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Rootscoaster Vol. 179 / luvis


京都在住の新鋭・luvisがRootscoasterに登場。“自分の知らない世界”に気づかせてくれた楽曲/アーティストとは

2021.02.23

京都在住の若きSSW/プロデューサー、l​uvisが2月17日(水)に1st EP『After noon』をリリースした。

SIRUPや春野、Chocoholicなども所属する〈Suppage Records〉が新しくスタートさせた〈Suppage Distribution〉が送り出す新鋭としても注目を集めるluvis。EP『After noon』ではタメの効いたビートや音の抜き差し、煙たい空気感など、妖艶なブラック・ミュージックを軸としながらも、日本語を軸としたポップ・ソングに昇華した全6曲を収録(うち1曲はイントロダクション的楽曲)。

近年話題を集めたシティ・ポップやローファイ・ビーツなどともゆるやかな親和性を見出すこともできるが、トレンドを追いかけただけの浅薄なサウンドではなく、深く根ざしたバックグラウンドを感じさせる、濃密な音楽作品となっている。また、Rin音とのコラボなどででも知られる新鋭SSW・asmiが参加するなど、新世代同士の横の繋がりにも注目したい。

今回はそんなluvisに自身のルーツとなった楽曲を訊いた。果たして、彼を“音楽の航海”に駆り立てた楽曲、アーティストとは。

Text by Takazumi Hosaka


1. D’Angelo / Untitled (How Does It Feel)

完全に音楽人生を変えた1曲です。今のところ、最も自分にもたらした変化が大きいアーティストがD’angeloなのですが、その中でも特に大好きな曲を選ばせていただきました。とにかくサウンドが図太くてカッコよく、このグルーヴをRaphael SaadiqとD、ほぼ2人だけで生み出したことにも脱帽です。

また、アルバム『Voodoo』を通してQuestloveの絶妙にレイドバックしたビートに絡むピノのベース、ニューソウルを想起させるDのコーラス・ワーク、ファルセット、そしてRaphael Saadiqの吠えるようなギター、Spanky Alfordのゴスペル由来のギターに魅了され、完全に自分の美的感覚、というかカッコいいの基準が更新されました。大切に聴きたいアルバムなので、聴く日を厳選して、「この日だ」と思う日に針を落とすことにしています。


2. Charlie Parker / Donna Lee

今まで持っていたジャズに対するイメージが完全に変わったきっかけとなった一曲です。ジャズはどこか大人びていて、敷居が高く、余裕に満ちた音楽と思っていたのですが、とにかく熱い。震えるような熱さが、レコードから伝わってきます。ここまで激しい音楽だと思っていなかったので、心が奮い立ちました。

まだビバップに出会ったのが去年の出来事なのでまだまだ新しい発見があると思いますが、とにかく心からジャズを好きと言えるきっかけを与えてくれたこの曲は、今でもかなり特別な曲です。ギターもピアノもジャズはこの曲から始めたので、演奏している時もワクワクが蘇ってきます。これからも長く付き添っていく曲になると思います。


3. John Mayer / Gravity

僕がギターを持つSSWに強烈に憧れるのは、John Mayerの影響がかなり強いと思います。とにかく心が震える。歌にも、ギターにも生命が宿っており、スッと心に沁みてきおるんです。LAでのライブ映像は、とにかく何回も繰り返し観ています。迷った時に進むべき方向を指差してくれる澪標として、これからも寄り添っていくことになると思います。やっぱりギター・ヒーローは永遠の憧れです。何が何でも、この景色を見たいですね。


Message

他にももちろん大勢のアーティスト、曲に影響を受けましたが、衝撃を最も受けた曲はおそらくこの3つです。出会ったのはどれもここ2、3年の話ではありますが、この3曲はこれからの自分の指標としても、ずっと寄り添っていくだろうなと確信しています。どれも自分の知らない世界がもっと広がっていると気づけた曲なので、これからも時間をかけてそのきっかけを大事にして音楽の航海に出たいと思います。

また、この3曲を知ってる方ももちろんたくさんいらっしゃると思いますが、どこまでも深い音楽の航海の途中で素晴らしい音楽に出会えることを切に願っております。良い出会いを! ご覧いただきありがとうございました!

私事ですが、2月17日(水)にluvisの初EPとなる『After noon』をリリースいたしました。


Profile

京都在住のSSW/プロデューサー。作詞、作曲、トラックメイキングを全て自身で行う。先代から受け継がれてきた愛を、パッションを、今を生きる人々へ、さらにはその先の時代に生きる人へと繋いでいくZ世代のアーティスト。ジャズ、ソウル、ビート・ミュージック、R&Bなどから影響を受けた有機的なサウンドを特徴とし、チルでエモーショナルなトラックと心地良いアンニュイな歌声で聴く人の心をふんわりと包み込む。


【リリース情報】

luvis 『After noon』
Release Date:2021.02.17 (Wed.)
Label:Suppage Distribution
Tracklist:
01. the birth
02. Journey
03. teen
04. human day
05. stereo night feat. asmi
06. tell u my luv

■luvis:Twitter / Instagram


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