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Keishi Tanaka / Floatin’ Groove


バンドサウンドへ回帰した、渾身の2ndアルバムからのシングルカット!

2015.03.19

Keishi Tanakaが、4月22日発売のアルバム『Alley』に先駆け、シングル『Floatin’ Groove』を3月18日にリリースした。ということで今回はその表題曲を紹介。

すでにご存知の方も多いと思うが念の為。Keishi Tanakaは最高の音楽集団・Riddim Saunterでボーカルを務めており、2011年にバンドは惜しまれつつ解散、彼は2012年4月リリースのソングブック『夜の終わり』を皮切りにソロシンガーとして活動をスタートさせていた。翌年2013年初頭にリリースした1stアルバム『Fill』は、弾き語り調の楽曲やカントリーロックを主体としたものであり、Keishi Tanakaのボーカルも柔和で穏やかなものに。バンド時代のパーティーサウンドとは距離を置いているような印象を当時は受けたものだ。(下に張り付けたDVD、何度見て何度泣いたかわかんない)

しかし、そこから2013年12月のシングル『秘密の森』『Crybaby’s Girl』でイメージが一変。後者の表題曲にはどこかバンドサウンドへの回帰を感じさせる萌芽のようなものが確かにあった。そして今回の『Floatin’ Groove』。ああ、戻ってきた。

「<レコード買いに新しい靴で 街へ飛び出した>ってナイスな歌詞だな~」などと呆けながら流し聴きしていると、2分を過ぎたくらいからライドシンバルの叩き方に高揚を感じ、「まさか?」と思ったらやはりTA-1(古川太一/KONCOS・ex.Riddim Saunter)さん。Keishi Tanakaのボーカルもグルーヴィーなサウンドとマッチし、『Crybaby’s Girl』では横顔を見せこそすれ、そこまで顕著ではなかったバンドアレンジも、ホーンセクションを大胆に使ったものに様変わり。思わず手元の資料にあるクレジットを五度見した。

演奏者などの細かい部分はぜひCDを買って確認していただくとして、とにかくこの一曲に対する感情はすさまじいものであるし、アルバム『Alley』ではこの衝撃が数倍・数十倍にもなってやってくるので覚悟を要するとあらかじめ書いておく。

筆者は先日Keishi Tanakaがキネマ倶楽部で行ったライブを見たが、ステージ上には佐藤寛(KONCOS・ex.Riddim Saunter)と本間寛人(ex.Riddim Saunter)の姿があった。(詳しくは後日Real Soundにアップするものとする。宣伝。)一度区切りのついたものをとやかく言われるのは良い気がしないだろうからこれ以上の言及は避けるが、先日拝見したKONCOSにせよ、明らかにバンドサウンドへの回帰が見てとれるし、いずれもバンド時代とは違う武器を手にしながら新たな表現を確立していることだけは間違いないので、引き続き適度に驚き騒ぎながら見守っていくことにする。

最後にもう一つだけ。シングルに収録されている同曲のManceauリミックスはブチ上がること間違いなしであり、『Alley』は年間ベスト級の作品です。

(Text by Takumi Nakamura)


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