2017年は完全に韓国の音楽に傾倒した1年でした。
濁流のように新人が洗われ続けるK-POPやK-HIPHOPについて、この1年でようやく彼らに連なっている文脈を把握できたかなと思います。
音楽に限らず新しく面白いものはどんどん生まれてくるので、振り落とされないように来年もへばりついていこうと思います。
5. Carpainter / Orange Wind
Ryan Hemsworthが主宰する〈Secret Songs〉よりフリーDLリリースされた1曲。
抜群に気持ちいいリフレインと展開、ビートの抜き差しがあまりにも巧みで、Crapainterの曲の中で最も好きな楽曲のひとつです。この楽曲の素晴らしい点は、ビート自体は変則的に次々へと移り変わっていくのに、繰り返し鳴らされるメロディによってシンプルな4つ打ちの楽曲のように錯覚して踊れてしまうところだと思うのですが、okadada氏のツイートによるとあながち的外れな意見でもないようです。
Carpainter / Returning 聴いた、2年位前に「四つ打ちじゃないとか形式は違うけど自分なりにテクノと感じる曲が作りたい」的な事をタイメイが言っていたけど、新しいアルバムそういうの感じたのでちゃんとビジョンを叶えていっててかっこいいと思いました
— okadada (@okadadada) 2017年12月9日
また、Carpainterは今年は作編曲で参加した三浦大知「EXCITE」が見事に第59回レコード大賞“優秀作品賞”を受賞するという快挙も成し遂げました。ポップ・ミュージックまで広くこなすその器用さには本当に驚かされますし、2018年もどんどん活動の幅を広げていってほしいですね。
4. SEVENTEEN(SVT LEADERS) / Change Up
韓国の13人組男性アイドルグループ・SEVENTEENより、同グループ内の各リーダーによるユニットの楽曲。一聴して頂ければわかると思いますが、ガンガンにBrasstracksを意識しております。
このグループはメンバーが作詞・作曲、振り付けなども手がけているのですが、アイドルがさらっとこういう楽曲をリリースするK-POPシーンは本当にすごいと思います。フットワークが軽いというか、この貪欲性みたいなものがK-POPをK-POPたらしめているものなのかなと思います。
3. Sik-K / party(Shut Down)[feat. Crush]
■関連記事:SiK-K, pH-1, Jay Park / iffy (prod by. GroovyRoom)
おそらく今年1番韓国で人気を伸ばしたラッパー・Sik-Kが6月にリリースしたEPからの楽曲です。
客演にはシンガーのCrushを招き、トラックはSik-Kも所属する〈H1GHR MUSIC〉のプロデューサー・デュオ、Groovy Roomが手がけています。さらに、MVはVM Projectというこちらも売れっ子の制作チームを招いており、まさに韓国で一番勢いのあるメンツが集まったといえる楽曲です。9月にリリースした「iffy」はレーベル・オーナーのJay Parkや、レーベル・メイトのpH-1が参加しており、さらに豪華な面々なのですが、楽曲としてはこちらの方が好みでした。
コード主体のトラックもそうなんですが、MigosなどUSチャートを席巻しているラップ・ミュージックのトレンドを自分たちなりに取り入れている点が素晴らしいです。また、韓国語ならではの特徴なのかわかりませんが、韓国のラップはBPMが遅いトラックにハイスピードなラップが乗っていることが多いなと個人的に感じます。そこが彼の国の音楽特有のポップさと、国内での幅広い人気に繋がっているのかなと思います。
2. tofubeats / WHAT YOU GOT
■関連記事:tofubeats / WHAT YOU GOT
tofubeatsが今年5月にリリースした3rdアルバム『FANATSY CLUB』は、本当に素晴らしい作品でした。自身の内面と向き合い続ける姿勢を明確に打ち出した作品としての素晴らしさはもちろんですが、個人的には自分で歌わざるを得ない内容だったからこそ、彼がひとりのシンガーとしてステップアップすることのできた内容になっているのだと勝手に思っています。
中でも、この「WHAT YOU GOT」はtofubeatsのこれまでの作品で散々提示されてきたポップ・ミュージックへの愛が、僕が昨年に引き続きよく聴いていたハウス・ミュージックのフォーマットと上手く融合していて素晴らしいです。dj newtownの諸作ともまた違いますが、彼らしさがよく出ている作品なのではないでしょうか。
なお、ベスト・トラックとして2位に選ばさせていただきましたがアルバムはぶっちぎりの1位です。
1. 조우찬(Cho Woo Chan) / VVIP (feat. Sik-K&Gaeko)
韓国のヒップホップ・オーディション番組『SHOW ME THE MONEY 6』に出演した、弱冠12歳(!)のラッパー、Cho Woo Chan(チョ・ウチャン)による楽曲です。以前Spincoasterでもご紹介したSik-Kや、ヒップホップデュオのDynamic Duoに所属しているGaekoを招いています。
キャッチーな「VVIP」と言うフックはもちろんですが、12歳の少年が番組を通して活動していくなかでのリアルや、明確に自分の姿勢を提示したリリック(和訳はコチラを参考に)、Sik-K&Gaekoによる楽曲「RIng Ring」からの引用など、ヒップホップ的な魅力がぎっしり詰まった楽曲です。
12歳という部分を強調して書きましたが、実際それを差し引いても早回しのフロウと、控えめな音数のトラックとの組み合わせが生み出すグルーヴ感といい、クオリティ自体が本当に素晴らしいのでぜひ聴いて頂きたい楽曲です。
Comment
前文&ランキング見ていただいてわかる通り、韓国の音楽に本当にどっぷりと浸かった1年になりました。
もちろん、韓国の音楽以外にも色々聴いていたはずなのですが、ランキングとして考えたときに真っ先に頭に浮かんできたのはこれらの楽曲でした。
韓国はクラブ・カルチャーも盛んなようなので、来年は実際に韓国に行ってみたいです。
番外編 マイ・ベスト
【ベスト・焼き鳥】
「幡ヶ谷・ミヤザキ商店の皮」
普通の皮と違って肉厚でゴムっぽさがなくジューシーな味わいが特徴です。今までで食べた焼き鳥の中で一番美味かったです。
基本はタレですが、塩でもまた違った美味しさがあります。
基本的に店内はいつも混んでいるので予約必須。
■deidaku 過去記事:https://spincoaster.com/author/yuma-yamada
Text by Yuma Yamada