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『#014 ヌーミレパーク(仮)』DIRECTED BY PERIMETRON

King Gnu、millennium parade、PERIMETRONの足取りを濃縮したカオティックなテーマパーク。その現地レポートをお届け

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東京・Ginza Sony ParkにてKing Gnuとmillennium paradeによる展覧会、『#014 ヌーミレパーク(仮)』DIRECTED BY PERIMETRONがスタートした。

Ginza Sony Parkの実験的プログラム第14弾として開催される本展覧会は、2019年1月のメジャー・デビュー当日にGinza Sony Park『Park Live』に出演したKing Gnuと、millennium paradeをコラボレーターに迎え、PERIMETRONと共に彼らの世界観を詰め込んだ“カオティックなテーマパーク”。変化し続ける余白空間であり新店舗オープンに向けて工事中のGinza Sony Parkの、“この変化の過程も楽しみに変えたい”という想いへの共感から実現したという。

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King Gnuとmillennium paradeのロゴを一体化させたモニュメントが鎮座。銀座のきらびやかなビル群の間に突如として現れた巨大モニュメントは一際異彩を放っている。なお、今回の展覧会では先述したように“工事中(=未完成で仮の状態)”であることがコンセプトの一つでもあるため、モニュメントの周りには“KEEP OUT”のバリケード・テープが貼られている。また、写真中央には“王牛宴”、“千年祭”と、それぞれKing Gnuとmillennium paradeを日本語で表現した旗が掲げられている。

本来このスペースにはたくさんの緑が植えられていたが、この展示に合わせて大幅にアレンジ、カットが加えられたという。さらに、ÉCRU. GINZAの壁面にはまるで動物注意標識のようにヌーの姿が描かれており、会場内に入る前からすでに遊び心が伺える仕掛けが散りばめられている。

地下入り口に通じる階段には左右にそれぞれKing Gnuとmillennium paradeの壁面アートが描かれており、正面には『ヌーミレパーク(仮)』の工事計画の概要が細かく記載の上で掲げられているのでこちらもぜひチェックして欲しい。

階段を降りるとまず目に飛び込んでくるのはバゲッジ・クレーム・タグのような三文字のアルファベットが書かれたタグがびっしりと貼られている受付台。実はこの三文字のアルファベットは全て曲名やKingGnu、millennium parade、PERIMETRONに関わるキーワードに由来(例:King Gnu → GNU、millennium parade → MMP、PERIMETRON → PRMなど)。待っている間や並んでいる間にも飽きさせない仕掛けとなっている。

地下1階では「PROPS COLLECTION」、「GOODS TEE COLLECTION」、「GNU-MILLEPARK SHOP」、「CAPSULE TOY」が展示されている。

「PROPS COLLECTION」では実際にMVで使われた数々の制作物が展示。実際に勢喜遊(Dr.)が「白日」まで叩いていたマーブルのペイントが施されたバスドラムや、「あなたは蜃気楼」でモデルのEmmaが着用していた黄色いヘッドギアなどが数多く立ち並んでいる。こちらでは先ほど説明したアルファベット三文字で展示物の内容を表している。

「GOODS TEE COLLECTION」では今まで販売されてきたKing Gnuとmillennium paradeのグラフィックTシャツをアーカイブ展示。「GNU-MILLEPARK SHOP」ではKing Gnuとmillennium parade、そして今回の『ヌーミレパーク(仮)』限定のグッズが販売されている。なお、こちらに入店するには受付で渡された入場パスが必要であり、入店は一人一回までとなっているためご注意を。また、取扱商品はすべてオンライン・ストアでも購入できる仕組みとなっている。

『ヌーミレパーク(仮)』オンライン・ストア

King Gnu オンライン・ストア

millennium parade オンライン・ストア

「CAPSULE TOY」は『ヌーミレパーク(仮)』の限定ラバー・キーホルダーが当たる、大人も楽しめるもの。こちらは各回数量限定のため、受付時に希望者限定で抽選を実施。抽選当選者にのみ購入券が渡され、「GNU-MILLEPARK SHOP」にて専用コインを購入する形式となっている。中身は全6種に加えシークレットも用意されているとのこと。

また、今回の各所で掲載されているポスターの制作過程も公開されており、よく見るとこのポスターにも仕掛けが盛りだくさん。MVで出てきた塔やキャラクター、「Teenager Forever」で全力疾走する井口の姿や、電光掲示板では井口の熱愛報道を敢えて本人たちがイジる様子も。また直前まで違う文字が入っていた場所に、本掲載されているポスターではmillennium paradeの前身であるDTMP(Daiki Tsuneta Millennium Parade)の文字が入っているなど、じっくり見れば見るほど発見が増える、これまでの彼らの歴史を内容になってるだろう。

地下2階で展開されるのは、「MUSIC VIDEO COLLECTION」、「COVER ART COLLECTION」、「飛行艇少年BOY」、「Fly with me LIVE 3D」。「MUSIC VIDEO COLLECTION」ではPERIMETRONが今まで制作を手がけてきたKing Gnu、millennium paradeのMVの数々が放映。足元に繋がっている小さいペダルを踏むと曲が切り替わり、黒く大きいペダルを踏むと映像にエフェクトをかけられる仕様になっている。また、両脇に設置されているとりわけ大きなモニターには、それぞれあるサプライズが仕掛けられており、「あの曲が見たいから〜」とすぐに切り替えることはせず、まずはじっくりと楽しむことをオススメしたい。また、当日は譲り合いの精神も忘れずに。

お次は「COVER ART COLLECTION」。ここでは歴代のKing Gnuとmillennium paradeのカバー・アートワークがアナログ盤に見立てられて列挙されている。そのほとんどが実際には販売されていないものの、カバーの帯に書いてある文字がそれぞれ異なっているなど、細部にまで魂が込められているのが伺える。また、King Gnuは12月に過去にリリースした3枚のアルバム『Tokyo Rendez-Vous』、『Sympa』、『CEREMONY』をアナログ盤としてリリースするので、今回の展示でアナログ盤が気になった方はこちらもお見逃しなく。

「Fly with me LIVE 3D」では、「Fly with me」のライブ音源を爆音と共に3D映像で体験できる。写真には写っていないが両脇にはモニターがあり、そちらでは昨年12月に行われたmillennium paradeのワンマン公演のライブ映像が流されている。今回体験できる3D映像は当時からさらに改良を重ね、パワーアップしたものだという。実際に現地に足を運べる方は生で体験して欲しい。こちらは各回定員が20名に定められているが、10分間隔で繰り返し上映されるとのこと。また、こちらのブース入り口には勢喜そっくり(!?)なペイントが。

※Ginza Sony Parkの印象的な吹き抜け部分には「飛行艇少年BOY」が立体展示

「飛行艇少年BOY」の展示を見ながら地下3階に降りていくと、「PUPPETS OF SLUMBERLAND」、「Fly with me -THE GAME-」、「INTO THE PLANKTON」の展示が出現する。「SLUMBERLAND」といえばKing Gnuの前身バンド、Srv.Vinci時代にリリースされた『Mad Me More Softly』収録曲「PPL」をアレンジした1曲であり、King Gnuのメジャー・デビュー・アルバム『Sympa』のリード曲としても知られる作品。同曲で彼らは『ミュージックステーション』への初出演を飾った。ここでは実際にそのMステ出演回でも登場したパペットたちが飾られている。

millennium paradeの楽曲「Fly with me」のMVに登場するゲームの再現版を体験することができる「Fly with me -THE GAME-」は、受付時に希望者のみを対象とした抽選制のコンテンツ。実際に体験したところ、右側に黄色いボタンが2つと左側にレバーがあるだけで難しいコマンド操作は必要なく、ゲーム初心者の筆者でも楽しむことができた。また、ゲームに夢中になり過ぎて、ついついゲーム中に流れる音楽を楽しむことも忘れがちなのでご注意を。

そして、今回の制作で最もエネルギーを費やしたという渾身の展示が「INTO THE PLANKTON」だ。全編CGで構成されたmillennium parade「Plankton」のMVに登場する車を圧倒的リアルにこだわって再現。当たり前だが、世界中でたった1台のみの車になる。PERIMETRONのアートディレクター兼デザイナーの荒居誠は今回の展示のために同車種を探し出し、CGの通りに再現したという。中にはMVの通り無数のモニターも積まれており、エンブレムにはPERIMETRONのマークがさり気なく掲げられている。

また、地図を見ると地下3階にはエレベーター左に謎のスペースが2つほどある。片方はSONYのネオンが光っており、もう片方はと言うと……。こちらはぜひ、ご自身の目でチェックしていただきたい。

最下層となる地下4階には、Ryusuke Sanoによる書き下ろし巨大ペイント「WALL OF RYUSUKE SANO」が展示されている。Ryusuke SanoはKing Gnuの『Sympa』や、新井和輝(Ba.)、勢喜遊(Dr.)の2人がそれぞれ専門誌『ベース・マガジン2020年2月号』、『リズム&ドラム・マガジン2020年3月号』の表紙を飾った時にもアートワークを担当している気鋭の画家。1週間毎日会場に通って書き上げたという壁一面のペイントは実に圧巻。なお、こちらは手前に置かれている椅子も含めての展示となっている。

PERIMETRON/millennium paradeプロデューサー兼クリエイティブ・ディレクターの佐々木集は「今回は予約制ということもあり、ある程度僕たちのことを知ってくれている人が来るという前提で空間づくりをしています。『こんなところにさらに隠されているのか』という隠れミッキー的要素が随所に散らばっている展示になっているので、もちろん1個1個のコンテンツを見て頂きたい気持ちもあるのですが、ただ通路をサッと通るだけでなく、僕たちが作ったグラフィックスで埋め尽くされたポスターの一部一部だったり、細部をズームするような感覚で見ていってもらえると嬉しいです」と語った。

佐々木集(PERIMETRON/millennium parade) Photo by Official

メディア内覧会時に行われたトークの様子 Photo by Official

『#014 ヌーミレパーク(仮)』は、目覚ましい活躍ぶりをみせながら、まだまだその勢いは止まることを知らないKing Gnu、millennium parade、PERIMETRONのこれまでの道程を濃縮したような展示会であった。また、今回の展覧会のキーワードが“工事中(=未完成で仮の状態)”であるように、彼らは今後もまだまだ進化し続けるだろう。ヌーの群れはより一層勢力を増して行進を続けていく。今まで一度でも彼らの作品に触れたことがあれば、きっと誰もが展示物から彼らの信念や情熱、そして愛を受け取ることができるだろう。これからも彼らの活躍からますます目が離せないと確信した1日であった。

なお、今回の展示では、リアルな場での体験に加えて、オンラインにも体験の場を広げており、King Gnuやmillennium paradeに縁のあるアーティストがGinza Sony Parkの配信ライブ企画『Park Live』に登場、生配信するほか、InstagramではARフィルターもリリース。また、遠隔地からでも実際に訪れているような感覚を楽しめるウォーク・スルー体験を提供。スマートフォン用のVRゴーグルを使うと、より没入感のあるウォーク・スルー体験を味わうことが可能だ。さらに、バーチャル体験でだけで出会えるスペシャルな仕掛けもある。時制にも配慮した粋な計らいと言えるだろう。こちらも合わせてチェックを。

Text & Photo by Ai Kumagai


【イベント情報】

『#014 ヌーミレパーク(仮)』DIRECTED BY PERIMETRON
開催期間:2020年10月21日(水)~2021年1月31日(日) ※年末年始の休園日を除く
開催時間:11:00~19:00
会場:東京・Ginza Sony Park
料金:入場無料(入場制限あり/事前予約制)

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