REPORT

Early Noise Night Vol.03

あいみょん、CHAI、TOKYO HEALTH CLUB、ジャンルもシーンも異なる3組が創り出した貴重な一夜をレポート

昨年国内サービスをスタートさせた世界最大の音楽ストリーミング・サービス、Spotifyがプッシュする国内新人をフィーチャーしたイベント”Early Noise Night”の第3回目が9月27日(水)、代官山SPACE ODDにて開催された。

5月開催のVol.01、7月開催のvol.02と回を重ねてきた本イベントは、その良質なラインナップと安価なチケット設定といった内容で、着実に国内の音楽リスナーからの認知と支持を獲得しているように思える。

大比良瑞希、chelmico、向井太一がライブ出演した前回に引き続き、今回もあいみょん、CHAI、TOKYO HEALTH CLUBとこれまたジャンル、シーンもバラバラな3組が顔を揃え、もちろん360°オーデェンスが演者を囲う独特のステージ・セッティングも継続。
物理的な距離感だけでなく、オーディエンスとアーティストが密にコミュケーションを取れる本イベントは、今回も親密な空気に満ち溢れた一夜を形作ることに成功していた。

Text by Spincoaster
Photo by Aya Watanabe

「Early Noise Japan 2017」 by Spotify Japan


あいみょん

最初にCHAIのマナ&カナがイベントの趣旨を説明するMCで会場を和ませた後、イベントの1番手としてステージに現れたのは強烈な歌詞とポップなサウンドを融合させ、独自の世界観を醸し出す兵庫県西宮出身のSSW、あいみょん。

一曲目は「憧れてきたんだ」を弾き語りで披露。シンプルながらも力強い歌声で一気に会場の空気を塗り替え、「よろしくお願いします! あいみょんです!」の挨拶を挟み、そのまま流れるようにバンド編成でインディーズ・デビュー曲にしてオリコン・インディーズ・チャートTOP10入りを果たした「貴方解剖純愛歌~死ね~」へ。疾走感溢れるタイトなバンド・サウンドと、フックの効いたメロディ・ラインで聴く者をグイグイと楽曲の世界へと引き込む。

「こないだ『青春のエキサイトメント』というアルバムを出したんですけど、その中でも今一番みんなに聴いてほしい曲」、「私にとってもきっと青春の一曲となる曲です」と言って披露された「君はロックを聴かない」では、彼女のエモーショナルな歌唱とダイナミックなバンド演奏に思わず聴き惚れてしまうほど。早くも今回のセットにおけるハイライトを迎えたと思ったのもつかの間、憂いを帯びたピアノとアコギが先導する「生きていたんだよな」、メロウな歌謡曲テイストの「愛を伝えたいだとか」と、ピークを次々と塗り替えながらもステージを後にした。

短いセットながらも、「こういうステージ初めてなんですよ」、「今日は写真撮影もOKなので、めちゃめちゃ可愛く撮れたやつだけSNSにUPしてください」と、ストイックな演奏時と砕けたMCのギャップも相まり、彼女の魅力が存分に伝わるパフォーマンスだったのではないだろうか。

■あいみょん セットリスト
1. 憧れてきたんだ(弾き語り)
2. 貴方解剖純愛歌~死ね~
3. 君はロックを聴かない
4. 生きていたんだよな
5. 愛を伝えたいだとか


CHAI

2番手として現れたのは、オープニングでMCも担当してくれたニュー・エキサイト・オンナバンド、CHAI。お馴染みのCSS「CSS Suxxx」のカバーのような高揚感の煽るSEで登場した後、グルーヴィーな「Sound & Stomach」、CHAI流ヒップホップ=CHAIP-HOPチューン「ヴィレヴァンの」を披露し、一気に会場を掌握。

初っ端2曲で独創的なCHAIワールドで会場を包み込んだ後、Taylor Swiftの「Shake It Off」、「We are the World」のカバーに乗せてバンドの自己紹介を披露。恒例の同時通訳MCからの「ボーイズ・セコ・メン」では、コールアンドレスポンスも行い会場を大きく沸かすことに。

キッチュな歌声にニューウェーブ〜ノーウェーブを想起させるシンプルかつソリッドな演奏は初期のCSSやThe Slitsを彷彿とさせつつも、そこに独特の着眼点と誰もが共感するようなリアルな本音を乗っけたリリックが加わる彼女らのサウンドは、オリジナリティに富みつつも非常に現代的な魅力を感じさせてくれる。しかも、その楽曲も演奏力も、老若男女問わず様々な音楽リスナーから大きな人気を得ているのも納得の高いクオリティを誇る。

その後も先日MVが公開されたばかりの16ビートと鋭利なギターが先導するダンス・チューン「N.E.O」、独特なコーラスが一度聴くと頭から離れなくなる「ぎゃらんぶー」、そしてバンドの中で最もメロウなポップ・ソングであり、バンドのスタンスを明確に表現するような「sayonara complex」と立て続けに人気曲を放ち、終幕。オーディエンスの鳴り止まぬ拍手が彼女らのパフォーマンスに対する満足度を表していた。

■CHAI セットリスト
1. Sound & Stomach
2. ヴィレヴァンの
3. ボーイズ・セコ・メン
4. N.E.O
5. ぎゃらんぶー
6. sayonara complex


TOKYO HEALTH CLUB

DJ、TSUBAMEのスクラッチとともに今宵のトリを務めるべく登場したのは多摩美術大学の同級生で結成された3MC 1DJのヒップホップ・グループ・TOKYO HEALTH CLUB。今年5月にリリースした大人の色気を湛えた新作『MICHITONOSOGU』のタイトル・トラック「未知との遭遇」でライブはスタート。そのアーバンかつ妖艶なトラックと流麗なフロウで、これまでのロックな流れを一刀両断。グルーヴィーなトラックに、オーディエンスも横ノリで応える。

4つ打ちのヒップ・ハウスな「ASA」からWEGOとのコラボ企画『WE GOOD TOKYO』のために書き下ろされた「東京Swingin’」で緩急をつけつつ、MCでは全員サングラスの強面なイメージとは裏腹に、絶妙なゆるさでオーディエンスの笑いを誘う。また、このライブでの音源が後日Spotifyにて配信されることもアナウンスしつつ、昨年リリースの3rdアルバム『VIBRATION』からMCperoをフィーチャリングしたキラー曲「オシャレ」で再び会場を揺さぶる。アイロニーに富んだリリックが印象的な本楽曲は、彼らのキャラクターを表すかのような一曲だ。

その後、『MICHITONOSOGU』から物語性の高いリリックが印象的な「TAXI」でオーディエンスの手を挙げさせ、最後は彼ら屈指のセンチメンタルな名曲「CITYGIRL」で余韻を残しながら閉幕。3MC+1DJというスタイルならではの、360°ステージを縦横無尽に動き回る自由度の高いパフォーマンスが印象的だった。

■TOKYO HEALTH CLUB セットリスト
1. 未知との遭遇
2. ASA
3. 東京Swingin’
4. MC
5. オシャレ
6. TAXI
7. MC
8. CITYGIRL

Spincoaster

Spincoaster

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