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Spincoaster BREAKOUT 2018


Spincoasterが予想する、2018年飛躍的な活躍をみせる国内アーティスト15組!

2018.01.29

毎年恒例、Spincoasterが期待の新人を選出する“NEXTCOMING”に続いて、メインストリームでの活躍、マスレベルでの認知を獲得するであろう、ブレイク・アーティストを選出する“BREAKOUT 2018”を発表します。

昨年はJamiroquai来日公演の前座にも抜擢されたNulbarichや、相変わらずユニークな方法論でリスナーを驚かせ続けるCreepy Nuts、そして2月には2ndアルバムのリリースを控えるiriなど、2017年の音楽シーンを騒がせたアーティストを選出させて頂いたこの“BREAKOUT”。一言にブレイクと言っても、その基準は様々ですが、この“BREAKOUT 2018”では下記のような項目を軸としています。

・複数の大型フェスに出演する。
・主要音楽チャートの上位に食い込む。
・地上波のテレビでも露出がある。
・大型タイアップが展開される。

このリストの中から、世界に大きく羽ばたくアーティストが一組でも多く現れることを我々は強く願っています。

また、今回の“NEXTCOMING 2018”、“BREAKOUT 2018”を中心とした、2018年要注目のアーティストをまとめたプレイリスト「SPOTLIGHT 2017」も作成しましたので、こちらも合わせてチェックを!

Text by Spincoaster


 BREAKOUT アーティスト1位→5位

 No.1 小袋 成彬

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SpincoasterではN.O.R.K.時代から、〈TOKYO RECORDINGS〉の設立まで追いかけ続けてきたOBKRこと小袋成彬。一時期は裏方に徹するようになっていたが、そこからまさかの宇多田ヒカル新作への参加を経て、ソロ・アーティストとしてプレイヤーに回帰するとは! ソロ・アルバムの先行曲としてすでに公開されている「Lonely One feat.宇多田ヒカル」は、自身の内から沸き起こる創作意欲を圧縮し、封じ込めたかのような、鬼気迫る才能を感じさせる。その気迫にはどこか危うさをも感じてしまうほどだ。彼が日本のメインストリームで、今年どのように受け取れられるのかは、今後の日本の音楽シーン/業界の行く末を占うひとつの指針になるといっても過言ではないだろう。

 No.2 King Gnu

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「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」を掲げる4人組、King Gnu(キング・ヌー)。ロック、ヒップホップ、サイケ、歌謡曲などを飲み込んだ、アーバンで洗練されたポップスで話題を集めている。前身バンドの頃からインディ・シーンを中心に注目を集め、昨年は“SXSW”や“FUJI ROCK FESTIVAL”への出演が話題となり、待望のデビューアルバム『Tokyo Rendez-Vous』はiTunesオルタナ部門アルバム・チャート1位を記録。また、渋谷WWWで行われる初ワンマンは追加公演も含めて即日ソールド・アウトさせ、昨年末に出演した“SPIN.DISCOVERY vol.05”での圧巻のパフォーマンスも記憶に新しいところ。その勢いのまま、今年も各イベントに引っぱりダコで、いま期待急上昇中の次世代バンドと言えよう。

 No.3 AmPm

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「Best Part Of us」がSpotifyで1000万回再生を超えるなど、Spotify内で日本人として初めて世界的なアーティストと名を並べる存在となったエレクトロ・デュオ、AmPm(アムパム)。世間的な知名度はまだまだであるが、すでに音楽業界内で彼らのことを知らない人はいないだろう。この実績を持って今年はさらに様々なアーティストとのコラボレーションを果たしていくことが予想される。また、国内ではまだ公の場での実績はないが、インタビューではライブ活動へのモチベーションも高いことが伺える。今年、よりたくさん人がAmPmの名を目にすることは間違いなさそうだ。

No.4 踊Foot Works

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昨年彗星のようにシーンに現れ、あっという間にコアなリスナーへの認知度を拡大させた4人組、踊Foot Works(オドフット・ワークス)。
バンド・サウンドなのか打ち込みなのか、ラップなのか歌なのか、絶妙なラインを攻めるその音楽性はまさしく今日的。鮮烈なデビューを飾った1st EP『ODD FOOT WORKS』、そしてペトロールズのカバーEPへの参加も経て、年末に急遽リリースされた初のCD作品『Arukeba Gravity – ep』では、ソングライティングのさらなる洗練ぶりもさることながら、何よりも「ポップであること」へのこだわりを強く感じ取ることができる。盛り上がり続けるヒップホップ・ブームの勢いを借りるでもなく、独自の道へと歩みを進める彼らを今年も応援せずにはいられない。

 No.5 chelmico

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そのファニーなキャラクターや愛嬌のあるルックスだけでなく、確かなセンスと腕前のトラックメイカー/ビートメイカーからのサポートも受け、すでに音楽面でも確固たる評価を築いているフィメール・ラップ・デュオ、chelmico(チェルミコ)。昨年ソロ作品もリリースしたり、先日発表された中田ヤスタカの新作への参加など、鈴木真海子単独での活躍ぶりにも目を見張る物がある。
盛り上がり続けるヒップホップ・ブームとも絶妙な距離感を保ちつつ、JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUBやTOKYO HEALTH CLUBといったグループ共に、独自のシーンを形成しているようにも思える彼女ら。今年は2人のキャラと個性を活かして、さらにオーバーグラウンドでの活動に期待したい。


以下10組順不同 ※A→Z

 あっこゴリラ

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元ドラマーという異色のバック・グラウンドを持ちながら、個性豊かなリリックと快活なフロウ、そしてパワフルなライブ・パフォーマンスで注目を集めるあっこゴリラ。最新EP『GREEN QUEEN』にはSTUTS、ITSUKA(Charisma.com)、食品まつり a.k.a foodman、永原真夏、PARKGOLF、向井太一らが参加し、多彩なトラックを乗りこなす器用さを世間に知らしめた。現在SpotifyのCMにも楽曲が起用されるなど、すでにメインストリームへと進出する準備は万全。「ヒップホップは男性社会?」、そんな風潮も彼女のような才能の台頭により、2018年には蹴散らされることを願う。

 CHAI

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双子のマナ・カナに、リズム隊ユウキとユナで編成された4人組、CHAI(チャイ)。
無名ながらもSpotify UKチャートTOP50にランクイン、去年の3月には“SXSW”出演と全米ツアーも成功に収めるなど海外からも注目を浴びる。さらに、“FUJI ROCK FESTIVAL 2017″内の“ROOKIE A GO-GO”では前代未聞の超満員で観られない人が続出するほどオーディエンスを集めたことも記憶に新しい。今年はUSインディ・レーベル〈BURGER RECORDS〉から1stアルバム『PINK』をリリースし、2年連続の“SXSW”出演を果たす予定だ。国内の様々なメディアも2018年要注目アーティストとして取り上げており、今最も注目を集めているバンドである。

 DATS

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昨年レーベル移籍後、大胆な音楽性の変化をみせた1stアルバム『Application』をリリースし、フジロックや様々なイベントに引っ張りダコとなったDATS(ダッツ)。特に昨年はファッション業界からのオファーやコラボレーションが目立ち、音楽業界のみならず様々な業界を巻き込んでいくバンドとして一定のポジションを確立したことが伺える。しかし、彼らの目標はあくまでも武道館だと言う。そのためにも彼らはもう1段階も2段階もブレイクしなければならない。2月のワンマンでは大きな発表を予定しているという彼ら。2018年はさらなる躍進に期待したい。

 ドミコ

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TempalayやTENDOUJIらと同じく、東京を中心としたライブ・シーンで大きなプロップスを得ているドミコ。2ピースという制約を楽しむかのように、最近のライブ・パフォーマンスや昨年リリースの2ndアルバム『hey hey, my my?』ではクリエイティビティが爆発している。また、飄々としたスタンスで己を貫くようなスタンスをみせつつも、楽曲の端々に宿るポップネスは天性の才能か。ロック不遇の時代とは言え、インディペンデントなシーンにはエキサイティングなロック・バンドが溢れている。彼らをシーンごと引き上げてくれるような存在になってくれることを願いつつ、今年のドミコの活躍に期待したい。

 大比良瑞希

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昨年、3ヶ月連続シングル・リリースを行い大きな注目を集めた大比良瑞希。元よりtofubeats、LUCKY TAPES、Alfred Beach Sandal×STUTSといった作品への参加を果たすなど、器用なアーティストとしても評価の高かった彼女だが、昨年の連続リリースではソロ・アーティストとしての才能を改めて世間に知らしめた。それだけに、ここからの次なる一手に注目が高まるところ。どこにでもハマれるが故に、どこにもハマらない唯一無二のSSWとして、2018年は世間にその名を轟かせてくれることを願う。

 SUSHIBOYS

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2016年頃から活動を開始したSUSHIBOYS(スシボーイズ)は、埼玉県越生町(おごせまち)出身のエビデンス、ファームハウス、サンテナからなる3人組ヒップホップ・グループ。
ユニークなトラックやリリックの題材と、それに反した(?)クオリティの高いサウンドとMVで2017年、飛躍的にバズを拡大させた。3連符使いのトラップなど、トレンドも上手く取り込む柔軟な姿勢や、キャッチーなキャラクターも相まり、すでに都内のイベントなどには引っ張りダコ。年明けにドロップしたシングル「なんでもできる」ではこれまでとは違う一面もみせてくれただけに、2018年の彼らの動きにも目が離せないだろう。

 唾奇

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Sweet Williamとの連名アルバムからDJ HASEBE & おかもとえみとのコラボ曲、Avec Avecがトラックを手がけた「Soda Water」、その他にもLEAP、yasai、Leonald、kuja、CHICO CARLITO、DJ KEN KANEKOなどの楽曲に客演を果たすなど、昨年は八面六臂の活躍ぶりをみせてくれた沖縄出身のMC、唾奇(ツバキ)。多彩なトラックを自由に乗りこなすことができるのは、確かなラッパーとしての実力があるからこそ。国内ヒップホップ・シーンでも、単独名義のアルバムが待たれるうちの筆頭株となっているのではないだろうか。2018年、ぜひとも期待したい。

 KEIJU as YOUNG JUJU

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東京の街を生きる新世代ヒップホップ・クルー、KANDY TOWNからはIO、MUD、DONY JOINT、RYOHUなどなど、多くのメンバーがソロで素晴らしい作品をドロップ。もはやクルー全体というよりは個人での活動が目立ってきている。そんな中でも、名義を変更し、ソロとしてのメジャー・ディールをソニー・ミュージックレーベルズと契約したこのKEIJU as YOUNG JUJUには頭一つ抜きん出た可能性を感じる。2016年リリースのソロ作『juzzy 92’』に続き、2017年はtofubeatsの楽曲「LONELY NIGHTS」へ客演を果たし、大きな存在感を示した。ストリートのクールな感性を擁したまま、どのようにメジャー展開していくのか、今後の活動には大きな注目が寄せられている。

 ゆるふわギャング

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Ryugo IshidaとSophieeが初めてクラブで出会ったのが2016年の夏。そこからおよそ1年半でここまで大きな注目を集めるとは、一体誰が想像し得ただろうか。Ryugo Ishidaのソロ作で感じた刺々しい感性を、幻想的な世界観でコーティング。Sophieeと共に、まるで古のおとぎ話のような毒々しさを讃えた摩訶不思議な世界観へと昇華するその才能は、もちろんプロデューサーのAutomaticも含めてお見事と言わざるを得ない。また、SophieeはNENE名義でソロ作をリリースするなど、溢れんばかりのクリエイティビティを発揮している彼ら。『水曜日のダウンタウン』などのバラエティ番組を手がける演出家/プロデューサー、藤井健太郎が映像を手がけたことも話題となったが、今年はその勢いのままメインストリームで大暴れしてほしい。

 The Wisely Brothres

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メジャー・デビュー作となる1stアルバム『YAK』を2月にリリースするThe Wisely Brothers(ワイズリー・ブラザーズ)。都内高校の軽音楽部で結成された彼女らは、ストレートかつポップなサウンドを武器としながらも、現場や同業者からの信頼も厚い不思議な存在。
あくまでも自然体に、自分たちの好きな音楽を目一杯鳴らす。そんな初期衝動にも似たピュアなスタンスは、サウンドにもよく表れている。来日公演で共演したFrankie Cosmosへの手紙を曲にしたことでも話題となったが、ライブハウスに通うようなリスナーから洋楽リスナーまで、幅広くアプローチできる可能性を感じさせてくれる。


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