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REPORT | TOSH “The Edge of Night vol.1”


『Edge』の名の元に多様な音楽が混在。3rd EPリリース記念した白熱の自主企画

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2024.12.26

Text by Kaori Komatsu
Photo by さいちょー

沖縄県那覇市出身・在住のシンガーソングライター、TOSHが3rd EP『Somewhere』を引っ提げ、主催イベント『The Edge of Night vol.1』を東京・代官山 SPACE ODDにて開催した。ロックを基盤にニューウェーブ、エレクトロ、ハイパーポップ、レトロフューチャーポップなどを自在に横断するTOSHだけに、『Edge』の名の元に多様な音楽が混在する一夜となった。

Texas 3000

一番手は東京を拠点に活動するオルタナティブロックバンド、Texas 3000。一音目から太くて重い音がずっしりと場内に轟いた。途中、崎山(Dr.)がドラムセットからシンバルを取ってステージ中央に持って行った。Kirin(Ba.)はシンバルにマイクを近づけ、Jojo(Vo. / Gt.)は崎山が投げたドラムスティックでシンバルを叩く。とにかくプリミティブで実験性に満ちたライブだった。

最後の“Uma Ga Suki”では崎山が「はっはっ」という声を上げ、Jojoが開けたギターのメロディを奏で、karinがジャンプをしながらベースを弾き、特段キャッチーなアンサンブルでライブを締め括った。

Texas 3000 Setlist
1. 新曲
2. 新曲
3. Connector Fuck Man
4. Here
5. Skin Slicing Horse
7. 新曲
7. Tomorrow’s King
8. Erika
9. Uma Ga Suki

Acidclank

2番手はAcidclank。Yota Moriによるソロプロジェクトだが、この日は6人編成。ステージ上には中尾憲太郎(Crypt City, Number Girl, 勃殺戒洞)の姿も見えた。Yota Moriがステージ中央でモジュラーシンセをいじり、ギター、ベース、ドラムの音が加わっていきじわじわと高揚を高めていく。
Yota Moriの歌とシャウトの狭間のような声を合図にアンサンブルがスパーク。1曲目の“Addction”からオーディエンスをトランス状態に陥れた。

アシッドなテクノの上で《まだ遊びたい まだ踊りたい 揺れたい 叫びたい まだ遊びたい まだ踊りたい》という歌詞が繰り返される“Exit Acid”を最後に演奏し、大きな拍手のなかステージを後にした。

Acidclank Setlist
1. Abduction
2. I Can Feel My Heart
3. Overdose
4. Exit Acid

TOSH

トリはこの夜の主催者、TOSHだ。TOSHは「Texas 3000とAcidclank、最高のライブをやってくれてマジでありがとうございます! 今日は初のバンドセットっていうことでめちゃくちゃ気合いを入れてきたんで各々楽しんでくれたら最高です」と口にした。『Somewhere』はSatoshi Anan(ex. never young beach, PAELLAS)を共同プロデュースに迎え、エレポップやダンスミュージックの要素が強い楽曲を中心に収めたEPだが、初のバンドセットということで音源とは大きく違うロックな音像が響き続けた。

80年代クラシックポップと10年代オルタナが混在するEPリード曲“Somewhere”は80年代の匂いをふんだんに吸い込んだギターサウンドに変貌。TOSHはサポートギタリストのJunsoo Lee(Johnnivan)と向き合ってギターを激しくかき鳴らし、中盤ではステージに跪いでギターを響かせた。続く“comimg back”ではセンチメンタルなメロディを奏で、浮遊感のあるインディロックを描いてみせた。

オリエンタルなメロディが響いた。“WONDER”だ。Dua Lipaや初期のLady Gagaを思わせるエレポップチューンだ。セクシーで艶やかなグルーヴと呼応するように煌びやかなライトが舞った。ハンドクラップが巻き起こり、フロアはディスコの様相を呈した。

TOSHが嬉しそうに「まだ数回しかこのバンドでリハはやってないんだけどヴァイブスが合う」とオーディエンスに告げて、メンバーそれぞれのプレイヤビリティにフォーカスしたアンサンブルへ。80’sなシンセが聴こえ、“LET IT GO”へ突入。オーディエンスは楽しそうに飛び跳ねる。Chappell Roanのような音像に“Johnny B. Goode”(Chuck Berry)を思わせるフレーズを混ぜ込んだとてもスリリングな楽曲で大いに盛り上げた。

Junsoo Lee(from Johnnivan)
土井徳人(from DENIMS / Special Favorite Music)
山本 直親(from Magic Son)
Shogo Takatsu(from Johnnivan)

アンコールではTOSHが「初のバンドっていうこともあって楽しみたいと思った。大好きな大リスペクトのロックバンドのカバーをします」と言って、キャッチーなギターリフから始まるThe Killersの“Mr. Brightside”を演奏。フロアからいくつもの拳が突き上がる中、TOSHは荒ぶったボーカリゼーションでグラマラスな色気を放った。

TOSHが「次で最後の曲です。またどこかで会いましょう!」と言うと、小気味いいドラムとカウントアップが聴こえた。The Strokesを思わせるNYパンクの香りが色濃い“All Night Long”だ。けたたましいギターリフや矢継ぎ早に言葉を吐き出すボーカリゼーション、タイトなアンサンブルによって場内の熱気は最高潮に。イベントは大団円を迎えた。

なお、1月12日(日)には本企画の沖縄編が那覇Live House Outputにて開催される。TOSHはEijiHarrisonを迎えたDJセットでの出演となり、ゲストにはワンチャイコネクション、LEF!!!CREW!!!が登場する。東京編でのバンドセットとはまた異なるパフォーマンスとなりそうだ。

TOSH Setlist
01. Another Life
02. Rollin’ Down
03. Somewhere
04. comimg back
05. Always
06. Something’s Wrong
07. don’t you dare
08. WONDER
09. LET IT GO
10. Mr. Brightside (The Killers cover)
11. All Night Long


【リリース情報】


TOSH 『Somewhere』
Release Date:2024.11.06 (Wed.)
Label:SKID ZERO
Tracklist:
1. Somewhere
2. LET IT GO
3. Always
4. don’t you dare
5. WONDER


【イベント情報】


『Somewhere – Release Party “The Edge of Night -vol.1”』

日時:2024年12月13日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京・代官山 SPACE ODD
出演:
TOSH(Band Set)
Acidclank(Band Set)
Texas 3000

[TOSH BAND MEMBER]
Naoya Yamamoto(Drums from-Magic Son)
Norito Doi(Bass from-DENIMS / Special Favorite Music)
Junsoo Lee(Guitar from-Johnnivan)
Shogo Takatsu(Synthesizer from-Johnnivan)

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日時:2025年1月12日(日)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:沖縄・那覇 Live House Output
料金:ADV. ¥3,500(1D代別途)
出演:
TOSH(DJ Set with EijiHarrison)
ワンチャイコネクション
LEF!!!CREW!!!

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