INTERVIEW

Youngr

「人々にエナジーを与え続けることがミッション」――様々な楽器を自在に操るSSW/プロデューサーが語る、自身の目標と夢

イギリスを拠点とするSSW/プロデューサーのYoungr(ヤンガー)が先日初来日を果たした。

Youngrはドラム、ギター、ベース、シンセ、パッドなど複数の楽器を操り、ループなどを駆使してひとりでパフォーマンスを完結させるスタイルが話題を呼んでいるアーティストだ。近年、テクノロジーの発達とともに、ひとりで曲を作り、ひとりでパフォーマンスを行うアーティスト/プロデューサーも少なくないが、その圧倒的な熱量に溢れるパフォーマンスと演奏のクオリティでは、他に類を見ない存在だと言えるだろう。

今回は、DJ/プロデューサーのYOSAとTAARがレジデントを務める“MODERN DISCO”での日本初パフォーマンス時にYoungrをキャッチ。そのバックグラウンドから今後の展望まで、様々なことを訊いた。

Interview & Text by Takazumi Hosaka
Interpreter by Aoi Kurihara
Photo by Official


――Welcom to Japan! 日本は初めてですか?

僕にとってはこれが初めての日本だよ。東京はクレイジーな場所だけど、すごく楽しんでる。
昨日と今日は少し観光したんだ。明治神宮に行ったんだけど、素晴らしかったね。あとは大きなタワーにも登った。それと、FINAL FANTASYのミュージアムにも行ったんだ。

――(フルーツが山盛りになっているのを見て)フルーツがお好きなのですか?

ヘルシーだからね! 毎晩遊ぶから、せめて食べ物だけはヘルシーにしようと思って。フルーツとアルコールの組み合わせはビューティフルだよ! 今手に持ってるのはコーヒーだけど(笑)。

――では、インタビューの本題に。あなたは様々な楽器に囲まれてパフォーマンスすることで話題を集めましたが、そもそもひとりでやろうと思ったキッカケは?

元々は兄弟でバンドをやっていたんだけど、それが上手くいかなくなっちゃってね。それで意識的に始めたわけではなかったけど、試しにひとりで音楽を始めてみたら、すごく楽だったんだよね。それからはAbleton(DTMソフト)を使ってひとりで音楽制作をしている。

――なぜ兄弟別々の道に行くことになったのでしょうか?

仲が悪くなったわけでも、特別な理由があったわけでもなくて、単純に音楽性の違いからかな。でも、彼は今でも僕のことをとてもサポートしてくれる。今でもたまに一緒に演奏してくれるしね。僕らはファミリーだから。あと、彼のバンドも素晴らしいんだ。

――ひとりで演奏することのメリットは?

栄光、お金、そしてお酒を独り占めできる(笑)。……うーん、ソロであるメリットかぁ。あまりわからないかな。単にこのスタイルでいるのが楽だし、自由に全てをコントロールできるのがいいよね。それに、色々なミュージシャンとセッションやコラボもできるし。あとは、ショーで何も壊さない(笑)。

――逆にデメリットがもしあれば教えてください。

孤独だね。寂しい(笑)。

――ちなみに、最初に手にした楽器は?

ピアノだね。7歳の頃から学び始めたよ。でも、今一番好きなのはドラムかな。ドラムは11歳の頃に始めた。


――家族はみんな音楽をやられている、音楽一家なのでしょうか?

父はそうだね。母はそうでもないよ。兄弟はさっき話した通り、イエスさ。父はシンガーなんだ。ヨーロッパとアメリカでは有名だと思うよ。日本でどの程度知られているかわからないけど。でも、確か日本にも来ているはず。Kid Creole & The Coconutsというバンド(のフロントマン:August Darnell)だよ。80年代で有名なポップ・ファンクのバンドだったんだ。

――作曲に使う楽器は?

ピアノさ。いつもピアノで最初にハーモニーを作るんだ。ピアノはエモーショナルだから、それで自分の感情やフィーリングを表現していくんだ。それから、ドラムでグルーヴやベース・ラインを足していく。

――Youngr名義で活動を始めたのはいつ頃なのでしょうか?

2年半前だね。そのぐらいからYoungrとしての活動に注力しだした。Youngr(実際はYounger)というのは、僕のミドルネームなんだ。本名でプロデュースとかもやってたりもしたけど、ソロのアーティストとしてのキャリアはまだ2年半ほどだね。

――Youngrの活動前はバンド活動を?

そう、さっき話した通り、兄弟でバンドを組んでいた。Picture Bookっていう名前でやってたからチェックしてみて。彼とやっていたバンドはダンス・ポップだったんだ。

――影響を受けたアーティストは?

Prince、James Brown、Michael Jackson、Simply Red、最近だったらCalvin Harrisかな。

――今やっているようなエレクトロニック・ミュージックに目覚めたのは、Calvin Harrisがキッカケ?

確かに、彼の音楽を聴いた時は「ファッキンクール!」ってなったよ。でも、本当のきっかけは週末に兄弟とベルリンに行ったときかな。素晴らしいクラブがいっぱいあって、衝撃的だったんだ。あとはAbletonを始めたことも、僕にとってのエレクトロ・ミュージックの導入になったんじゃないかと思うよ

――Abletonを始めたのはいつ頃から?

7〜8年前じゃないかな。Youngrとしての活動を始める前から使っていたんだ。ベルリンは、父親が80’sリバイバル・ツアーでショーをしに行って、そこについて行く形で行ったんだけど、父親のショーがつまらなかったから(笑)、「クレイジーなことやろうぜ!」って言ってクラブに繰り出しだんだ。その時の体験が今に繋がってるよ。

――The Temper Trap「Sweet Disposition」のカバーが大きな話題となりましたよね。彼らには実際会えました?

ノー。実はまだ一度も会ったことがないんだ。でも、メールでのやりとりはしたことがあって、僕のカバーを彼らがFacebookでシェアしてくれたんだ。僕のマネージャーがコンタクトとってくれたから、あのカバーもオフィシャルに認められているし。

――カバーしたのは元々彼らのファンだったから?

そうだね。彼らの曲は全部好きだよ。特に「Sweet Disposition」は、ギターのリフが最高だよね。
でも、初めてカバーしたのはMalvin Gayeだったんだ。彼の曲をリミックスしよとしてたんだ。なんだっけ、「How Sweet It Is To Be Loved by You〜(歌い出す)」ってやつ(「How Sweet It Is to Be Loved by You」)。特にギターが素晴らしいと思って、その夜早速ショーでカバーしてみたんだけど、あれは天国にいる気分だったね。


――今年1月にこれまでの曲をコンパイルした『this is not an album』をリリースしましたが、これからもアルバムは作る気がない?

いや、今年の終わりに作るかもね。でも、アルバムやEPよりは、まだシングルを出していきたいって思ってるんだ。1枚目、2枚目って感じでアルバム作っていくのはあまりおもしろくないよね。でも、もし今年アルバムを出すなら、タイトルは『this is not an album too (two)』かな(笑)。

――今後の予定は?

世界を掴む! 支配する!(笑)。というのは冗談で、僕のメインのゴールは人々にインスパイアを与えることだね。自分の音楽のエナジーで、ショーに来てくれた人を踊らせて、笑顔にさせたい。それから、ツアーでこうやって日本に来て色々なミュージシャンに会えるのも素晴らしいよね。人々にエナジーを与え続けることがミッションだと思っているよ!

Spincoaster

Spincoaster

Spincoaster(スピンコースター)は、独自に厳選した国内外の新鋭MUSICを紹介する音楽情報メディアです。