Best Tracks Of 2016

Takato Ishikawa

キュレーター、Takato Ishikawaによる2016年の年間ベスト・トラック!

今年も年間ベストのお祭りがやってきました。Apple Music漬けになってから、音楽の大海を泳ぎ回る毎日を送っています。
世間ではBeyoncéやDavid Bowieを中心に賑わせているなか、こちらはいちリスナーの世相を反映させた年間ベストです。早速いってみましょう。


5. Miguel / waves (Tame Impala Remix)

米出身のR&Bシンガー、Miguelが昨年リリースしたアルバム『Wildheart』収録の名曲を、Tame Impalaがカバーした1曲。キラー・フレーズっぷりが冴え渡るベース・ライン、大きなタメをもたせたドラムスなどにMiguelの唸るようなボーカルが乗っかり、両者の持ち味が存分に鳴ったサウンドに。
特に白眉なのが、冒頭1発で曲の雰囲気をつかむKevin Parkerのボーカル。Mark Ronsonらと共にLady Gagaの新作に参加するなどプロデューサーとしても力を発揮する彼ですが、今年の来日公演でも聴かせてくれたあのボーカルは、やはり曲の中核を象徴するような高い中毒性を帯びていると思います。まるで、水しぶきを上げながら水中に潜るかのような体験を味合わせてくれる名カバーです。


4. BJ the Chicago Kid / The New Cupid ft. Kendrick Lamar


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その名の通り、米シカゴ出身のソウル・シンガー、BJ the Chicago Kidが今年2月にリリースしたメジャー・デビュー・アルバム『In My Mind』収録の1曲。
Kendrick Lamarをフィーチャリングしたこの曲は、BJのルーツでもある60〜70年代のソウル・ミュージックと現代のシーンを繋げる、まさに新しいキュービッドのような作品に。聖歌隊や様々なバックコーラス経験を経て熟成された甘い歌声が近年話題となり、その開花された才能がDr.DreやChance The Rapper、Donnie Trumpet & The Social Experiment、ScHoolboy Qなどの作品参加へと広がっていきました。直近では、世界中からベタ誉めされまくっているSolangeやCommonの新作にも参加するなど、存在感を確実に増していく、現代のモータウンを代表する新世代のシンガーです。


3. Anderson .Paak / Am I Wrong (feat. ScHoolboy Q)

今年の西海岸シーンの台風の目になった米カリフォルニア州出身のAnderson .Paak(アンダーソン・パーク)。今年1月にリリースした新作『Maribou』が世界中で絶賛されており、ヒップホップやR&B、ジャズ、ファンクといった幅広い音楽性をバンド・サウンドで構成された傑作となっています。シンガーやラッパーとしても才能を発揮するなか、参加ミュージシャンの一部にChris Dave、Pino Palladino、Isaiah SarkeyといったD’angeloのサポートを務める面々など、プロデューサーとしての力量も垣間見えます。なかでもラッパーのScHoolBoy Qとコラボしたこの曲は、軽快なドラムスやマッドなベースラインが光るダンス・チューンに。アルバム・リリース以降、Dr.Dre主催のレーベル〈Aftermath Entertainment〉と契約し、”Coachella”への出演や渋谷WWW Xでの来日公演など活動範囲をガンガン広げている彼ですが、実はKNXWLEDGE(ノレッジ)との別プロジェクトNXWORRIES(ノーウォーリーズ)の新作も最高なので、気になる方は要チェックです。


2. Mac Miller / Dang! (feat. Anderson .Paak)


関連記事:Mac Miller / Dang! (feat. Anderson .Paak)

Mac Millerの新作『The Divine Feminine』より、先ほどのAnderson .Paakとコラボしたメロウな4つ打ちトラック。以前、SpincoasterでもTakazumi Hosaka氏が取り上げましたが、米ペンシルベニア州出身の若手ラッパーにしてポスト・エミネムと高い評価を受ける彼。
今年は、米大統領選挙において2011年リリースの『Donald Trump』がフィーチャーされたり、プライベートではAriana Grandeとの交際が話題となるなど、得てしてヒップホップ・リスナー以外への認知が拡大した印象。アルバムにはAnderson .Paakとアリアナ嬢に加えて、BilalやTy Dolla Sign、そしてここでもKendrick Lammerをフィーチャーするなど、抜け目ない客演陣が顔を揃えています。
また米TV番組『The Late Show』で生バンドを従えての秀逸なパフォーマンスも必見です。


1. Robert Glasper Experiment / Day To Day

つまるところ、彼の鍵盤でこれからも踊り続ける運命なのかもしれません(しみじみ)。米ヒューストン出身のジャズ・ピアニスト、Robert Glasper率いるバンドが、グラミー賞受賞の前作から3年ぶりにリリースしたアルバム『Art Science』に収録の1曲。
本作はゲストを一切呼ばず、バンド・メンバーのみでスタジオに籠って制作された意欲作となっています。あらゆるブラック・ミュージック要素をアートにもサイエンスにも再構築させる手腕が光るなか、この「Day To Day」はグッとディスコ・サイドに寄ったブギー調の曲に。作詞作曲したメンバーのCasey Benjaminがボーカルも務め、伸びのあるヴォコーダーが空間いっぱいに広がり、優しい疾走感を生み出しています。今年はフジロックとビルボード、今月にはブルーノートと彼らのパフォーマンスを体感できる機会が多かったのも含め、ファンにとっては恵まれた1年となったのではないでしょうか。


Comment

いつもこの季節になると、「このお祭りに参加せねば!」と監督さながら作品を取捨選択していく私。そんな遊びを一人悶えながら勝手にやっていたわけですが、この場ではどういう切り口でピックアップしようかと割と悩んだ結果、シンプルに特に再生回数が多かった5曲にしてみました。ほとんどが米ヒップホップ界隈からのピックアップだったので、この辺りのシーンはいいプレイヤーが豊富だなあという印象を受けております。また、ここでは取り上げきれない分も色々あるので、それらも含めたマイ・ベスト・トラックのプレイリストもチェックしてみてください。

また、来年はSpincoasterでキュレーターをやりつつ、セレクターとしてSpincoaster Music Barにも顔を出す予定ですので、レコード片手にぜひ遊びに来てください!

■ベストトラック①

■ベストトラック②


番外編 マイ・ベスト

【ベスト・アルバム】

先ほどのベスト・トラックに引き続き、ベスト・アルバムも選んでいます。今年リリースされた作品を洋邦それぞれ50枚ずつピックアップしました。順位はつけずにランダムに並んでいますが、どちらも大豊作でした!

■ベストアルバム①

■ベストアルバム②

※曲数が少なく表示される場合は、「Apple musicで聴く」をクリックしてアプリでチェックしてみてください。

※Apple music未配信(邦楽のみ)
ももいろクローバーZ 『白金の夜明け』
宇多田ヒカル 『Fantôme』
ラブリーサマーちゃん 『LSC』
坂本慎太郎 『できれば愛を』
Perfume 『COSMIC EXPLORER』


Spotify プレイリスト

Takato Ishikawa

Takato Ishikawa

会社員。ブラックミュージックやディスコを聴くと興奮します。ラジオDJになったつもりで色々とキュレーションしていきます。Tumblrでも発信しています。(http://vivalavida1992.tumblr.com)