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日本未来科学館にて『AKIRAの音展』公開 制作背景を読み解くと同時に、高解像度の音体験を提供


2021.03.30

東京・日本科学未来館にて3月29日(月)から、常設展3階「未来をつくる」のギャラリー、零壱庵(※)の新展示『「AKIRA」の音 不朽のアニメ映画を彩る未知のサウンド』が公開された。

映画『AKIRA』の音楽は、作曲家独自の制作手法とフィールドワークで収集した世界の民族音楽手法をもとに生まれ、『AKIRA』ならではの世界観を支えている。本展示では、その制作背景を展示映像で読み解き、高解像度の音体験を提供するという。

1988年公開の映画『AKIRA』は大友克洋による漫画が原作のアニメーション作品。その舞台となる2019年の混沌としたネオ東京は、現在の東京と重なる部分がある。そして緻密な筆致による画風は、その後の漫画やアニメ作品に多大な影響を与えた。また、山城祥二(芸能山城組主宰)作曲のサウンドトラックは海外で近年再発売されるほどの人気を誇る。

『AKIRA』の音楽を制作した山城(本名:大橋力)は、自然科学者としてホモサピエンスのとるべきライフ・スタイルとは何かを探る研究を行いながら、音楽の専門教育を受けないまま芸能山城組を創立し、音楽活動を行っていた。その活動の中で大友監督からの依頼を断り切れず、映画音楽を勉強しながら制作することになる。この映画音楽の制作のためサウンドモジュールという方式を考案し、世界中の様々なコミュニティを巡るフィールド・ワークで実際に体験した音(声や民族楽器など)を使い、既存の映画音楽とは異なる作品が成立した。作曲家という立ち位置だけでなく研究者の視点も持つという、今までにない観点による音楽制作の背景を展示で読み解くことに。

展示内では、映像制作・堀田英仁、アート・ディレクション、デザイン・安田昂弘の指揮のもと、3面にプロジェクターで投影する映像によって制作背景を紹介。山城自身が設計した可聴域以上をも再生可能な6台のスピーカーによるサラウンドの音を体で感じることができる。

※零壱庵は、アート作品を通して、科学技術とともに変わり続ける人の認識や社会について考えるギャラリーです。


【イベント情報】

零壱庵 『「AKIRA」の音 不朽のアニメ映画を彩る未知のサウンド』
日時:2021年3月29日(月)〜 10:00 – 17:00*
会場:日本科学未来館 3階 常設展示ゾーン「未来をつくる」
料金:入館料 大人 ¥630 / 18歳以下 ¥210 *
総合監修:伊東順二(東京藝術大学 COI拠点 特任教授)
特別協力:芸能山城組(山城祥二、仁科エミ)
企画制作:日本科学未来館

*入館券の購入は閉館時間の30分前まで
*オンラインによる事前予約が必要です

問い合わせ:日本科学未来館 03-3570-9151


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