Sólveig Matthildur

Improvisation I

Sólveig Matthildur / Improvisation I
あの伝説的シューゲイザー・バンドの片鱗を覗かせる、幻想的な1曲! ゴシックなシンセで再構築された、その荘厳な新世界を見逃すな

以前ご紹介したアイスランドはレイキャヴィークのダークウェイヴ・バンド、Kælan Mikla(キャイラン・ミクラ)の中心人物としてシンセサイザーとプログラミングを担当し、作詞・作曲も手がけるSólveig(ソルヴェイグ)がこの度日本デビューすることとなった。1月24日(水)にリリースが予定されるソロ・アルバムは、彼女の育ったアイスランドの原風景を私たちの瞼の裏にも立ち上がらせるような作品で、『Unexplained miseries & the acceptance of sorrow』とのタイトルを冠している。

本記事では、その前半に収録された3曲「Unexplained Miseries Ⅰ (Ⅱ, Ⅲ)」と後半の3曲「Acceptance of Sorrow Ⅰ (Ⅱ, Ⅲ)」を繋ぐ「Improvisation I」をフィーチャーしてゆく。

シンプルな打ち込みのドラム・パターンの上に、禁忌や愛へのあこがれを描くシンセと、ついそれに触れてしまい崩れゆく己の儚さを謳うようなボーカルとが横たわっている様は、(ジャンルは違えど)RIDEの「Dreams Burn Down」を彷彿とさせる。そして、特にダークな音色の電子音からは気韻が感じられる。シューゲイザー史において極めて重要なバンドの影がそこに見え隠れするのは、“美しい音楽”が現在まで紡いできた系譜の中に両者を見つけることができるからだ。例えSólveig本人が直接的な影響を受けておらずとも。

とは言っても、その相関図における全てがリンクするわけではないし、もちろん当事者双方においても異なる部分の方が多い。ではなぜ上記のように思えたか、その理由は(シンセサイザーだけでなく)パート全体が形となって現れるサウンド・スケープに求められるだろう。これはもはや個人の感覚によるところが大きいし、いろいろと矛盾するように思うだろうが、“2つの音楽には具体的なビジュアルが沸いて来なかった”ということを私としては逆説的な根拠にしたい。

つまりそれらは、場所という形而下の概念に縛られるものではない。だから憧憬や儚さなどの、よりアブストラクトな次元で語られる作品だと位置付けられるというわけだ。RIDEの場合、名盤『Nowhere』のアートワークも手伝い凪(波風が収まり、海面が静かな状態)などのイメージがついて回るかもしれないが、ぜひ音だけに身を委ねてみてほしい。その先には、到底想像しがたい、彼岸とも言える美しい世界が待っている。

また、“Improvisation”というのは日本語で“即興”を意味する。したがって、アルバムに収録されている他の楽曲「Unexplained Miseries」や「Acceptance of Sorrow」とは、制作スタンスが大きく異なるのではなかろうか。仮にアイスランドという環境が制作へ影響していたとしても、それは無意識の出来事なのだろう。すなわち本質的ということだ。

ダークウェイヴとシューゲイザー。そのアプローチは同一でないものの、音像として映し出される内省的な観念は共通している。今まさに燃え落ちんとする最期にして最大となる刹那の輝きを、彼女が創り上げる音楽の中にも見逃してはならない。


【イベント情報】

Sólveig(Kælan Mikla) & Last King Of Poland Japan Tour 2018

日時:3月3日(土) 開場18:30 / 開演19:00
会場:Sound Studio DOM(東京・高円寺)
w/ Ms.Machine

日時:3月11日(日) 開場18:30 / 開演19:00
会場:K.Dハポン(名古屋・鶴舞)
w/ Xizi

日時:3月18日(日) 開場18:30 / 開演19:00
会場:Common Cafe(大阪・中崎町)
w/ HITOMI (KILL MY 27)

■イベント詳細ページ:http://2670records.jp/?page_id=7167


【リリース情報】

Sólveig Matthildur 『Unexplained miseries & the acceptance of sorrow』
Release Date:2018.01.24 (Wed.)
Label:2670 Records
Cat.No.:TSSO-1031
Tracklist:
1. Unexplained miseries I
2. Unexplained miseries II
3. Unexplained miseries III
4. Improvisation I
5. Acceptance of sorrow I
6. Acceptance of sorrow II
7. Acceptance of sorrow III

※Digi-pak(デジパック仕様)
※ライナーノーツ付き

■リリース詳細:http://2670records.jp/?page_id=7068

hikrrr

Curator

hikrrr

内省的で知性美のある音楽を贔屓にしています。が、バイオレントなものも好きです。普段は暗く涼しいところに保管されたい