世界最大級の複合フェス『SXSW』が開催40周年を迎えた。今年は音楽・映画・テクノロジーの各分野を初めて1週間(3月12日~18日)に統合。都市全体を巻き込む熱量の中、例年以上の来場者でにぎわいを見せた。
近年存在感を高めている台湾アーティストにフォーカスした「Taiwan Beats Showcase」は、主催地であるアメリカ・テキサス州オースティンのVenue 6で実施。Flesh Juicer、Sorry Youth、Pei-Yu Hung、Our Shame、Modern Cinema Master、someshiit 山姆の6組が出演。それぞれが異なる文脈から立ち上がるサウンドで、現在進行形の台湾音楽の輪郭を浮かび上がらせた。
台湾文化部(文化省)の影視流行音楽産業局が主導する本プロジェクトは、Young Team Productionsが企画・運営を担当。イベントはデイパーティ形式でスタートし、アーティストによるピッチングとアジア各国の音楽関係者との交流プログラムを展開した。現場には国や地域を越えたネットワーキングが活発に行われ、文化的交流の場としても機能した。午後から夜にかけてのライブプログラムも途切れることなく観客を惹きつけた。
夜のライブは、someshiit 山姆がフルバンド編成でトップバッターを務め、力強いパフォーマンスで幕開け。続くOur Shameは、最新アルバム『Hidden Album』の楽曲を中心に、エレクトロニックとフォークサウンドを融合させた繊細かつ奥行きのあるサウンドで観客を魅力した。メンバーは今回の出演について「国を代表するアスリートのような気分」と語り、特別な高揚感と意義を感じている様子を見せた。Modern Cinema Masterはその流れを引き継ぎ、90年代のノイズロックやポストパンク、ローファイの要素を取り入れたエネルギッシュな演奏で会場を圧倒。観客を終始、音の奔流へと引き込んだ。
この日、ひときわ大きな注目を集めたのはFlesh Juicer。多くのメディアや観客を会場に引き寄せたほか、「Rock Sound」などの音楽メディアにも取り上げられた。4月には渋谷GARRET udagawaでの単独公演を行っており、その動向から目が離せない。続いて登場したPei-Yu Hungは、今回がアメリカ初ステージ。アルバム『Still Moving』収録曲を披露し、まっすぐな歌声で空間を丁寧に染め上げた。「音楽は私をどこへでも連れて行ってくれる」と語る彼女は、本公演を通じて音楽への信念をさらに強めたという。
トリを飾ったのは、SXSW出演2回目となるSorry Youth。安定感と熱量を兼ね備えたステージでイベントを締めくくった。なお彼らは、日本のバンドPEDROのメンバー・AYUNi Dとコラボシングル“Outta My Way”をリリースし、4月初旬には来日公演を行っている。
Taiwan Beatsは、ステージパフォーマンスのみならず、台湾アーティストと世界の音楽シーンをつなぐプラットフォームとしての役割も担っている。今後も海外公演やコラボレーションの機会創出を通じて、台湾音楽の魅力を世界へ発信していく。
イベントの詳細や出演アーティストの紹介についてはオフィシャルサイトよりチェックを。










