先月、3ピースになってからは初となる新作をリリースしたUKはリーズ出身のThe Sunshine Underground(ザ・サンシャイン・アンダーグラウンド)。
00年代中盤にイギリスを中心に興ったムーヴメント、“ニュー・レイヴ”の代表的アクトとして注目を集めた彼らですが、その一過性のムーヴメントが終焉した後も、軸のブレないマイペースな活動を続けてきました。
この度はそんな彼らだからこその説得力が詰まったセルフ・タイトルの新作について、そして来月に控えるおよそ7年ぶりとなるジャパン・ツアーについて、メール・インタビューを敢行しました。
The Sunshine Underground Interview
Interviewer: Takazumi Hosaka
Translation: Aoi Kurihara
―およそ4年ぶりの新作完成、そしてリリースおめでとうございます。既にアルバムが完成してから大分時間が経っているとは思いますが、今の率直な感想を聞かせてもらえますか?
ありがとう。リリースに至るまでとても長い道のりだったよ。でも、このアルバムが完成したことが本当にハッピーなことだった、何よりライブで演奏することが大好きなんだ。
―1st~2ndの間もおよそ4年という感覚を空けてのリリースとなっていましたよね。もちろん偶然だとは思いますが、今後もこのペースを維持すると思いますか?
4年という期間は様々な理由から偶然起きたことなんだ。1枚目と2枚目のアルバムの間の期間は大きなツアーを行っていたことにより、時間がかかってしまった。そして今回は、今まで作ったことのないような様々なサウンドを作ってみたかったから遅くなってしまったんだ。このアルバムはエレクトロニック・ミュージックの影響を多大に受けている。また、この期間で僕たちはプロダクション・スキルも成長したと思うね。
―本作がこれまでの作品以上にエレクトロニックなサウンドを強く押し出すようになったのは、意識的な方向転換なのでしょうか?
僕たちはいつもエレクトロニックの影響を受けていたのだけれど、今まではそういった音楽を作るスキルがなかったんだ。今回僕たちは音楽の作り方やレコーディング手法を変えてみた。それに今作は3ピースで作る初めてのアルバムでもあるから、それが今までのアプローチの方法を変えようと思った大きな要因かな。
―また、それと同時に本作を印象付けている大きな特徴のひとつとして、テクノやディープ・ハウスを彷彿とさせるようなミニマルな反復性が挙げられると思います。
イエス! 僕が思うにディスコやエレクトロ・ディスコ、80年代のシンセ・ポップのレコードから影響を受けているよ。様々なスタイルを作品に盛り込んでみたんだ。
―一昨年頃からイギリスではDisclosureなどの台頭により、シンプルなハウスやUK Garage、2 Stepなどが復興している雰囲気を感じます。個人的にはそういった洗練されたダンス・ミュージックの復権と、あなたたちの新譜はどこかリンクする部分があると思ったのですが……
僕たちは90年代からずっとハウス・ミュージックを聴いているから、そういったサウンドが復権してきているのは素晴らしいことだと思う。だからそういった空気感と僕らの作品がリンクしていると思いたいね。
今までやってみたいと願っていたけどなかなか実現できていなかったことが、今回のアルバムで叶えられたんだ。僕たちにとってこれは新しい音楽の旅のスタートなんだ。
―また、それらとは別に依然として強い影響力を持つEDMと呼ばれるような音楽についてはどう思いますか?
正直に言えば、EDMの大ファンというわけではないね。確かに僕らの音と似ている部分はあるかもしれないけれど、モダン・ハウスやエレクトロ・ディスコの方が好きかな。
―本作のシャープなバンド・サウンドとエレクトロニックなサウンドの融合ぶりは、どこかDFAやModularなどのレーベル所属のバンドを彷彿とさせますが、そういったバンドたちにはシンパシーを感じていますか?
確かに、それらのバンドは僕らが多大な影響を受けてきていて、このレコードに反映されていると思う。僕らが今まで出会ってきたバンドの中でも、LCDサウンドシステムは最も理想的なエレクトロ・バンドであると思うよ。
―2000年代の半ば、エレクトロニックなダンス・ミュージックとインディ・ロックをクロス・オーヴァーさせたムーヴメントとして、“New Rave”といった言葉が流行り、そのシーンの一角としてあなたたちの名前もよく挙がっていたかと思うのですが、当時のシーンを今振り返ってみるとどう感じますか?
あの時代はとても素晴らしかったと思う。ニュー・レイヴのムーブメントは終わってしまったけれど、当時、バンドとダンス・アーティストがお互い影響を与え合ったり、一緒に仕事をしたりしていた。それは素晴らしいアイディアだったと思うんだ。最近ではバンドとエレクトロニック・アーティストの境界線がより一層曖昧になってきたけれど、それって良いことだよね。
―本作をセルフ・タイトルにした理由を教えてください。
このレコードば僕たちにとって新しい章の始まりなんだ。僕たちは今まで長い間活動してきたけど、今までの作品以上に、今回のアルバムは僕たちを定義付けてくれるようなアルバムになっているんだ。新たなスタートを切った気持ちでいるよ。だからセルフ・タイトルのアルバムにしたんだ。
―最後に、11月に久方ぶりの来日が決まったということで、日本のファンへのメッセージをお願いできますか?
Vinyl Junkieと契約したことにとても興奮しているし、久しぶりの日本ツアーだから楽しみにしているよ!
前に日本に来たときのことはバンド活動においてのベストな想い出の一つなんだ。またプレイできるのも日本のファンに会えるのも待ちきれないよ! 11月に会おう!!
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The Sunshine Underground Japan Tour 2014
11月18日 (火)福岡 : Kieth Flack
OPEN/START 18:00 / 19:00
INFO : Kieth Flack (TEL: 092-762-7733)
11月19日 (水)東京 : Shibuya WOMB
OPEN/START 18:30 / 19:30
INFO : クリエイティブマン (TEL : 03-3499-6669)
11月20日(木)大阪 : FANJ Twice
OPEN/START 18:30 / 19:30
INFO : FANJ TWICE (TEL:06-6484-3880)
11月21日(金)名古屋 : Tight Rope
OPEN/START 18:30 / 19:30
INFO : Tight Rope (TEL: 052-242-8557)
11月23日(日)/ 山梨 : GAZ KOFU
OPEN/START 17:00 / 18:00
INFO : GAZ KOFU (TEL: 055-225-5521)
チケット(全公演) : 4800 円 (前売)(税込/All standing/1Drink別)