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Spotify Early Noise Night #11

Yo-Sea、3House、Gottzらが彩った非日常空間。エクスクルーシヴな船上パーティとして開催された『Spotify Early Noise Night #11』

7月5日(金)にSpotify主催イベント、『Early Noise Night #11』が開催された。

『Early Noise Night』は、Spotifyがプッシュする国内ニューカマーのライブをいち早く体感できる場として、耳の早い音楽リスナーからの支持を獲得しているイベント。3月にはEX THEATER ROPPONGIにて過去最大規模でのスペシャル回を開催したことも記憶に新しいが、6月の通常回を挟み、今回も再びスペシャル・エディションとして開催。ライブハウスを飛び出し、漫画界の巨匠・松本零士が宇宙船をイメージしデザインしたことでも有名な客船『ホタルナ』にてエクスクルーシブなボート・パーティーとして行われた。


出演者には今年3月に自身初のEP『7878』をリリースし、「Early Noise 2019」にも選出されたYo-Sea、KANDYTOWNのラッパー・Gottz、Yo-Seaも在籍するクルー・South Catから3House、プロデューサー/DJとして数々のヒット曲を送り出すDJ CHARI、そしてこちらも自身初となるEP『THE LIFE』を6月にリリースしたばかりのDJ KANJIがラインナップ。船上で夜の東京湾を巡るロマンチックなロケーションの元、シーンの精鋭が集った。

定刻を少々過ぎた頃、まるで宇宙船を思わせる、シルバー・メタリックの流線形ボディを擁する『ホタルナ』が日の出桟橋を出港。船内では早速DJ KANJIによるDJプレイがスタートする。Roy Woods「Snow White」やChris Brown「Heat ft. Gunna」、Nate Curry「Temporary Fix」など、BPM抑えめの洒脱なR&B〜ラップ・ミュージックを軸に、会場となった船内の空気をジワジワと温めていく。なお、船体屋上には遊歩甲板も設置され、イベント中もオーディエンスは船外で夜景を楽しんだり、提供されているフリー・ドリンク/フードに舌鼓を打ちながら、思い思いの時間を楽しんでいた。

また、チケットはソールドアウトながら、船の規定に沿った余裕のある乗船人数のため、各々がゆったりと音楽に体を揺らしている光景が印象的であった。普段、ぎゅうぎゅう詰めのクラブやライブハウスなどに通う音楽リスナーにとっては、まさに非日常感が味わえたのではないだろうか。



DJ KANJIはFKJ「Lying Together」などで選曲に幅を持たせつつ、徐々に後半へと進むにつれてアグレッシブなラップへと移行していく。そしてB.o.B.「Soul Glo」のバウンシーなビートが鳴り止むと共に、Yo-Seaがオーディエンスを掻き分けブースの前に現れた。「みんな来てくれてありがとう。いっぱい飲んで。いっぱい楽しんで」と挨拶し、彼のデビュー曲でもある「I think she is」へと流れるやいなや、早くも歓声と共にオーディエンスによる合唱が巻き起こる。続いて「Dreaming City」、「Me & You」と立て続けに人気曲を披露するYo-Seaに、オーディエンスも掛け合いやフックの合唱で大いに応える。DJブースから飛び出し、柵もステージもない、まさにゼロ距離ならではの親密な空気感を演出していた。


メロウなシンセ・リフが流れ出すと共に、今度はYo-Seaと同じく沖縄出身の3Houseがブース前に登場する。「Dejavu feat. Yo-Sea」ではふたりの色気漂う掛け合いを見せつける。そのまま流れるように3Houseのソロ曲「Purple Rain」へ。まだまだ合唱は鳴り止まない。KANDYTOWNのRyohuを招いたリミックスVer.も話題となった同曲は、霧雨が降り注ぐ当日の空模様ともリンクしたロマンチックな一曲だ。ここから黄色い歓声に包まれ、今度はGottzが登場。〈AOTL〉によるコンピ『X-FACTOR』収録の3HouseとKANDYTOWN・Gottzによるコラボ曲「Jewelry」、そしてGottzのソロ楽曲「+81」から、再びYo-Seaが前へ躍り出る「Neon Step」と、スムースにバトンが渡されていく。



「+81」での中毒性の高いフックの合唱や、ダンサブルな「Neon Step」での4つ打ちビートで船内の空気は急上昇。「次、みんな携帯のライトもらっていいですか」「船の中でエモーショナルになろうよ」と言い、さらに男性が前に来るよう呼びかけるYo-Sea。「みんな潰れないように、男の人が前に来てもらえますか」「船の中でも飛ぶよ」と宣言し、多数のスマートフォンのライトに包まれながらDJ CHARI & DJ TATSUKI名義の人気曲「22VISION」へ。フックでは大いにオーディエンスを煽りながらも、その他のバースでは抜群の歌唱力と透き通るような歌声を存分に聴かせる。「最後いける? 船揺らせる?」とのMC通り、ラストのフックではこの日イチの盛り上がりを記録。宣言通り船体を大きく揺さぶることとなった。その後、ライブ本編のラストはYo-Seaの「CREW」でしっとりと締めくくる。その伸びやかな歌声は、夜の東京湾を色鮮やかに飾ってくれた。

「この後も飲んで楽しみましょう」という去り際のYo-Seaの言葉通り、まだまだパーティーは終わらない。シーンのヒットメイカーとしてその名を轟かせるDJ CHARIが、アンセム満載のDJプレイを披露してくれた。Young Dalu、 OZworld a.k.a. R’kuma、Shurkn Papら新鋭を招いた「CONTROL」に始まり、太郎忍者「Pussy (feat. Jin Dogg, MonyHorse, Shurkn Pap & A-THUG)」、Lil Nas X「Old Town Road」からMall Boyz「Higer」、そしてMall Boyzのふたりを招いたDJ CHARI「aero (feat. Tohji & gummyboy)」で船内は再び大団円へ。その後もDJ CHARI & DJ TATSUKI「ビッチと会う feat. Weny Dacillo, Pablo Blasta & JP THE WAVY」、DJ RYOW「all green feat. 唾奇」といったシーンのアンセムを投下。彼のエンターテナーぶりが存分に発揮されたDJプレイとなった。


普段の『Early Noise Night』とは大きく趣の異なる一夜となった本イベント。今勢いのある国内ラップ/ヒップホップ・シーンの熱量を提示するショーケース的イベントとしても成立させつつ、同時に日常を忘れさせる最高のエンターテインメントとしても機能する、貴重な一夜となったのは間違いないだろう。

Spotify Early Noise Night #11 Set List
I Think She Is – Yo-Sea
Dreaming City – Yo-Sea
Me & You – Yo-Sea
Dejavu feat. Yo-Sea – 3House
Purple Rain – 3House
Jewelry – 3House, Gottz
+81- Gottz
Neon Step – Gottz, Yo-Sea
22VISION feat.Yo-Sea – DJ CHARI & DJ TATSUKI
CREW – Yo-Sea

Text by Takazumi Hosaka

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