのようなイメージで書いたのでしょうか。

Kohei Shimizu:僕の場合は結局創作についてになっちゃうんですけど、恋愛とか仕事、生き方とか、悩むことはいっぱいある中で、「もうどうでもいいよ」っていう風に振り切れるのって、すごく前向きだし美しいことだなって思うんです。ポジティブな諦めというか。

――すごくよくわかります。

Kohei Shimizu:「自分の作ってる作品が常に最高」って屈託なく思える人もいる一方で、僕みたいに理想を追いかけ続ける人もいる。どこかで「自分はあそこに到達できない」と諦めてしまうときもある。それでも自分のスタンス、向き合い方は大事にしていたい。「芸術の蓋の開け方」って表現しているんですけど、それは忘れないでいたい。

――Shimizuさんはバンド時代から考えるとかなり長いキャリアを築いていますが、成熟というよりも冒険し続けているような印象を受けます。

Kohei Shimizu:今はめっちゃ楽しいし、めっちゃ成長期だと思ってます(笑)。この前、楽曲提供させてもらっている声優の入野自由くんにも「成長期」って言われたんですよね。

バンドマンのときって本当に駆け抜けてた感じがあって。音楽のことも全然わかってなかったし、そのわかってなさが魅力にもなってたと思うんです。トラックメイクをやり始めたときも同じで、見様見真似の手探り状態だったんです。そこからちょっとずつ音楽のことがわかってきて、でもわかればわかるほど、それ以上にわからないことが見えてくるというか(笑)。

――その「成長期」を象徴するように、今度は初のインストアルバム『Saint of Losers』もリリースされました。

Kohei Shimizu:それこそ、音楽のことが少しずつわかってくると、どんどんシンプルにできるようになって。引き算もできるというか。『Saint of Losers』は基本的に全曲同じコードを使っていて、その上で色々なことを表現したかったんです。

タイトルと曲名は大好きなSFアニメの『リック・アンド・モーティ(Rick and Morty)』のセリフから全部取っていて。汚いワードとかもあるんですけど、なんかその言葉の気持ちいい感じにインスピレーションを受けたり、シンプルに『リック・アンド・モーティ』で流れてほしいなっていう感じのサウンドを組んでいきました。誰かがこのアルバムの曲でMAD動画作ってくれたら嬉しいなとも思いつつ(笑)。

――そもそも全曲インストでアルバムを作ろうと思ったのはなぜなのでしょう?

Kohei Shimizu:単純にやりたかったっていうだけですね。あとは、自分のトラックメイクやギタープレイに焦点を当てて、軸をしっかりさせたかったという思いもあります。インストはこれからも定期的に作り続けたいですね。可能なら季節ごとに出したいくらい。

――個人的にはもっとハイパーポップやブレイクコア色の強い作品を想像していたのですが、実際に聴き込むとかなり歪ながらも、クラブミュージックとしての要素も色濃いなと思いました。

Kohei Shimizu:最初はもっと変だったんですよ(笑)。ついついやり過ぎちゃう癖があるので、“Ruina”と同様に抑えるところは抑えようと思って方向転換しました。ボイスサンプルはマネージャーがレコメンドしてくれたA.G. Cookを参考にした部分もあります。本当はアニメのセリフとかサンプリングしたかったんですけど。

あと、クラブミュージック的と言ってもらえるのは嬉しいですね。一つひとつの音色にめちゃくちゃこだわって、それをロングシーケンスで聴かせたかったので、結果的にそうなったのかなと。

――クラブの音響でも聴いてみたいです。特にローとかはかなり鳴りがよさそうだなと。

Kohei Shimizu:同じことを考えてました。自分で用意できる範囲で一番いい環境では聴いているんですけど、20hz以下(※人間の可聴域は20Hz~20kHzと言われている)はどうしても体感できないから、モニターで波形を見ながら調整していて。

――ホームスタジオではまず無理ですよね。

Kohei Shimizu:鳴らしたら……苦情がすごいでしょうね(笑)。


Kohei Shimizuのフィルターを確固たるものに

――今後の活動についても教えて下さい。2作のアルバムをリリースした今、どのようなモードになっていますか?

Kohei Shimizu:今はどんどん曲を作りたいって思ってるし、実際に作れるタームになりました。2024年は今のところアルバム2作と“Ruina”で合計16曲発表してるんですけど、年間30曲を目標にしています。提供とかプロデュース合わせて50〜60曲いってたらいいなっていう感じです。

――それは楽しみですね。あとライブ活動も再開されるんですよね。

Kohei Shimizu:そうです。どんどんオファーくれたら嬉しいですね。DJセットを軸に、ギターもめっちゃ弾きたいし、スペシャルな機材も用意するつもりです。

……これは自分で言うなよって話なんですけど、この2年で僕、めっちゃギター上手くなったという自負があって(笑)。

――曲が作れなかった時期も、ギターは弾き続けていたと。

Kohei Shimizu:去年もギターはめっちゃくちゃ練習してました。改めて自身のプレイを見直して、毎日1〜2時間練習するのを続けて2年くらい経ちました。やっぱり「感謝の正拳突き」じゃないけど(笑)、それくらいやり続けないと見えてこないものがあると思って。

――今の音楽的な興味はどういうところにありますか?

Kohei Shimizu:引き続きハイパーフリップやダリアコアがおもしろいなって思いつつ、そのロウ(RAW)感を抽出しつつ、おもしろい音色を使用した激ヤバ2ステップとか作りたいですね。そのためのプラグインを新しく買ってもいいですかって、マネージャーに今日も相談してました(笑)。

あと、やりたいことが多過ぎるっていう問題が常にあるので、自分のフィルターみたいなものをより強固にしたいです。

――そのフィルターを通せば、どんなサウンド、スタイルでもKohei Shimizuっぽくなるというか。

Kohei Shimizu:はい。今の世の中、カッコいい音楽があり過ぎるじゃないですか。SpotifyやSoundCloudを一回開いたらもう終わり。永遠に時間が溶ける、みたいな(笑)。特にハイパーポップとかを作ってるトラックメイカーさんは日本にもヤバい人たちがいっぱいいるので。そういう素晴らしい音楽をインプットするだけじゃなくて、しっかりと自分のサウンドとして昇華したい。そのためには何をする必要があるのか、ということをよく考えていますね。

たぶん、そのためには音楽だけをやってるだけじゃダメで。映画やアニメ、小説とか舞台などなど……音楽以外のインプットもすごく大事だと思うし、その中で何をよしとするか、自分の美学みたいなものを確立する必要があるんじゃないかなって思います。

――Shimizuさんの精力的なリリースを喜んでいるリスナーも多いと思います。最後にリスナーのみなさんにメッセージをお願いできますか。

Kohei Shimizu:みなさん、僕の音楽を聴いてくれて本当にありがとうございます。そして、これから新しく出会ってくれる方も、僕の音楽を通して互いの人生のエッセンスを共有できて嬉しいです。

僕の音楽はきっとこれからもどんどん進化と変化を重ねていくと思います。おかしくも自由に。しかしKohei Shmizuの本質は時が過ぎても、どんなときも確実に絶対的に、これまでの音楽とこれからの音楽の中に存在しています。故郷の街並みが様変わりしても、故郷にしか感じない変わらない空気の匂いみたいなものです、きっと。

変化を畏れずドキドキしながら、みなさんと一緒に音楽を楽しめるよう活動して行きますので、これからもどうぞよろしく!


【リリース情報】


Kohei Shimizu 『Hypervoid』
Release Date:2024.06.05 (Wed.)
Label:CULTIVATE MUSIC
Tracklist:
1. Dawn (feat. Mashinomi)
2. NO ID! (feat. Mashinomi)
3. GIMME ( ;~; ).* (feat. Mashinomi)
4. ∀TENSHI +*. (feat. Mashinomi)
5. supernova +*.*.++.*… (feat. Mashinomi)
6. Distortion world .*(ʻ^ʼ ) (feat. Mashinomi)
7. INTERSTELLAR!
8. Cornflower

配信リンク

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Kohei Shimizu 『Ruina』
Release Date:2024.08.07 (Wed.)
Label:CULTIVATE MUSIC
Tracklist:
1. Ruina

配信リンク

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Kohei Shimizu 『Saint of Losers』
Release Date:2024.09.04 (Wed.)
Label:CULTIVATE MUSIC
Tracklist:
1. 4D-Animals
2. Blood and Bones
3. What’s Up Plutonians
4. Bad Mo-Mo
5. Brain Wash Cat
6. Voodoo Crap Magic
7. Ruina (Beta Seven Remix)

配信リンク

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Kohei Shimizu オフィシャルサイト


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