Red Hot Chili Peppersが新曲を発表、Drake、James Blake、Radioheadがニュー・アルバムを緊急リリースし、私含め世間の音楽ファンを賑わせたゴールデンウィークですが、Antony and the Johnsonsのシンガー、ANOHNI(アノーニ)の新作、『Hopelessness』が傑作中の傑作だったので紹介致します。
オープニング・ナンバーの「Drone Bomb Me」
Drone Bomb Me – by ANOHNI from nabil elderkin on Vimeo.
「私をドローンで爆撃して…」という衝撃的な歌詞が表すのは、もちろんアメリカによる中東への空爆のこと。
アルバムでは全編にわたって戦争やテロ、環境破壊などアメリカの社会・政治に対する憤怒や悲哀を崇高なボーカルにのせて歌い、囁き、呪いのように吐き捨てています。
また、今回共同プロデューサーとして参加しているのは、Hudson MohawkeとOneohtrix Point Neverという時代を代表するトラックメイカーの2人。
Antony and the Johnsonsのアコースティックなチェンバー・サウンドから一転、硬質なビート、ノイズ、重低音が効いたシンセが響き渡るエレクトロニックな仕上がりになっているのも納得です。
「絶望」の歌に反して、ハドモの十八番である希望や祝祭感が漂うシンセ・サウンドが象徴的で、楽曲をまるで天に捧げる祈りへと昇華しているよう。
「私はこの世界を見たい…この世界が煮えたぎるのを見たい…たったの4度で…」と地球温暖化について歌う「4 Degrees」はこちら↓
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ANOHNI 『Hopelessness』
Label:Rough Trade / Hostess
Release Date:2016/05/06
Price:¥2,400 + Tax
Tracklist
01. Drone Bomb Me
02. 4 Degrees
03. Watch Me
04. Execution
05. I Don’t Love You Anymore
06. Obama
07. Violent Men
08. Why Did You Separate Me From The Earth?
09. Crisis
10. Hopelessness
11. Marrow