INTERVIEW

The Wisely Brothers

「やっと準備ができた」――遂に待望の1stアルバムをリリースしたワイズリー。高校時代から共に過ごす3人が経た変化と成長

都内を拠点に活動する3人組バンド、The Wisely Brothersが待望の1stアルバム『YAK』を2月21日(水)にリリースした。

昨年は“りんご音楽祭”など様々なイベントへの出演や、韓国への遠征。さらには『HEMMING EP』、7インチ・シングル『The Letter』をリリースと、様々な箇所でその名を目にする機会が多く頻繁に飛躍的な活躍ぶりをみせたThe Wisely Brothers。

そんな彼女たちが満を持して放った本作『YAK』は、持ち前のメロディ・センスはそのままに、シンプルながらもより幅の広い音楽性を獲得。日本独特の感覚を確かに擁しつつも、海外のインディ・ロック勢ともナチュラルにリンクする不思議な存在感を放っている。

シーンや世代を越えて大きな注目を集めるなか、高校の軽音楽部からスタートしたというマイペースなこの3人は今、何を思い、どこを見据えて音楽を鳴らしているのか。バンド内で起きた変化と、変わらず貫かれている核の部分。それぞれを浮き彫りにするべく、3人に様々なことを訊いた。

Interview & Text by Takazumi Hosaka
Photo by Kohei Nojima


――2017年はThe Wisely Brothersにとって大躍進の年になったように思うのですが、そのような実感は得られていますか?

真舘:本当にひとつひとつの出来事をすごく覚えていて。それぞれに対して自分たちも様々なことを感じました。

和久利:個人的には韓国に行ったことが印象に残っていますね。海外でのライブが初めてだったので、今までと異なる反応というか、私たちの音楽に対して違う見方をしてくれる人に出会えたのがすごい大きかったなぁって。これからの楽しみも増えましたね。

――具体的に韓国の人たちの反応はどのようなものでしたか?

真舘:共演したバンド(Parasol)の音楽もライブを観てすぐに好きになって。お客さんは私たちと同じくらいの年齢の方がたくさん集まってくれていたんですが、韓国でのライブの雰囲気って日本とまた少し違っていて。簡単に言うとすごく盛り上がるんですけど、でもそれを目の前で見ていると、何ていうか、本当にみんな純粋に音楽が好きで、目一杯音楽を楽しんでるんだなあっていうのが伝わってくるんですよね。
それに、ライブ終わりには同じくらいの歳の子が話しかけてくれて。話してみると、国は違うけど思ったり感じたりしていることは同じなんだなっていう気がしましたね。

――海外の方との交流という点では、Frankie Cosmosとの共演も大きかったんじゃないでしょうか?

真舘:そうですね。元々彼女の音楽がすごく好きだったんですけど、まず来日するとは思っていなかったので、来日公演が決まった時の自分のテンションの上がり方は去年の中で一番だったかもしれません(笑)。
さらに、共演できることになった時、「あ、自分たちは彼女と同じように音楽をやってるんだ」って、「同じように音楽を通して、何かを表現している」という当たり前のことが実感できました。当日は彼女のライブを観て、「一体これはどういうことだろう!」みたいな、興奮状態になりましたけど(笑)。
あまり上手く言葉にできないんですけど、彼女との共演は自分たちにとってすごく大切なことなんだなってことが感じられました。

渡辺:「フレンド」って言ってくれたのが嬉しかったよね。東京は2公演あって、私たちが出ない方の日もお客さんとして観に行ったんですけど、その時は共演した時よりももっとフランクに話しかけてきてくれて。「NYで一緒にライブしたいね」って話になったり、「ハンバーガーを一緒に食べよう」とか、そういう話もして(笑)。

和久利:でもベジタリアンなんだよね(笑)。

真舘:私たちも最初は緊張していたんですけど、お互いのライブを観てからは、もっと気さくに話すことができたんです。音楽を通じて距離を縮めることができたような気がして、それが嬉しかったですね。

真舘晴子 (Gt. / Vo.)

――おそらくThe Wisely Brothersにとっての2017年の大きいトピックとして、チャットモンチーの「完結」があるんじゃないかなと思います。前々から影響を受けていたことを公言していますし、バンドとしてカバーもしていましたよね。

真舘:それはもちろん。一番印象的だったのは、泉が泣いたことですね(笑)。

渡辺:それがたまたま一緒にいる時で、空き時間に携帯でニュースを見たんだよね。そしたら急に泉が泣き出して(笑)。

和久利:その時は確か大阪にいて、次の日ライブだったんですけど、アルバムに向けての曲作りにも追われていて。結構ギリギリなところだったので、正直泣いてる場合じゃなかったんですけど、何かこう……そういう状況だからこそ「私たちはチャットモンチーからたくさん教えてもらったことを音楽にすることができるんだ。だから頑張らなくちゃ」って思って、涙を我慢したいって思う気持ちがあったのを覚えてます。でも、実際には涙は止まりませんでした(笑)。

真舘:私はその「完結」っていう表現がすごくカッコいいなって思いました。「活動休止」とか、「解散」とか、色々な選択肢や表現方法があるけど、音楽活動も全て作品とみなして、それを「完結」させるっていう方法もあるんだなって。きっと今後もチャットモンチーのおふたりは音楽をやめないと思うんですけど、ただ、それでもここでバンドとして「完結」させるっていうのは潔いというか、すごい決断ですよね。

――チャットモンチーから得たものはいっぱいあると思うのですが、特にバンドとして影響を受けた面を挙げるとするならば、どういうったことが挙げられるでしょうか?

真舘:私と朱音はチャットモンチーしかコピーしたことがないので、逆にその他を知らないというか。もはやバンドっていうものに対して、基礎の部分でもあり、全てっていう感じがします。3人でひとつの曲を演奏するっていう、一番シンプルなことをチャットモンチーから教わったんじゃないかな。

和久利:チャットモンチーってとても個性的なバンドなんですよね。それぞれのパートにはとてもその人たちの性格が出ているなと思うんです。それが3つ揃った時に、ひとつの楽曲としての魅力として形成される。それがスリーピースとして一番大きい武器なのかなって。そういうところは私たちも目指していきたい部分ですね。

――では、2017年を通して、自分たちの中で一番変わったことは何でしょうか?

真舘:私は、去年の初め頃、自分の時間の使い方に自信がなかったんですよね。何かこう、ちょっと迷いがあったり、ふわふわしていたんです。でも、それが去年の活動を通して、もっとその時間をアウトプットすることに使っていきたいと感じるようになって。それは音楽だけじゃないかもしれないし、何でもいいからいろんなことを表現してみる。もしかしたらそれが誰かの楽しみになるのかもしれないっていう気持ちが強くなってきていて。結果的に、前よりも時間の使い方がちょっと変わってきたんじゃないかなって。

――それって、言い換えるとプロのミュージシャン/表現者としての自覚が芽生えてきたということでしょうか?

真舘:どうなんでしょう。でも、もっと自分をこう、楽しみたいと思って。それがバンド活動を楽しむことにも繋がったんですよね。ふたりの音を聴いてどう楽しむかということも、今回のレコーディングを通して変わったし。結構色々な部分に共通することなんだなって思うんですよね。自分自身を楽しむことは、周りのことを楽しむことにも繋がるんじゃないかなって。

――バンドを改めて楽しめるようになったと。

真舘:改めて……というより、正直に言ってしまうと、最初は何が楽しいのかあまりわからなかったんですよ(笑)。
高校時代、たまたまバンドをやることになって。自分にとっては全く新しい体験だったので、どうやったら楽しめるかっていう部分を色々探しながら活動していたんですね。それが結構長い期間あって。CDを出せることになって、自分たちがしたいこと、自分たちらしさ、みたいな部分も自覚するようになって。それを大前提に、私個人の感情や、周囲からの影響をどう音楽に反映させることができるのかっていう部分を、ようやく冷静に考えられるようになったんですよね。

――バンドを、音楽を楽しむ余裕ができたというか。

真舘:そうですね。やっと準備ができた(笑)。

和久利:確かに。「こういうことしたらおもしろそう!」っていうアイディアだったり、それを実際にやってみる行動力みたいなものは増えたよね。

――そういった変化は、なぜ起こったのだと思いますか?

真舘:バンドを続けていく中で、この3人の関係性も変わらないところと変わっていくところがあって。それが意外と大事だったのかなと思っています。(変化する部分と変化しない部分の)両方の面があるからこそ、色々なことにひとつひとつ気づくことができた。そういう時間がなかったら、今の自分たちはいなかったなって。

和久利:そうやって時間を積み重ねていく中で、私たちを観てくれる人も増えてきたなと思うし、音源を出すたびに聞こえてくる声も増えてきて。私たちが好きでやっていることを、色々な人が楽しんでくれていることに気づいたんですよね。それが「好きなことをやっても大丈夫」っていう風に、自信を持つことに繋がった気がします。

――今おっしゃられたように、ワイズリーは高校時代からスタートして、3人はすでに長い付き合いとなるわけですが、ここまで仲良くやってこれている理由は何なのでしょうか?

真舘:そうですね……ひとつは、みんな食べることが大好きっていうことなんじゃないかなって思います(笑)。何かあっても、美味しいご飯を食べるとみんな同じ気持ちになれる。単純なことだけど、それが私はすごく大きかったなと思っていて。

渡辺:色々な所でライブさせてもらってるんですけど、終わるとやっぱりお腹が空いちゃうんですよね。なので、まずご飯が食べたいっていうのがあって。お酒よりも食事なので、気分が特別大きくなることもないですし、自然体で、ご飯を食べながら「今日はここがダメでした。ごめんなさい」みたいな反省会をしたりして。そういう、平和な時間を過ごすのが重要なのかなって思います。

和久利:でも、最近はその3人での食事に色々な人を交えるように、もうちょっと社交的になるように頑張ってはいるんですけど(笑)。去年で言うと、韓国で食べたソルロンタンがすこくおいしくて、印象に残っています。

真舘:冷麺の温かいバージョンみたいなお料理なんですけど、牛で出汁を取ったシンプルなスープなので、ネギと塩で自分で味付けして食べるんです。なんか地元のおじちゃんたちがお酒を飲んだ後に食べることも多いみたいですね。最後にご飯を入れたりするんですけど、それがすごくおいしくて(笑)。

渡辺:あれが沁みたよね(笑)。

――それもあっての2017年の大きなできごと=韓国だったんですね(笑)。

和久利:はい。韓国はだいぶ大きなものを与えてくれました(笑)。

――なるほど(笑)。そろそろ1stアルバム『YAK』のことについてお伺いしたいのですが、これまで話したように、2017年は様々なイベントへの出演も果たし、EPやシングルのリリースもあったりと、とても忙しく過ごされていたと思います。そんな中で、アルバム制作はどのように進められたのでしょうか?

真舘:今回の制作期間は短かくて。しかも、レコーディングの日程が先に決まっているのに、中々曲もできなかったんです。私たちは3人で集まって一斉に作り始めるタイプなので、その作業を毎日やりました。それでも納得できない部分があったりしたので、今回は初めて、3人それぞれが最近気に入ってる曲をそれぞれワンコーラスずつ聴いて、「それを受け取った自分」というのをそれぞれが出し合う形で曲を作ってみたんです。

和久利:スタジオに3人で篭って、そうやって小さい欠片作りを行った後プロデューサーの片寄(片寄明人:GREAT3)さんだったり、色々な人に聴いてもらって、どれを完成させていくかを決めるんですけど、そこからも長くて(笑)。

――今作に際したオフィシャル・インタビューでも、「意識的に色々な音楽を聴いた」とありました。では、特に影響を受けた作品やアーティストはありますか?

真舘:The Lemon Twigsは大きかったと思います。実際に私たちの作品がThe Lemon Twigsっぽいかと言われれば、そんなことはないと思うんですけど。でも、彼らのアルバムを3人で聴いて、影響を受けたのは間違いないですね。

和久利:あと、そういう欠片作りのタイミングで、片寄さんにTalking Headsの映像作品『Stop Making Sense』をオススメしてもらって。それも「こういうことをしてみたい」っていうアイデアを出すにあたっての刺激になりましたね。

渡辺:衣装もすごい可愛くて。ベースの方がカーキ色のつなぎを着てるんですけど、それが本当に素敵で。

和久利:そうそう! 本当に可愛いよね!

渡辺:そういう部分からも影響を受けたりして。結果、どこにも似つかない何かが出来上がっていきました(笑)。

――アルバム収録曲で言うと、「彼女のこと」はポストパンクやニューウェーブ的な要素を感じられます。

真舘:そうです。そういうことがやりたくてやってみたんですけど、実際に上手くできているかはちょっとわからない(笑)。でも、こういう新しいことに挑戦するのがすごく楽しくて。

渡辺:「彼女のこと」を作っている時は、韓国のチャン・ギハと顔たちとかもよく聴いてましたね。韓国に行ったことがキッカケで知ったんですけど。

――ちなみに、今回のアルバムの中で最も難産だったものは?

渡辺:「彼女のこと」かもしれませんね。レコーディングの直前まで作り込んでいた曲なので。

真舘:私的には、「庭をでて」もそうかな。この曲は私たちの曲の中でもおそらく一番テンポの早い曲で。そうするとメロディもいつもの感じと違うし、どういう歌詞を乗せればいいのかっていう部分ですごく苦労しましたね。自分の中では考えに考えて、やっとできたっていう感じがあるので、私は今回のレコーディングではこの曲が一番難産でした。

――真舘さんは普段、どのような物事からインスピレーションを受けて、作詞をしているのでしょうか?

真舘:あまり意識はしていなくて。もちろん映画だったり写真や本からというのもあるんですけど、それ以外にも、日常の中で見た看板とか、路上に捨てられていた新聞の欠片だったり、誰かと喋っていた時に耳に入って来た言葉、通り過ぎた人の言葉だったり、そういう些細なことからの刺激も意外と多いんです。そういうものが気づかない内に自分の中に蓄積されていて、いざアウトプットするってなった時に、それらが言葉になって繋がって出てくるようなイメージです。

和久利:今回のアルバムでは明るい部分と暗い部分、両方がバランスよく出ているよね。元々私は晴子の少し暗い面が出た歌詞が好きだったんですけど、明るい曲があるからこそ、そういう暗い曲もより映えるというか。どっちも私たちにとっては必要な要素なんだなって。

渡辺:さっき晴子が難産だったって言ってた「庭をでて」とかは、言いたいことを今まで一番出したのかなって気がしますね。これまでは、隠すわけじゃないけど、答えを全部見せない感じが多かったなって思っていて。最近では徐々にそれが出てくるようになってきていたんですけど、ここまでハッキリと出したのはたぶん初めてなんじゃないかなって思いましたね。でも、それはすごく勇気のいる行為だと思うので、私たちも同じくらいの勇気を持って演奏しなきゃなって。

渡辺朱音 (Dr. / Cho)

――勇気がいる、と言うのは?

渡辺:何かこう、普段会話していても、私は気になったことはすぐに言うし、相手の言葉に対してもあまり何も考えずに受け取ってしまうんですよね。でも、晴子はひとつひとつの言葉とかを自分の中ですごく考えているんだなって思うんです。色々なインタビューとかでお話とかしていると、こんなに深く考えている人を私は他に知らないってくらい。

和久利:この前ふたりでその話してたんだよね。

真舘:え? ほんと? あまり考えてないんだけど(笑)。

渡辺:え? マジか!(笑)

一同:(笑)。

渡辺:前作のEPを出したときにも、「ここはもうちょっとハッキリ言った方がいい」って片寄さんに言われたことがあるみたいで。最近ではメロディが拒否してくるらしいんですよ。この歌詞を乗せようと思っても、メロディが許してくれない。もっとハッキリ言いたいことがあるはずだ、みたいな感じで導いてくれるって晴子が言ってて。だから、きっと自分の本音を隠したい気持ちもまだあると思うんですけど、それでも曝け出すことにしたっていうのは、とても勇気のいる判断だったんじゃないかなって。きっと怖いし恥ずかしい。けど、臆せずに出してくれたから……それはすごいことだと思うし、私たちも誇らしい気持ちですね。

――真舘さんはこのように言われてどうですか?

真舘:確かに今回は色々なメロディを作れたなと思っていて。そのメロディに対して歌詞を乗せようとした時に、私が生半可な気持ちでいるとメロディが全然活きてくれないんですよね。逆に、自分が本当にいいと思う歌詞――それは温度だったり雰囲気だったり色とか、そういう要素が鍵になってくるんですけど、そういうのを持ってくると、メロディの方から求められているような感覚になるんです。
今回はそのメロディと歌詞の組合せについて、とことん考えていきました。どうすれば両方の魅力を高められるのかっていう部分を。それは自分にとって結構新鮮な作業でしたね。今までにはなかった感覚というか。
今までは、一番楽でいられることが、自分にとって一番自然であることだと考えていたんですけど、意外とそうではなくて。楽すると自然に見えるのかもしれないけど、実は一番自分の作品が活きてくるものっていうのは、見せたくない部分も見せたり、ちょっと頑張らないといけないんだなって。そのメロディの活かし方は、今後にも繋がってくるような気がして。そこは逆に希望を感じていますね。

――サウンドの面で言うと、今回はほぼ一発録り、しかもアナログ・レコーディングを敢行したそうですね。これはどのような意図を持って行ったのでしょうか?

真舘:これまでもベーシック(基本となるオケ)はほぼ一発録りだったんですけど、今回は初めてテープで録ることになったので、録り直しが効かないんですよ。デジタルの一発録りだと直せるんですけど、テープだと直せない部分が出てくるので、同じ一発録りでも、緊張感が違いました。

渡辺:実は、テープでレコーディングしたのは偶然なんです(笑)。レコーディング・スタジオの機材の関係で、アナログで録音することになって。でも、結果的に私たちにとってとてもラッキーな出来事だったんじゃないかなって。

和久利:アナログ・レコーディングなんて、やりたくても中々できないことだと思うので、大変でしたけどいい経験でした(笑)。

和久利泉 (Ba. / Cho)

――先ほどから何回もお名前が出てきている片寄さんは、前作のEPからとてもお世話になっている存在ですよね。前作と今回のアルバムで、片寄さんの立ち位置や役割に変化などはありましたか?

真舘:基本的に私たちに言ってくれることは、一番初めに会った頃から変わっていなくて。私たちがおもしろいと思うことを形にしてくださったり、要素として曲にどう入れられるかを一所懸命一緒になって考えてくれるので、そこは全く変わらず。でも、今回は制作期間が短かったので、私たちの自信のない部分でもすかさず拾って、励ましてくれて。

渡辺:全部自信に変えてくれましたね。私たちはしょっちゅう自分たちが目指すところが分からなくなっちゃうんですよ。行きたい場所は確実にあるんですけど、それを先に片寄さんが見つけてきてくれて、そこに私たちが到達するまで待っててくれるんですよね。グイグイ引っ張ってくれるという感じではなくて、私たちの中から色々なアイディアや要望を抽出してくれるんですよね。私たちにとっても作品にとっても、片寄さんはとても大きい存在なんですけど、でも、結局は「3人の作品だから、これは3人のもの」って言ってくださるんですよね。とは言え、頭では理解してても、まだ胸を張ってそうやって思えないので、これからアルバムを出して、ツアーを回って、徐々にそういう自信を持てたらいいなって思います(笑)。

――アルバムのジャケットやブックレットも、MIC*ITAYAさんと共に自ら制作されていますよね。ワイズリーとしての、ビジュアル面に対してのこだわりや意識をお聞きしたいです。

真舘:バンドを始めた頃から、グッズであったり自主企画でのプレゼントだったり、自分たちが欲しいものを作りたいという気持ちがすごく大きいんです。毎回色々なバリエーションで作っているんですけど、こんなにブックレットとジャケットに私たちが関わったのは今回が初めてですね。曲に対して、客観的な意見を持てない自分たちがビジュアル面にも関わるのは、ちょっとだけ勇気が必要で、不安もありました。でも、『The Letter』の7インチも一緒に作って頂いたイラストレーターのMIC*ITAYAさんが本当に私たちのことを理解してくれて。実現可能かどうかは気にせず、とりあえずやってごらんという風に、すごい温かい目で見守ってくれて(笑)。
今回もすごくピッタリなものを作れたなと思うし、自分たちから見ても可愛いなって思います。自分の部屋に置いておきたいというか。

和久利:今回は内側のブックレットにシールが貼れるようになっていて。買ってくれた人たちも私たちのアートワークに参加できる、一緒にYAK(=おしゃべり)できる、みたいなことになっていて。まだ自分が体験してないのでわからないんですけど、自分たちでも凝ってるなあと思います(笑)。

――例えば、アーティストだと隅から隅まで作り込んだものを提示する人も多いと思うのですが、ワイズリーの場合は、受け手側にも参加して欲しいという気持ちがありますよね。それはなぜだと思いますか?

渡辺:単純に私たち自身が手作りが大好きで、それを色んな人が味わったり楽しんでくれたらいいなって。人によっては苦手かもしれないけど、いざやってみたら意外と楽しいかもしれないし、新しい体験になったりもする。そういうちょっとしたキッカケになったらいいなとは思います。

和久利:私たち自身、完璧にできるタイプじゃないんですよね。今まで作ってきたものも全て完璧ではないと思いますし。なので、「すごい作品を作っているな」っていうよりは、「楽しそう」とか「自分もやってみたい」っていう風に思ってもらいたいなって。自分たちと同じ位置で感じて欲しいんですよね。

渡辺:日々の生活の中において、身近な存在でいたいよね。

――なるほど。今の話しに繋がるかもしれませんが、高校時代から長く活動してきて、遂に1stアルバムを出すことになった現在、ワイズリーらしさっていうのはどういう風に言い表せると思いますか?

真舘:当たり前に存在しているものを、愛おしく思うことなのかなって私は思います。

――特別なものではなくて、日常の些細なものの大切さに気づくというか。

真舘:そうですね。音楽を通して。

渡辺:晴子が言ったように、普段、何気なく過ごしていること自体が、当たり前じゃないっていうこと。それがどういうことなのかっていうことを考えるのが大切なのかも。例えば、最近ではバンドに関わってくれる方も増えたけど、そういうことを当たり前と思わず、すごいことなんだ、特別なことなんだという気持ちをずっと持ち続けるっていうことが大事なんじゃないかなって。


【リリース情報】

The Wisely Brothers 『YAK』
Release Date:2018.02.21 (Wed.)
Cat.No.:COCP-40274
Price:¥2,593 + Tax
Tracklist:
1. グレン
2. キキララ
3. 庭をでて
4. おいで
5. give me a mileage
6. 彼女のこと
7. Season
8. MOUNTAINS
9. The Letter
10. マーメイド
11. マリソン

※初回生産分にオリジナルステッカー封入

[The Wisely Brothers 『YAK』購入者特典]

■対象店舗でご予約・ご購入の方に先着でメンバーデザインによる特典をプレゼント!
・TOWER RECORDS 全国各店 / TOWER RECORDS ONLINE特典:オリジナルふせんパッド(75mm×75mm)
・The Wisely Brothersサポート店特典:オリジナルミニ定規(10cm)
イベント・特典に関する詳細はこちらから→http://columbia.jp/artist-info/wiselybrothers/

■ディスクユニオン限定 オリジナルサコッシュつきセット
価格:¥4,200
詳細・ご注文はこちらから→http://diskunion.net/


【イベント情報】

“The Wisely Brothers「YAK」発売記念イベント”
2018年3月3日(土)13:00 タワーレコード梅田NU茶屋町店イベントスペース
2018年3月4日(日)15:00 タワーレコード新宿店7Fイベントスペース
内容:アコースティックミニライブ&スタンプ会

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1st Full Album「YAK」Release Tour『YAK YAK TOUR』
2018年3月31日(土)
Live House Pangea(大阪)

2018年4月1日(日)
K.Dハポン(名古屋)

2018年4月7日(土)
Shibuya WWW X(東京)

■The Wisely Brothers オフィシャル・サイト:http://wiselybrothers.com/

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