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後藤正文設立の〈APPLE VINEGAR -Music Award-〉、今年のノミネーション作品発表


2023.02.10

後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)が設立した『APPLE VINEGAR -Music Award-』の今年のノミネート作品が発表された。

『APPLE VINEGAR -Music Award-』は新進気鋭のミュージシャンが発表したアルバムに贈られる作品賞。文学界での『芥川賞』を参考に、デビュー・アルバムに限らず、ミュージシャンがそのキャリア初期に発表した作品を評価する仕組みを作り、今後の作品制作をサポートする賞金を贈呈することで、活動を応援できればという思いを持って始動。同時にリスナーが新しい音楽と出会うきっかけとなれば、という願いも込められている。

昨年は大賞にbutajiの『RIGHT TIME』、特別賞3作品にBREIMEN『Play time isn’t over』、NTsKi『Orca』、家主『DOOM』がそれぞれ選出。オフィシャル・サイトでは過去の受賞者インタビューや選考会の様子も掲載。また、昨年よりポッドキャストもスタートしている。

第6回となる今年も昨年発表されたアルバムから後藤が12作品をセレクト。3月の選考会を経て大賞を決定する。今年の選考委員は後日発表とのこと。ノミネーション作品は下記の12作。

第6回『APPLE VINEGAR –Music Award-』ノミネーション作品
ANORAK! 『ANORAK!』
ID 『B1』
松永拓馬 『ちがうなにか』
Cwondo 『Coloriyo』
優河 『言葉のない夜に』
ウ山あまね 『ムームート』
大石晴子 『脈光』
ゆうらん船 『MY REVOLUTION』
Laura day romance 『roman candles|憧憬蝋燭』
the hatch 『shape of raw to come』
春ねむり 『春火燎原』
Kei Matsumaru 『The Moon, It’s Recollections Abstracted』

※アルバム・タイトル アルファベット順


【後藤正文 コメント】

私設音楽賞、APPLE VINEGAR -Music Award-は6回目を迎えました。
協力してくださっているすべての人たちに感謝します。

アワードそのものが持つ権威性には毎度、身を焼かれるようです。ある種の傲慢さを自分のなかに発見せざるを得ない、そういう行いなのだと自覚します。しかし、素晴らしい作品に出会ったときに、素直に「素晴らしい!」と声を上げたいわたしも存在します。アワードの設立に見出した意味や意義と、その権威性と責任、その前で揺れながらここまでやってきました。

昨年のコメントにも引用しましたが、数年前に出会ったアルフォンソ・リンギスの言葉には救われました。「肯定的な評価は確認である。私たちが誰かに『なんて君は美しいのだ!』と言うとき、この発言は、そう言われる人に対して、その人がすでにそうである単なる認識、その人が既に承知していることの再認識として働くのではない。それは人の力を呼び覚まし、駆り立てるのである」(『何も共有していない者たちの共同体』より)。何度でもこの態度に立ち返ること、肯定的な評価のエネルギーを信じること、それだけは続けていくつもりです。

とても網羅できないほどの作品が発表され続けていますが、そのなかから、いくつかの作品を今年も選びました。
それぞれの作品の素晴らしさが、様々な角度に広がるきっかけになることを願います。

APPLE VINEGAR -music award-では、賞金を拠出してくださる法人や団体を募集しています。お力添えいただけましたら幸いです。ご連絡の際は問い合わせフォームよりお願いします。

後藤正文

後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)

『APPLE VINEGAR -Music Award-』 オフィシャル・サイト


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