INTERVIEW

KRASH

Riva Starr、The Aston Shuffleを招聘し、ローンチ・パーティを開催するクルー・KRASHとは? その正体、狙いを探る

〈Snatch! Records〉や〈Brock Wild〉のオーナーとしても知られるイタリア、ナポリ出身のプロデューサー/DJのRiva Starrがゲストとして出演し、同じくオーストラリアのハウス・シーンを代表する存在、The Aston Shuffleが初来日を飾るイベントが3月16日(金)に渋谷club asiaにて開催される。

本イベントは今年2月に結成がアナウンスされたクルー・KRASHのローンチ・パーティ。同クルーは、それぞれが東京・渋谷を中心にDJ、オーガナイザーとして活動していた5人が、ひとつの志の元に集結したというもの。

これまでにも多数の海外アーティストを招聘している〈SUSHI RECORDS〉の協力の下、同パーティには海外アクト以外にも、日本人DJ/プロデューサーながら〈Ministry of Sound〉、〈Mad Decent〉、〈NIGHT BASS〉などのビッグ・レーベルからのリリースを重ねるJAXX DA FISHWORKS。
近年では国内だけでなく世界中の多様な大型フェスへも出演を果たすTJO。そして渋谷WOMBの人気BASSパーティ“N_U_O”のレジデントとして活動しながら、昨年末のSkrillex来日公演でのサポート・アクトも務めたSHOHOと、盟友TSUYUKIによるユニット、SHOHO × TSUYUKI from N_U_Oら、メンバー5人と親交の厚いDJ陣が多数出演。5人の新たな門出に花を添えてくれることが決定している。

この豪華ラインナップが顔を揃えるイベントの主役であるKRASHとは一体何者なのか。果たしてどのようなこと目的に結成された集団なのか。その正体を探るべく、今回はメンバー全員にインタビューを敢行。東京のクラブ・シーンのリアルをお届けする。

Text by Spincoaster
Photo by AI TERADA

[L→R:KAZUYA TANIMOTOAkitoSHINYA NAKAMURARickey!Hi Sai]


――まずは一人ずつ自己紹介をしていただけますか?

SHINYA NAKAMURA(以下、SHINYA):KRASHの言い出しっぺのSHINYA NAKAMURAです。DJとしてはtech house、deep house、disco house、indie danceを中心にかけることが多いです。
また元々、オールミックスの現場で活動していたので、最近はかけることも少なくなりましたが、EDM全般からPOPSまで、現場ごとに何でも幅広くプレイします。
DJとしての活動以外にも、渋谷のWOMBやVISIONなどで、お店や制作会社から1フロアを任せて頂き、オーガナイザーとして活動することも多いです。
KRASHメンバーのHi SaiとFetuses(フィータース)というユニットも組んでいて、最近はそのユニットでの活動も活発にしています。

Rickey!:Rickey!です!産まれはロンドンです。主にかけるジャンルはelectronic、house、hiphop、vogueで、パーティや場の雰囲気に応じてはマイクでお客を煽ったりもします。
元々ラウンジ・パーティやシックな箱でプレイする機会が多くて、今は六本木ヒルズにあるtuskや日本橋のXEXで毎月レギュラーで回しています。たまにVISIONやWOMBにも出演しています。
今、制作も力を入れてまして、今年中にはリリースも含めて形にできたらとも思ってます!

Hi Sai:Hi Sai(ハイサイ)です。Techno,TechHouse,MinimalTech,TribalTechなどが好きで、よく現場で流したりしています。また、KRASHメンバーのSHINYA NAKAMURAと「Fetuses」というユニットとしても活動しています。
最近はDJとしての活動だけでなく、少しずつですが曲作りにも力を注いでいます。

KAZUYA TANIMOTO(以下:KAZUYA):KAZUYA TANIMOTOです。House,Tech House,Tribal,Groove Houseを軸にプレイしていて、WOMBやVISION等のイベントに出演することが多いです。
DJとしての活動以外にも、パーティのフロアオーガナイズや小箱での主催イベントを打ったりと、オーガナイザーとしての活動も行なっています。

Akito:Akitoです。DJのジャンルはHouse、Disco House、Bass Houseを軸にやっていて、WOMB、VISIONなど渋谷でのパーティを中心に出演してます。
また、デイ/ナイト関わらず様々なパーティやイベントのPRも担当したりしています。

――では、KRASH結成の経緯をお聞きしてもよろしいでしょうか?

SHINYA:元々1年ぐらいはRickey!と2人でWOMBとかVISIONのパーティのフロア・オーガナイズをやったり、自分たち2人を看板にして、新しいパーティ“RioT Club”を立ち上げたりしていて。特に昨年は、常に何か新しいことにチャレンジしたくて、2人で毎日連絡取り合って、試行錯誤しながら必死にやってました(笑)。
そんな中、やりたいことや関わってくるパーティの規模感だったりがどんどん大きくなってきて、正直2人でやることに限界を感じてきたんです。それでクルーを組んで、しっかり役割分担しながらチームとしてやっていこうって話になりました。

Rickey!:そうそう! 当時は正直限界があった。パーティを打つごとに違うメンバーとやるから、上手くいったりいかなかったり。分かりやすい音のパーティやってみたり、今度は逆にドープなパーティやったり。この2人の間でも中々意見合わないことがありましたね(笑)。
それで、SHINYAから「クルー組んでやろうよ!」って話をされた時、正直最初は「2人でも方向決まらないのに、5人って大丈夫か?」って思ってたんです。
でも、それだけ難しい分、新しく産まれるアイデアや、自分にない考え方、センスと出会えたりもする。それぞれの役割やキャラがポジティブにおもしろく感じられて、今ではクルーを結成してよかったなって思ってます!

“RioT Club”初開催時のフライヤー

SHINYA、Rickey!のバースデイ・イベントの際の写真。普段からお世話になっている先輩TJO、Afromance、KICK OFFと

SHINYA:チームを組む上では「腹を割って対等な立場で意見を言える人」、「何かしら武器があってそれを活かして他のメンバーにはないものを補える人」。そのふたつを考えた上で、Hi Sai、KAZUYA、Akitoの3人に声をかけました。
Akitoは元々この業界も長いし、いろんなパーティの広報や協賛まわりを担当していたので、メディアに対する幅広い知識とライン、箱関係者への顔の広さがあるのが武器ですね。そこの部分強い人って、いるようで意外にいないんです。

Hi Saiは元々、僕とユニットとして活動してる中でも音の方向性やプレイで常に引っ張ってくれますし、メンバーいちディープでアングラな音が好きなので、クルーのスパイスになるって思ったんです(笑)。メンバー全員同じような音が好きなんじゃつまんないですからね(笑)。

KAZUYAに関しては、元々僕らとは全然別ラインでパーティのオーガナイズも経験してきてて、オーガナイザー側とブッキングされる演者側の気持ちがわかって行動できる部分と、選曲センスに魅力を感じて声をかけました。
どちら側の気持ちもわかるとやっぱりフラットに物事を考えて動けるし、僕、フラッシュ・アイデアだけで突っ走っちゃう時があるので、突っ走って暴走したら大人な対応で収めてくれるだろうなって思って(笑)。

――3人は結成の話を持ちかけられた時、どう思いましたか?

Akito:同世代のメンバーと新しい挑戦が出来るってことに、ワクワクしましたね。自分じゃ思いつかないことも、5人でなら生まれるのじゃないのかなと思って。ただ、声かけられた時はぶっちゃけ、「その誘い今さらかよ」って思いました(笑)。

Hi Sai:ハハハ(笑)。元々クラブのバーカウンターとかで集まってよく呑んでたメンバーだからね。イベント終わった後とかもそのまま潰れるまで呑み行ったりもしてたし、色々お互いの考えとかも話し合ったりしてたメンバーだし。ただ、しっかりとした名目上、クルーって形で結束することで、今までより密度の濃いパーティーができるって思ったのは確か。誘われた時は、素直に嬉しかったですよ(笑)。

昨年末の忘年会の様子。クラブ外でも集まることが多く、これからの活動に対して話し合う機会は多いという

KAZUYA:実は、4人と知り合ったのは結構最近で(笑)。元々全然別のラインで、それぞれが自分でパーティをオーガナイズしたり、DJしていたんですよね。
昨年の夏ぐらいに、最初にSHINYAに知り合って、色々と話をしてたら、今後の方向性ややりたいことが一致していたんです。今よりもっと大きな物を作りたい、やってみたいという気持ちがずっとあって。そこから一気に距離が縮まってった感じですかね。

――そろそろパーティの中身についてお話を伺っていければと思います。今回のローンチ・パーティには国内外合わせて5組ものスペシャル・ゲストの出演が決まっています。これはどういった経緯でオファーに至ったのでしょうか?

Hi Sai:クルー結成と同時にローンチ・パーティを開くというのは昨年結成の話が出た時から決まってはいたんです。ただ、話をなかなか具現化できずで……(笑)。
そんな時に、〈SUSHI RECORDS〉のJAXX DA FISHWORKSさんからRiva Starr来日の話を頂き、このチャンスをそのまま貰っちゃおうと(笑)。

Akito:そうだよね。元々、話自体は去年の11月ぐらいからずっとしてたんです。でも、5人集まるとやっぱり、やりたいことが色々ありすぎちゃって(笑)。
「さて、どうしたものか」ってなってた時にちょうどJAXXさんから話をもらったんだよね。そこから話がどんどん具体化してきて、気づいたらこんな豪華メンバーになってました(笑)。

Rickey!:1階ラウンジ・フロアにスペシャルゲストとして出演するTJOさんは、俺がこの業界に入るきっかけになったDJの師匠なんです。今回お祝いだからって特別に出演してくれることになって。メンバー全員お世話になってますし、出演が決まった時は5人で喜びましたね。それに今回TJOさんが出演してくれるのはメイン・フロアじゃなくて、1階のラウンジなんです。普通じゃ考えられないラインナップなので、この日は本当にヤバいと思いますよ。

SHINYA:外からみたら1階バー・ラウンジも2階フロアもサブ・フロアって見え方かもしれませんが、僕らはサブ・フロアひとつにしてもそのフロアだけで一晩しっかりやれるパーティにしようと思っていて。今回ブッキングしたDJ陣もそれだけの実力があるメンバーを揃えたつもりです。2階はBASS MUSIC縛りにしようと思ってて、フロア・ゲストとして出演するSHOHOとTSUYUKIはWOMBのBASS系パーティ“N_U_O”のレジデント陣。
僕は東京の若手DJでBASSやらせたら彼らが1番だろうって思ってます。元々TSUYUKIとは付き合いも長くて、腐れ縁みたいな所もあったので、お祝いしてもらいたくてお願いした部分もありますけどね(笑)。

――なるほど。他のフロアも同様に5人と馴染み深いDJ陣がブッキングされているのでしょうか?

Rickey!:はい。まずはメイン・フロアで、僕とセッションSETを行う三味線アーティストのTaichi Hikida。彼のプレイは最高で、初めて一緒にスタジオに入ってすぐにマッチしましたね。当日のコラボを是非楽しみにして欲しいです。
あと、2Fで出てくれるShisoも普段から仲良くて、海外のレーベルからもリリースしてたり。DJの選曲もカッコいいんですよね彼。

Rickey!:同じく2Fのshunsukeもカワイイ後輩です。選曲の幅も広いし、なによりパーティ番長なのでその辺も当日は期待してますね(笑)。
個人的には1Fラウンジ・フロアでデビューするMEGUMIもぜひ聴いて欲しいですね。緊張してると思うけど、houseの選曲のセンスがイケてるので。

SHINYA:shunsukeのパーティ感はヤバい(笑)。あと、パーティ感でいうとPizaBozz!!のdominoもヤバいね(笑)。ノリが完全に海外。そのくせPizaBozz!!はカッコいい曲作ったり、プレイもしっかり自分たちのカッコいいって思うラインを攻めてくるよね。

Akito:dominoはヤバいよね。パーティ外では意外と紳士なのに(笑)。今回、ブッキングで中心となって動いてたのはKAZUYAだよね?

KAZUYA:そうだね。僕はまず、今回メイン・フロアのオープン・アクトを務めてくれるEDM Banana中の人、BANANAさんにお声がけして。今回のパーティのゲストであるRiva Starrも大好きとのことで、ジャンル的にもピッタリだと思って出演をお願いしました。あとは、1Fラウンジ・フロアに出演するTAKUYA MAKOとSUETSUGU。2人ともこれまでも何度かブッキングしてるんですが、いつもフロアの空気を読んでいい感じのハウスをかけてくれるので、安心して任せられるなと思って。2階フロアのHacchiもBass系のイベントによく出演してて、頼りにしています!

――今回のパーティはどういったパーティになると思いますか?

Rickey!:貴重なRiva StarrのGigや初来日のThe Aston Shuffle。間違いなく業界内では1番注目される一夜になると思います。現時点で関係者やお客さんからの問い合わせも多いですし、シーンに爪痕を残すようなパーティにしたいですね。

Hi Sai:敢えてテーマを掲げるとしたら、“新旧HOUSE”の融合かな? Riva Starrの代表曲「The Wickedest Sound」は“ザ・テックハウス”って感じの曲。一方で、The Aston Shuffleは「Pass You By」を始め、リリースしている曲の多くがFuture Houseに括られる、旬の音を完全に抑えているアーティストで、本当にハズレ曲がないんですよ。
若い世代だけでなく、昔からクラブで遊んでいた先輩方の世代でも幅広く楽しめるパーティになるんじゃないかと思ってます。

――今回のパーティに遊びにきてくれる方へ、何かメッセージをお願いします。

Akito:KRASHの晴れ舞台、ぜひ遊びに来て頂けると嬉しいです。また、ここでセッション(出会い)が起きて、また何か新しく生まれて……っていう、いい連鎖が起きるといいですね。

KAZUYA:いつもお世話になっている方をはじめ、初めてお会いする方もたくさんいるかと思いますが。メインもセカンドも、ラウンジも、どのフロアも豪華なメンツなので飲んで踊って騒いでもらえればと。僕らも泥酔してると思います(笑)。

Hi Sai:豪華なゲスト出演者が多数出揃いますが、今回はKRASHのローンチ・パーティなので、僕らのプレイにもぜひ注目してほしいです(笑)。

――最後に今後のKRASHとしての目標をお聞かせ頂けますか?

Rickey!:今後は音楽の発信や新しいパーティの形を提示したり、イケてる国内外のアーティストの招致やコラボで、ゆくゆくはクラブ業界を飛び越えた活動もできればと。
僕らのクルー名・KRASHの元となった「Krush」という単語は、「破壊」っていう意味があって。僕ら5人をはじめ、僕らに関わってくれるみんなと一緒に、今までの型にはまった考えや概念を壊していこうって思ってるんです。これってクリエイティブな新しい物を生み出すにはすごい大切な部分だと思うんですよね。僕ら5人はそれぞれ、クラブ・シーンで悔しい想いや経験をたくさんしてきてるので、自由に、既成概念に囚われずに、伸び伸びやっていって、いつかは新しいひとつのムーブメントを起こせたらと思ってます。

SHINYA:そうだね。僕ら5人が軸となって、小さなことでもいいから、周りに対して何か新しいことを常に提案していきたい。今回のローンチ・パーティでの新しいことでいうと、メイン・フロアはDJブースをフロアに降ろしてプレイするんです。普段asiaのメイン・ステージって、客席から見て高い位置にあるじゃないですか。それじゃあ何かおもしろくないし、「他のパーティと一緒だよね」って話になったんで、「じゃあブースをフロアに降ろして、逆にステージに客席作っちゃおう」って(笑)。
僕らだけじゃなくてゲストのRiva StarrやThe Aston Shuffleもお客さんと同じ目線でプレイしてもらうんで、こんな近い距離で2アーティストが楽しめるパーティは他にはないと思いますし。それに、KRASHとしての音楽的な部分も全力で体感してほしいって思ったので、今回はVJやライティングなどは一切いれません。天井からのスポットライトのみでパーティをやります(笑)。
僕らのわがままにお付き合い頂いたお店スタッフさんたちや先輩方には、色々迷惑かけちゃって本当に申し訳ありませんっていう感じです(笑)。
でも、これって今まで派手なライティングやVJありきのパーティしか体験してこなかった人からすると、新しい発見の機会になると思うんです。もちろん、派手なライティングや映像演出を否定するつもりは一切なくて、あくまでも選択肢のひとつとして、新しい体験を提供できればという考えからの決断だということは誤解なく(笑)。
そうやって、少しでも他のパーティとの違いを出していけたらいいと思うし、それが新しい方法、スタイルへの提案に繋がっていって、最終的にはKRASHという大きな輪になっていくのが僕らの目標ですかね。


【イベント情報】

“KRASH LAUNCH PARTY feat.Riva Starr supported by SUSHI RECORDS”
日時:2018年3月16日(金) OPEN 22:30
会場:東京・渋谷 club aisa
料金:DOOR ¥3,500 / With Flyer ¥3,000 (各1D)
出演:
[Special Guest DJ]
Riva Starr
The Aston Shuffle (DJ SET)
JAXX DA FISHWORKS

[MAIN FLOOR // KRASH LAUNCH PARTY!!!]
Fetuses (SHINYA NAKAMURA × Hi Sai)
Rickey! × Taichi Hikida
KAZUYA TANIMOTO
Akito
Banana

[2F FLOOR // BASS ON KRASH!!!]
Special Guest DJ / SHOHO × TSUYUKI from N_U_O
SHISO
PizzaBozz!!
ONNY
shunsuke
YOPI
SHINO
Hacchi

[LOUNGE // HOUSE ON KRASH!!!]
Special Guest DJ / TJO
NOIZ
TAKUYA MAKO
CHRUMI
BEAT INTEGRA
SUETSUGU
flashlight
ASIL
MEGUMI

■イベント詳細:http://asia.iflyer.jp/venue/flyer/300040

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