FEATURE

Rootscoaster Vol.25 / Hayden Thorpe(Wild Beasts)


2008年のデビューから6年、変化を重ねて快進撃を続けてきたWild Beastsのヴォーカル、ヘイデン・ソープのRootscoaster

2014.09.03

2008年の1stアルバム『Limbo, Panto』から、現在地となる2014年の4thアルバム『Present Tense』まで約6年。Wild Beastsは、80年代のポストパンク、フォークに始まり、近年の作品ではRicardo Villalobos、Oneohtrix Point Never、Clams Casinoといったアーティストに影響されてエレクトリックなサウンドに傾倒するなど、音楽性でも、またそれ以外の部分でも意欲的に様々な要素を取り込み、一作ずつ変化重ねてきた。そして、その変化と同様に高く評価されてきたのは、今回このRootscoasterに登場してくれた、Hayden Thorpe(ヘイデン・ソープ)の美しいハイトーン・ヴォーカルである。彼のファルセットは、音源の中では不思議に揺らめいていて少々掴みづらいが、実際に体感してみるとそれは皮膚を伝うように親密で、素直な響きだ。Haydenが挙げてくれた以下の3曲はWild Beastsの音楽性はさることながら、彼のヴォーカルにも大きな影響を及ぼしているだろう。この3曲を聴いて、どうか11月の来日ライヴで彼のヴォーカルを体感してほしい。

Text by Hiromi Matsubara


1.Kate Bush / Hounds of Love

発明力と直感的なポップさとの完璧なパランス、これが僕らの原点なんだ。もう長い間、僕らはこの2つを別々にして見ては、それぞれから学び、感心し、憧れているよ。


2.Talk Talk / I Believe In You

この曲は、勇気を出すこと、ありえないことに挑戦をして、チャンスに対してオープンでいることが、楽曲を在り来りでないものにすることを可能にすると思い出させてくれるんだ。


3.The Blue Nile / The Downtown Lights

たとえどんなに自分をさらけ出したとしても、人間味は聴く人を感動させるための力の重要な要素になるだろうから、”楽曲の中に自分自身を入れることを恐れてはいけない”ということを、音楽の持つ感情のパワーは教えてくれるんだ。


Wild Beasts

英ケンダル出身のヘイデン・ソープ(V/G)、ベン・リトル(G)、トム・フレミング(V/B)、クリス・タルボルト(Dr)の4人組ロックバンド。その風変りでありながら美しい独自の音楽性はレディ・ガガやフレンドリー・ファイアズ、ザ・エックス・エックスなどのアーティストからの支持も高い。08年のアルバム・デビューから現在までに4枚のアルバムを発表。09年、2作目『トゥー・ダンサーズ』が英国最高峰音楽賞マーキュリープライズにノミネート。11年3作目『スマザー』が全英17位を獲得。世界中で賞賛を受け、数々の年間ベストアルバムに選出された。14年、4作目『プレゼント・テンス』をリリース。フジロック’14で待望の初来日を果たし、ホワイトステージにて圧巻のステージを見せた。 http://wild-beasts.co.uk

Wild Beasts - Present Tense
『Present Tense』
Label:Domino / Hostess
price:¥2,200 (Tax Included)

※初回仕様限定盤はボーナストラック・ダウンロードカード封入(フォーマット:mp3)、歌詞対訳、ライナーノーツ付
iTunesはボーナストラック2曲付、高音質Mastered For iTunes仕様


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