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Interview / Shiggy Jr.


「似たようなことはできるけど、本物の音にはなれない」――待望の1stアルバムをリリースしたShiggy Jr. 動画&テキスト・インタビュー

2016.10.30

3年前に「Saturday night to Sunday morning」を発見した時、それはそれはとてもセンセーショナルな出来事であった。当時のSpincoasterが紹介していたアーティストとはタイプの異なるバンドであったが、こんなにも可能性に満ちたアーティストを発見したこの興奮を書き留めずにはいられなかった。

“日本の良質な女性ボーカルポップミュージックの良さを詰め込み、高いクオリティで突き抜けるほどのポップスを鳴らす。そんなバンドです。” “このバンドは潔いほど、ど真ん中のストレート。”

その時、Shiggy Jr.についてそう説明したが、3年間でその印象は一度もブレることなくShiggy Jr.としての王道ポップ・ミュージックを日本中で拡大させつつある。

そして、この度バンドとして待望の1stフル・アルバムとなる、『ALL ABOUT POP』を10月26日にリリースした彼ら。本作にはタイトル通りShiggy Jr.の描くど真ん中のポップ・ミュージックが様々な色彩を帯びて詰め込まれている。
メジャー・シーンに飛び込み、バンドとして順調にステップアップを重ねているようにも見えるが、果たしてShiggy Jr.は今、一体何を思いどんな景色を見ているのだろうか。

今回は特別企画としてSpincoaster Music Barにて動画インタビューを実施した。テキストでは動画でカットした内容も含まれているので、ぜひとも2つ合わせて楽しんで欲しい。

Interview by Kohei Nojima
Photo by Takazumi Hosaka

https://youtu.be/72pliP2NX9M


—Spincoasterでは2年前に対談企画などを行いましたが、メンバー全員のインタビューは実は初めてですよね。

池田:え、あれ2年前ですか!?

諸石:やばいな。時間の進み早っ。

■関連記事:アーティスト対談 Jess(give me wallets) × 原田茂幸(Shiggy Jr.)

■関連記事:アーティスト対談 池田智子(Shiggy Jr.) × 仮谷せいら

—本当に早いですよね(笑)。では、まずはShiggy Jr.初のフル・アルバムおめでとうございます。実際にこの『ALL ABOUT POP』というアルバムはどういったアルバムになったと言えるでしょうか?

池田:えっと、今回はバンド初のフル・アルバムということで、本当に気合が入ってる一枚で。デビューしてからの1年半くらいずっと制作をしていたというのもあって、シングルも全部入っていますし、新曲もいっぱいある本当に濃ゆい作品になっています。『ALL ABOUT POP』というタイトルの通り、ポップにまつわることは全部やったっていう感じで。ジャンルもアレンジもすごく色々なことに挑戦していて。ディスコっぽいものダンス・ミュージックっぽいもの、R&B、バラードもあるし、純ポップスみたいなものもあったりとか。あとはアコースティックっぽいものからバンド・サウンド、打ち込みとか、本当に色々なことをやったので、Shiggy Jr.がやりたかったことはこういうことなんだよって。「POPであれば、色々なことをやりたいんだよ」っていうのがギュッと表現しきれた、本当に最高傑作……です!

—なるほど。今おっしゃったように、メジャー・デビューが2015年の6月。それから待望のデビュー・フル・アルバムとなる本作のリリースまで、およそ1年半という長い期間がかかりましたが、そこまでかかった経緯を教えて頂けますか?

原田:何だろう……結構色々なことがあって。そもそもはもっと早く出す予定だったんですけど、シングルの出すタイミングであったりとか、そういうスケジュールの問題もありつつ、1年半かかってしまったっていう感じですかね。

—本作はiTunes Storeのみのボーナス・トラックも含めると14曲収録となっていますが、実際にはこの1年半で茂幸くんはめちゃくちゃたくさんの曲を書いたそうですね。

原田:そうですね。結局ちゃんと曲になってないものもいっぱいあるので、ちょっと確かな数はわからないんですけど、ファイルで数えたら今650とか(笑)。「LISTEN TO THE MUSIC」の一番初めのVer.は240番だったので、単純計算だとそこから400くらいってことになりますね。

—茂幸くんは結構〆切がないと作れないタイプだと以前言っていましたよね。

原田:そうなんですよね。だからメジャー・デビューしてからは結構大変なこともあって。色々な作り方を求められることもあったし、「メロディだけ作ってきてよ」とか。僕はそもそもそういうことはあまりやりたくないっていうのもあって。あとは……単純に時間がないのって大変ですよね(笑)。そういう環境下で何曲も作らなきゃいけないっていうこともあって。そういう大変さがありましたね。曲作り以外にももちろんライブとかもあって。

—そういう茂幸くんを見ていて、他のメンバーはどうでした?

諸石:色々な注文とかリクエストを直接受けるのはシゲなんで、率直に「大変そうだな……」って思いましたね。しかもすごいストイックなやつなんで、一個一個全部真面目にやるから。

池田:めっちゃ大変そうだったよね。本当に全部実現しようとするんですよ。

原田:とりあえず一回はやるっていう(笑)。

池田:だからみんな応援団みたいになってたもんね(笑)。「頑張れ〜」って(笑)。いかに茂幸くんのテンションを上げるか、みたいな。

—実際この1年半ほどの期間、製作のためにはどのような音楽を聴いてきましたか?

原田:Apple Musicとかで『〇〇年ヒッツ』みたいなのを調べて聴いてましたね。この年代はこういうのが流行ってて、みたいな。そういうのを60年代から順を追って聴いていきましたね。あとは前から聴いてたK-Popも好きで、今もずっと聴いてますね。

—他のメンバーはバンドの中でのアウトプットっていう意味ではどのような音楽を聴いてきましたか?

:なんだろうな……僕は引き続きずっと黒い音楽をひたすら漁ってますね。それこそD’Angeloみたいなやつをずっと。あとはヒップホップとかも聴いてましたね。ここ2〜3年はずっと自分の中でそういうのがブームなので。

諸石:おれは自分のルーツになる音楽みたいなものを最近ずっと聴いてて。MetalicaとかNirvanaとか、忌野清志郎さんとかさだまさしさんとか。懐メロからメタルまで。そういうのを改めておさらいしてましたね。

—それは一体どうして?

諸石:なんでなんすかね?(笑) なんか久しぶりにNirvanaを聴いたら止まらなくなっちゃって。そっから「昔は何を聴いてたかな」って辿っていったんですよね。今聴くと、音色のこととかが昔よりもわかるようになったっていうのもあって、「意外とローがないな」とか、違った感想を抱くようになって。それがおもしろかったですね。

池田:私は次何をレコーディングするかっていうのに左右される感じで。例えば茂幸くんがR&Bっぽい曲を作ってきてくれた時は、なるべくそういうものを聴くようにしたり。あんまり洋楽詳しくないんですけど、そういうのにも手を出してみたり。

—ボーカリストとして勉強のために。

池田:そうですね。なのでなるべく色々なジャンルの音楽を聴いて、歌い方が偏らないようにっていうのは意識していました。

—今作の収録曲はどのようにして選曲し、曲順を決めていったのでしょうか?

原田:曲順は完全に自分たちだけで決めさせてもらったんですけど、「サマータイムラブ」が一番最初に来るってのは自然に決まって。やっぱりデビュー曲だし、みたいなのがあって。あとはDJ的な感覚で、どういう流れで聴いたら楽しいかなっていう感じで決めていきましたね。

池田:あとは結構色々なジャンルの曲があるので、そのギャップっていうのを楽しんでもらえるような曲順にしようかっていうのは意識していて。

—結構ライブでのセットリストと繋がる部分もあるのかなと思いました。

池田:あ〜でもそうかもしれないです! アルバムの曲順でライブやってもいいかもしれない(笑)。

原田:あ〜いいね、やりたいね。アルバム完全再現ライブ(笑)。

—今作のジャケットは2ndミニ・アルバム『LISTEN TO THE MUSIC』のジャケットを手掛けた江口寿史さんと再びタッグを組みましたが、これは一体どういう経緯で?

原田:これは元々江口さんに頼もうと思っていて。

池田:インディーズで『LISTEN TO THE MUSIC』のイラストを書いてもらった時に、「いつかメジャーからアルバムを出すことになったら必ずお願いします」って言っていて。で、このアルバムのリリースが決まったタイミングで先生に会いに行って「お願いします!」って。

—本作にはアレンジに松井寛さんというレジェンドのような方が参加していますが、その松井さんとの作業で何か発見や学びはありましたか?

原田:あ〜もう、すごい……変な人でした(笑)。

池田:まず打ち合わせの段階で、スーパーの袋ひとつでいらっしゃって、その中に財布とか入れてて……初めからメンバー全員衝撃を受けました(笑)。

原田:変わってるよね〜。それで「で、どうするの〜? 何がしたいの〜?」って感じで(笑)。

池田:そうそう……(笑)。でも、やっぱりすごかったよね。

原田:うん、すごかった。これまで一緒にお仕事した中でも群を抜いてすごかったですね。あの、やっぱり完全に「音楽家だな」っていう。

池田:茂幸くんの懐きっぷりがすごかったよね。相性がすごくよかったみたいで(笑)。

原田:だって色々教えてくれるんだもん(笑)。音の積み方とかも、聴こえないんだけど鳴ってる音のこととか……。あとはグルーヴとかリズムとかも独特で、完全に玄人の世界でしたね。

—グルーヴとかリズムっていう部分では、リズム隊の諸石くんや森くんはいかがですか?

:レコーディングは打ち込みだったんですけど、ライブの練習とかするときは異常に難しかったですね。今までの自分の引き出しにはないものだったんですけど、それを弾かないとやっぱりあのグルーヴは出ないんですよね。しかもシンセ・ベースなんですよ。なので、本当に地獄のトレーニングでした(笑)。

原田:松井さんに譜面もらって「ちゃんとやってね」って言われてたよね(笑)。

:全くベースの譜面がわからなくて、松井さんに「すいません、ベースの譜面を作ってもらえますか?」って頼んだら「いーよー」って送ってきてくれて。でも「僕に譜面作らせたんだからちゃんと弾いてね〜」って飄々とした感じで言われて(笑)。逆にめっちゃハードルが上がる、みたいな(笑)。
なので、今は特訓中です。音作りの面も含めて。

諸石:松井さんは音作りもすごいよね。キックの音とか5個くらい重ねてる部分とかもあって。「キックで面を作る」みたいなこと言ってて。「I like it」とかをラージスピーカーで聴いた時の、迫ってくる感じとかがすごいんですよ。低音の迫力というか。ライブでその迫力を伝えられるように、今はただただ努力するしかないっていう(笑)。

—茂幸くんはメジャー・デビューする前からagehaspringsへの憧れを語っていましたが、メジャー・デビューして実際に一緒に仕事しましたよね。その感想はどうでしたか?

原田:やっぱり何でもそうなんですけど、その道のプロがいるなって思いました。すごい色々な編曲家の人と一緒にお仕事させてもらって、結構……覚えました。編曲の技というか、「あの人とやったらこういう感じになるだろうな」とか、「あの人が手掛けた曲にはこういう隠しの音が入ってるからこう聴こえるんだな」とか。そういうことが少しずつわかってきて。

—アレンジは他人にお願いするのも結構好きだとおっしゃっていましたよね。

原田:そうですね。もし本当に〇〇風みたいな、ひとつのジャンルに寄せた楽曲が作りたいのであれば、やっぱりその道の人に頼んだほうが最終的によくなる。というか、求めていた「それ」になるっていう。

—将来的いは自分もそうなりたいという願望はありますか? 他のミュージシャンから「こういう曲だったら茂幸くんに頼もう」ってなるような。

原田:いや、僕はどちらかというと興味がバラバラに散っちゃってる人なので、編曲とかするととっ散らかってしまうと思います(笑)。

—今回はインディ時代の楽曲も収録されていますよね。例えば「HOME」なんてSoundCloudにUPされていたVer.も僕はDLしてもっているんですけど。

原田:すげー(笑)。あの時のはどんな感じでしたっけ……?

—なんというか、あの時の頃のはもっと素朴というかシンプルなアレンジだったんですけど、今回のアルバムに収録されたVer.はもっと華やかですよね。池田さんのボーカルもより力強くなり。

原田:あれは一から作り直したんだっけ。アレンジは松井さんいお願いしてるので、それが大きいと思うんですけど、あとは単純に僕らが年齢を重ねているっていうところが大きいと思います。

池田:そうですね。SoundCloudとかに音源をUPしていた時代は、歌うことで精一杯で。表現の細かさとかよりも声をしっかり出すとか、そういったことに意識がいっていたと思うんです。でも、やっぱりライブとかリリースを重ねていくことで、自分なりに表現したいことも出てきたし、プリプロで編曲家の釣俊輔さんと「どういう風に歌うべきか」っていう話もしていて。「HOME」に関してはサビが結構音程高めなんですけど、声を張るっていうよりはもうちょっと優しく歌ったほうがオケに馴染むんじゃないかって。だから、曲の主人公と一緒に自分たちもいい感じに歳を取ったのかなって思いますね。

—今回は「LISTEN TO THE MUSIC (ALL ABOUT POP ver.)」もタイトル通りアルバムVer.として新たに生まれ変わっていますよね。

原田:そうですね。これも完成形というよりかは、”今の” 「LISTEN TO THE MUSIC」っていう感じで。やっぱり当時やれたことと今やれることが違うっていうのもあるし、自分のPC内のソフト・シンセの数も変わったし、機材も増えて。あとは色々な編曲家の人と一緒に仕事してきた中で、「今の自分がこの曲を編曲するとこうなるかな」っていうのを意識して作りました。あの時の曲自体はあまり変えずに、自分の今出せる音で、一番いい状態で作れたらっていう感じでできたのが今回のVer.ですね。簡単にいうと「派手に」したかったんですけど、実際どっちが派手になってるかっていうのは、たぶん聴いてくれた人が判断することだと思うんですけど。あとはきっちりと各楽器の配置をキッチリとしたかったっていう気持ちはありましたね。

—今作のタイトルにもある通り、Shiggy Jr.は一貫として”POPであること”にこだわり続けてきましたが、逆にその”POPであること”が足枷になったことなどはありますか?

原田:あ〜。単純に、対バンとかで苦労することってない?

諸石:そうだね、わかる。あまりハマる人がいないんですよね。色々な界隈やシーンはあるけど、ポップ・シーンとかってないもんね。

池田:なんかジャンルが違うからおもしろい、みたいなハマり方はあるんですけど、同世代で同じようなことをしている人っていうのがわりと少ない気はしていて。

原田:ポップであることを突き詰めていくと、圧倒的に売れている人になっちゃうんだよね。東京ドームくらいのレベルだったり(笑)。

—11月からスタートする”ALL ABOUT POP Release Tour 「“対バン”スかこれ。 vol.2」”もかなり異色な組み合わせが多いですよね。

:誰とやっても異色って言われるっていうのはありますね。バッチリハマってるっていうことがあまりない(笑)。

—逆に対バンしやすくもあるのかなって思いますけどね。

諸石:そうなんですよね。どういうアーティストとやってもぶつからないというか、競合しないというか。

—Shiggy Jr.はインディ時代の早いタイミングから色々なレーベルやマネージメント会社からお声がかかっていたと思うのですが、しばらくはDIYな精神を貫いていましたよね。そういった経験は今、どのように活きていると思いますか?

池田:そうですね。すごい役立ってます。あれをやっていなかったらわからなかったことっていうのがいっぱいあったなって思って。もちろんメジャーに入ってから新たにわかること、知ることっていうのもいっぱいあったんですけど、でも、あのインディ時代のDIYな活動がなかったら、もっと何もわからなかった気がしていて。

—グッズは今も諸石くんが手掛けているんですよね?

諸石:今はデザインとかの詳細は事務所の人も加わって5人で相談して進めてます。でも、確かに自分たちでやってた経験があるからこそわかる部分もありますね。よく聞いちゃいますもん「Tシャツ、原価いくらですか?」って(笑)。あと、もう自分の車では運んでないです(笑)。

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—では、メジャー・デビューという大きなステップを超え、1年半ほど活動してきた中で、メンバーそれぞれの変化などはどのように感じていますか?

池田:なんだろう……。森さんはどう?

:森さんはね……まぁ基本的に自分たちはあまり変わってないと思っていて。ただ、周りの環境が大きく変わってきたっていう。その中で、メジャーのスピード感みたいなものがわかったっていうのがあって。最初は何もわからず、どんどんパッパッパって決まっていってしまうことに、乗れていなかった時もちょろっとあったと思うんですけど、最近は決断の速度や仕方がわかってきて。他人に任せるところと、自分たちでシッカリ決めるところの線引がわかりつつあるっていう気がします。ただ、やりたいこととか、根本的な部分は変わっていないと思います。

原田:そうですね。基本的にはこれまでやり続けてきたことも、今後やりたいと思っていることも変わっていないと思うんですけど、なんだろう……。単純にメジャーでやっていくなかで、大きな会社の人たちと一緒にやっていくっていうのは「こういうことか」っていうのがわかったというか。システムの中で自分たちのやりたいことを貫き通すことの難しさとかを理解したというか。

池田:私はボーカルとして……まだまだ多くの人に聴いてもらいたいって思ってますけど、インディの頃よりもさらに名前と顔を出してより広いところへ向けて歌うっていうことが必要になってきたので、ボーカルとして、フロントマンとして、っていうことをインディの時以上にすごい考えるようになって。そこが変わったところかなって。

諸石:メジャーに入ってから、すごいアーティストさんやバンドさんたちと共演する機会が増えて。2年前と比べると格段に耳がよくなったなって思いますね。他人のライブを観た時も、「あ、リズムがよれた」とか、そういうことが前よりも気づくようになって。あとは自分にとっての「いい音」っていうのがわかるようになった。「この音源はこの音域がすごい出てて、気持ちよく聴こえる」とか。なので、逆に自分が叩いたドラムを聴いたときにも、そのリズムのよれとかがわかるようになって。だから……本当にたくさんの音楽に触れられたことが変わったことかなって。感覚が鋭くなったような気がします。

—メンバーみなさんまだまだ「Shiggy Jr.はこんなもんじゃない」って思ってると思うのですが、これからの課題などを挙げるとしたらどんなところでしょうか?

原田:なんだろう……タレント性?(笑) テレビとか慣れないもんね。

諸石:小慣れ感がないよね。すげー緊張するし。

池田:でも、課題はその時その時で個人でもあるし、バンドでもあるんですけど、やっぱりまだまだわたしたちのことを知ってもらいたい……よね。そのためには何ができるんだろうっていうことをずっと考えてます。あと、個人的にはやっぱり圧倒的な歌唱力とか欲しいですけど、でもきっとそれはいつまで経っても満たされないだろうし……。

原田:ディーヴァね(笑)。

—メンバー4人だけでそういった話をすることは?

:めちゃくちゃありますね。呑みに行ったときとかも大体最終的にはそういう話になります(笑)。

—最後に、話は全然変わってしまうのですが、今年Spotifyが日本に入ってきて、Apple MusicにもShiggy Jr.の曲がありますよね。そういったサブスクリプション・サービスについて、どう思いますか?

原田:そういう話をしますか(笑)。

:非常に難しい話ですよね(笑)。

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—そういう話をメンバー間でしたことはありますか?

池田:この前したよね。

原田:うん。……まぁどっちがいいかっていうのはまだわからないことですけどね。どうなんだろう。多くの人に聴いてもらうっていう意味では出したほうがいいんでしょうけど、CDが売れてくれた方がもちろんいいなっていう思いますし。でも、そういうサブスクリプション・サービスで聴いて、それがキッカケでライブに来てくれたりするんであればそれは全然成立しますし。

池田:すごい難しい……よね。私たちもまだわからないところが多くて。たぶんみんなそうだと思うんですけど。

原田:結局時代の流れに逆らっても仕方ない、っていう思いもあったりしますけどね。

諸石:結局ユーザーとして使うとめちゃくちゃ便利なんだよね。

:そうそうそう。だから、なんとも言えないよね。

諸石:便利だけど……微妙な感覚というか(笑)。

池田:作った時の気持ちを考えちゃうとね。それこそ1年半とかかかったけど、あの日々が今やワンクリックで、みたいな(笑)。
でも、それで今まで知らなかった人にも聴いてもらえるかも、っていう思いもあるし。私は難しいことはわからないんですけど、それでちゃんとお金がまわるようになればいいんじゃないかなって。例えば直接じゃなくても、ライブの動員が増えるとか……そういう音楽やってる人が苦しくならないような仕組みになればいいなって。そうならないといけないなって。

原田:そうなったら一番いいよね。スタジオもドンドン潰れてるいくもんね。

池田:こないだ音楽を作ってる人で、音楽を違法でダウンロードして聴いてるっていう話をしている人がいて。でもそれはやっぱりダメだなって。自分も作ってるから、どれだけの思いで音楽を作ってるのかっていうのがわかるはずなのに。もちろん音楽を作ってない人でもダメなんですけど。他人が作ったものには必ず敬意を払うべきだし、モラルじゃないですけど、そういう気持ちを忘れないようにしないといけないなって。

原田:どういう形でもいいんだけどね。

池田:そうそう。大きく見て、ちゃんとお金とかが回っていればいいなって思います。今の自分たちではまだ何かを世の中に働きかけるとか、まだその段階ではないと思うんですけど、今後大きくなれたら、そういうところとかも貢献できるようになりたいなって。

原田:いい音で録るためにはお金が必要で、そのいい音で録ることがかなり難しくなってきてるんじゃないかって思うんですよね。まぁ「いい音ってなんだ?」っていう話になってしまうんですけど。全部デジタルでやろうとすれば今はできるじゃないですか。そっちの方が全然安上がりだし。でも、メジャーになって思ったのは、生音のものとかは特にそうなんですけど、しっかりとしたコンソール卓とかアナログの機材を通した時か、そこのエンジニアさんの力を借りた時とか、90年代とかのあの感じの音というか、プロフェッショナルな音を理解すると、これはお金がないとできないことだなって思うんです。似たようなことはできるんですけど、そういう本物の音にはなれないなーって。

池田:やっぱりそういうのがなくならないでほしいよね。いい音を知らない人ばっかりの世界にならないでほしいというか。特に作る人がそういう気持ちをなくさないでほしいっていうのは思います。

原田:そう。結局MP3になるとはいえ、なんだよね。その質感みたいなものが必ず出るから。

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—では最後に、アルバムをリリースした後、対バン・ツアーとワンマンが控えていますが、これはそれぞれどのようなライブになりそうでしょうか?

諸石:対バン・ツアーは本当にバリエーションが多くて。バンもん!(バンドじゃないもん!)さんとか、南波志帆さん、ココロオークション、アカシック、ポタリ、Awesome City Clubみたいな。バンドだったりアイドルだったりするんですけど、各地でそれぞれシギーと対バン相手との化学反応を楽しんでほしくて。その時にしか観れないものを絶対に出そうと思っているし、今回はアルバムのリリース・ツアーなんで、もちろんアルバム収録曲をたくさんやる。各地でセトリも変えていこうかなって考えてるくらい、かなり気合を入れて作り込んでいこうと思っているので、是非遊びに来て下さい!って感じです。
あと、ワンマンはちょっとおもしろい仕掛けを用意していて。まぁそれは実際観て欲しいなっていう感じなんですけど、音楽好きだったら唸るような演出を今考えていて。……詳細話せないから難しいよね(笑)。
インディーズの頃はもちろん自分たちでライブも作っていたんですけど、最近は演出家の方に入ってもらって、相談しながらやっているので、昔のいなたい感じよりももうちょっとエンターテイメントなワンマンができるかなと思います。

池田:でも、派手な演出がどうとか、すごい映像がバーンとか。そういうことよりも、今自分たちができる演奏とか、そういう土台になる部分で、どれくらいやれるのかっていうのを今回のツアーでは大事にしていて。アルバムの曲ももちろん全部いい曲だし、そういう地力の部分で、ガッとみんなの心を動かしたいっていう思いがあります。

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【リリース情報】

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Shiggy Jr. 1st Album 『ALL ABOUT POP』 【初回盤】(CD+DVD)
Release Date:2016.10.26 (Wed)
Cat.NO.:UMCK-9866
Price:¥3,685 + Tax

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Shiggy Jr. 1st Album 『ALL ABOUT POP』 【通常盤】(CD)
Release Date:2016.10.26 (Wed)
Cat.NO.:UMCK-1555
Price:¥2,593 + Tax

Tracklist: *初回盤・通常盤共通
01.サマータイムラブ
02.恋したらベイベー
03.ホットチリソース
04.I like it
05.dynamite
06.GHOST PARTY
07.HOME
08.手紙
09.スタート
10.keep on raining
11.Beautiful Life
12.groove tonight
13.LISTEN TO THE MUSIC (ALL ABOUT POP ver.)
14.Beautiful Life – DJ Fumiya (RIP SLYME) Remix

※M14はiTunes Storeバンドル購入のみのボーナス・トラック

[初回限定盤DVD収録内容]
・Shiggy Jr. presents「”対バン”スかこれ。vol.1 @恵比寿LIQUIDROOM」LIVE映像
01.恋したらベイベー
02.oyasumi
03.dance floor
04.day trip
05.keep on raining
06.サマータイムラブ
07.LISTEN TO THE MUSIC
08.Saturday night to Sunday morning (with Negicco)
09.TOWN
・Documentary of Shiggy Jr.


【イベント情報】

“ALL ABOUT POP Release Tour「”対バン”スかこれ。vol.2」”

■金沢・vanvan V4
10月27日(木)
OPEN 18:30 / START 19:00
GUEST:Awesome City Club

チケット料金:前売¥3,500(税込・1ドリンク代別)
*オールスタンディング・整理番号付
*未就学児入場不可

チケット一般発売日:10月2日(日)
e+
ローソンチケット TEL:0570-084-005
(Lコード:53487)
チケットぴあ TEL:0570-02-9999
(Pコード:304-480)
Yahoo!チケット
(問)キョードー北陸チケットセンター
025-245-5100

■仙台・MACANA
11月2日(水)
OPEN 18:30 / START 19:00
GUEST:バンドじゃないもん!、アンテナ

チケット料金:前売¥3,500(税込・1ドリンク代別)
*オールスタンディング・整理番号付
*未就学児入場不可

チケット一般発売日:10月2日(日)
e+
ローソンチケット TEL:0570-084-002
(Lコード:22205)
チケットぴあ TEL:0570-02-9999
(Pコード:302-904)
Yahoo!チケット
MACANA店頭販売
(問)ノースロードミュージック
022-256-1000

■札幌・cube garden
11月5日(土)
OPEN 18:00 / START 18:30
GUEST:アカシック、まこみな

チケット料金:前売¥3,500(税込・1ドリンク代別)
*オールスタンディング・整理番号付
*未就学児入場不可

チケット一般発売日:10月2日(日)
e+
ローソンチケット TEL:0570-084-001
(Lコード:12160)
チケットぴあ TEL:0570-02-9999
(Pコード:304-385)
Yahoo!チケット
(問)マウントアライブ
011-623-5555

■名古屋・ell.FITS ALL
11月9日(水)
OPEN 18:30 / START 19:00
GUEST:ココロオークション、ポタリ

チケット料金:前売¥3,500(税込・1ドリンク代別)
*オールスタンディング・整理番号付
*未就学児入場不可

チケット一般発売日:10月2日(日)
TANK! The WEB
ダイレクトセンター TEL:052-320-9000
e+
ローソンチケット TEL:0570-084-004
(Lコード:45102)
チケットぴあ TEL:0570-02-9999
(Pコード:305-127)
Yahoo!チケット
(問)サンデーフォークプロモーション
052-320-9100

■高松・MONSTER
11月10日(木)
OPEN 18:30 / START 19:00
GUEST:Awesome City Club、ココロオークション

チケット料金:前売¥3,500(税込・1ドリンク代別)
*オールスタンディング・整理番号付
*未就学児入場不可

チケット一般発売日:10月2日(日)
e+
ローソンチケット TEL:0570-084-006
(Lコード:63377)
チケットぴあ TEL:0570-02-9999
(Pコード:303-109)
d-ticket
Yahoo!チケット
(問)DUKE・高松
087-822-2520

■福岡・DRUM SON
11月12日(土)
OPEN 18:00 / START 18:30
GUEST:南波志帆

チケット料金:前売¥3,500(税込・1ドリンク代別)
*オールスタンディング・整理番号付
*未就学児入場不可

チケット一般発売日:10月2日(日)
e+
ローソンチケット TEL:0570-084-008
(Lコード:84502)
チケットぴあ TEL:0570-02-9999
(Pコード:305-222)
Yahoo!チケット
(問)キョードー西日本
092-714-0159

“ALL ABOUT POP Release Tour「”ワンマン”スかこれ。~東阪編~」”

■大阪・心斎橋BIGCAT
11月24日(木)
OPEN 18:00 / START 19:00

チケット料金:前売¥3,800(税込・1ドリンク代別)
*オールスタンディング・整理番号付
*未就学児入場不可

チケット一般発売日:10月23日(日)
e+
ローソンチケット TEL:0570-084-005
(Lコード:51498)
チケットぴあ TEL:0570-02-9999
(Pコード:304-028)
CNプレイガイド TEL:0570-08-9999
Yahoo!チケット
(問)キョードーインフォメーション
0570-200-888

■東京・六本木EX THEATER
11月27日(日)
OPEN 17:00 / START 18:00

チケット料金:前売¥3,800(税込・1ドリンク代別)
*1Fスタンディング・整理番号付
*未就学児入場不可

チケット一般発売日:10月23日(日)
e+
ローソンチケット TEL:0570-084-003
(Lコード:72102)
チケットぴあ TEL:0570-02-9999
(Pコード:304-223)
Yahoo!チケット
(問)ディスクガレージ
050-5533-0888


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