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Interview / Tegan and Sara


「幸せな日々に感謝できるようになったのは、自己の確立や辛い時期を経てきたから」ーー世界的アーティストの仲間入りを果たしたTegan and Sara インタビュー

2016.07.29

2000年にNeil Young主宰レーベル〈Vapor Records〉よりデビューし、今年で17年のキャリアを誇るカナダ出身の双子デュオ、Tegan and Sara(ティーガン&サラ)。
初期の頃はフォークやグランジ〜オルタナなどからの影響も感じさせるロック色の強い音楽性でしたが、近年ではエレポップに振りきれた音楽性で、より広い層へとアプローチすることに成功している。2013年リリースの7thアルバム『Heartthrob』は全米3位という大ヒットを記録し、アメリカの人気ドラマ『glee』にリード曲の「Closer」が使われ、あのTaylor Swiftからもラブ・コールが送られるなど、世界的にも大きな話題を集めた。

そのようにして、現在では世界中から注目を集めるようになった彼女たちが、今夏8thアルバムとなる新作『Love You To Death』をリリースした絶好のタイミングで、およそ2年ぶりの来日公演が来月開催されることを記念し、今回SpincoasterではそんなTegan and SaraのSaraことSara Keirsten Quinに行ったジェネリック・インタビューを掲載!
アカデミー授賞式やオスカー授賞式などでもパフォーマンスを行うなど、既に世界のメインストリームで堂々たる地位を獲得している彼女たちの音楽に対する真摯な姿勢や、トップ・アーティストの仲間入りをしても謙虚さを忘れないそのスタンスなどがこのインタビューから伝わってくるはずです。

TeganAndSara MIRROR


ー今回のアルバムを制作する上で、何からインスピレーションを受けましたか? また、アルバムを通して届けたいテーマなどがあれば教えてください。

私の人生においてのアイデンティーだったり、人間関係を追求する心に刺さるような歌詞と、ポップで存在感のあるメロディーを組み合わせた、ポップ・ソングの制作を続けたかったの。より自分を見つめ直したり、私自身とTeganとの関係についてよく考えたから、前作『Heartthrob』とは、感情的な面で異なる方向性だったといえるわ。

ー新作のMVはどれもとても楽しい雰囲気の作品となっていますが、80年代のコミックのような世界をテーマにした「U-turn」や、可愛らしい犬が登場する「100X」のアイデアはどのようにして思いついたのでしょうか?

このアルバムにおいての私たちのゴールは、10人の異なるディレクターと共同制作をすること、そして彼らにあれこれ注文を付けないで、制作においてクリエイティヴになってもらう機会を与えたかったの。それぞれのディレクターとは限られた予算の中でMVの制作をしたけど、クリエイティヴ面は全て彼らに委ねたの! 「U-turn」の監督を務めたSeth Bogartは、音楽的にも芸術的にも尊敬するアーティストで、「100X」の監督のJess Rona(*1)は、彼女自身がトリムする犬が登場するショート・ビデオがUPされているんだけど、それがとてもエモーショナルでカワイイの。だからJessが私たちのためにMVを制作してくれたことは、とても光栄なことだったわ。

*1 Jess Rona → 世界的に有名なドッグ・トリマー。Jessがトリミングを手がけた犬のスロー・モーション・ビデオを自身のSNSに投稿し、話題に。

ー世界中でアルバムの総売り上げが100万枚を超え、8thアルバムが発売となり、またワールド・ツアーを行うなど、既に大きな成功を手にしていますが、次の新たな目標を教えていただけますか?

今後も世界中の未だ訪れたことのない国々へツアーで足を運び、探検することを続けたいわ。これは私たちのキャリアにおいて最も重要な目標の一つでもあるの。ファン・ベースを広げて、まだ私たちの音楽を知らない人々に、私たちの音楽を届けることを常に念頭に置い ているわ。最近ではもうアルバムの売上げは私たちにとってあまり重要ではなくなっていて、ファンを増やすことや、ツアーでより大きな素晴らしい公演をすることに焦点を置いているわ。

ーここ最近インスピレーションを受けたり、尊敬しているアーティストはいますか?

現在の私たちのお手本となるアーティストやバンドは、ツアー活動に精力的な人たちね。例えばBruce Springsteen、U2、Madonna、Radioheadなどとても感銘を受けているわ。 また、Christine And The QueensやStromaeのようなコンサートでの演出や映像で出来ることの限界を超越してきたアーティストとか、またRobynやKanye Westのように、音楽やアートにおいて大胆なシフトや変化を経てきたアーティストも尊敬しているわ。

ーあなたたちはこれまでに様々なアーティストとコラボレーションを行ってきましたが、どのアーティストとのコラボレーションが気に入っていますか?

Tiëstoとの共同作業ではとてもたくさんのことを学んだわ。2008年当時はコラボレーションやアルバム制作においてのプロデューサーの役割の重要性を理解していない状態で彼との共同作業に取り組んだけど、彼との共同作業を経て、それらがいかに大切かがわかったの。彼との作業で素晴らしいインスピレーションを受けてからは、他のアーティストにも早い段階から曲の制作に携わってもらうようになったわ。

ー次にコラボしたいアーティストはいますか?

次のコラボやアルバムについて考えるのはまだ早いけれど、また皆を驚かせたいと思っているわ!

ーTegan and Saraとしてのキャリアにおいて、もしやり直せることがあるとしたら何をやり直しますか?

反省をして状況を変えることは簡単なことだけど、楽しかったり辛かったりした様々な経験が、どのようにして私たちの誇らしいキャリアを築き上げてきたのか、ということをより深く考えているわ。幸せな日々に感謝できるようになったのは、自己の確立や辛い時期を経てきたからでもあるのよね。

ー世界で一番のお気に入りの場所を教えてください。ライブをするためだけでなく、生活を送ることや旅行先としてでも構いません。

最近ではまだ行ったことのないアジアの国々を探検したり、旅行することにとてもワクワクしているの! 前作のアルバム・ツアーで周った中国、香港、シンガポール、日本、インドネシアはとても楽しくて、全てが新鮮だったわ。今回新作のアルバムでまたツアーをして、新しい地に訪れることができることを楽しみにしているわ!

ーもしミュージシャンにならなかったとしたら、何をしていたと思いますか?

わからないわ。でも、私はビジネスが好きだから、たぶん音楽業界にはいるとは思うけど、他のアーティストや作品のプロデュースをしていたかもしれないわね。

ーもしバンド名を変えられるとしたら、どのような名前を付けますか?

“Tegan and Sara”しか思いつかないわ。今は他の名前なんて考えられないわね!


【イベント情報】

日程:2016/8/2(火)
会場:代官山UNIT
開場/開演 : 18:00/19:00
スタンディング:¥6,500(税込)
※入場時別途ドリンク代必要
※整理番号順の入場
※未就学児入場不可/枚数制限4枚

公演・チケット詳細はコチラから


【リリース情報】

tegan-and-sara

Tegan and Sara 『Love You To Death』
Label:Warner Music Japan
Cat.No.:WPCR-17393
Price:¥2,457 + Tax
Tracklist:
1. That Girl
2. Faint Of Heart
3. Boyfriend
4. Dying To Know
5. Stop Desire
6. White Knuckles
7. 100X
8. B/W/U
9. U-Turn
10. Hang On To The Night
11. Boyfriend (Shura Remix)(*Bonus Track)
12. Boyfriend (Gilligan Moss Remix) (*Bonus Track)


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