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tofubeats、5年ぶり全国ツアー東京公演レポート到着 森高千里 & 藤井隆も登場


2024.11.21

tofubeatsの全国ツアー『JAPAN TOUR 2024』の東京公演が2024年11月15日(金)に東京・恵比寿ガーデンホールで開催された。前回の全国ツアーは2018年に開催されたアルバム『RUN』のリリースツアー。5年ぶりの全国ツアーとなる今回は、リリースやアニバーサリーではない純粋なtofubeatsの全国ライブである。

都内に作られた郊外のサンプリングみたいな恵比寿ガーデンプレイスはすっかりクリスマスムードだ。ガーデンホールの前にはすでに長蛇の列ができていた。札幌moleでも会場前のアーケードをはみださんばかりの列だったけども、今日はさらにとんでもない。

ありがたいことに楽屋へ招待されたのでtofubeats一同にご挨拶。開演直前にも関わらずスタッフとラフトークを続けるトーフビーツから緊張は感じられない。しかし「tofubeatsの不健康遍歴(集英社オンライン)」なんて記事になる程度には体を壊しているのだからストレスがないわけはない。

「ひとりでやれる小箱も楽しいけども、たくさんの人を巻き込んで自分ごとをやらせてもらう大きなイベントはやりがいがある。本当にありがたいことですよ」

tofubeatsは大きなステージへ上がるときでもまるでプライベートなDJブースへ向かうかのような顔をして、マネージャーのCE$さんを心配させているようだ。この平然とした振る舞い自体、自分ごとに関わってくれるお客さんも含めた大勢の人々に対する彼なりの責任感と配慮なのかもしれない。

「キャー言われるのもええもんですよ」ステージへ上がるtofubeatsの背中を見送り、私もパーティを楽しむためにフロアへ向かう。“20140803”のビートが聴こえていた。

最後尾からフロアへ入り直すと会場はとっくに超満員だった。最後方から見えるtofubeatsの姿は小さいけれども音はブ厚い。どうやら音響は好調らしい。幕開けに相応しい晴れやかな“WHAT YOU GOT”から“PEAKTIME”“RUN”“STAKEHOLDER”と代表曲を続けて、すっかりライブのセットアップは完了。“STAKEHOLDER”では相変わらずMVの1本8000円の瓶(撮影用)で殴られるtofubeatsのカットがループされていた。気に入っているのだろうか? “m3nt1on2u”を挟んで、クラブで誰かがプレイしているのを耳にする機会も多いパソコン音楽クラブとの“ゆらぎ”でオーディエンスを魅了した。

“自由”“ふめつのこころ”と、まさに「THIS IS tofubeats」なセットリストでおおいに盛り上がる現場をチルさせたのは、なんと“衣替え”のリミックス。メジャー2nd EP『ディスコの神様』のB面曲だ。この曲は歌詞がいいのだ。

お約束の物販宣伝MCを挟んでバラードタイムへ。“No.1”から“SHOPPINGMALL”“RIVER”でフロアのエアーを入れ替えたところで“SOMEBODY TORE MY P”でダンスミュージックが始まった。最新作『NOBODY』収録の“Remained Wall”ですっかりアガってしまう。大好きな曲だ。かなり速めのBPMと内臓を揺らすベースライン、huezの過剰なレーザービームの明滅がピークタイムのフロアを作る。一週間前に開催された『Lost Decade 12』の余韻がまだ残っているのだろうか? BPM高めのまま高速“I CAN FEEL IT”“VIBRATION”“LONELY NIGHTS”から、“TYPICAL!”(TOWA TEI feat. 石野卓球)を添えたテクノカラオケの“I Believe in You”。そして最新作から“NOBODY”までのメガミックスでフロアは最高潮を迎えた。

スクリューされる“Lost Decade”にダンスフロアの終わりを予感していると、飛び込んできたのは刻まれたアーメンと太すぎるベース。“REFLECTION”だ。tofubeats自ら「身勝手な演目」と言うだけあってやりたい放題で気分がいい。そもそも今回のツアーが開催されたきっかけも、tofubeatsが札幌moleでライブをやりたくなったという個人的な動機から始まっている。自ら「資本主義者である」と言い切るtofubeatsだが、その動機はビジネスよりも「やりたくなったから」というかわいらしい個人の欲望から離れない。それをこれだけの大きな催しにしてしまう手腕には素直に尊敬を感じる。

さて“水星”のイントロが聴こえたらいよいよライブも終盤である。tofubeatsは「笛」ことウインドシンセによる“水星”のイントロを生演奏。札幌moleでの自己採点は72点だったけども今回は「まあいいでしょう」とのこと。tofubeatsのエピックでありクラシックと呼んで差し支えない曲でなぜ笛を吹くのか。いったいこれが何なのか正直よくわかっていないのだが、こういうお客さんとtofubeatsのコミュニケーションめいたショーもまた彼のエンターティメントのひとつである。「ソウルをブロウせんとね」の言葉に客席もおおいに盛り上がる。

そして“水星”が芸能の幕開けであることを客席はよく理解しているようだ。今回のジャパンツアー、東京公演のスペシャルゲスト・藤井隆が“POSITIVE”と共に登場だ。これまでもたくさんのゲストボーカルを迎えて歌われてきた曲だが、藤井隆の“POSITIVE”は「楽しい」に尽きる。なにより「藤井隆のPOSITIVE」という言葉が完璧すぎる。ハンドマイクで客席を端から端までキレキレのダンスで盛り上げる藤井隆の圧倒的エンターティナーっぷりに客席も熱狂。10年前の30箇所以上の巡業を繰り返した思い出を振り返りつつ“ディスコの神様”を披露した。

そしてDJブースにかかったクロスが「森高千里 with tofubeats」の文字の入ったものに張り替えられる。tofubeatsも「まだあったんや」と驚いたこのクロスは入場規制のかかった2014年の『SUMMER SONIC』、そしてその後のWOMB公演で使われたものであり「森高千里 with tofubeats」はユニットの名義でもある。大歓声とともに登場した森高千里(with tofubeats)、10年ぶりのスペシャルな共演は『森高豆腐』収録の“ララ・サンシャイン”でスタートした。

大スターによるMCの中で、まったく隙のないトークスキルで手玉にとられているtofubeatsを観るのは愉快だった。そのまま流れるように“Don’t Stop The Music”に流れるかと思いきや、ここでまさかのサプライズ。今月34歳を迎えるtofubeatsに藤井・森高両名からバースデーケーキが贈られたのである。ケーキには「Blow your soul」の文字。藤井隆からなぜかケーキを顔にぶつけられるか食べるかの選択を迫られ、完全にスベりながら「食べる」を選んだtofubeats。禁断のブース越しケーキ渡しに会場からは大きな拍手が送られた。しゃべり上手で鳴らしているtofubeatsだが、生粋の二大スターの前では完敗といったところだろうか。

ちょうど去年のガーデンホールでの10周年イベントが誕生日当日の開催だったことにちなんでいるのだろうか。藤井隆がおおいに盛り上げ、森高千里はハッピーバースデイを歌い、tofubeatsがたじろぐ。tofubeatsのこれまでの活動が結実した瞬間である。そしてイベントを締めくくる最後の曲はもちろん森高千里ボーカルによる“Don’t Stop The Music”。ここに至り、もはや語る言葉はない。

「ジャンルというのは、それそのものが文化であり政治である」、それゆえにボーダーレスなDJとは政治的摩擦を起こす行為であると語ったのは磯部涼だが、その言葉を借りるなら、ポップスのライブ・ダンスミュージック・芸能をシームレスに繋げきったtofubeatsのライブセットは政治的摩擦そのものだ。〈HIHATT〉の活動もまた、地下室のインディとヒップなスター、ベッドルームと現場、オーバーグラウンドとアンダーグラウンド、世界と神戸を繋げる摩擦DJ的営為が主軸といえる。tofubeatsが摩擦にこだわり続けるのはなぜなのだろうか? スクラッチをしないDJがいてもいいはずなのに。

その不思議は、ライブを経ていっそう仲の深まった様子のカップルや、踊り疲れたベテランたちや、ペンライトを振るクルー。集まったひとびとの嬉しさに満ちた顔をみれば会得がいく。音を造る職人でありながら難聴を患うtofubeatsがリアルな現場に立ち続けることは難しい。あらゆる文化的トライブには淘汰があるのだ。それでも文化はあるし、そこにしかない喜びもある。繋げること、あえて文化的摩擦を続けてしまうのは、その喜びをつなぎ合わせたこのフロアのムードがすべてだろう。結局、最初から最後までフロアで踊り切ってしまった。

ところでtofubeatsもライブ後にサプライズを仕込んでいたようだけど、大先輩による一枚上手のサプライズのあとでは立場がない。しかし重要なサプライズだったのでここでリフレインしておこう。ライブ終了後、tofubeatsの活動史上最大規模のワンマンライブが発表された。開催は2025年1月31日(金)、会場は初のZepp Haneda(TOKYO)。終演直後からチケットの先行抽選が始まっているのでぜひチェックしてみてほしい。tofubeatsは君の期待を裏切らない。

取材・文:動物豆知識bot
撮影:横山純


【イベント情報】

『tofubeats Live at Zepp Haneda 2025』
日時:2025年1月31日(金)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:東京 Zepp Haneda
料金:1F スタンディング ¥5,000 / 2F 座席 ¥6,000 / 学割(1Fスタンディング)¥3,500
出演:
[LIVE]
tofubeats

[GUEST]
COMING SOON!

・チケット
オフィシャル先行(抽選/e+):11月15日(金)21:00~

一般発売:12月14日(土)12:00~ ぴあ / e+(予定)

※入場時ドリンク代別途必要
※チケットは全て電子チケットとなります。
※未就学児童入場不可
※ビデオ・カメラ、または携帯電話等での録音・録画・撮影・配信禁止。
※出演者は変更になる場合がありますので予めご了承ください。尚、変更にともなう払戻は行いません。

▼学割チケットについて
※学割対象は、小学生・中学生・高校生・大学生・大学院生・専門学生が対象です。
※入場時に学生証、保険証などの提示が必要です(コピー不可)。忘れた場合は1F立見料金との差額をいただきます。
※小学生は、保険証など年齢確認ができる身分証を必ずご提示ください。
※入場後の受付はいたしません。必ず、会場入場前に窓口にて学生証をご提示ください。

主催:HIHATT LLC. / J-CLUB Co,.Ltd.
協力:ワーナーミュージック・ジャパン
問合:SMASH 03-3444-6751

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『tofubeats JAPAN TOUR 2024』

日時:2024年11月22日(金) OPEN 18:00 / START 19:00
会場:沖縄・那覇 Output
料金:ADV. ¥3,500 / DOOR ¥4,000 (各1D代別途)
出演:
[LIVE]
tofubeats

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VIDEO BOY

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日時:2024年12月13日(金) OPEN 18:00 / START 19:00
会場:愛知・名古屋 JAMMIN’
料金:ADV. ¥4,500 / DOOR ¥5,500 (各1D代別途)
出演:
[LIVE]
tofubeats

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VIDEO BOY

チケット詳細(e+)

tofubeats オフィシャルサイト


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