REPORT

SPIN.DSICOVERY Vol.08

グルーヴィーかつフレッシュなアクトが集った“SPIN.DSICOVERY Vol.08”のレポートをお届け

「新しい音楽の発見」をテーマに、Spincoasterが今、注目しているアーティストにスポットライトを当てる音楽イベント、“SPIN.DISCOVERY”が9月17日(月)、東京・表参道WALL&WALLにて開催された。

8回目の開催となる今回は、WALL&WALLの2nd Anniversaryの最終日を飾るイベントとして開催。高音質なサウンド・システムに映える、グルーヴィーなニューカマーが名を連ね、チケットもソールド・アウトするなど、シーンの注目度の高さも伺えた。

出演者の多くがR&Bやソウル、ジャズなど近しい音楽をルーツとしているが、各アクトのパフォーマンスを対比させるこで、それぞれの個性が浮き上がる。そんなイベントになったのではないだろうか。個性豊かでフレッシュなアーティストたちによる、白熱の一夜をレポートする。

なお、同イベントの次回、Vol.09は12月2日(日)に表参道WALL&WALLにて開催する。

Text by Kohei Nojima
Photo by Ryo Machida


 THREE1989

今年の夏頃から急速に注目集め、様々なイベントに引っ張りだこの状態となった3人組バンド、THREE1989(スリー)。この日もトップバッターである彼らのパフォーマンスを一目見ようと、オープンから多くのオーディエンスが会場に駆けつけた。会場の照明が落ちるとDJであるDatchがひとりで登場。Bruno MarsやCalvin Harris、Tuxedoなど、彼らがリスペクトしているであろうトップ・ミュージシャンの人気曲を挨拶代わりにスピンしていく。

そこから1曲目「High Times」のイントロに繋げ、Shoheyの「SPIN.DISCOVERY!!」という掛け声と共にステージにメンバーが登場。アップテンポなファンク・ナンバーで華々しくTHREE1989のステージが幕を開ける。2人のサポート・コーラスとサポート・ドラムを引き連れた6人編成だ。迫力と熱量の伴ったステージに、オーディエンスも歓声を上げて応える。DatchのDJスクラッチとソウルフルなコーラスからスタートする「UNIVERSE」ではコール・アンド・レスポンスも発生した。

「Spincoasterのサイトに行くと、“心が震える音楽に出逢う”って書いてあるんですよね。今日は本当にDISCOVERYというタイトルの通り、みなさんに色んな音楽を発見して欲しいなと思うんです。もしかしたら自分の人生を変えてくれるアーティストが今日いるかもしれません。最後まで楽しんで下さい」と、Shoheyがオーディエンスに語りかける。

TOKYO SOUNDSの「UNIVERSE Kan Sano Remix」の紹介を挟み、しっとりとしたチル・ナンバー「mist」を披露。最後は「Jungle Love」から、小気味の良いカッティング・ギターが印象的な「mint vacation」にシームレスに繋げ、会場を大いに揺らせた。

■THREE1989 Set List
1. High Times
2. UNIVERSE
3. mist
4. Jungle Love
5. mint vacation



 the engy

2番目に登場したのは、京都を拠点に活動する4人組ロック・バンド、the engy。隙間のあるフューチャー・ベース調のSEから続く形で「Say it」から静かに、そして厳かな雰囲気が漂う中ライブはスタート。

「京都から来ました、the engyです。調子はどうですかみなさん!?」と、ボーカル・山路が簡単に挨拶し「All About」のイントロが流れる。音数も少なく、シンプルであるがゆえに各パートの個性が際立つ一曲だ。

長めのジャム・セッションから「When you’re with me」「Under the water」と新曲を立て続けに披露。Red Hot Chili PeppersやLinkin Parkをルーツに挙げる山路だが、畳み掛けるラップと重厚なバンド・サウンドはまさしく、と言ったところ。the engyのこれからを示す、力強いミクスチャー・ロックでオーディエンスのハートをガッチリとキャッチした様子だ。オーディエンスの動きや歓声からも会場の熱量の高まりを感じることができた。

そして「She makes me wonder」のイントロが流れると、一際大きな声が上がった。TOKYO SOUNDSでの公開の後押しもあってか、同曲の人気の高さが伺えた。ラストの「Headphone」ではさらなる激しさと熱さを見せ、会場を完全に掌握。ステージを去った後もオーディエンスの拍手はしばらく鳴り止むことがなかった。

■the engy Set List
1. Say it
2. All about
3. When you’re with me
4. Under the water
5. She makes me wonder
6. Headphone



 大比良瑞希

3番手は過去にSpincoaster Music Barでのイベントにも出演してくれた、大比良瑞希。Spincoasterとは付き合いが長いアーティストだが、意外にも“SPIN.DISCOVERY”には初めての出演となる。今回はギター・ボーカルの大比良瑞希に加えて、ベース、ドラム、キーボード、チェロのサポート・メンバーを迎えた5人編成だ。なお、キーボードはshowmoreの井上惇志が担当している。

初期の代表曲「Sunday Monday」で爽やかにライブはスタート。優しく知的な歌声が心に響く。上品かつ軽快なアレンジは、これから素晴らしい時間が流れることを十分に想起させた。続く大比良瑞希流のダンス・ナンバー「Real Love」ではオーディエンスも自然と左右に体を揺らす。そして、彼女の楽曲の中でも一際色気を放つ「Love Love Love」を立て続けに披露。

「良い敬老の日にしましょう」というマイペースなMCで会場を和ませた後に披露したのは、先日リリースしたEP『unify』に収録されている「アロエの花」。とびっきりポップで温かなナンバーにオーディエンスも自然と笑顔が溢れる。

最後はTOKYO SOUNDSでスペシャル・アレンジを披露した「見えない糸~Never Be The Lonely One~」で美しく、かつ壮大に締めくくった。たった5曲で大比良瑞希の様々な音楽性と表情を見せた充実のステージであった。

■大比良瑞希 Set List
1.Sunday Monday
2.Real Love
3.Love Love Love
4.アロエの花
5.見えない糸~Never Be The Lonely One~



 Omoinotake

4番目のアクトはストリートでその実力と人気を積み重ねてきた、ピアノ・トリオ・バンド、Omoinotake。「Omoinotakeです! 楽しんでいきましょう! よろしく!」とボーカル・藤井レオが挨拶。オープニング・ナンバーは軽快な4つ打ちナンバーの「fake me」。この日はサックスのサポート・メンバーも加わり、より華やかなステージとなっていた。2曲目は「Freaky Night」だ。さらにテンポを上げ会場を盛り上げていく。藤井の伸びやかで開放感のあるボーカルが印象的な楽曲だ。

メロウな「Still」で雰囲気をガラッと変えたところで、10月リリースの2ndミニ・アルバム『Street Light』より、3人のコーラス・ワークが美しい「Stand Alone」を披露。ヒップホップのようなタメの効いたリズムに自然と体が動く。

ラストはとびっきりアッパーなナンバー「Hit It Up」。「踊り明かそう!!」というフレーズに合わせて、オーディエンスも手を上げて踊る。芯の太いグルーヴと確かな演奏力で緩急をつけながら、オーディエンスを踊らし続けた、あっという間の25分間であった。

■Omoinotake Set List
1. fake me
2. Freaky Night
3. Still
4. Stand Alone
5. Hit It Up



 showmore

この日のトリを飾るのは井上惇志と根津まなみによる2人組ユニット、showmoreだ。サポート・ベーシストはLUCKY TAPESの田口恵人、サポート・ドラマーはCICADAの櫃田良輔と豪華なリズム隊を迎えた4人編成でのステージとなる。初っ端から代表曲とも言える「circus」からライブはスタート。

美しくも儚い根津の歌声がこの日はいつにも増して力強く感じられた。ドラムが細かく独特なリズムを刻む「strobo」、妖艶な雰囲気が漂うスロー・ナンバー「unitbath」と、ジャズやネオ・ソウルを下地にしたshowmoreらしい楽曲が立て続けに披露される。LUCKY TAPESの田口恵人を含むサポート・メンバーの演奏力も素晴らしい。

この日の夜は雨模様の天候だったのだが、根津が極度の雨女であることがMCで触れられる。緊張感のあるライブに反して、和やかでリラックスしたMCが繰り広げられた。このリラックスしたムードをのままに、肩の力の抜けたしなやかなサウンドの「1mm」に突入。

根津の語りかけるようなラップが新鮮な新曲「gps」では、Scarf & the SuspenderSからMC Scarfが登場し、フリースタイル・ラップを披露。これにはオーディエンスも大きな盛り上がりを見せる。「showmore、Scarf & the SuspenderS、Spincoaster、3つのSが重なりあって、君の心に直行で交わっていく」というパンチラインも。ちなみに、井上が鍵盤を務めるScarf & the SuspenderSもTOKYO SOUNDSにてライブ・セッション動画を公開している。

「リンスインシャンプーの匂いが二人を繋いだ証だとしたら」というフレーズが強烈に耳に残る名曲「rinse in shampoo」で本編は終了。しかし、この日はアンコールにスペシャルなセットが用意されていた。大比良瑞希のステージでチェロを務めた伊藤修平が登場し、「have a good day」が演奏された。スタジオ音源でも彼が参加している本楽曲は、前日に急遽演奏することが決まったそうだ。チェロの旋律と美しく壮大なアレンジで、感動的なラストを飾ってくれた。

■showmore Set List
1. circus
2. strobo
3. unitbath
4. 1mm
5. gps
6. rinse in shampoo

[encore]
have a good day


【イベント情報】

“Spincoaster Presents “SPIN.DISCOVERY vol.09”
日時:2018年12月2日(日) OPEN 17:30 / START 18:00
会場:表参道 WALL&WALL
料金:前売 ¥2,900 / 当日 ¥3,400
出演:
CIRRRCLE
City Your City Guest.内田珠鈴
Michael Kaneko
sooogood!

■チケット予約:e+ | Peatx

※入場時に別途1ドリンク代が必要となります。
※入場はチケットの種類を問わず、前売り券をご購入の方から先着順でのご案内となります。

イベント公式サイト

Spincoaster

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