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WONK、BLUE NOTE公演オフィシャル・ライブレポ到着 「同じ時間を共有できるのは本当に特別なこと」


2020.11.05

Header Photo by Kohei Watanabe (UN.inc)

WONKがBLUE NOTE TOKYOにて11月1日(日)、2日(月)の2日間に渡り合計4回のステージを繰り広げた。観客を入れてステージに立つのは実に9ヶ月ぶり。4ステージの中で唯一、ストリーミング配信をした11月1日(日)2ndステージの様子のオフィシャル・ライブ・レポートが到着した。

なお、同ステージの様子は見逃し放送で11月8日(日)23:59まで視聴可能。当日ライブを見逃した方はぜひチェックを。また、WONKは12月2日(水)から仙台公演を皮切りに全国ツアーをスタート。同日よりBlu-ray作品『EYES SPECIAL 3DCG LIVE』もリリースされる。


【『WONK BLUE NOTE TOKYO LIVE 2020』 オフィシャル・ライブ・レポート】

Text by 金子厚武
Live Photo by Kihara Takahiro

11月1日(日)、WONKがBLUE NOTE TOKYOでワンマン・ライブ『BLUE NOTE TOKYO LIVE 2020』を開催した。8月に行われ、最先端のテクノロジーを駆使したオンライン・ライブ『「EYES」SPECIAL 3DCG LIVE』では、最新作『EYES』のSF的な世界観をそのまま再現したが、この日は一転、アコースティック・セットならではの新旧織り交ぜたセットリストを披露。ここでは同時生配信も行われた、セカンド・ステージについてレポートする。

『3DCG LIVE』がメンバー4人のみで行われたのに対して、この日はギターの小川翔と、サックス/フルートのMELRAWをサポートに迎えた6人編成で、「Gather Round」からライブがスタート。長塚健斗は間奏パートで「お客さんの前でライブができることの特別さを噛みしめています」と語り、新型コロナウィルスの感染予防対策で歓声を上げられないオーディエンスに、「テンションが上がったら心の中で叫んでください。ちゃんと聴こえてます。準備はよろしいでしょうか?」と呼びかけると、場内は大きな拍手に包まれた。

「Sweeter,More,Bitter」や「1914」といった序盤の曲はオリジナルの音源だとシンセがフィーチャーされているが、この日の江﨑文武はグランド・ピアノとエレピを交互にプレイし、楽曲の新たな魅力を引き出していく。フランスのEd Banger所属のDJ/ビートメイカーのMydによるリミックスが話題の「Orange Mug」も、長塚がスタンド・マイクで歌い上げ、アウトロはMELRAWの艶やかなサックスが締め括った。

MCでは3年ぶりにBLUE NOTE公演が開催できたことの喜びを語り、メンバーそれぞれが学生時代から通っているというBLUE NOTEの思い出を語り合う。また、料理人としても知られる長塚が配信番組『#ケントズキッチン』でレシピを公開したボロネーズや、バンド名の由来であるセロニアス・モンクの帽子をイメージして飾り付けられ、『EYES』の収録曲から名前が取られたカクテル「In Your Own Way」といったBLUE NOTE公演用の特別なメニューを紹介するなど、和やかな雰囲気も印象的だった。

 井上幹がエレキ・ベースをウッド・ベースに持ち替えた中盤からは、よりアコースティックならではの雰囲気に。MELRAWのフルートをフィーチャーした「Midnight Cruise」に続く「Feelin’ You」では、アウトロで荒田洸がドラム・ソロを披露し、徐々に手数が増えていく、その高揚感がたまらない。江﨑のメランコリックで気品のあるピアノ・ソロから始まる「Over」では、長塚が椅子に座って物悲しいメロディーを綴り、途中でリズム隊が加わると、マレットを用いた荒田の抑制の効いたプレイが、秘めた熱量を浮かび上がらせていた。

「ライブって楽しいですね」と長塚がしみじみつぶやくと、The Internetのカバー「La di da」では、ゲスト・シンガーのMALIYAが登場。小川の情熱的なガット・ギターとともに、MALIYAが存在感のある歌声を披露し、長塚とも息の合った華やかなパフォーマンスを展開する。さらに、オリジナルはダンス・ミュージック的な要素の強い「HEROISM」も、この日はグランド・ピアノとウッド・ベースで生まれ変わり、ネオソウル風の名曲「Savior」でもアウトロのフルートが際立つなど、やはり生楽器が独自のムードを作り上げていた。

 「どこに行くにも、誰と会うにも、気を使わないといけない中で、だんだんライブ会場で音を共有し合い、いろんなものを共有し合えるようになってきて、同じ時間を共有できるのは本当に特別なことだと思います」と、長塚が改めてオーディエンスに感謝を伝え、本編ラストに届けられたのは「Cyberspace Love」。盛大な拍手と、おそらくは心の中での歓声が贈られる中、メンバーは一度ステージを後にした。

 鳴り止まない拍手に応えてメンバーが再びステージに姿を現し、アンコールに演奏されたのは、メロウなバラード・ナンバーの「Small Thing」。「些細なことが世界を明るく照らしてくれる」という想いのこもった曲を長塚がしっとりと歌い上げ、貴重な一夜が幕を閉じた。聖地BLUE NOTEでのアコースティック・セットだからこそ、メンバーそれぞれがジャズマンとしての地肩の強さを発揮しつつ、バンドとオーディエンスが同じ音、空間、時間を親密に共有することの尊さを改めて感じさせる、素晴らしいライブだった。


【配信情報】

『WONK “Blue Note Tokyo Live 2020”』 [2nd Stage]
日時:2020年11月1日(日) OPEN 19:00 / START 20:00
会場:BLUE NOTE TOKYO
料金:配信 ¥3,500

※見逃し配信
※アーカイブ配信視聴期間:11月8日(日)23:59まで

公演詳細


【イベント情報】

『WONK LIVE TOUR 2020』
2020年12月2日(水) at 宮城・仙台 Rensa
2020年12月6日(日) at 北海道 Zepp Sapporo
2020年12月9日(水) at 福岡BEAT STATION
2020年12月16日(水) at 愛知・名古屋BOTTOM LINE
2020年12月15日(火) at 大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
2021年1月8日(金) at 東京 SHIBUYA O-EAST

ツアー詳細


【リリース情報】

WONK 『EYES SPECIAL 3DCG LIVE』
Release Date:2020.12.02 (Wed.)
Cat.No.:POXD-23001
Tracklist:
01. Introduction #5 EYES

02. EYES

03. Rollin’

04. Orange Mug

05. Sweeter, More Bitter

06. Filament

07. Mad Puppet

08. Blue Moon

09. Signal

10. Esc

11. Third Kind

12. Depth of Blue

13. If

14. Heroism

15. Fantasist

16. Nothing

17. Phantom Lane

18. In Your Own Way

※LIVE本編:約107分
※特典映像:Picture in Picture収録

■予約:EPISTROPH / UNIVERSAL MUSIC STORE

WONK オフィシャル・サイト


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