Report

ROTH BART BARON

“ROTH BART BARON in UK”の集大成であり、バンドの新境地を開いた単独公演をレポート!

ヨーロッパでの活動も視野に入れるROTH BART BARON(ロット・バルト・バロン)は、今年その足がかりとして、クラウドファンディング・プロジェクトを経てイギリスに渡った。彼らの音楽性を考えればその動きは極自然なことだろう。

そこではColdplayやRadiohead、Kasabianなどのレコーディングに携わってきたBradley Spence(ブラッドリー・スペンス)をプロデューサーに迎え「Demian (UK mix)」、「ATOM (UK mix)」、「Aluminium (UK mix)」と過去の楽曲の再構築を試みた。イギリスのベテラン・プロデューサーのフィルターを通し、生まれ変わった楽曲たちはより洗練され、彼の地の空気感をしっかりと纏っている。(事実、Spincoasterのプレイリスト『Monday Spin』に海外の楽曲と並べて聴いた時にも、耳馴染みがよく、自然に聴くことができた)

さらに、UKで完成させた新曲「dying for」は、様々な音が重なり合った実験的なサウンド・プロダクションでありながら、ポップで希望に満ちた楽曲であり、ROTH BART BARONがこのイギリスでの活動を経てまた新しい扉を開いたことを強く感じさせるものであった。

ROTH BART BARONの国境を越える音楽と活動は国内でも類を見ない。2017年の彼らはとてもおもしろい状態にあると思い、今回12月3日(日)に開催される“SPIN.DISCOVERY Vol.05”への出演オファーへと至った。

そんな“ROTH BART BARON in UK”の集大成となるライブ、“ROTH BART BARON EP release party dying for”が、11月9日(木)に新代田Feverにて開催された。
本公演では岡田拓郎(ex.森は生きている)をサポート・ギターに迎えてのパフォーマンスとなったのだが、なんとROTH BART BARONのライブにエレキ・ギターが加わるのは今回が初めてのことだという。9人や10人といった大所帯でのライブ経験があった中でも。バンドの中にエレキギターがいなかったことは意外な事実であった。彼らはライブでもまた新たなステップへと到達していたのであった。

Text by Kohei Nojima
Photo by yuasatakamichi


今回の編成はボーカル・ギターの三船雅也、ドラム・中原鉄也のふたりに加え、サポートに西池達也(キーボード)、Alan Demsky(ベース)そして、岡田拓郎(ギター/ペダル・スチール)の5人編成。通常のバンドとしてはオーソドックスな編成であるが、先に述べた通りROTH BART BARONにとってはイレギュラーなものとなる。

ライブは「ATOM」からスタート。太いエレキ・ギターのダウンストロークが聴こえた瞬間に、今夜の演奏がこれまでのライブとは大きく異なることを高らかに宣言したように思えた。その次の瞬間、飛び上がりそうになるほどの音圧で中原のドラムがゆっくりと鳴り響き、演奏が加速していく。UK mixがそうであったように、ここでも中原のドラムがこれまで以上にサウンドを大きく引っ張っていることが感じられた。そして三船のファルセット・ボイスは繊細であるが、同時に靭やかな強さを湛えている。キーが高い分、他の楽器と混ざらずにとてもよく通っていた。

その後「Buffalo」「Campfire」とライブでの定番曲であり、スケール感の大きい迫力のある楽曲を立て続けに披露。序盤から一気に会場を圧倒していく。続く「Ophelia」では、メロトロン・ストリングスと絡み合う岡田のギターが印象的で、バンドとの相性の良さをまざまざとみせつけてくれたようであった。

「そこのお嬢さん少し黙ってくれないかい」「前歯を全部引き抜いてやろう」「僕をこれ以上怒らせないほうがいいよ」と、歌詞に衝撃的なワードが並ぶ「素晴らしい日々」は、いざ眼前で披露されると背筋がゾッとするほどのシリアスさを感じさせるものであった。

三船がボーカルで参加している、岡田拓郎のアルバム『Nostalgia』に収録されている「Amorphe」が演奏されると、続いて三船と岡田の二人だけでの「アルミニウム」とこの日だけの貴重なセットが披露される。岡田が使用しているのはスチールペダルだ。

MCで岡田は「ROTH BART BARONはMCで喋らないバンドだから、何を喋っていいか分からなくて困る」と話すと、三船は「SNSの怖さを岡田くんから聞いているから、話さない」と返し、会場の笑いを誘った。

さらに3曲続けて未発表の新曲を披露。三船のハーモニカが印象的な岡田と二人で演奏したナンバーや、三船とキーボード・西池の二人による、人間臭くシリアスな歌詞の美しいピアノ・バラードなど、どの曲もこれからのROTH BART BARONの新たな可能性を提示するかのような新曲となっていた。

ここから一気にガラッと雰囲気を変え、ライブはクライマックスへ向かう。多幸感のある「dying for」では三船が珍しくギターを置き、ハンド・マイクを握りしめてエモーショナルに歌う。わかってはいたが、この曲のライブ映えは本当にすごい。日本のバンドでは中々類を見ないほどのダイナミックさを感じさせてくれる。

続く「電気の花嫁 – Demian -」は、UK mixの通りディストーションの効いたギターが全面に押し出されており、これまでのROTH BART BARONのライブでは体験し得ない刺激的なものであった。ここで三船が、イギリス帰りなのに自身がアメリカの星条旗のニットを着ていることに触れ、会場の空気を再び和ませる。

最後は「ショッピングモールの怪物」「小さな巨人」「フランケンシュタイン」とライブでも定番の楽曲を立て続けに披露し、会場はこの日最高の盛り上がりを見せることに。「小さな巨人」ではもちろん大合唱が巻き起こり、彼らの楽曲の中でもBPMの早い「フランケンシュタイン」では、オーディエンスも体を大きく揺らす。そして大きな拍手と歓声に包まれる中、本編が終了した。

アンコールでは「化け物山と合唱団」が披露されたが、これは当初予定されていなかったもの。おそらくアドリブでやっていたであろう、岡田の真骨頂とも言えるブルース全開のギター・ソロが痛快であり、楽曲に新しい表情を与えていた。ラストは「England」というタイトルの曲で、“ROTH BART BARON in UK”の締めくくりを感動的に飾ってくれた。

しかし、客電が付いてもアンコールの拍手が鳴り止まないことを受け、急遽三船がNew Orderの「Ceremony」の弾き語りカバーをダブルアンコールで披露。ROTH BART BARONがNew Orderをカバーするのは意外ではあったが、三船の美しいファルセットがとてもハマっていた。

終演後はクラウドファンディングの支援者を対象にした、EPのプレゼントがメンバー自らの手によって行われた。そこには、たくさんのファンに対してひとりひとりに丁寧に挨拶をするROTH BART BARONふたりの姿があった。本公演は、メンバーとファン双方のこの1年間の想いと軌跡が結実した、意義の深い1日になったのではないだろうか。

きっと12月3日(日)の“SPIN.DISCOVERY Vol.05”でも、ROTH BART BARONはたくさんのオーディエンスに衝撃を与えてくれることだろう。壮大なスケール感とエモーショナル溢れるサウンドで、会場のWall&Wallを包み込んでくれるのではないだろうか。ぜひともご期待頂きたい。

■Set List
1. ATOM
2. Buffalo
3. CAMPFIRE
4. Ophelia
5. 素晴らしい日々
6. Amorphe ※岡田拓郎「Nostalgia」
7. アルミニウム
8. 新曲
9. 新曲
10. 新曲
11. dying for
12. 電気の花嫁 – Demian –
13. ショッピングモールの怪物
14. 小さな巨人
15. フランケンシュタイン

encore1
1. 化け物山と合唱団
2. England

encore2
1. Ceremony (New Order カバー)


【イベント情報】

Spincoaster Presents “SPIN.DISCOVERY vol.05”
日時:2017年12月3日(日)
OPEN 17:00 / START 17:30
会場:表参道 WALL&WALL
出演:
Tempalay
ROTH BART BARON
King Gnu
SIRUP

Ticket:
早割.¥3,000 / 一般. ¥3,500

※入場時に1ドリンク代が別途必要となります。
イベントURL://spin-discovery-vol-05
チケット購入URL: spindiscovery05.peatix.com
Spincoaster Web ://

“ROTH BART BARON LIVE at 文翔館”
日時:12月23日(土・祝) OPEN 17:00 / START 18:00
会場:山形県郷土館・文翔館 議場ホール(山形市旅篭町3丁目4-51)
出演:ROTH BART BARON

チケット情報:
入場券:前売り ¥3000円(当日3500円) 大学生以下/2000円(当日2500円)
e+、ローソンチケット、チケットぴあにて好評発売中)

お問合わせ:
・ROTH BART BARON 山形文翔館公演実行委員会:rbb.yamagata@gmail.com
・ROTH BART BARON:info@rothbartbaron.com

■ROTH BART BARON LIVE at 文翔館 特設ウェブ・サイト:https://bearbasetokyo.wixsite.com/rbbbunsyokan

■ROTH BART BARON:https://www.rothbartbaron.com/


【リリース情報】

ROTH BART BARON 『dying for』
Release Date:2017.10.04 (Wed.)
Label:felicity

==

ROTH BART BARON 『dying for E.P.』 ※7inch
Label:felicity
Cat.No.:cap-271
Tracklist:
01. dying for
02. ATOM (UK mix)

※初回生産限定商品
※特典:収録音源のダウンロード・コード付き
※会場&通販限定EP

ROTH BART BARON 『dying for E.P.』 ※CD
Label:felicity
Cat.No.:cap-272
Tracklist:
01. dying for
02. Demian (UK mix)
03. ATOM (UK mix)
04. Aluminium (UK mix)

※初回生産限定商品
※特典:収録音源&2016.12.20 “BEAR NIGHT” at 恵比寿LIQUIDROOM ライブ音源ダウンロード・コード付き
※会場&通販限定EP

■felicity通販サイト:https://spaceshowerstore.com/artist/020373

■THE ROTH STORE:http://roth.theshop.jp

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