荒れ狂うロックンロールの嵐――LAからやってきた10代の若者たち、Starcrawlerが見せた煽動的なロックの狂騒に、あなたの内側に秘めた衝動が目覚めたに違いない。
今年、セルフタイトルのデビュー・アルバムを〈Rough Trade〉からリリースしたStarcrawlerの初来日ツアーの初日が、2018年3月6日、渋谷チェルシーホテルにて開催された。
Text by Aoi Kurihara
Photo by Kazumichi Kokei
Iggy PopやOzzy Osbourneからの影響を公言し、70年代のパンクなDNAを受け継ぐ彼女たち。特に華奢な身体でピンクの髪の色を振り回せい、暴れ回るヴォーカル、Arrow de Wildeのその姿はまさに往年のロック・スターの貫禄そのもので、若干18歳の少女とはとても思えない。
「Castaway」の轟音なギターサウンドから幕を開け、彼らの名前を一気に広めることとなった「Ants」や、愛する故郷を歌うアンセミックな「I Love LA」を放つと、早くも観客のボルテージは最高潮に。
全身電流が走ったかのように床を転げまわり、エロティックに踊り、極めつけにはブリッジするArrow。顔面も真っ白で、美しい衣装は血糊でドロドロに。白目を剥きながら歌う邪悪な出で立ちは、まるでホラー映画のようでもあるが、不思議と目が離せない魅力に溢れている。
アンコールの「Chicken Woman」ではArrowが観客席へダイブ。さらに、ギターのHenriがステージから壁をつたい観客を煽り、最終的にはギターを手に観客席に飛び込み、狂乱の渦へ……! 40分あまりの短いライブではあったが、最初から最後まで息のつく暇もないスリリングなショウとなった。そのエナジェティックなパフォーマンスは、観た者の脳裏に強く焼きついたに違いない。