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iriがルームウェアでパフォーマンス 自身初のアコースティック・ワンマン公演のレポートが到着


2022.04.28

2月23日に5作目となるアルバム『neon』をリリースしたシンガーソングライターのiriが、4月27日(水)に東京・LINE CUBE SHIBUYAにて、初のアコースティック・ライブ『iri Presents & Acoustic ONEMAN SHOW』を行った。

このライブは、これまでバンド形態のライブでも度々披露し、好評を博してきたアコースティックのパフォーマンスにフォーカスした初のワンマン・ショーであり、10代より地元のジャズ・クラブにてギターの弾き語りで歌を紡いできた彼女の音楽家としての原点に立ち返る特別な機会でもある。

ソファやラグ、観葉植物やフロアライトといった家具が配置され、リビングと彼女の部屋をイメージしたセットが組まれたステージに登場したiriはルームウェアに身を包み、いつもよりリラックス・モード。そして、その傍らに、彼女が湘南エリアでライブを始めた最初期にステージで共演したというサポート・ギタリストのカイ・ペティートを従え、初期の代表曲「rhythm」からライブは始まった。この日は、作品において低音の利いたビートやシンセサイザーを交えたトラックへと構築した楽曲を解体。ギター一本のアレンジに置き換えた演奏は、iriの音楽の核を露わにすると共に、生のままの歌声、その響きに宿る説得力が聴く者の心をぎゅっと鷲掴みにした。

「Corner」や新作『neon』収録の「渦」といったダンス・トラックは、カイ・ペティートがギターとベースの弦を混ぜて張った変則的なバリトン・ギターから同時に生み出すギターとベースのサウンドが支え、メロウな「飛行」はジャジーに、さらにヒット曲「Wonderland」は原曲のアコースティックな質感をさらに色濃く演出するなど、前半はiriの歌声が体現する豊潤な音楽性を素晴らしいギター・ワークが際立たせていた。

そして、MCでは、「アコースティック・ライブは初めての試みなんですけど、デビュー前はこうやってジャズ・クラブとかでライブをやっていました。だから、すごく懐かしくてね。いつもは低音が利いたバンド形態だったりするから、ギターと2人で繊細なグルーヴを再現するのは難しいんですけど、それはそれで深いものがあって、それを今日みんなに楽しんでもらえたらなって」と語ったiri。この日は『neon』のアナログ盤リリース日ということもあり、自室で親しい友人との再会を楽しむように、ステージに用意されたレコード・プレイヤーで自身の作品をプレイするなど、終始リラックス・ムードでライブは進行した。

自身によるソロ弾き語りで披露された中盤は、「フェイバリット女子」をはじめ、2016年のデビュー・アルバム『Groove it』の楽曲が続いた。10代の反発心から生まれた「無理相反」や夭折した兄に思いを馳せた「brother」など、この時期の楽曲はギターを手に生まれたものが多く、そのオーガニックな響きを活かした「会いたいわ」は2017年の発表から口コミで広がり、時と共に代表曲となった異例の名曲。曲に込められた記憶や感情は歌い演奏する彼女自身をも揺らし、感極まるような瞬間をもたらした。

終盤は再びカイ・ペティートとのデュオ形態に戻り、「Sparkle」「24-25」「Only One」「SUMMER END」といったお馴染みのシングル・ナンバーが続いた。コロナ禍の着席スタイルのアコースティック・ホール・ライブということもあり、オーディエンスはじっくり演奏を楽しみつつも、滑らかに歌い、ラップするiri本人をも思わず立ち上がらせてし
まうほどにアコースティックなグルーヴは楽しく心地良い。客席からも自然と両手が挙がり、ハンド・クラップが生まれた。そして、歌とギターからなるミニマムな編成が表現する多彩な感情に酔いしれるも、ライブは大詰め。「また泣いちゃいそうな曲だわ」という一言と共に、「SUMMER END」から「はじまりの日」へと続くエモーショナルなメロディと言葉の流れが会場をカタルシスに誘った。

そして、このアコースティック・ワンマン・ショーでiriの内面奥深くに分け入ったその先で待っているのは、5月15日(日)にKT Zepp Yokohamaからスタートする全国ツアー『iri S/S Tour 2022 “neon”』。再びバンド編成を従えて、今度は内から外に向かって伸び広がってゆくiriの歌声が味わえるはずだ。

Text by 小野田雄
Photo by 田中聖太郎

iri Presents “Acoustic ONEMAN SHOW” Setlist
1. rhythm
2. Corner
3. 飛行
4. 渦
5. Wonderland
6. フェイバリット女子
7. ナイトグルーヴ
8. 会いたいわ
9. 無理相反
10. brother
11. Sparkle
12. 24-25
13. Only One
14. Wanderling
15. SUMMER END
16. はじまりの日

Setlistプレイリスト


【リリース情報】

iri 『neon』
Release Date:2022.04.27 (Wed.)
Label:Victor Entertainment / Colourful Records
Cat.No.:VIJL-60278
Price:¥3,600 + Tax
Tracklist:
A1. はずでした
A2. 渦 (neon)
A3. 泡
A4. 摩天楼
A5. 目覚め
A6. はじまりの日
B1. Waver
B2. 雨の匂い
B3. darling
B4. 言えない
B5. baton
B6. The game

※生産限定アナログ盤


【イベント情報】

『iri S/S Tour 2022 “neon”』

日時:2022年5月15日(日) OPEN 17:00 / START 18:00
会場:神奈川・KT Zepp YOKOHAMA
料金:ADV. ¥6,600 / DOOR ¥7,100 (各1D代別途)
 
日時:2022年5月21日(土) OPEN 17:00 / START 18:00
会場:愛知・Zepp NAGOYA 
料金:ADV. ¥6,600 / DOOR ¥7,100 (各1D代別途)

日時:2022年5月22日(日)  OPEN 17:00 / START 18:00
会場:大阪・Zepp OSAKA BAYSIDE
料金:ADV. ¥6,600 / DOOR ¥7,100 (各1D代別途)

日時:2022年5月24日(火) OPEN 18:00 / START 19:00
会場:福岡・Zepp FUKUOKA 
料金:ADV. ¥6,600 / DOOR ¥7,100 (各1D代別途)

日時:2022年5月29日(日) OPEN 17:00 / START 18:00
会場:北海道・Zepp SAPPORO
料金:ADV. ¥6,600 / DOOR ¥7,100 (各1D代別途)

日時:2022年6月4日(土) OPEN 17:00 / START 18:00
会場:宮城・仙台PIT
料金:ADV. ¥6,600 / DOOR ¥7,100 (各1D代別途)

日時:2022年6月5日(日) OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京・Zepp HANEDA
料金:ADV. ¥6,600 / DOOR ¥7,100 (各1D代別途)

日時:2022年6月11日(土) OPEN 17:00 / START 18:00
会場:沖縄・桜坂セントラル
料金:ADV. ¥6,600 / DOOR ¥7,100 (各1D代別途)

iri オフィシャル・サイト


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